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詩歌

  アイテム一覧
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手紙  親愛なる子供たちへ 今日は死ぬのにもってこいの日 生きる わたしたちの思い 失楽園 上   岩波文庫 赤 206-2 わたしがあなたを選びました 自由訳 良寛 神曲 地獄篇 (河出文庫 タ 2-1) 詩のこころを読む (岩波ジュニア新書) 失楽園 下    岩波文庫 赤 206-3 きのうは変えられる
手紙 親愛なる子供たちへ 今日は死ぬのにもってこいの日 生きる わたしたちの思い 失楽園 上 岩波文庫 赤 .. わたしがあなたを選びました 自由訳 良寛 神曲 地獄篇 (河出文庫 タ .. 詩のこころを読む (岩波ジュニ.. 失楽園 下  岩波文庫 赤.. きのうは変えられる

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手紙  親愛なる子供たちへ

[ 単行本 ]
手紙 親愛なる子供たちへ

・樋口 了一
【角川グループパブリッシング】
発売日: 2009-03-03
参考価格: 1,050 円(税込)
販売価格: 1,050 円(税込)
 Amazonポイント: 10 pt
( 一時的に在庫切れですが、商品が入荷次第配送します。配送予定日がわかり次第Eメールにてお知らせします。商品の代金は発送時に請求いたします。 )
中古価格: 1,377円〜
手紙  親愛なる子供たちへ
樋口 了一
カスタマー平均評価:  4
ノスタルジックに浸るだけでなく、優しい気持ちを取り戻せる、大人の絵本。
 作者不詳のポルトガル語の詩が、角智織の元に偶然届いたチェーンメールの中にあり、感銘を受けた角氏が詩を翻訳し、友人の樋口氏に見せたところ感銘を受けたため、曲の制作・発売に至った、というのがこの曲に関するエピソードで、そのポルトガル語の原詩と、日本語訳の歌詞が 風景写真と共に綴られた本書。  曲は物悲しく泣けそうで、本書もしかりですが、末尾の樋口氏と角氏の対談を読むと、人と人のつながりや優しい気持ちをもった曲としたくて、「それは決して悲しい事ではないんだ」と樋口氏が挿入したのだと分かります。  ちなみに樋口了一氏は、北海道の超人気TV番組『水曜どうでしょう』のテーマソング「1/6の夢旅人」を歌っていたシンガーソングライターです。

今日は死ぬのにもってこいの日

[ 単行本 ]
今日は死ぬのにもってこいの日

・フランク ハウエル ・ナンシー ウッド
【めるくまーる】
発売日: 1995-10
参考価格: 1,785 円(税込)
販売価格: 1,785 円(税込)
 Amazonポイント: 17 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 544円〜
今日は死ぬのにもってこいの日 ※一部大型商品を除く
フランク ハウエル
ナンシー ウッド
Nancy Wood
Frank Howell
カスタマー平均評価:  5
運命と努力と
生きていく上では「どうしようもない運命を受け入れること」と、「努力する」ことの二つが必要です。技術力がない場合は前者の、そして豊富な技術力があれば後者の姿勢が卓越します。本書に記されたアメリカインディアンの古老の語りは前者の立場をとっています。後者の立場をとる侵入者たち(白人)とどっちが正しいのかという問いはさておき、アメリカインディアンの古老たちの言葉に、しばし忘れていた大切なこと(技術では変えることのできない人間の宿命)を思いだすのも悪くはありません。
死生観を象徴したタイトル
タイトルで何を想像するだろう。生きる希望を失った人?それは全く反対で、この本に語られている人々はとても心の豊かな人ばかり。逆説的なタイトルに思えるが、逆説でもない。それはネイテイブ・アメリカン(インディアンではなくこう呼ぶべきだと思う)に独特な死生観からくるものだ。仏教の輪廻などにも通じるが、死を生の反対と考えるのではなく生の一部として考えているのではないだろうか。簡単な言葉で書かれているが、その意味を正確に理解するのは簡単なことではないと思う。文末には英語の原文も載っていて、内容は短いが、何度も読み返し、少しでも理解していきたい。
静かな時間
“詩を詠む”というのは、普通の文章を読むこととは違う。“詩”とは“詩(うた)”。音楽の様なもの。音楽は“理屈”で聴くものではない。思考を停め“感じる”もの。だから、ただ“感じて”いるときは心身は静かで、穏やか…。詩を詠むことは静かで良い。
人間はテクノロジーでは幸せにならない
 著者は白人女性、数十年以上交流を持つニューメキシコ、タオスにすむアメリカインデイアンの人生観、社会観、歴史観などを美しい散文詩にしたもの。英文も掲載されており平易だが奥の深い英語の勉強にもなる。すべての詩に癒しの力が宿っている。タイトルの詩は「死ぬ瞬間」すべてが調和し安らかで自然と融合した理想の姿を表現している。太陽や自然、大地に感謝し生き方を変えない先住民達と、彼らの祖先の土地や自然を破壊し奪った白人達の独善とが対比されている。新しいもの、便利なもの、テクノロジーや物欲、権力欲、支配欲に振り回され、根本的な人間性の喪失に気がつかない白人達をあざわらうようだがそれは現代日本人にも向けられたメッセージだろう。
一家に一冊?
表情豊かな彼らを描いた絵と共に、自然を愛し敬いながら暮らす中実感として生まれた気持ちが、数々の言葉によって伝わってきます。 どなたかおっしゃってましたが、ぱっと開いた頁を毎日一箇所読む、という方法も大変良いと思いますし、また、完読後、何度読み返しても飽きずに、その時々に新しい思考を与えてくれる言葉たちです。

生きる わたしたちの思い

[ 単行本 ]
生きる わたしたちの思い

・谷川 俊太郎 with friends
【角川SSコミュニケーションズ】
発売日: 2008-07-30
参考価格: 1,260 円(税込)
販売価格: 1,260 円(税込)
 Amazonポイント: 12 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 700円〜
生きる わたしたちの思い
谷川 俊太郎 with friends
カスタマー平均評価:  5
言葉が紡ぎだしたミラクルワールド
谷川俊太郎氏の傑作「生きる」の冒頭『生きているということ いま生きているということ』の後ろに、 mixiのコミュニティの参加者により1行から数行の短い言葉を繋げて出来た詩集。 読むまでは、正直、ちょっとシリアスな感じなのかなあ?と思っていましたが、 人に何かを伝えたい、そう願って溢れ出た言葉が、帯にもあるように、「泣きたくなるほど優しい」気持ちにさせてくれます。 うれしい、楽しい、苦しい、寂しい、切ないなど、さまざま気持ちをも包含する「生きるということ」。 作者らの心情も片隅に載せられているため、より心に深く響きました。 どんな状況でも、いま生きているということは素晴らしいこと、とシンプルに訴えかけてきます。 きっと、自分にぴったり当てはまる詩に出会えるはずです。
「生きる」ということ
 「生きる」   今、自分が普通に生活してて、仕事をして、友達や家族と話をしたり遊んだり、悩んだり・・・  そんな当たり前のような出来事が本当に幸せなことなんだと気付きました。  最近、簡単に人を平気で気づ付けたり、殺害したり・・・  自分勝手な理由で行動してしまう悲しいニュースが多くなってきました。     誰もがもっている心の不安や悩みを抱えながら、それでも笑顔で過ごしたい。  自分だけでない・・・  ひとりじゃない・・・   この本には、真っ直ぐに自分を見つめて、一歩一歩前へ歩き出している人たちのメッセー  ジが込められていました。     私も、これから、泣いたり、笑ったり、時には迷ったり、悩んだり。  人生、一筋縄で解決できないこともあると思います。  でも、それは「生きている」ということなんだと・・・思います。     この本を読みながら、優しい風が吹いたような・・・心があったかくなりました。
生きる
声に出して読みたくなる谷川俊太郎さんの「生きる」。 そしていろいろな人たちがいろいろな場面で紡ぎだした「生きる」。 一生懸命読んでいるはずなのにどこか上の空になってしまう。 それは読みながらも自分のことを考えずにはいられないから。 生きるって何? どうして今も生きている? どんな時に生きていると感じる? これからも生きていこうと思う? これからどうやって生きていく? どうやって生きて行きたい? 決して受け身では終われない本だと思います。 自分も参加せずにはいられなくなる本です。 そして大切な友人にプレゼントしたい一冊。
みんなの『いま』がここにある!
mixi発! mixi初! 1つのトピックが1冊の本になりました。 東の学生さんや 南のお母さん 西のサラリーマンに 北の夢みる少女 顔も知らない、声も聞かない、そんな私たちが 「生きる」というコトバの元に集いました。そこには様々な喜びや悲しみ、孤独と笑顔が詰まっています。 後半はトピ参加者7名と谷川俊太郎氏との座談会の模様が収録されています。私もその7人の一人として参加しました。非常に内容の濃い座談会でした。前半のそれぞれのコトバや写真と同じくらい充実しています。 どこから見ても イイ本!! だと思います。 私はP37?39にかけて、2作品と写真1枚採用されてます。 まずは、手にとって開いてみてください。そこには飛びっきり素敵な 『いつもの今』 があるはずです。 初めてなのに懐かしい そんなコトバたちを体にしみこませてくださいね!

失楽園 上   岩波文庫 赤 206-2

[ 文庫 ]
失楽園 上 岩波文庫 赤 206-2

・ミルトン
【岩波書店】
発売日: 1981-01
参考価格: 840 円(税込)
販売価格: 840 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 190円〜
失楽園 上   岩波文庫 赤 206-2
ミルトン
John Milton
カスタマー平均評価:  4.5
近代文学と聖書、現代文学と聖書――あるいは、芥川、太宰と町田――
 ミルトン『失楽園』を読み、近代・現代の作家三人に思いをはせた。  『失楽園』。本書は、ミルトンによる『聖書』翻訳である。少なくとも私は、そう読んだ。学生の頃、『聖書』を読んだつもりになっていたが、全然理解できていなかった。天上で起こった出来事、その似姿が地上で繰り返される、予徴論という概念を知り、『聖書』に対する知識が少し身についた。言われてみると、旧約における神(とその子イエス・キリスト)とサタンとの対立は、新約におけるイエス・キリストとユダとの対立に一脈通じているような気がする。引用は避けるが、サタンの神(とその子イエス・キリスト)への嫉妬の念は、太宰の短篇「駈込み訴え」に描かれた、ユダのイエス・キリストへの嫉妬の念を彷彿とさせるのである。  (柴田敏氏によりすでに指摘済みだが、)十字架につけられ、命を落としてから三日目に復活する、という挿話は、太宰「走れメロス」では、メロスが王のもとに戻るまでの猶予期間に、ノアの方舟の洪水のイメージは、太宰「惜別」における、「周さん」が目の当たりにした<文芸書の洪水>にメタモルフォーゼされる。  本書によって、天使というのは、男性だけである、という事実を知った。そこで私は思いついた。太宰治の小説「人間失格」のなかに、葉蔵が、女性のいないところに行きたい、と嘆く場面がある。女性のいないところとは、実は、天国なのではないか。葉蔵は、そして太宰は、天国に憧れていたのではないか、と。  偽善こそ神のみを除く誰の眼にも見えず、神の黙認によって天と地を横行闊歩する唯一の悪である(『失楽園 上』より)  イエス・キリストが地上で行われていた偽善を暴き、キリスト教を生み出したのは、やはり、彼が神の子に他ならなかったからなのだろう。私の好きな太宰もまた、偽善に対して戦いを挑んでいった作家だった。彼は、イミタティオのイエス・キリストになろうとしていたのである。彼はその一方で、自身にサタンを感じてもいた。    二つ名のある、といふのが日本の歌舞伎では悪党を形容する言葉になつているやうだが、サタンは、二つや三つどころではない。ディアボロス、べリアル、ベルゼブル、悪鬼の首、この世の君、この世の神、訴うる者、試むる者、悪しき者、人殺し、虚偽の父、亡す者、敵、古き蛇、等である。(太宰治の短篇小説「誰」より)  町田康さんの長篇小説「宿屋めぐり」、その主人公〈鋤名彦名〉は数々の偽名を用いている。彼はどうやら、サタンの末裔らしい。〈鋤名彦名〉。この名はどうやら、スクナビコナをもじったものらしい。しかし、それだけではない、と私は思いたい。  彼をあの園から他の所に追放し、彼がそこから取り出された、(中略)土を耕させることにしたいと思う。(『失楽園 下』より)  〈彼〉とはアダムのことである。ようするに、〈鋤名彦名〉は、楽園を追放されたアダムの末裔としてもあるのではないか。土を何で耕すか、といえば、それは〈鋤〉にすがるほかないからである。〈鋤〉をとり、土を耕す。それが、人類の救いの道として示されたことだった。よって、〈鋤名彦名〉という名には、救いを求める者、という含意があることが推察されるのである。「宿屋めぐり」は、町田さんが日本の神話とキリスト教とを自然に結びつけ、アウフヘーベンした見事な作品、と言えるだろう。  そのほか、こんなことも考えた。  伊藤一郎氏に、芥川の短篇「河童」において、老人として生まれ、年を経るごとに若返っていく河童に着目し、「河童」に〈寓話〉を見出した論文がある。伊藤氏は、この特殊な生をおくる河童には、〈母胎回帰〉のイメージが漂う、と述べている。そこで私は思うのだが、〈母胎〉とは必ずしも河童のそれではないのではないのか。芥川は太宰に先んじて『聖書』に強い関心を示した作家である。その彼ならば、人類のはじめの〈母胎〉としての〈塵・土〉を、〈母胎〉としてとらえていた可能性も、あるのではないか。神は土くれから、アダムを作り出したからである。芥川は「河童」という<寓話>の世界に、救いの道を託したのかもしれない。  附記。土を耕すのは、<鋤>ではなく、<鍬>らしい。とっちばれっこ。   
あらゆる意味でヨーロッパの古典なのですがー
“失楽園”は私にとって読みにくい作品でした。 聖書には簡潔に記されている天界の戦い、天地創造、アダムとイヴの楽園からの追放が叙事詩として書かれているのですが、上巻の大戦争などは、サタン以外の大天使たちは皆“造物主たるあのお方に逆らったお前が100%悪いのだから”と、完全に絶対正義の側にある、こちらが共感をよせられないロボット的性格で、そういう人物たちの繰り広げる戦争絵巻に私は興奮することが出来ません。 まったく痛みの伝わってこないハリウッドのCG大作を見ているような気がするのです。  この作品で感情移入出来るのはむしろサタンの方なので、これは筋金入りのクリスチャンが読んでも奇妙な齟齬を感じるのではないでしょうか? 他のレビュアーの方々も口をそろえて“一敗地にまみれたからといってそれどうだというのだ!?”というサタンの台詞に感動していますが、クリスチャンにとってサタンとは感動すべき存在なのでしょうかー? キリスト教の本でありながら、それと何の関係も無い古代ギリシャの神々の名が随分出てきますし、天界の大戦争もむしろギリシャ神話的で、この辺、なにか奇妙な分裂を感じさせます。 やっと佳境に入ってくるのは第9巻以降で、特にアダムとイブの罪のなすり付け合いなどはすごいです。 他にもキリスト教の本質にまつわるミルトン自身の熱い信念がかいま見られます。 ただし、そこに述べられている事(肉欲に溺れてはならないとか、神の摂理に逆らってはならない、など)は、キリスト教徒の専売特許ではないはずだと私は思います。   結局、古代ギリシャ世界、聖書の世界、すでに分裂してしまった近代人の心(サタンを前半の主役にしていることからしてもそれは明らかです)を全て含んだ、まさに正統派近代ヨーロッパ文学の古典なのですが、やはりキリスト教文学と世界文学(人種や宗教を超えて、あらゆる人間にアピールできる)の中間点にある作品なのでは?と私自身は感じました。 
日本語訳(というか研究)がすばらしい。天使と天使の力のぶつかり合いが一番おもしろかった。
非常に評価が高いのは、読んでみてわかるが、まず日本語訳がすばらしい。というか、ただの訳者ではなく、あきらかに研究者である。本の5分の1程度の頁が、訳注にあてられており、聖書との関連性をはじめ作者の意図を読み込んだ訳作りがありありとわかる。 僕は普段あまり難しい本は読まないのだけれど、この本については、少しのがんばり程度でよめる。なぜ「少しのがんばり」かというと、「詩」であるので、ものすごい技巧的な表現が多い。とても普段使わないような修飾語が多く、それをじっくり味わうつもりで読まなければ、この本の真価はわからない。 そういう意味で、自分がこの作品に5つ星をつけるのはあまりにおこがましいので、4つ星にさせていただいた。 この作品は、1600年台なので、もちろん聖書がかかれた年代から考えれば、その創世記に新たな息を吹き込んだその試みは、現代で聖書をとりあげるのとそんなにかわらないのではないか。特に面白かったのは、ミルトンはガリレオと交流があったようで、その影響か、アダムと天使の会話に、天体の話がでてくるところだ。天動説か地動説かはっきりとは書いていないけれど、要するに、神が設計した宇宙の神秘を、愚かにも人間が解き明かそうなどと考えず、神が人間に期待したように信仰にいきるのが大切だという主旨になっている。 また、上巻の善と悪の天使軍団の戦いは、日本語が超一流なので、まるで舞台か映画をみているようだ。天使が力と力でガチンコ勝負するなんていままで考えたこともなかった。漫画デビルマンの最期をつい思い起こしてしまう。というか、永井豪さん、絶対これ、よんでると思う。 もひとつ面白かったのは、アダムとイブが禁断の果実を食べた後、仲がよかった二人が、責任転嫁をし合うくだり。想像力豊かな聖書からの肉付けが楽しめる。
生きる勇気を与えてくれる
「一敗地に塗れたからといって、それがどうだというのだ?すべてが失われたわけではない」 そう喝破する盟主サタンに生きる勇気を与えて貰いました。 一敗地に塗れたら立ち上がるのさえままらないのに、完膚無きまで負けたサタンの何という雄々しさ! その反面反乱を悔やんだり人間に対し愛憎入り交じる想いを吐露するその姿には、万人が共感を覚えると思います。 作者ミルトンは目を病みしかも政権争いに巻き込まれ失墜したのに朗々と神の栄光を讃える本書は生涯のうちに一度は読んで欲しいと思っています。 人間の善性を信じるというのはこういうことなんでしょうね。 惜しむべきは、ミルトンがサタンとルシファーを同一人物(同一魔王?)と書いてしまったため後世に置いてまでこの2人が混同されいることです。
ヒロイックファンタジー。
初めて読んだ時は難しいのかな?と構えていましたが、文体が簡潔かつ美しく、スイスイと読み進められました。こんな読みやすい邦訳の古典は余りないと思います。 小難しく考えずに、男前堕天使サタン様の活躍を応援しつつファンタジー感覚で読んでみては? 因みにストーリーの面白さ、という点に置いては上巻が断然勝っています。 今後ますます認知度が高まるかもしれません。

わたしがあなたを選びました

[ 単行本 ]
わたしがあなたを選びました

・鮫島 浩二
【主婦の友社】
発売日: 2003-07-01
参考価格: 924 円(税込)
販売価格: 924 円(税込)
 Amazonポイント: 9 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 1円〜
わたしがあなたを選びました
鮫島 浩二
植野 ゆかり
カスタマー平均評価:  4
ありがとう(*^?^*)♪
コノ本!!*。?式場のプランナーさんに頂いたのですが。。。?。*ぃゃ2!!何回読んでも?。(p>∧<q)。??泣ける☆ほぉ?んとッ(ハート)優しい気持ちになれる1冊(^-^)子供を☆授かってカラでも*。?コレカラいずれ授かる人にも*?。優しい気持ちになれる1冊デス(*^∀^*)
友人にプレゼントされました
私もこの本が絶賛されていて、 どんなに良い本なんだろうと 購入して読んだ時、とてもショックでした・・・。 「選んでうまれてくる」という表現は 授かった人にとってはいい言葉なんだろうけど、 不妊で悩んでいる時に聞くと「ぐさっ」と胸に刺さりますね・・・
泣けました
今妊娠6ヶ月です。 雑誌に紹介されていたのと、他の方のレビューを見て買いました。 本当に良い本か半信半疑でしたが、読みながら涙が止まりませんでした。 以後読むたびに泣いています。お腹の中にいる自分の子供がとても愛おしく思いました。 自分を選んで来てくれたんだ! これからも度々読んでいきたいと思います。
ありがとぅ
妻へ対しての愛情お腹の子に対する愛情親へ生んでくれた感謝自分が親になる実感すべてを感じそして決意をさせてくれた妊娠中出産したばかりまだ予定はない人すべての人に読んでもらいたいそして、いろいろなものと向き合ってほしい
妊娠中より出産後の育児疲れのあたりで読む本では?
妊娠中からこの本を持っていましたが、突然生まれたばかりの子を亡くして自分を責めてしまっていた時期に読み返し、読む人によってこんなに残酷な内容になる本もないなと思いました。作者の意図がそこにない事はわかりますが、私は選ばれない親なんだとどれだけ涙を流したか分かりません。

自由訳 良寛

[ ハードカバー ]
自由訳 良寛

・新井 満(あらい まん)
【世界文化社】
発売日: 2009-01-21
参考価格: 1,260 円(税込)
販売価格: 1,260 円(税込)
 Amazonポイント: 12 pt
( 在庫あり。 )
自由訳 良寛
新井 満(あらい まん)
カスタマー平均評価:  5
風のように、水のように生きた良寛
 人が真の幸福に到ろうとするとき、車の両輪のように大切なことが二つある。 「我の放下」いわば(引き算)によって【心の平安】が得られること=宗教的生活 「我の昇華」いわば(足し算)によって【生きる喜び】が得られること=芸術的生活  一言で言えば、「ただわりを棄て、日々を楽しむ」これが良寛の生き方であり、良寛の世界なのだ。「うらを見せ表を見せて散るもみじ」死期をさとった良寛がつぶやくように言った。 良寛辞世の句と言われるものは「散る桜残る桜も散る桜」生きること死ぬことに、じたばたしない、こだわらない…そのような良寛の死生観がよく表れている。  風のように、  水のように生きたい。  そう、良寛のように…   

神曲 地獄篇 (河出文庫 タ 2-1)

[ 文庫 ]
神曲 地獄篇 (河出文庫 タ 2-1)

・ダンテ
【河出書房新社】
発売日: 2008-11-04
参考価格: 998 円(税込)
販売価格: 998 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 800円〜
神曲 地獄篇 (河出文庫 タ 2-1)
ダンテ
カスタマー平均評価:  5
通読できる訳
 山川・寿岳両氏それぞれの、ダンテへの畏敬の念に満ちた訳業には感銘を覚えるが、いかんせん通読は難しい。  「神曲」は当時の平明な言葉で書かれているそうだから、訳文も現代語がふさわしい。  平川氏の訳文は、実に読みやすく、この「喜劇」(ダンテがつけた原題)の、変化に富んだ面白さを十分に味わうことができる。  ヴェルギリウスの、力強く男性的な台詞がとても魅力的だ。  ダンテは自らの師を、同性愛者という理由から地獄の住人としながらも、なお威厳を失わない存在として描いている。その精神の自由さ。  
平川氏の訳注には学識の深みが感じられます。
西洋版一大地獄絵巻です。悲惨を通り越して笑えます。でも34の地獄のあらゆるヴァリエーションが繰り返し繰り返し、語られますので、途中かなり飽きてきます。キリスト教の教理と中世のローマ史が分かればなおわくわくする楽しい地獄の旅になることでしょう。コメディーということですので、ダンテの諧謔趣味がモロ出です。グロですが、でもダンテは至ってマジです。なんかよく分かりません、はっきり言って日本人、とくに仏教徒には。けれどもその想像の構築力というのは舌を巻かざるを得ません。とにかくこの神曲、ダンテの自我というか復讐というか偏執的なまでに言語的表現を尽くしていく精神の強靭さは他を寄せ付けません。次の煉獄編、続く天国編が楽しみでもあり、苦痛でもあり(笑)、SとMのめくるめく陶酔が待っているのかも?
イスラム文学のダンテ『神曲』への影響
河出世界文学全集に所収されていた現代語による平川氏の翻訳はすごくありがたかった。より入手しやすくなったのは大歓迎だ。 高村薫の推理小説『照柿(上) (講談社文庫)』の冒頭に掲げられていたのも平川訳だ(「 人生の道半ばで 正道を踏み外した私が 目をさました時は暗い森の中にいた」あるいは高村版では「人生の道半ばにして正道を踏み外したわたくしは目が覚めると暗い森の中にいた」、、平川氏は推敲しているので版によって違う)。 http://iruka55y12.blog5.fc2.com/blog-entry-2.html さて、ダンテの『神曲』はイスラム教を侮辱していると言われているが(地獄篇28歌参照)、アヴェロエス(イブン・ルシュド)にも言及しているし(地獄篇5歌)、実際はイスラムの凖聖典ハディースのマホメット昇天後の夜の旅、アル・ミーラージュ(Al-Miraj)からの影響があるという(『現代アラブ文学選』創樹社p306)。 アシン・パラシオスという学者が1919年に著作で発表した説(英語版は以下、Islam and the Divine Comedy)らしいが、その指摘された影響源であるハディースには、ムハンマドの昇天、すなわち「夜の旅」は以下のように描写されている。 私の精神が上昇したとき、私は天国につれていかれた。私は天国の門の前に置かれた。天使ガブリエルが門のところにいたので、私は中に入れてくれるようたのんだ。ガブリエルはこう答えた。「私は神の召使にすぎない。汝、もし門が開かれることを欲するならば、神に祈れ」。そこで、私は祈った。すると神がこういわれた。「私は、最愛の者たちにだけしか門を開かないであろう。汝と汝にしたがう者は、私の最も 愛する者たちである」。 参考: 「スーフィー・イスラムの神秘階梯」ラレ・バフティヤルー著、竹下政孝訳平凡社 http://www2.dokidoki.ne.jp/racket/sufi-kig.html http://webcatplus-equal.nii.ac.jp/libportal/DocDetail?hdn_if_lang=jpn&txt_docid=NCID:BA50160964 イブン=アラビーなどを参照するとさらにはっきりするが、これは『神曲』のコンセプトそのままであり、サイードの『オリエンタリズム〈上〉 (平凡社ライブラリー)』などでは指摘されていないが、重要な指摘だと思う(日本では楠村雅子の研究がネット公開されているくらいだが)。 また、ヘーゲルなども遵奉するトリアーデは新プラトン派経由だが、むろんその前にアラブ系の学者たちの研究があるのは歴史的事実だ。 とはいえ、そしてこうした政治的な論争を超越してかつ世俗的(=身体的)なものとして『神曲』はここに屹立している。 ダンテが当時のイタリア語の口語で書いた脚韻を踏んだラップのような詩は、最高級のロールプレイングゲーム(イタリア語と英語ではウェブでいいサイトがあるが、ドレーの挿し絵とともにニンテンドーDSかPSPにできないか?)として現代語で読むのが今日、より相応しいと思う。
日本人にとっての「神曲」とは?
 「地獄篇」34歌、そのそれぞれの歌の冒頭部分に訳者の平川先生が内容紹介を載せているが、これが実にありがたい。日本人ならここだけを読んでも「神曲? 読んだ、読んだ、地獄篇全部読んだ」と言い切っていいと思う。キリスト教世界に生活していない我々にとっては、内容のすべてを理解する事など、さらさら無理な話である。    ギュスラーブ・ドレのおどろおどろしい挿絵もなかなかいい。 地獄は、洋の東西を問わずいずれにもあるようだが、「地獄はダンテのフィクションだ」と平川先生が解説でわざわざコメントしているのはご愛嬌。    平川先生も古典落語のネタを引用して解説している箇所もあるが、「神曲・地獄篇」は、上方落語の「地獄百景亡者の戯れ」に合い通じるところもあり、なかなか面白い。    キリスト教世界にあっては、屈指の大傑作という事になっているが、イスラム教世界にあってはまさに「悪魔の書」である。その間のいきさつも含めた平川氏の「解説」が振るっている。    氏は、『イスラム教の始祖を地獄の底に堕とし、イスラム寺院を下地獄の悪の城に見立てている「神曲」を世界文学の最高峰と呼び続けることは、はたして賢明なことだろうか。』と言っているが、日本人読者としてまさに民主的な考え方であり、このように考えながら読むことが「神曲」の真摯な読み方・正しい読み方ではないだろうか。 
ダンテが平明で美しい日本語に
1966年に『神曲』を翻訳し、その後も改稿を続けた平川氏の訳業が文庫で読めるようになった。『神曲』は何と言っても「地獄篇」がリアルで面白い。地獄巡りをするダンテが衝撃のあまり「気を失い、どうと倒れた」(p74)りするからだ。「肉欲の罪」で地獄を引き回される美貌の女性フランチェスカ・ダ・リミニが、切々とダンテに訴える有名な第5歌を、既訳と比べてみよう。「いちはやく雅心(みやびごころ)をとらふる恋は、美しきわが身によりて彼を捉えき、かくてわれこの身を奪はる、そのさまおもふだにくるし 恋しき人に恋せしめではやまざる恋は、彼の慕はしきによりていと強く我をとらえき」(山川丙三郎訳 岩波文庫p39)。「やさしい心を忽ちに焼きつくす恋のほむらは、今はわが身から取り去られた美しい容姿ゆえに、このひとの心を捕えた。そのさま、思いかえすも苦しい。恋しいひとを、ただひたすら恋いずにおれぬ恋のほむらは、そのひとをいとおしむ烈しい喜びに私をくるみ」(寿岳文章訳 集英社文庫p68)。「愛は、優しい心にはたちまち燃えあがるものですが、彼も私の美しい肢体(からだ)ゆえに愛の擒(とりこ)となりました。その身をなきものにされた仕打ち、私いまも口惜しゅうございます。愛された以上愛し返すのが愛の定め、彼が好きでもう我慢のできぬほど愛は私をとらえ」(本訳p72)。どうです、平川訳は流暢で美しい日本語でしょう。

詩のこころを読む (岩波ジュニア新書)

[ 新書 ]
詩のこころを読む (岩波ジュニア新書)

・茨木 のり子
【岩波書店】
発売日: 1979-01
参考価格: 819 円(税込)
販売価格: 819 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 73円〜
詩のこころを読む (岩波ジュニア新書)
茨木 のり子
カスタマー平均評価:  5
本書を読めば、詩を読んでより広く、深く反応するヒントをもらえる
冒頭著者は「詩は人のこころを解き放ってくれる力がある」と書いている。 本書を読めば、この一文の意味することに納得する。 音楽や詩を鑑賞するというのは、きまった手順や方法があって、こうしなけれ ばならないなどといったことはなく、自由に感じるままに反応すればよいのだ けれど、本書を読めば、詩を読んでより広く、深く反応するヒントをもらえる。 ジュニア新書ということで中学生くらいを対象に書かれたものであろうけど、 大人の世界にはなかなかこういうすばらし本は見あたらないので、大人もぜひ 一度手に取ってみて頂きたいと思います。
ずっと手元に置いておきたい本です
ジュニア用に出版された本ではありますが、詩についてかなり深く 書かれており、内容はとても充実しています。 最初から丁寧に読まずとも、何気なくパラっと開いたページの詩を読んでも、 心に残る詩がとても多く、本のレベルの高さがわかりますね。 茨木さんの解説は読みやすく、ジュニアの方々にも理解しやすいでしょう。 平易に分かりやすく書く、というのは簡単そうで実は難しいことなのです。 茨木さんの愛情を感じる文章です。 私は個人的に、詩と呼べる詩が最近少なくなったように思っていました。 でも、この本の中には本当の詩があります。 読んでいるうちに、眠っていた詩心が揺り動かされるような感覚を 覚えました。
すばらしいのだと思います。
アマゾンの書評を読んで、購入しました。しばらく本棚にありましたが、たしかに一気に読む本ではありません。思い出したときにぱらぱらと詩をめくりゆっくり味わう時間(習慣)?がありませんでした。もしかしたら私がまだ人生経験が浅いか、感性が発達していないのかもしれません。老後などにじっくり読んだらきっと感動できるかもしれません。ただ、ジュニア文庫だからといって、簡単な内容ではないことは確かですし、内容のレベルが高いことも確かです。日本人の詩に興味がある方には、ぜひお勧めします。
小さな宝物のような本
 詩は仲介者なしに自分の心で読むもの味わうものという人が多い.しかし、感動するものに会えばそれを人に伝えたいように、好きな詩は人にも勧めたい.この本では、一流の詩人が、忘れがたい詩を詩人の感性と言葉で紹介してくれる.言葉の背景にある詩人の感動が、行間を通して読む者にも伝わってくる.ジュニア新書の中から偶然みつけたこの本は宝物のような本だった.この本が四半世紀以上も前に出版されて、60版を重ねて、いまも愛されているのがよくわかる.何でいままでこのような本があることすら知らなかったのだろうと後悔した.  著者である詩人は、詩を紹介する文がとてもすばらしい.私はご本人の詩に若い時から傾倒しているが、他の詩人や詩を紹介する著書も大好きだ.この本が好きな人には、「うたの心に生きた人々」もおすすめ.  なお日本の詩には「哀」に傑作が多く、「喜」や「楽」にもみるべきものがあるが、「怒」の部分が海外にくらべて非常に弱い(151頁)という著者のことばに、この詩人のめざすものが表れているような気がした.
詩・文学への優しい優しい招待状
これは良書です。 現代詩が50編ほど掲載されていて、それに茨木のり子氏がとっても優しい語り口で思うところを述べています。 「はじめに」を読むだけでも、茨木氏の詩への思いがあふれ出てくるように感じます。よ。私には。 それまで年に1冊本を読むかどうかだった大学1年の私が、この本をきっかけに芋づる式に本を読み出した、そういう本です。 「文学ってイイなぁ?」「芸術、ポッ(*σ_σ*)」と思い出したのです。 「食わずには生きてゆけない。」(『くらし』(石垣りん))とか、「生れるってな、つらいし/死ぬってな、みすぼらしいよ―/んだから、摑まえろよ/ちっとばかし 愛するってのを/その間にな。」(『助言』(ラングストン・ヒューズ 木島始 訳))とか、もうね、震えますよ。

失楽園 下    岩波文庫 赤 206-3

[ 文庫 ]
失楽園 下  岩波文庫 赤 206-3

・ミルトン
【岩波書店】
発売日: 1981-01
参考価格: 840 円(税込)
販売価格: 840 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 595円〜
失楽園 下    岩波文庫 赤 206-3
ミルトン
John Milton
カスタマー平均評価:  4.5
近代文学と聖書、現代文学と聖書――あるいは、芥川、太宰と町田――
 ミルトン『失楽園』を読み、近代・現代の作家三人に思いをはせた。  『失楽園』。本書は、ミルトンによる『聖書』翻訳である。少なくとも私は、そう読んだ。学生の頃、『聖書』を読んだつもりになっていたが、全然理解できていなかった。天上で起こった出来事、その似姿が地上で繰り返される、予徴論という概念を知り、『聖書』に対する知識が少し身についた。言われてみると、旧約における神(とその子イエス・キリスト)とサタンとの対立は、新約におけるイエス・キリストとユダとの対立に一脈通じているような気がする。引用は避けるが、サタンの神(とその子イエス・キリスト)への嫉妬の念は、太宰の短篇「駈込み訴え」に描かれた、ユダのイエス・キリストへの嫉妬の念を彷彿とさせるのである。  (柴田敏氏によりすでに指摘済みだが、)十字架につけられ、命を落としてから三日目に復活する、という挿話は、太宰「走れメロス」では、メロスが王のもとに戻るまでの猶予期間に、ノアの方舟の洪水のイメージは、太宰「惜別」における、「周さん」が目の当たりにした<文芸書の洪水>にメタモルフォーゼされる。  本書によって、天使というのは、男性だけである、という事実を知った。そこで私は思いついた。太宰治の小説「人間失格」のなかに、葉蔵が、女性のいないところに行きたい、と嘆く場面がある。女性のいないところとは、実は、天国なのではないか。葉蔵は、そして太宰は、天国に憧れていたのではないか、と。  偽善こそ神のみを除く誰の眼にも見えず、神の黙認によって天と地を横行闊歩する唯一の悪である(『失楽園 上』より)  イエス・キリストが地上で行われていた偽善を暴き、キリスト教を生み出したのは、やはり、彼が神の子に他ならなかったからなのだろう。私の好きな太宰もまた、偽善に対して戦いを挑んでいった作家だった。彼は、イミタティオのイエス・キリストになろうとしていたのである。彼はその一方で、自身にサタンを感じてもいた。    二つ名のある、といふのが日本の歌舞伎では悪党を形容する言葉になつているやうだが、サタンは、二つや三つどころではない。ディアボロス、べリアル、ベルゼブル、悪鬼の首、この世の君、この世の神、訴うる者、試むる者、悪しき者、人殺し、虚偽の父、亡す者、敵、古き蛇、等である。(太宰治の短篇小説「誰」より)  町田康さんの長篇小説「宿屋めぐり」、その主人公〈鋤名彦名〉は数々の偽名を用いている。彼はどうやら、サタンの末裔らしい。〈鋤名彦名〉。この名はどうやら、スクナビコナをもじったものらしい。しかし、それだけではない、と私は思いたい。  彼をあの園から他の所に追放し、彼がそこから取り出された、(中略)土を耕させることにしたいと思う。(『失楽園 下』より)  〈彼〉とはアダムのことである。ようするに、〈鋤名彦名〉は、楽園を追放されたアダムの末裔としてもあるのではないか。土を何で耕すか、といえば、それは〈鋤〉にすがるほかないからである。〈鋤〉をとり、土を耕す。それが、人類の救いの道として示されたことだった。よって、〈鋤名彦名〉という名には、救いを求める者、という含意があることが推察されるのである。「宿屋めぐり」は、町田さんが日本の神話とキリスト教とを自然に結びつけ、アウフヘーベンした見事な作品、と言えるだろう。  そのほか、こんなことも考えた。  伊藤一郎氏に、芥川の短篇「河童」において、老人として生まれ、年を経るごとに若返っていく河童に着目し、「河童」に〈寓話〉を見出した論文がある。伊藤氏は、この特殊な生をおくる河童には、〈母胎回帰〉のイメージが漂う、と述べている。そこで私は思うのだが、〈母胎〉とは必ずしも河童のそれではないのではないのか。芥川は太宰に先んじて『聖書』に強い関心を示した作家である。その彼ならば、人類のはじめの〈母胎〉としての〈塵・土〉を、〈母胎〉としてとらえていた可能性も、あるのではないか。神は土くれから、アダムを作り出したからである。芥川は「河童」という<寓話>の世界に、救いの道を託したのかもしれない。  附記。土を耕すのは、<鋤>ではなく、<鍬>らしい。とっちばれっこ。   
あらゆる意味でヨーロッパの古典なのですがー
“失楽園”は私にとって読みにくい作品でした。 聖書には簡潔に記されている天界の戦い、天地創造、アダムとイヴの楽園からの追放が叙事詩として書かれているのですが、上巻の大戦争などは、サタン以外の大天使たちは皆“造物主たるあのお方に逆らったお前が100%悪いのだから”と、完全に絶対正義の側にある、こちらが共感をよせられないロボット的性格で、そういう人物たちの繰り広げる戦争絵巻に私は興奮することが出来ません。 まったく痛みの伝わってこないハリウッドのCG大作を見ているような気がするのです。  この作品で感情移入出来るのはむしろサタンの方なので、これは筋金入りのクリスチャンが読んでも奇妙な齟齬を感じるのではないでしょうか? 他のレビュアーの方々も口をそろえて“一敗地にまみれたからといってそれどうだというのだ!?”というサタンの台詞に感動していますが、クリスチャンにとってサタンとは感動すべき存在なのでしょうかー? キリスト教の本でありながら、それと何の関係も無い古代ギリシャの神々の名が随分出てきますし、天界の大戦争もむしろギリシャ神話的で、この辺、なにか奇妙な分裂を感じさせます。 やっと佳境に入ってくるのは第9巻以降で、特にアダムとイブの罪のなすり付け合いなどはすごいです。 他にもキリスト教の本質にまつわるミルトン自身の熱い信念がかいま見られます。 ただし、そこに述べられている事(肉欲に溺れてはならないとか、神の摂理に逆らってはならない、など)は、キリスト教徒の専売特許ではないはずだと私は思います。   結局、古代ギリシャ世界、聖書の世界、すでに分裂してしまった近代人の心(サタンを前半の主役にしていることからしてもそれは明らかです)を全て含んだ、まさに正統派近代ヨーロッパ文学の古典なのですが、やはりキリスト教文学と世界文学(人種や宗教を超えて、あらゆる人間にアピールできる)の中間点にある作品なのでは?と私自身は感じました。 
日本語訳(というか研究)がすばらしい。天使と天使の力のぶつかり合いが一番おもしろかった。
非常に評価が高いのは、読んでみてわかるが、まず日本語訳がすばらしい。というか、ただの訳者ではなく、あきらかに研究者である。本の5分の1程度の頁が、訳注にあてられており、聖書との関連性をはじめ作者の意図を読み込んだ訳作りがありありとわかる。 僕は普段あまり難しい本は読まないのだけれど、この本については、少しのがんばり程度でよめる。なぜ「少しのがんばり」かというと、「詩」であるので、ものすごい技巧的な表現が多い。とても普段使わないような修飾語が多く、それをじっくり味わうつもりで読まなければ、この本の真価はわからない。 そういう意味で、自分がこの作品に5つ星をつけるのはあまりにおこがましいので、4つ星にさせていただいた。 この作品は、1600年台なので、もちろん聖書がかかれた年代から考えれば、その創世記に新たな息を吹き込んだその試みは、現代で聖書をとりあげるのとそんなにかわらないのではないか。特に面白かったのは、ミルトンはガリレオと交流があったようで、その影響か、アダムと天使の会話に、天体の話がでてくるところだ。天動説か地動説かはっきりとは書いていないけれど、要するに、神が設計した宇宙の神秘を、愚かにも人間が解き明かそうなどと考えず、神が人間に期待したように信仰にいきるのが大切だという主旨になっている。 また、上巻の善と悪の天使軍団の戦いは、日本語が超一流なので、まるで舞台か映画をみているようだ。天使が力と力でガチンコ勝負するなんていままで考えたこともなかった。漫画デビルマンの最期をつい思い起こしてしまう。というか、永井豪さん、絶対これ、よんでると思う。 もひとつ面白かったのは、アダムとイブが禁断の果実を食べた後、仲がよかった二人が、責任転嫁をし合うくだり。想像力豊かな聖書からの肉付けが楽しめる。
生きる勇気を与えてくれる
「一敗地に塗れたからといって、それがどうだというのだ?すべてが失われたわけではない」 そう喝破する盟主サタンに生きる勇気を与えて貰いました。 一敗地に塗れたら立ち上がるのさえままらないのに、完膚無きまで負けたサタンの何という雄々しさ! その反面反乱を悔やんだり人間に対し愛憎入り交じる想いを吐露するその姿には、万人が共感を覚えると思います。 作者ミルトンは目を病みしかも政権争いに巻き込まれ失墜したのに朗々と神の栄光を讃える本書は生涯のうちに一度は読んで欲しいと思っています。 人間の善性を信じるというのはこういうことなんでしょうね。 惜しむべきは、ミルトンがサタンとルシファーを同一人物(同一魔王?)と書いてしまったため後世に置いてまでこの2人が混同されいることです。
ヒロイックファンタジー。
初めて読んだ時は難しいのかな?と構えていましたが、文体が簡潔かつ美しく、スイスイと読み進められました。こんな読みやすい邦訳の古典は余りないと思います。 小難しく考えずに、男前堕天使サタン様の活躍を応援しつつファンタジー感覚で読んでみては? 因みにストーリーの面白さ、という点に置いては上巻が断然勝っています。 今後ますます認知度が高まるかもしれません。

きのうは変えられる

[ 単行本(ソフトカバー) ]
きのうは変えられる

・野崎 美夫
【PHP研究所】
発売日: 2009-01-27
参考価格: 1,155 円(税込)
販売価格: 1,155 円(税込)
 Amazonポイント: 11 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 770円〜
きのうは変えられる
野崎 美夫
カスタマー平均評価:  4.5
これから
知人に薦められて読んでみました。 これから社会に出て行こうとしているひとや、 就職したばかりのひとにおすすめです。 見方、考え方の良いヒントを知れる内容だと思います。
ちょっとした時間に
ふとした時や、仕事の合間、少しずつ読めるのがいい。 よし、がんばるぞ。というまえに1ページランダムに読んでます。
勇気がでてくる一冊
やさしく厳しい言葉の数々が心地いいです。 誰かに言ってもらいたかった言葉が たくさん詰まっていて、 この本が私の人生の指導書の1つになりそうです。 働く事に、人間関係に、生きる事に、 いろんな事につまづいた時、開けば、 自分の生きる道を再確認できると思います。 「詩」という表現に、構えることなく 案外すんなりと入れる、新しい本です。
元気をもらいました。
最近落ち込んでて 何もする気になれませんでした。 でも、なんとなく読み始めたら どんどん読みたくなって。 すこし元気をもらいました。
こころのエネルギー
「大きなやかんは沸くのに時間がかかるから」からの愛読者です。 ページページが短編で構成されているのが本が苦手な私でも読みやすかったですね。 へこんだ時も、がんばっている時も、いつもエネルギーをもらっています。

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 更新日 2009年5月10日(日)  ※ 表示価格は更新時のものです!      メール      相互リンク

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