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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

  アイテム一覧
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天使と悪魔 (上) (角川文庫) 天使と悪魔 (下) (角川文庫) 天使と悪魔 (中) (角川文庫) パラドックス13 告白 さよなら、愛しい人 名探偵の掟 (講談社文庫) 黒衣の女王 グイン・サーガ126 そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) 重力ピエロ (新潮文庫)
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天使と悪魔 (上) (角川文庫)

[ 文庫 ]
天使と悪魔 (上) (角川文庫)

・ダン・ブラウン
【角川書店】
発売日: 2006-06-08
参考価格: 620 円(税込)
販売価格: 620 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 288円〜
天使と悪魔 (上) (角川文庫)
ダン・ブラウン
カスタマー平均評価:  4.5
映画->原作がオススメ
映画の試写会にお呼ばれしてきましたよ。 「ダ・ヴィンチ」より、前作に当たるこちらの方が、映像向きだろうとは予感していましたが、その通り。 ローマの街中を疾走し、敵の妨害を乗り越え、ついにたどり着く真相。 エンディングも「ダ・ヴィンチ」に比べると、きちんとケリをつけているので、スッキリ感がありますね。 映画->原作とたどる方が、どちらも楽しめてお得かと(どうしても映像化、2時間枠で割愛されるディテールは出ますから)
ヴァチカンを散歩しているような・・
ヴァチカンを散歩しているような小説だと思いました。映画化されることを 前提として書いた小説だと思いました。 私はヴァチカンに行ったことがないのですが、地図や建物をインターネットで 検索しながら読んだので、ヴァチカンについて、かなりわかったような気分です。 宗教について書いた小説ではないのですが、宗教、ヴァチカンをこんなにコケに して大丈夫なのかなと思いました。宗教をエンターテインメントに利用したと いう感じです。日本人だからキリスト教の権威について何も感じない人が多い のでしょうが、たとえば、外国人が天皇についてコケにした小説を書いたら、 日本人がどう思うか、ということですよ。 原始基督教、ヴァチカンと来たら、次はないですね。次ぎは宗教と離れて、 ローマ帝国ですかね。
遅れて読んだ第一弾
私的には『ダ・ヴィンチ・コード』はやや失笑気味でしたが、この第1弾も、遅れて 映画化するようで、『ダ・ヴィンチ・コード』に続き事前に読んでみました。 本作はガリレオ関連(いわば、ガリレオ・コード)。 最初は『ダ・ヴィンチ・コード』のように未知の世界にグイグイ引き込まれました! ですが、途中の謎解きではダ・ヴィンチ同様に、展開の飛躍が目についてしまって だんだん話に乗れなくなってきました。 なので、二転三転する結末にも、やや傍観者のような目線で読んでしまいました。 ただし、「科学と宗教」というテーマは考えるところが多いです。 ここはこの作品の大きな骨格として好きなところでした。 情景や設定のさらっとした説明もダン・ブラウン氏ならではの上手さがありました。 この作品の評価は何を期待して読むのかで分かれると思います。 私的にはリアルにうまく騙してくれるミステリーを期待して読んだので最後だけは★3つ。 第3弾は今から期待しています。
あり得ない・・
ダビンチコードの方が面白かった。 西洋史やキリスト教史に少しでも興味があれば 「本当にそういうことがあったかもなあ」と思わされた。 昔々の話をたぐるストーリーなので、整合性さえあれば、 楽しめるエンターテインメントになっていた。 迫真性があった。描写も細密だった。 ところがこちらは、あり得ない話だらけ。 いろんな点で「あり得ない」のだが、 一番あり得ないのは主人公がヘリコプターから落ちても生きて、 平気で活動を再開するところ。 次にあり得ないのはいわゆる「反物質爆弾」が完成していること。 ほかにも目的の理解できない「伏線」らしきものがちらほら見られる。 出版社の「ダビンチコードを読んだ人の多くが、 天使と悪魔の方が面白いといっています」という宣伝に 私はだまされました。
映画じゃ無理無理
ダヴィンチコードもそうだったけどダンブラウン作品は知的エンターテインメント作品だから映画だとせいぜい知的な部分はビジュアルでしか見せられず、そうするとどうも本の半分くらいは抜けてしまう。やっぱり映画よりも本に向いている作品だと思う 日本で発売になった初版本をハードカバーで購入して読んだが、この時さらにある事情で本作品は映画化は無理だろうと思った。しかし、今はCG全盛期なんでもありだとは思うが… とにかく本で読んでみてください

天使と悪魔 (下) (角川文庫)

[ 文庫 ]
天使と悪魔 (下) (角川文庫)

・ダン・ブラウン
【角川書店】
発売日: 2006-06-08
参考価格: 620 円(税込)
販売価格: 620 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 580円〜
天使と悪魔 (下) (角川文庫)
ダン・ブラウン
カスタマー平均評価:  4
遅れて読んだ第一弾
私的には『ダ・ヴィンチ・コード』はやや失笑気味でしたが、この第1弾も、遅れて 映画化するようで、『ダ・ヴィンチ・コード』に続き事前に読んでみました。 本作はガリレオ関連(いわば、ガリレオ・コード)。 最初は『ダ・ヴィンチ・コード』のように未知の世界にグイグイ引き込まれました! ですが、途中の謎解きではダ・ヴィンチ同様に、展開の飛躍が目についてしまって だんだん話に乗れなくなってきました。 なので、二転三転する結末にも、やや傍観者のような目線で読んでしまいました。 ただし、「科学と宗教」というテーマは考えるところが多いです。 ここはこの作品の大きな骨格として好きなところでした。 情景や設定のさらっとした説明もダン・ブラウン氏ならではの上手さがありました。 この作品の評価は何を期待して読むのかで分かれると思います。 私的にはリアルにうまく騙してくれるミステリーを期待して読んだので最後だけは★3つ。 第3弾は今から期待しています。
いかにもアメリカ娯楽
"宗教 vs 科学"という構図がしっくりこないのでストーリーが身近に感じられないし、コンクラーベに"全世界"の人が注目しているというニュアンスの文章はいかにもキリスト教的な考え方で興ざめでした。それでも最近では信仰心が薄れている現状もしっかり表現している部分は好感をもてます。 謎を解きながらロマンス&ピンチ&アクションでもっていく方法は大作ハリウッド映画にあるとおりの単純さでスラスラ読めます。全部で3冊もあるけど字がでかいし行間もあるので情報量は1冊分くらいに感じました。 ラストのドタバタはこのシリーズの特徴?意外性を求めてすぎてこれまで我慢していたありえない度が限界超えました。ミステリ小説だと思わせておいて結局インディ・ジョーンズかよっ!みたいな。荘厳なイメージ先行だけれどおきまりの流れでテンションダウンです。 かなり批判的に書いてしまったんですが『ダヴィンチ・コード』も読んでいるし基本は嫌いじゃないんです。彫刻や教会の歴史に関してはさらっとマニアックな事まで説明されてて面白い。総合すると暇つぶし程度に気合いれず読むのがよろしい本です。
科学と宗教と倫理
反物質は見つかるのか、イルミナティは目的を達成するのか、ヴァチカンの運命やいかに! 下巻の後半は、イルミナティの真の目的と、首謀者が語られます。 科学と、宗教をテーマにしたサスペンス・ミステリーですが、 この作品の中で語られた中でいちばん感銘を受けたのは、 登場人物が「科学の発見の中には、その発見をどう利用するかという倫理が含まれていない」ということを熱く語るシーンですね。 科学と倫理、深いテーマだなぁと思います。
目に見えるよう
私もダ・ヴィンチ・コードを先に読みました。断っ然こっちのが面白いです!夜中の3時まで6時間夢中で読みましたが、この長さ。さすがに読みきれませんでした。次の日めでたく完読。まず、ダ・ヴィンチ・コードは舞台が、古城とか教会とか、何だか似たような感じのとこばかりで、後半はとばし気味に読んじゃいました。こちらは舞台が変化に富んでいて、日本人の私にも映像が目に浮かぶよう。図書館(文書館?)のシーンなど、目を閉じると赤色が(笑)。それから、ちょうどヨハネ・パウロ○世の亡くなった半年後くらいに読んだので、その時の記憶が新しくて。だけど、この本が書かれたのはそれよりはるかに昔。そういう意味でも「ほほぉ?、あの時、中ではこんなことが…」と感慨深かったです!それに取り上げられている団体にしても、ダ・ヴィンチ・コードの方はその時初めて聞きましたが、天使と悪魔の方は元々知ってる方が多いんじゃないでしょうか。もし読むならこっちを後にしないと、ダ・ヴィンチ・コードがつまんなくて最後まで読めないかも知れません。…余談ですが、下の方のカメルレンゴ=ジュード・ロウには全面的に賛成です!
クライマックスの緊迫感の高まり
下巻では、反物質と物質の対消滅でヴァチカンが消滅するまであと数時間を切った状況で、ラングトンとハサシンの対決も佳境を迎えると同時に、バチカン内部でも大きな動きがあり、いやが上にも緊迫感が高まり、一気にクライマックスへ突入です。クライマックスに突入した後にも状況が二転三転するあたりの話作りも実にうまいですね。 この下巻の途中まで読んでいて、「実在の研究所に関連して、こんな事を書いた小説の発行がよく許されたな」と思わせる記述がありますが、さすがにそれは私の早とちりでした。 本作品は、単純にストーリーを楽しむだけでも十分読み応えがありますが、科学と宗教に関して読者が色々考える良いきっかけにもなるのではないでしょうか。

天使と悪魔 (中) (角川文庫)

[ 文庫 ]
天使と悪魔 (中) (角川文庫)

・ダン・ブラウン
【角川書店】
発売日: 2006-06-08
参考価格: 620 円(税込)
販売価格: 620 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 549円〜
天使と悪魔 (中) (角川文庫)
ダン・ブラウン
カスタマー平均評価:  4.5
遅れて読んだ第一弾
私的には『ダ・ヴィンチ・コード』はやや失笑気味でしたが、この第1弾も、遅れて 映画化するようで、『ダ・ヴィンチ・コード』に続き事前に読んでみました。 本作はガリレオ関連(いわば、ガリレオ・コード)。 最初は『ダ・ヴィンチ・コード』のように未知の世界にグイグイ引き込まれました! ですが、途中の謎解きではダ・ヴィンチ同様に、展開の飛躍が目についてしまって だんだん話に乗れなくなってきました。 なので、二転三転する結末にも、やや傍観者のような目線で読んでしまいました。 ただし、「科学と宗教」というテーマは考えるところが多いです。 ここはこの作品の大きな骨格として好きなところでした。 情景や設定のさらっとした説明もダン・ブラウン氏ならではの上手さがありました。 この作品の評価は何を期待して読むのかで分かれると思います。 私的にはリアルにうまく騙してくれるミステリーを期待して読んだので最後だけは★3つ。 第3弾は今から期待しています。
インディジョーンズばりの活躍
イルミナティの脅迫者とラングドンたちの攻防が始まる! 4人の枢機卿と反物質のありかを探せ、反物質の爆発は深夜12時。 残された時間はあと4時間。 中巻ではラングドンが卓抜な推理を見せますが、インディ・ジョーンズばりの アクションも見せます。 ダヴィンチ・コードと比べると、どうも巻き込まれている感が強いんですよねぇ。 時間設定も短すぎて、あと1時間、あと1時間という時間の等差数列の、その設定時間内に そんなに推理と行動ができるもんかなぁと、ちょっと疑問も持ってみたり。 感覚的なものだけど2時間おきぐらいだったら、私的にリアリティがあります。 しかし、アンビグラムは見事ですねぇ。 アンビグラムがどういうデザインか、推理するのも面白かったです。
嘘とわかってても楽しい観光ガイド
私の読んだダンブラウンでは一番いいかも!(天使と悪魔>ダヴィンチコード> デセプションコード) ローマに行った後に読んだので、「あー先に読んでおけば?」とちょっと後悔。 しかし、実際行く前に読んだら、現実と創作の区別がつかなかったかも。 ローマ市内をぐるぐるまわって、推理とサスペンスだけでなく、ところどころ観光気分も 満足させてくれるところが、火サス風で面白い。 「あのパンテオンの中に、そんな有名なものがあったなんて!わざわざ行ったのに 知らなかったよ?!ありがとう、ダンブラウン」的な楽しみ方もできました。
中巻以降は読む手が止まらない面白さ!
観光地でお馴染みのローマを舞台に移し、ラングドンの活躍が始まる中巻以降は面白くて読む手が止まらない。数百年かかっても解けなかった謎に対して、各1時間以内の制限時間内で解き明かしていくラングドンのスーパー活躍ぶりはとても心地よい。ダビンチコードの時にも地図を片手にパリを訪れる観光客が増えたというが、今回もローマへ行って、小説とおりに廻りたくなる。それだけのめり込めた。次なる展開が気になるので「天使と悪魔」上中下巻を同時に購入した方が良いだろう。映画化されるというので今から楽しみ。
エンタテイメント小説の雛形
翻訳ものにしては、活字が大きくて1ページあたりの文字数が少なく、また章の転換が早い(ほとんど10ページない。2ページのところなんかもある)ので、とても読みやすい。 ヴァチカンでのローマ法王選挙会を舞台に、スイスの科学研究所が開発した新エネルギーをめぐって、宗教と科学の対立を描く、という一見とっつきにくい内容だが、うっとうしい説明文はほとんどなく、宗教にも科学にも明るくなくたって存分に楽しめる。 ただ筋は、主人公は謎は解くが事件は防げず、最悪の状態まで追い詰められ、危険にさらされたヒロインをぎりぎりで救出し、ありえない極限状態から生還し、と、この手の小説の典型をただ踏襲しているだけで、いささかものたりない。 しかし、まさに「典型」であるので、エンタテイメント小説の「見本」となるくらい「よくできてる」とも言えるかも。 本を片手に、舞台のヴァチカンとローマを歩いてみたくなる。観光ガイドとしても楽しんだ。

パラドックス13

[ 単行本 ]
パラドックス13

・東野 圭吾
【毎日新聞社】
発売日: 2009-04-15
参考価格: 1,785 円(税込)
販売価格: 1,785 円(税込)
 Amazonポイント: 17 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 1,100円〜
パラドックス13 ※一部大型商品を除く
東野 圭吾
カスタマー平均評価:  4
面白い、怖い、悲しい、空しい・・・。そんな気分になる1冊
とっても面白かった。やっぱり東野圭吾ですね・・・・。ハリウッド映画でありそうな設定ですが、これが舞台が東京となると、本当に恐ろしい。まったく別物です。善悪が変わるとか、今の日本をよく反映しているようにも見えます。 だからか、最初から最後まで、冷静に読む事がかなりきつかったです。非現実的な話が、あまりにもリアルに感じられて、読んでいる間、ずっと背筋がぞっとしていました。一人ではちょっと耐えられなかったので、ずっと人のいるところで読みましたよ・・。 人間であるからこそ変貌する人物の姿にも心が痛みますが、変わり果ててゆく街の様子に精神的にちょっと辛いものがあります・・。 日本、そして現代ならではの恐怖・人間の弱みと強みを巧みに盛り込んでいますね。国が消滅したことで生じる変化の描写は、ある意味イマドキで、読者に訴えかけるものがあるなと感じました。単なるエンターテインメント性の小説とは思えません。 だけど、P-13現象が起きる時間が13時13分13秒だとか、13日の金曜だとか、そこまでする必要があるのか、ちょっと引っかかりました。科学的に、それってありえるの?本文にも出ますが、時間とは「人間のつくったもの」でもあるのですから・・・。
え?もう終わり?
あっという間に読み終えました。 だからといって、大満足なのかと言われれば、そうでもない。この作品には、読後の余韻や感動がなく。「ああ、もう終わってしまった」ではなく「え?終わり?」という印象だけが残った。エンターテイメント小説だと思えば、こんなもんなんでしょうか?著者の作品には、もっと深く余韻の残るものが多数あるので、やや物足りない感が強いです。しかし「え?もう終わり?」と思わせるだけの文章への強い引力はすごいと思います。二度三度読み返すことはないかもしれませんが、一読の価値はあると思います。
囲まれた世界を読む
気がついたら、世界中から自分以外の人間が消えていた???。 さいとう・たかをの「サバイバル」、望月峯太郎の「ドラゴンヘッド」に代表される、いわゆる「世界の終わり」モノである。 東野圭吾の、いつもながらの流れる文章は流石としかいいようがない。ハードカバーで500ページ近くあるこの分厚い本を、映画一本見るくらいの労力で読み終わらせる(いや時間はもっとかかったのだけれど)。これはもう技術である。 「終わり」モノにありがちな、極限まで追いつめられた精神状態というのはことさらには強調されていない。それゆえなのか、ただ崩れゆく世界に対する恐怖感が、まるで直に触れているかのように、リアルに伝わってくる。月並みな表現だが、まるであちらの世界にいるかのような感覚に陥って、少し酔った。 存在しない世界を作り上げるのが小説だとしたら、これはほんとうに小説だ。
映像化も楽しみ★
東野作品って毎回よくこれだけテーマを変えられるものだなぁ、と感心してしまいます。 今回は特に映像化されるのが早いのでは?と思ってしまう程、自分の勝手な想像で配役が浮か んできました。   冬樹役に妻夫木聡さん  誠哉役に仲村トオルさんはいかがでしょうか? 読者としてはラストをもう少し・・・。←是非、読んでみてください。 今秋、映画化される『さまよう刃』も楽しみです。
途中少し単調に感じるが…
話は面白いです。確かに、読みながら過去のいろんな映画や小説が頭をよぎる。それでも、ある人物に人の生死について語らせた辺りまでは、読み手に問いかける側面もあり良かったと思う。しかしその後の展開が、最終局面に行き着くまで、基本「自然の猛威→脱出」の繰り返しなので、不謹慎だがちょっと飽きる。ここのエピソードを、もう少し削った方が緊張感が継続したのではないだろうか?「パラドックス」の意味だが、なまじ聞いたことがある(だが意味は分からない)単語が散りばめられているので一応咀嚼してみたが…、もちろんトンデモなんですよね?当方ガチガチの文系人間ゆえ、理系の方、どこまでがあり得ることなのか(理論上は、ですが)、解説して頂きたいものです(笑)。

告白

[ 単行本 ]
告白

・湊 かなえ
【双葉社】
発売日: 2008-08-05
参考価格: 1,470 円(税込)
販売価格: 1,470 円(税込)
 Amazonポイント: 14 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 800円〜
告白
湊 かなえ
カスタマー平均評価:  3.5
エンターテイメントとかいう問題じゃない・・・
読んだ後に感じたのは二言。「気持ち悪い」と、「うすら寒い」。 故に、読み返す気にはなりません。色んな意味でお腹いっぱいになります。 の割に星4つつけたのは、とりあえず筆力は新人の域を超えてると思ったのがあります。 ただし、最初の元教師の演説は長すぎ。何が言いたいんだかまったくわからない。要するに、娘を殺した二人の少年への復讐の前フリってことでいいんでしょうか。 にしても、血を採るってこっそりできるもんでしょうか?医療関係者でもあるまいに。 登場人物たちの、自分と執着する相手以外誰も見えてない描写がホラー。特に病的に感じたのは直樹の母親と修哉ですけど。でも1番異常だと思ったのは、息子たちのその異常にノータッチな父親たちだったり。でも、最終章で修哉の母親がどんな反応だったのかは知りたかった。 ただ、元教師の心情には共感できます。罪もない愛する娘を憂さ晴らし(&逆恨み)に殺されたら、ああいう精神になっても無理ないと思う。むしろ彼女は冷静な方だったと思います。 ちなみに、星4つにしたもうひとつの理由は、視点の転換によるその病み具合がそこそこリアルだったからです。 でも、誰かにこの本を紹介するとしたら、こう言っときますね。「読んだ後にどんな気分になっても、責任とらないよ」って。
今考えてます
後味の悪さはなかったです。 確かに最初から面白く、引き込まれました。心理描写は「すごい」というより「よくできている」と思いました。「AがこうだからBはこうした」「BがこうだからAはこうした」といった、まるで数学のようです。読んでいくにつれ、それが段々と分かっていくので、終始飽きなかったです。 ただ、全く感情移入できない人物もいました。上村君の母親やウェルテル先生などです(笑)。「キャラ設定として割り切れ」ということですかね?。 「作者が伝えたかったこと」については今のところ浮かびません。あくまで「読ませる」ということに重点が置かれている気がします。しかし、ここまで暗い話だと、「人間としての善悪」については考えざるを得ないです。 最初から最後までノンストップでどっぷり浸かってしまい、「作者は何を伝えたかったんだろう」と考えているところです。
テーマは確かに重いです
本書を単なるミステリーとして読むと、異常な子供、執拗なまでの担任の復讐ばかりが表立ってしまい、確かに「本屋大賞としては?」と首をかしげる方が多いのでしょうね。 でも、私が本書を読んでまず思ったのは、現代の抱える家族の希薄さ、親の愛情のあり方でした。 思うようにならない生活に、息子に手を上げ、自分の欲求が叶うと、その場限りの無責任な愛情を残して去っていく修哉の母。母に会いたい、認められたいとそれだけを考え犯行に至る修哉の哀しみは、同じ子供を持つ母として胸を締め付けられました。 また、修哉とともに犯人とされる直樹も、子育てに無関心の父、異常なまでに直樹を溺愛する母に育てられている。その生い立ちを知るにつけ、自分の子さえよければ、という価値観で学校にクレームを言い立てる姿はやはり異常といえるでしょう。 事件そのものは、現実的ではないかもしれませんが、修哉や直樹のような母を持つ子供たちは回りにいくらでもいる。そして彼らは、そんな母であっても常に慕い続け、矛先は向けないのです。 本書のラストはそんな現代の母に対する制裁と言えるのではないか、深く考えさせられた次第。
「この本らしさ」のありようをわかって欲しいです
他のレビューにもあるように、後読感がすっきり爽やかなんてわけではありません。しかしそれも「この本らしさ」だと思いますし、僕はそれで良かったと思います。この本は何人かの視点から構成されています。その視点の人物達に自ら感情移入しきって読む、というよりかは、一連の事件の全体像を、どこか上の方から眺めているような気分でした。星を5つにしなかったのは、話にもう少し転がりがあればな、と思ったからで。それでも十分に楽しめましたし、僕なりに得たものもあります。
評価5点では足りない
小説であれノンフィクションであれ、本の読み始めにはミソギとも言うべき準備期間を必要とする。この本が何を言おうとしているのか、登場人物は誰で、どんな役割なのか。それらをまんべんなく記憶して、初めて物語に入っていくことができる。要するに、どんな本でも、読み始めは苦痛なのだ。 この本にはそれがなかった。1ページ目から面白い。アクセル全開である。そしてトップスピードのまま、ラストまで駆け抜ける(古い)。 これは技術か、幻術か。こんな本があっていいのか。新人だとか本屋大賞だとか、あらゆる形容詞を取っ払っても万人に勧められる。このレビューの満足度、5点じゃ足らんぞ。

さよなら、愛しい人

[ 単行本 ]
さよなら、愛しい人

・レイモンド・チャンドラー
【早川書房】
発売日: 2009-04-15
参考価格: 1,785 円(税込)
販売価格: 1,785 円(税込)
 Amazonポイント: 17 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 1,200円〜
さよなら、愛しい人 ※一部大型商品を除く
レイモンド・チャンドラー
カスタマー平均評価:  4.5
清水訳『さらば愛しき女よ』の良さを再認識させられました
 文庫の清水版とハードカバーの本書がほぼ同じページ数。『ロング・グッドバイ』の時も驚いたけど、『さよなら、愛しい人』でも、前は省略されていたのを読んで感動していたんだ…という気持ちになりましたけど、今回はどちらかというと「清水さんが省略したくなるのもわかるわな」と思いました。  というのも、マーロウが行動を起こすたびに、細かな人物、風景描写が必ず付くんです。それによって物語の流れがプッツン、プッツン途切れてしまう。  どっちの読書体験の方が、より物語に入り込めるかといわれれば、清水訳の『さらば愛しき女よ』でしょうかね(タイトルもさすが映画屋さんだけあって清水さんの方がいいし…というか日本の翻訳小説全体の中でも『さらば愛しき女よ』は素晴らしいタイトルに入るでしょ)。  村上さんも役者あとがきで《「ここまでややこしく書かなくてもいいだろうに」とついつい愚痴も言いたくなる》と書いていますが、とにかく村上訳で初めて全貌が見えたチャンドラーの作品の細かな描写には驚かされます。
チャンドラーの春樹翻訳二作目。期待は裏切りません。
この作品は、レイモンド・チャンドラーのフィリップ・マーロウシリーズを村上春樹が訳した二つ目の作品である(一作目は『ロング・グッドバイ』)。 あらすじは、序幕で(最愛の恋人ヴェルマを探す元服役囚)マロイが咄嗟に殺人を犯して逃亡し、現場に居合わせたマーロウはマロイとヴェルマを探そうとする。だが、(新たな別件の殺人等の)厄介な事件に巻き込まれて展開はマロイとヴェルマからそれていく。複雑で酷い目をみながらもマーロウは、ラストでその真価を発揮し、一連の出来事をまとめあげてマロイとヴェルマの再会を実現しようとする。だが・・・(それは読んでからのお楽しみ)。 序盤は解かり易く派手な展開で読み手を惹きこみ、中盤で推理しようとする読み手を複雑な展開で煙に巻き、ラストで全てをあるべき場所に収めるストーリーは流石と言えます。 そして、読み終えた後に感じる「哀愁」と「妙な納得」は『ロング・グッドバイ』同様に感動の域に達しています。男と女の間に流れる一つの真実を描いた作品として印象的でした。 『ロング・グッドバイ』では「ギムレットを飲むには早すぎるね」と言うセリフが有名で印象的ですが、この作品では「私に近づくんじゃない。このうすのろが」が私にとって印象的でした。もちろんどの場面で誰によって話されるかは本作を読まなければわかりません。
また、何度も読み返すのだろう。
数々の映画的、映像的な印象深いシーン。 魅力的な登場人物たち。 マーロウはもちろん、 なんと言っても「大鹿」マロイ。 ただでさえ、すばらしい小説が 村上春樹訳で、さらに魅力をました。 そう思いました。 あとがきには、次の予告めいた一文も。 村上春樹によるチャンドラー。 これからも、楽しみでしょうがない。
ロンググッドバイに続く村上春樹新訳のマーロウ
「ロング・グッドバイ」に続く、村上春樹によるレイモンド・チャンドラーのフィリップ・マーロウものの新訳です。「さらば、愛しき女よ」というタイトルが秀逸すぎるだけに、ちょっとこのタイトルは微妙なものかなぁと思いますが、新訳になって若いマーロウが世の中に誕生いたしました。  ただ、ただなんですが、、、改めて今作を読んだのですが、村上春樹さんの訳がどうこうという話ではなく、作品としてちょっと違和感がありました。  昔読んだときには、巨漢のマロイのあまりにも純情な恋心と、マーロウの殴られても殴られても事件解決のためにはトコトン捜査を続ける男っぷりだけが教列なイメージとして残って、全体的にはかっこいいハードボイルドという風な認識をしていました。それが今回新訳で読んでみると、、、マーロウ、どちらかというとどんくさいです。  確かに昔からマーロウはよく殴られて気絶したり失神したりするタイプの私立探偵ではあるのですが、この作品では結構殴り倒されたり失神させられたり監禁されたりと、ひとつ間違えたらそのまま殺されてしまうようなケースが多過ぎです。マーロウってこんなにどんくさかったっけ? と過去のイメージとのギャップがありました。「ロング・グッドバイ」を読んだときはそんな違和感はなくてマーロウはマーロウで格好良かったのですが、どうしてこの作品だとそんな事を思ったのかは自分でもわかりませんが、少し違和感がありました。  あとがきにあるように、チャンドラーの、フィリップ・マーロウシリーズに出てくる女性への描写は本当に平板で「美女」「セレブ」「奔放」(そしてちょっと「愚か」)の象徴としてしか出てこないだけに、それに輪をかけて主人公のチャンドラーがどんくさいとなると、ちょっとしまらないなぁという風に思いました。ひょっとしたらこれは、本作がいくつかの短篇をベースに長篇にバージョンアップしたものだからかも知れませんが、マーロウの推理というのがほとんどあてずっぽうに近かったり、外部から与えられた情報に頼りすぎるところも大いに関係するのかも知れません。ハードボイルドというのはそういうものだという意見ももろちんあるでしょう。←このあたりの流れは、そのままロバート・パーカーのスペンサー・シリーズやローレンス・ブロックのマット・スカダーシリーズにも引き継がれていて、スペンサーやスカダーがときどき「何をやっているかわからないけれど、全員にあっていればそのうちそれを嫌がる人間が動き出すんだ」という事を言い出す所に見事に引き継がれています。  ただ個人的にはマーロウに深い思い入れがありすぎるからか、もっとマーロウって知的な部分は知的でやせ我慢して、どんな相手にも屈せず事件を解決する、卑しい街をいく騎士みたいなイメージがあったのでちょっとそのあたりがひっかかりました。  もちろん、それは村上春樹さんの新訳とはまったく関係のないプロットやストーリーの話ですので、前に「ロング・グッドバイ」のときにやったように、今度は旧版の「さらば、愛しき女よ」とこの「さよなら、愛しい人」の役を読み比べてみたいと思います。そうしたら、また新しい発見があるかも知れません。  村上春樹さん、フィリップ・マーロウ、どちらのファンでもあるのでそういうのもまた楽しい読書です。
翻訳の妙
いかにも現代的というか,読みやすい翻訳のおかげであっという間に読むことができる。 チャンドラーの言い回しの妙がしっかりと伝わってくる作品になっている。 原書で読もうという気は起こらないけれども,次の作品に期待してしまう。

名探偵の掟 (講談社文庫)

[ 文庫 ]
名探偵の掟 (講談社文庫)

・東野 圭吾
【講談社】
発売日: 1999-07
参考価格: 620 円(税込)
販売価格: 620 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 148円〜
名探偵の掟 (講談社文庫)
東野 圭吾
カスタマー平均評価:  4
遅れて来た最高傑作!(言い過ぎ?)
いつかドラマ化(映画化)されるんじゃないかと思ってましたけど、結構時間が掛かりましたね。10年以上ですか。 (セルフ)パロディとは、或る意味最も高度な娯楽(多分)。 「楽屋オチ系ミステリ」(?)の最高峰! 但し、それだけでは終わらないのが東野圭吾作品。 可愛さ余って何とかの(本当か)、「本格ミステリ」の「粋」をご堪能下さい。
思わずニヤリ
推理小説ではありません。 推理小説をたくさん読んできた人向けです。 今までたくさんの小説家が知恵を絞って様々なパターンのミステリを描いてきていますが、この本で分類されるものに対して、ほかならぬ小説の「登場人物」が「こんなの読者に飽きられるよ」と嘆いているわけですね。いわゆる「メタ発言」ってやつです。 プロローグの二行目から、すでにひどいです(笑) 今まで推理小説をいくつか読んできた人には、思わず「ニヤッ」としてしまうこと間違いないでしょう。 17日からスタートしたドラマはこの作品の本当の面白さを全く生かし切れていないと思いますが。
東野氏より推理モノへの愛あふれる風刺小説
名探偵:天下一大五郎と、県警本部捜査一課の大河原番三警部。 こう聞くといわゆる「難事件を警察を差し置いて解決する名探偵」と、「それに対し「さすが天下一くん、今回は一本取られたよ」と絶賛する脇役警部」の図式が出来上がるのがお決まりの推理モノのパターンですが、そんなお決まりのパターンに安易に作り上げられている小説とその作者への風刺小説となっているのが、この作品です。 風刺と言っても「ブラック・ユーモア」のような強烈な毒はありません。しかしそこには確実に「安易な推理モノ(小説、二時間ドラマ)」への批判と呼べるものがあります。推理モノへの愛あるからこそのツッコミとも言えますね。 話の流れは推理小説そのものですが、登場人物が自分が今話したセリフ、いた場面に対し、突如第三者的目線になり(つまり場面から離れた所で自分がいた場面を見るような感じになり)、自分でツッコミを入れる流れとなっています。 「ガハハ」と大笑いするようなものではありませんが、腹筋がプルプル震えるような笑いが出てきました。 そして、時折そんな中に、そんな推理小説をお決まりパターンで読み進める読者への風刺も感じることがあり、ドキリとします。 ちなみに私が気に入っているのは、「第十章 アンフェアの見本-ミステリのルール」です。 最後の最後にガツンときました。 なお、余談ですが「解説」に書かれていた通り、本書と『名探偵の呪縛』を読み終わった後、東野氏の別の著書である『毒笑小説』の中の短編「本格推理関連グッズ鑑定ショー」を再読しました。 これは、本書に出てくる「壁神家殺人事件」の外伝であり、もう1つの結末が強烈なブラック・ユーモアと共に出てきます。 実は『毒笑小説』を先に読んでしまった私ですが、これは確かに少なくとも『名探偵の掟』を読んだ後に読んだ方が、より面白さがわかりますしネタばれにもなりませんね。。。
推理小説に対する提言
 「容疑者Xの献身」で本格であるか否かで大論争をおこした作者であるが、本作品を読むとそんなことはあまり気にしていないことがよくわかる。  いや、むしろ「あなたたちがいっている『本格』ってなんですか?」と問いかけているようにも思える。  最終章「名探偵のその後」の最終ページで書かれていることが、ミステリ小説会に対する提言なのだろう。  本作品は、2009年度4月から、テレビ朝日系金曜ナイトドラマの枠でドラマ化される。  この作品がどのように映像化されるのか楽しみだ。
見直した
東野圭吾の処女作。新本格派との決別宣言とも言える内容だった。今日、独自路線をひた走る(ように見える)著者だが、じつは本格推理小説にもかなり精通していることがよく判った。密室殺人、時刻表アリバイ、クローズドサークル、童謡殺人、ダイイングメッセージなど推理小説の定石毎に描かれた、全14の話から構成される。本格推理小説を読んだときに必ず覚える違和感を、すべて受け入れてくれるから大変痛快だった。ストーリーは、作中作として事件が起きるような構造、逆に言えば、探偵と警部を主人公にして事件解決までの道のりが展開されつつ、同人物らがそこでのトリックをメタレベルで解説し揶揄する。上手だなと思ったのは、トリックの新規性を対象レベルだけでなく、メタレベルでも扱うこと。とにかく一読に値します。ただ、作中で言及される過去の本格派推理小説を実名で引用して欲しかった。09年春ドラマ化されるとのこと。どう映像化するのか楽しみです。

黒衣の女王 グイン・サーガ126

[ 文庫 ]
黒衣の女王 グイン・サーガ126

・栗本 薫
【早川書房】
発売日: 2009-04-05
参考価格: 609 円(税込)
販売価格: 609 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 250円〜
黒衣の女王 グイン・サーガ126
栗本 薫
カスタマー平均評価:  3
レビューをすぐ書かないあたり
 購入して、読んで、ため息をついて、すぐにレビューを書かない……それだけで、惰性で購入している感が強いのは分かっていただけるかと。他の方のレビューを読んでいても、なんとなく20年以上付き合っている倦怠期をとうに通り越した夫婦間にも似た悲しさを感じてしまいます。  イシュトヴァーンがリンダに求婚する1巻ですが、なんというかそのストーリーに乗り切れない自分がいます。イシュトの子供っぽいわがままさと、リンダの子供っぽいバカさ加減が本当ならおもしろいはずなんですけどね。  最後の数ページで次巻への「引き」があるのは、以前からのことですが最近はそれがあからさま過ぎて、そのくせ次の巻でもその引きが十分に活かされなくて嫌になります。  あーーー、こんなレビューを書かせないでくださいよーーー
リンダ vs イシュトヴァーン
 イシュトヴァーンがリンダに求婚します。未亡人のリンダは、イシュトヴァーンの言葉に動揺します。こういったときの女心を描く、のは女性作者の特権だと思います。ほとんど、リンダとイシュトヴァーンの会話(喧嘩?)ですが、数年ぶりに出会った二人の会話は楽しく読めます。  ラスト4ページで、イシュトヴァーンはスーティのことを口にします(注:あくまでも言及しただけ)。次の巻の展開はわかりませんが、また、イシュトヴァーンの長口舌で紙(ページ)が消費される予感がします。  表紙絵のモデルはリンダのようですが、ちょっといかつすぎる。 
リンダへの求婚
今回は、タイトル「黒衣の女王」の通り、リンダの巻です。 ゴーラからパロへ急遽やってきたイシュトヴァーンのリンダへの求婚を巡る駆け引きが行われます。 ただリンダの歯切れの悪さは、若いと言うだけでは説明がつかないようにも思いますが、ともかく、揺れる乙女心が表出してきます。 そんなリンダ中心の巻ですが、サイロン(ケイロニア)の黒死病はどうなっているのでしょうか? 最近登場しないグラチウスの影かと思われるものも・・・。 そして、ついにイシュトヴァーンが、フロリーとその息子の行方に言及したところで今巻は終わるのですが、彼はこの先まで彼女らを追って足を伸ばすのでしょうか・・・。 今回は、比較的まとまった一巻でした。
暗雲立ちこめるケイロニアは・・・
全編を通してホンワカムードであります。イシュトもなんだかトゲトゲせずに、ほっこり(まあリンダを籠絡しようと躍起なのでしょうが)しております。 恐らくはドス黒いケイロニア編へ向けた一休みでしょうね、基本的にはリンダとイシュトのやんわりとした痴話喧嘩がいろんな思惑を込めて行われている巻です。 数カ所複線があります。それが急転直下を呼ぶものなのか、ホンワカムードのままケイロニア編へと移るのか、そこが楽しみな所です。
あぁ、また・・・
 これって、一冊費やすほどの内容でしょうか。前の巻のレビューでも書きましたが、最後の10ページでやっと大きな動きがあって、今回はその内容も多少は描写されるだろうと楽しみにしていたのに、まったくといっていいほどなし。会話中にほんの数行、ケイロニアのことに触れた部分があるだけでした。なんか肩透かしを食った気分ですね。真剣に読むほどの内容じゃないです。とはいえ、二十数年買い続けたのですから、今後も惰性で買い続けていくんでしょう。  

そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

[ 文庫 ]
そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

・アガサ クリスティー
【早川書房】
発売日: 2003-10
参考価格: 714 円(税込)
販売価格: 714 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 479円〜
そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
アガサ クリスティー
Agatha Christie
カスタマー平均評価:  5
現在でも最高に面白い!!
不朽の名作で古典ですが、古典と言っても馬鹿にできません。非常に描写がうまく、本当に面白いです。とってもスリリングです。やはりアガサクリスティーの中でもオリエント急行と同じくらいはまりましたね。誰が犯人かはわかりませんでした。うまくできた内容ですね。とてもぐいぐいとひきつけられてあっという間にスラスラと読んでしまいましたね。「これが古典!?」と思うほど古典という感じが全くなく、むしろ新しいという感じがしますね。さすが不朽の名作だけあります。ミステリを読むことを始めようと思う方にはお勧めですね。
不朽の名作
 ミステリ小説史上もっとも偉大な作品であり、全てのミステリ小説の中で未だに頂点に君臨し続けている大傑作です。世界的な評価でも、勿論日本での評価もこの作品を超える作品はありません。全世界で1億部を超える大ベストセラーでありロングセラーです。  ミステリファンは勿論必読ですが、そうでない方も一度読む事をお勧めします。この作品はミステリファンで無くても感心させるだけの魅力があります。
サスペンス物としては右に出るものなし、の大傑作!
本書は「童謡殺人もの」の代表として、また「孤島もの」代表として知られる、アガサ・クリスティーの最高傑作。 島に集まった10人の男女が童謡の歌詞どおりに順番に殺されていくというのは、今でこそ使い古された設定のように思われるが、当時としては斬新な設定であったばかりでなく、本書に関しては今読んでも少しも古びた感じがしない。 本書の後、雨後のタケノコのように似たような設定の作品が林立するが、結局本書を越える作品は未だかつて登場したことがなく、そしておそらく今後も登場することがないだろう。
知の構築美を感じる
 久々に読んでみたが、内容をすっかり忘れていたために、新鮮に読めた。  原題は、「ten littlle niggers」であることからもわかるように、実質的な登場人物は10人である。彼らが島に隔離され、迫り来る恐怖と良心との葛藤の中、独りずつ死んでいき、最後は誰もいなくなる。ただ、最後の一人が死んでも、その後のロンドン警視庁の調査でも真相はわからない。謎は意外な形で解答が示される。    推理小説としての構成は抜群であるが、現実に起こりうるかという点で、リアリティー重視派には不向きであろう。好き嫌いが分かれるかもしれない。
20年目の真実
初めてこの作品を読んだのは、私の中で第一次クリスティー・ブームだった中学生の時。 実は、読み終わっても誰が犯人かさっぱり解らなかったのでした(焦)。 ただ「怖い」という印象だけが強烈に残り、 自分だけが怖いのは理不尽と父に無理やり読ませた記憶があります。 あれから20年…第二次ブームを迎え新訳が出たので改めて読んでみたところ、 怖さよりも見事なトリックへの感動が先に立ちました。 やっと目の前の霧が晴れたという感じです。 犯人が解ったうえで周到に散りばめられていたプロットを再確認したくなり すぐに読み直した次第です。 そして完璧なアリバイにまた感動。是非読んでみて下さい。きっと再読したくなります。

重力ピエロ (新潮文庫)

[ 文庫 ]
重力ピエロ (新潮文庫)

・伊坂 幸太郎
【新潮社】
発売日: 2006-06
参考価格: 660 円(税込)
販売価格: 660 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 449円〜
重力ピエロ (新潮文庫)
伊坂 幸太郎
カスタマー平均評価:  4
良くて悪い、計画と結末
重力ピエロは伊坂幸太郎の初期の作品ですが 私の中ではまだこれを超えるものは出てない。 ミステリー的な謎解きや伏線に、それほど驚きはないし 一気に読ませるようなストーリー構成のうまさでは最近の作品のが完成されていると思うし どんどん面白く進化しているとは思うのだけれど…でもこれが伊坂幸太郎の原点だ!と勝手に思っています。 兄である主人公と、弟の春。 春は、母親がレイプされた結果身ごもった、半分だけ血のつながった弟だ。 ある日主人公の会社が、最近起きていた連続放火の被害をうけ、 放火現場の近くに必ず残されている落書きに気づいた春は、兄とともに調査を始める。 たまたま身近で起きただけのはずの連続放火とグラフィックアートの関係の謎と 許せない犯罪がなければ自分の存在がなかったという、矛盾を抱えた春の存在が 次第に深く絡み合って…。 犯罪を憎む気持ちと、それがなければ存在しなかったという矛盾を抱えた家族。 物語はすごく重いテーマをはらんでいるのだけれど その文章は、軽く、明るく、うつむくところがない。 それはまさに物語の中で春がいう台詞通り。 「本当に深刻なことは陽気に伝えるべきなんだよ」 これが伊坂幸太郎の文章の根っこの成分なんだろうな、と思います。 彼らの母親の選択も、父親の揺るがない信念も 主人公がやろうとしたことも、 物語の結末の、春の行為も 正しくなかったことも、あるかもしれない。 いや、はっきりと、してはいけないこともある。 けれど、読み終わったあと、嫌な気持ちにはならない。 それは多分、彼らの決断が、自分の正しさを信じる一種の狂気のようなものではなく 勧善懲悪のような、わかりやすい気持ちよさでもなく ただ空中ブランコのピエロが、一瞬だけ重力を忘れさせてくれるように すべてを越えてふわりと飛んでいくような、軽やかなすがすがしさを感じさせてくれるから。 まさにこれが伊坂作品の真骨頂、と思うのです。
考えさせられる
友人の勧めで購入。 はまると一気に伊坂ワールドに引き込まれて、読み終わるのは早かったです。 一気に読み切った感想は「スゴイ!!」の一言。 後からジワジワ考えさせられる「興味深い」本です。 この作者の別の本も読んでみたい気にさせる一冊。
今あるものが「答え」なのか?
この本はいまの世の中にある決まり事に対する挑戦である。確かに弟は罪を犯し続ける。放火、そして殺人。しかし法の網がかからないところで悪さをしている人間がごまんと存在する。法を犯す人間は、法を犯さずとも人を不幸にする人間よりも「絶対的に悪」なのだろうか。そして家族。血のつながった者=家族。それが全てなのか?レイプと言う悍ましい現実の結果生まれた子供は、一生社会からの蔑視に甘んじなければいけないのか。如何様にも解釈出来る「血縁」こそが、生まれた子供への愛を持つことよりも大事なことなのだろうか。法を犯せ、と言っているわけではない。私刑を許すことは有り得ない。「オーデュポン?」に登場する「桜」が示すように、社会が信じるルールや善悪の判断では計れない「価値観」が存在するのではないだろうか。人は目に見えるものや生まれながらにあるものに安心し、守られている。また時に、それらに対し無力感を以て仕方がないと涙する。しかしルールとは「自分」にとって「答え」なのかは神ならぬ我のみぞ知る。作者は「自分の感情を信じろ」と我々に問い掛けているのではないか。自分を信じること。この道はひたすら難しいものなのか、否、安らかなるものなのか、それこそ神のみぞ知る。
伊坂小説の中では
伊坂幸太郎の作品の中で この重力ピエロだけは、先の展開が読めてしまった。 文章の中に堂々と答えが転がっているミステリなので、 これは何か裏があるのだろうかと思い読みましたが、 特に何もなく、普通の答えあわせが行われがっかりしました。 放火の動機もそんなことのためにやったの?って思ってしまい、 とても嫌な気分になりました。関係ない人巻き込まれているし…。 そもそもこんな回りくどい事をする必要性が理解できない。 終わり方も何だか釈然としたものではありませんでした。 オーデュボンの祈りの伊藤とラッシュライフの黒澤が出てきたのは 伊坂ファンとして面白かった。
なんか・・・
重い。発想的には良いのですが、ちょっと内容がクドイ感じがしました。

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 更新日 2009年5月10日(日)  ※ 表示価格は更新時のものです!      メール      相互リンク

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