建築家・様式の本

ライトの建築思想の１つに「建物が自然環境や風景と調和し、場所に対して適切でないといけない」とあるように、掲載されている建物自体がエレガントなのはもちろんですが、建物と周囲の自然とのマッチングも見事であり、単なる住宅写真というよりは美しい写真集として見ることができます。

ライトあるいは建築ファンはもちろんですが、美しい写真集を探している方にもお奨めできる１冊です。
こんな家に住めたら、毎日楽しいだろうな
１９３７年から１９５５年にかけて製作した１０件の家が特集されている。どの家も個性的で、自然との調和がみごとである。
林は林と、湖は湖と、完全に一体になっていながら、しかもモダン建築としてのしっかりした主張もきわだっている。どうしてこのような絶妙なバランスが可能なのか、不思議な建築家であり、奇跡の建築家である。

掲載されている作品については、初期の自邸から晩年のタリアセン、タリアセンウェストに至るまでが、プレーリーハウス、ユーソニアンハウスの数々、落水荘といった名作住宅群、そしてグッゲンハイム美術館、マリン郡市民センターといった有名建築物を交え、ライトの代表作がほぼ網羅されています。

また、文章については、主観を抑え、客観的に説明されていますので、ライトがその作品にこめた意味がよくわかるようになっています。