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[ 大型本 ]
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吉田式球体関節人形制作技法書
・吉田 良
【ホビージャパン】
発売日: 2006-09-16
参考価格: 2,800 円(税込)
販売価格: 2,800 円(税込)
Amazonポイント: 28 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 2,799円〜
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・吉田 良
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カスタマー平均評価: 5
すごくわかりやすいです!!! 製図、発泡スチロールの削り方、粘土の造形、義眼・義歯の作り方、組み立て、塗装、髪の貼り方、靴の作り方まで
本当に細かいところまで、すごくわかりやすく書かれています。
写真付きで、細かいところはアップの写真やアドバイスがあり、本当にこれ以上わかりやすい技法書はない!
と言っても過言ではないくらいわかりやすいです。
私はお腹の部分にも球体が入っている人形が作りたかったのですが、
その作り方が載っていなかったので、個人的には星4つにさせていただきました。
別に人形を作らなくても、
球体関節人形が好きな方なら人形の写真もたくさんあるので、
読むだけでもワクワクする本だと思います。 人形教室よりかえって丁寧な教えかもしれません。 人形制作をしてみたいという方は是非目を通しておくべき良き本です。
なによりも嬉しいのがオールカラー、そして参考文献や材料が付いています。
私は大手の人形教室に行っていましたが
教室で肌の色は先生はパステルで着色する様教えられました。
しかしこの本の肌の着色項目にて、油絵で着色するのですが
実際自分の制作中の人形に色を付けた所
その美しい仕上がりにはこれからは油絵で着色しようと決めたぐらいです。
また頭髪の付け方も一度教室で習っても次の人形が出来上がるまで
素人さんは多大なる時間を費やします。それまでに自分がどうやって
つけたか仕組みを解ってる方はそういないのではないでしょうか。
この本を開けば丁寧な写真つきで回答があります。
とても役に立ちました。
また吉田先生の教え方は基本的なこと+人形の仕上がりが美しく良い仕上がりに
なりそうでとても良かったです。
例えば石膏粘土につける木工用ボンドの量は刷毛で均一に伸ばすとか、
肌の下地も塗りすぎて刷毛の跡がついたらサンドペーパーで磨く等
関心しました。
手馴れた人は上記処理をしなくてもスラスラできますが
素人さんは上記の処理をしなくちゃいけません。
大手の先生に習いに行くとこの様な細やかな処理が抜けてる事が多いです。
ぜひとも良い人形作りを心がける方は必読する事をオススメ致します。
そのぐらいオススメです。 中々良い。 この本は初心者にも解りやすく解説されており、一からドール制作する人は絶対読んでおいてほしいと思う。実際、この解説の通りに作るなら歪んだドールは作れないと思う。それくらい細部まで詳しく書かれている。是非とも買ってほしい逸品である。 分かりやすかった とても分かりやすくて良かった
初心者にもお勧めの教本
これ一冊で大丈夫!! 石粉粘土による、球体関節人形の教則本です。全ページフルカラーで、写真が多用されてます。手足、耳等、細かい部分もアップ写真で紹介されているため、非常にわかりやすいです。初心者の方でも、この通りに作れば、完成させられると思います。また、胡粉塗り仕上げ、義眼、義歯、靴作り等、上級者向けのテクも紹介されています。初心者から上級者まで、あらゆる人形製作者の教本として役立つのではないでしょうか?参考書、資材店の紹介等、フォローもばっちりです。講座の合間に、吉田氏のお人形の写真が収められているのですが、お人形の写真を観るだけで、楽しめます。買って損は無い一冊です。
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[ 新書 ]
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現代アート、超入門! (集英社新書 484F)
・藤田 令伊
【集英社】
発売日: 2009-03-17
参考価格: 756 円(税込)
販売価格: 756 円(税込)
( 在庫あり。 )
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・藤田 令伊
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カスタマー平均評価: 4.5
抽象的表現の鑑賞法 科学でも技術でもそうだが、現代のキーワードは、
モノからコト、すなわち抽象化である。
アートの世界も例外ではなく、モノではなく、
抽象化されたコトが表現されるようになってきている。
著者が挙げている、美しいかどうかわからない、
何を描いているかわからない、上手かどうかわからない、
アートかどうかわからないといった問題提起は、すなわち、
抽象的に表現されたコトをどう受容すればいいのか
というヒントを与えるための問題提起だと言える。
著者の意図がどこまで実現しているかだが、
現代アート作品のそれぞれの背景の説明を読んでいるうちに、
段々と視野が広がって、見えなかったものが少し見えてくる
現代アートの持つ幅がわかってくるという限度で成功している
ように思う。
「超入門」という点では、満点に近い出来だろう。 現代アートの歴史がわかった 題名に惹かれて読みました。扉絵に何枚か現代アートの写真がありますが、その作品についてあまり知らなくても読めました。
現代アートとは、いったいどこから来て、どんな作品のことを指すのか?という疑問が少しだけ解けました。
ピカソや、ムンクや、ポップアート、最近よくあるごっつ過ぎてとっつきにくいアート作品に至るまで、「こんな時代背景があって描かれるようになったんだよ?」とか、「こんなことを考えながら作者は作ったんだよ?」と教えてくれます。
読み終わった後は、少しだけ現代アートが身近なものになった気がします。
ヘンくうなアーティストの気持ちが少し理解できそうな感じです。
美術館の学芸員に、著者みたいな話しやすい人が居てくれたら、もっと作品を見るのが楽しくなるんじゃないでしょうか。
わからない、けれど身近になった アート、特に現代アートに対しては訳が分からないと思っている人が大半だと思います。
ピカソやブラックに代表されるようなキュビズムの印象が強いせいでしょうか、現代アート全てに理論的、もしくは哲学的文脈が存在し、人並み外れた芸術的センスが要求されるものと感じている人が多いせいではないかと思います。
しかし本著を読むことで現代アートがより身近になりました。
アートは必ずしも美しいものである必要もなく,何か具象的なものである必要もなく、作り手によって造形が施される必要もないもののようです。
現代アートって何でもありなの?
と思ってしまいます。
しかしここまで混沌としているのもひょっとすると一時期だけのものかもしれません。やがてこれらのアートが何らかの枠組みによってカテゴライズされる可能性も感じました。
ただアートって何なのか?というラディカルな疑問が浮かび上がってきました。
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[ 単行本 ]
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苔のむすまで
・杉本 博司
【新潮社】
発売日: 2005-08-24
参考価格: 2,730 円(税込)
販売価格: 2,730 円(税込)
Amazonポイント: 27 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 2,000円〜
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・杉本 博司
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カスタマー平均評価: 5
秀でた芸術作品は透明感が漂う 杉本博司という人を、不覚にも最近号の雑誌で知ったが、その力量は197頁の昭和天皇の威厳あるポートレート一枚で判る。
平凡即非凡・非凡即平凡。人と神に置き換えてもいい。
意味が立ち現われる場面に降りて行き、立ち会っているようだ。
評論の視点も同じ。 所有感 写真や文章のよさはもちろん、一冊の本としてのつくりのよさに感心した。白い本体の清楚でカチッとしたデザイン、一転黒を基調としたカバーのコントラストとその手触り。中身の紙質も一味違う。これらが渾然となって本という「モノ」の出来のよさが伝わり、所有する喜びも感じさせてくれる。カバー裏面に隠された写真も秀逸。 杉本氏の発想の源に触れることができます。 森美術館で開催されている回顧展で杉本氏の作品を見てこの本を買いました。作品は根源的なものへの回帰を目指し、より原始に向かう中で今を知ろうとしているかのようです。杉本氏は時を越えて時代を見つめ、本質を探ろうとしています。この本では杉本氏のモノの見方や知の深さに感銘を覚えました。杉本氏の理解だけでなく、果てしなく広がる近代社会の中で、立ち止まって考えさせてくれる本です。 知識の泉に浸った気分 杉本博司という方がいるというのは、実はこの本で初めて知りました。 どのような作品を作る方なのか、どのような文章を書く方なのかまったく知らずに紹介の文章にひかれて読んでみたのですが、視点と視線がとてもヨイです。目に映る現実の背景にある様々なモノ・コトをもっともっと知りたいとの欲望に駆られる本でした。 言葉 杉本博司氏は1974年よりニューヨークに移住し、海外で活躍しているアーティスト。 その為、日本の出版社より海外の出版社から出されたものの方が多い。洋書ではなかなか、杉本博司氏の写真に対する思いを読み取ることができずにいた。(英語だし。) そんな中、待望の評論集!(日本語で!) 杉本氏の写真も美しいが、文章も非常に美しいので是非!
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[ 単行本 ]
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アート:“芸術”が終わった後の“アート” (カルチャー・スタディーズ)
・松井 みどり
【朝日出版社】
発売日: 2002-02
参考価格: 1,470 円(税込)
販売価格: 1,470 円(税込)
Amazonポイント: 14 pt
( 在庫あり。 )
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・松井 みどり
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カスタマー平均評価: 4
初心者から専門家まで 現在出回っている日本語で読める現代美術の解説書としては、おそらくベストの書籍のひとつであると思われます。筆者自身も指摘しているように、現代美術の流れを辿る上で、いくつか抜け落ちた部分があるのは否めませんが、ページ数の関係上ある程度は目をつぶらざるを得ないでしょう。この本の長所は、美術作品を語る際によくありがちな作品の自立性を重視した語り口ではなく、その作品の背後で語られてきた批評とその元となる思想を手際よく解説している点にあります。本書は特にある程度の現代哲学や現代史を把握してたうえで、現代美術の解説書を必要としている人にとって、打って付けのガイドブックとなると思われます。 企画に即した内容 本書の帯に「混沌かつダイナミックな今のカルチャーの見取り図を、第一人者にわかりやすく講義してもらう、いわばカルチャーの参考書」とあるが、内容は企画に即したものであり、その点において高く評価できる。
また、たとえ「カルチャー」というタームに違和感を覚えたとしても、現在進行形の文化的諸相を、ある意味でジャーナリスティックに解説するという行為は必要なものだし、企画意図に対しても、一定の評価を与えられるだろう。
ともあれ、現代美術に興味を持つ者が、入り口として手に取るには好適な本だし、入門書としての構成もよく考えられている。基本的に「現状を伝える」ことを旨として、著者の評価や判断を前面に出していない点も(取り上げる作家を選択し、構成を決めた段階で、著者は既に評価なり判断なりを下しているのではあるけど)、入門書として進められる要素だ。
ただ、残念ながら対象となる現在進行形の文化的諸相が、あまりにも現在進行形でありすぎたために、刊行から4年経過した時点で「既に情報が古くなっている」のは、まぁ致し方ないところではある。
内容的には星4つだが、装丁がちょっと小じゃれててかっこいいので、あえて高く評価した。
こういう本は気軽に使いつぶしたいから、ペーパーバック形式は非常にうれしいところ。 入門者の必読書 現代美術を理解しようとした場合、日本語で書かれた、有益な書籍は、きわめて少ないのが現状です。そんななかでは、本書は入門者の必読書といえます。1990年代以降の、欧米を中心とするアートの現状を概観する上で、とりあえずの指針になると思います。但し、1990年代半ば頃にニコラ・ブリオーなどにより言説が流布され、その後のメインストリームとなった、リレーショナル・アートについては、十分なフォローがされていない点で、現時点では物足りなさを感じます。 読んで忘れる 「現代美術〜」と称した本の多くが80年代前半位で止まっているなか、それ以降を概観できる。(自分のような)ここ数年関心を持ち出した初心者には楽しめる。ペーパーバックの形態でシンプルなデザインであることもラフな生活のなかで楽してめうれしい。 個人的に好きで見てきた作品がある理論に位置付けられて、納得できたものも、そうでないものもあるが、ますます混沌とする現代のアーティストの作品の中で、溺れかけそうになった人にはとりあえずの救命ボートかも。 デュシャン以降、多かれ少なかれコンセプチャルであることがアートの運命だから、この本の理論を参照することは現代美術を観ることに多少は免疫になるかもしれない。たいてい作品は理論を裏切るから、とりあえず乗っかってまた飛び込むための本。 現代アートの入門書 ベンヤミンの「複製芸術論」やフォスターの「反美学」を批判的に引用しながら、現代アートの諸相を描こうとしている。 現代の「アート」がどんどんと拡散しながら領域を拡大しているため、当然のことながら、取り扱っている分野は幅広く、議論がとっ散らかってしまっている印象はぬぐいがたい。しかし、本書はそもそもからそういう目的で書かれているであろうことを考えると、美学・美術史学を研究しようとする学生にとっては、一番最初の入門書として、あるいは少々アートに興味を持っている人にとっては簡単な解説書および現代のアーティストのマッピングとして活用できる著作ではないだろうか。 ここをスタートに「アート」の深淵にはまっていくもよし、その表象を漂うもよし。 ただ、ある程度、専門的知識がついてくるとかなり物足りなく感じてくるはず。まぁ、そっちの世界から経済学へスピンアウトした人間としてはちょうどよい本ですが。
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[ 単行本 ]
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現代アート事典 モダンからコンテンポラリーまで……世界と日本の現代美術用語集
・美術手帖編集部
【美術出版社】
発売日: 2009-03-04
参考価格: 2,100 円(税込)
販売価格: 2,100 円(税込)
Amazonポイント: 21 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 1,600円〜
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・美術手帖編集部
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カスタマー平均評価: 0
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[ 単行本 ]
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ファンタジア
・ブルーノ ムナーリ
【みすず書房】
発売日: 2006-05
参考価格: 2,520 円(税込)
販売価格: 2,520 円(税込)
Amazonポイント: 25 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 1,811円〜
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・ブルーノ ムナーリ ・Bruno Munari
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カスタマー平均評価: 4
シンプルで的確な「想像力」の教科書 ファンタジア:これまでに存在しないものすべて。実現不可能でもいい。
発明:これまでに存在しないものすべて。ただし、きわめて実用的で美的問題は含まない。
創造力:これまでに存在しないものすべて。ただし、本質的且つ世界共通の方法で実現可能なもの。
想像力:ファンタジア、発明、創造力は考えるもの。想像力は視るもの。
この冒頭の定義はとても的確に思える。「ファンタジア」「発明」「創造力」の微妙な差異もわかるし、「想像力」だけが、ちょっと位相の異なる概念であることもわかる。
どうなんだろ、この中で今の世の中に欠けてるのは「ファンタジア」と「想像力」だろうか。“実現不可能でもいい”って度量が今の世の中には無いし、人様の考えたものを、広く、深く“視る”余裕ってのも無い。
“子供は壮大なファンタジアの持ち主である”ってのを否定するくだりで著者の言説に信頼感を持つ。そう、子供が考えなしに口にする突飛な言葉の数々は、ファンタジアなんかじゃなく、“自分の知っている世界の投影”だ。いい大人が、無知や無垢を、ファンタジアだアートだと言い繕うことを周りは看破しなきゃダメ。スピリチュアルとかもな。「想像力」を深めることが「ファンタジア」を生むっていう循環。
本書ではファンタジアを「対比」「反復」「類似」「交換」「融合」といった技法に分類していて、それはそれで納得なんだけど、あくまでこれはファンタジアの分析であって、思考の整理にはなっても、分析がファンタジアを直接生み出すわけではない。そう、まさに基礎知識っつーか教科書だよね。読んだからって、そこにファンタジアが降臨するかどうかは、また別の話であって。
結論。この本、「ファンタジア」を生み出せるかどうかは保証できないけど(そんな本あるはずがない)、「想像力」、つまり“視るチカラ”を鍛えるのには確実に役立つ。シンプルで的確な「想像力」の教科書だ。 ムナーリのプレゼント デザイン論と思って手にした「ファンタジア」は、私に「貴方の今の世界をもっともっとクリエイティブな自由で楽しい広がりに変えていけるのよ!」と囁き、沢山の具体的モデル、ヒント、示唆を提示してくれるものだから、「そーか! 同じ事象も視点を変えて観れば...」と乏しき想像力も痛く刺激され、その気にさせられる。ふんだんなイラスト、写真も嬉しい。
成長過程の子ども達に関わる方、アートに携わる人には勿論、我々年輩層にとっても創造的思考と内なる「ファンタジア」への認識と可能性を指し示すメッセージといえよう。柔軟で優しい訳文は、理論的部分も含め、快く読め理解を助ける。 (定年退職どうしょう!世代)
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[ 単行本 ]
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無限の網―草間弥生自伝
・草間 弥生
【作品社】
発売日: 2002-03
参考価格: 1,680 円(税込)
販売価格: 1,680 円(税込)
Amazonポイント: 16 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 517円〜
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・草間 弥生
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カスタマー平均評価: 4.5
前衛芸術家 松本出身の芸術家の自伝。
ことしの福袋にkusamaの水玉T-shirtがはいっていた。
wearableだし、超センスがいい感じ。
この本の内容は彼女の芸術家としての履歴および、
海外でみとめられて日本に凱旋帰国した時の
いやなできごと、が書きつづられている。
ずいぶん前のことなのに、まるで現在と変わらない。というのが、
警察官の話(ハプニングをやって、駆けつけてきた警官に
米国式に小銭をにぎらせようとしたら、拒絶された代わりに
いやらしいめにあったとか)など、現代につうじる
日本の「普遍性」がちりばめられていて、あぁ?とため息。
やたら明るくて、楽しい本。本文挿入はないが、写真多数。 死に接することで生き延びてきた魂の記録 水玉や網目が繰り返し集積増殖するモチーフ。
図と地の境界がなくなった世界。自己消滅。
創る、そして消滅するの繰り返し。
草間彌生の作品が見る者の感覚に圧倒的な強度で訴えるのは、内側からあふれ出る必然性を始源としているからである。
心の病との苦しい闘い。それを芸術に昇華し、自己治癒を図ろうという試み。
離人の囚人となっても創作の囚人となっても、苦しいことに変わりない、”ならば、苦しくてもいい、私は水玉一つで勝負してやる”という心意気。
死に至るまでの苦しくも濃密な時間を芸術に費やすことへの使命感。
ついに、病は死に勝つ。
「病理」とか「自己治療」といった観点からの理解を凌駕した本物の芸術がある。
前衛としての姿勢を貫くことは、いつの時代にも異端の花となる宿命を持つ。
草間は10代の頃から遠い未来を思い、死を見出すために自己革命を行ってきた。
その生きざまそのものが本物のアーティストである所以である。
この本は、ギリギリまで死に接することで、生き延びてきた魂の系譜である。
時代を超えるエネルギー 正直に言うと、私には芸術の事はよく分かりません。草間氏の作品もまのあたりに見た事はないのですが、そんな私でもこの本はお勧めです。とにかく驚くのが、草間氏の芸術へのエネルギー。絵を母親に反対されても、食うに困っても、警察沙汰になってもたじろがず、己の道を突き進む勇気。彼女の生き方は一見ムチャクチャではありますが、今や世界から認められる芸術家となった事実が、彼女の確信は間違っていなかった証明になるのではないでしょうか。私には彼女の思想は分かりません。が、思想だの道徳だのといった器の小さい事を蹴り飛ばしてしまうようなエネルギーが、彼女の生き様にはあふれています。普段美術や芸術に興味の無い人にも「一時代を築いた女性の物語」として読んでもらいたいです。 芸術への情熱は今なお燃え続ける 本当は星5つでも良いのですが、万人に薦められるかというと「分からない人には分からないだろうな」と思うので4つにします。
大多数の、無名のまま生涯を送る“水玉が見えてしまう”人たちに比べれば、草間氏は才能と運に恵まれた幸福な人かも知れません。
しかし、もし自分に何らかの才能があったとして、病苦にも世間の偏見にも耐えてここまで自分を貫けるだろうか、と考えると、氏が己の才能を守るため払ったであろう多大な努力に圧倒される思いがします。
『天才と狂気は紙一重』という決まり文句など、草間彌生という現実の前には何と陳腐に聞こえる事か。“狂人”であろうがなかろうが誰だって、偏見と闘うよりは、内心不満を持ちながらも平凡に暮らす方が楽に決まっているのです。
初期の繊細で悲しみや弱さを慰めるような作風も好きですが、最近の刺激的で逞しい作風の数々の作品には、“モダンアート”がこれからの文化に与えうる限りない可能性を感じさせます。
アートに興味があるなしに関わらず、一人でも多くの人に読んで欲しい本です。 すさまじかった お名前と水玉、ということしか知りませんでしたので、昨年の展示会に行ってみました。思っていたのとぜんぜん違う、深遠な世界が広がっていて非常に興味を持ちました。そこで、もっとどんなひとなのか知りたいと思い、この本を読んでみましたが、すさまじい人生を送ってこられた方でした。半分、異世界に足をつっこんでいるのかもしません。おすすめです。
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[ 単行本 ]
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クサマトリックス/草間弥生
・森美術館
【角川書店】
発売日: 2004-04
参考価格: 1,680 円(税込)
販売価格: 1,680 円(税込)
Amazonポイント: 16 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 1,080円〜
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・森美術館
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カスタマー平均評価: 5
すべてが作品 私が森美術館に行ったときは、もうクサマトリックスが終わって間もない頃だったので見ることはできませんでしたが、この本を見ると目に浮かび上がってくるようです。またいつか回ってきてほしいです。 建物自体を侵食してしまう草間弥生は、どんな場所でも草間ワールドにしてしまう。。。本当に圧倒です。 私にとってこの本は、本というよりむしろ、《手に取ることのできる草間弥生の作品》という感覚です。 エネルギーのすさまじさ。 以前TVに出演していたのを拝見した時にものすごいオーラに圧倒され、翌日購入してみたがすごかった。草間弥生のエネルギーが満ち溢れています。内容は森美術館で行われたクサマトリックスの作品集ですが、行ったことない方も行ったことある方も楽しめる作品だと思います。作品ももちろんですが写真も素晴らしいです。荒木経惟さんと中野正貴さんが撮影しています。また、出品作品解説や草間弥生本人のコメント以外にも、坂本龍一さんや作家の町田康さんらが巻末にそれぞれ1Pほどのコメントを寄せています。 作者の作品だけでなく、本人のコメントも力強く魅力に溢れていました。端的ですが、草間弥生という芸術に触れられる入門書としておすすめです。 ナンダ、コレハ!! 草間弥生はすさまじい。狂気と正気をコントロールする芸術家は多いけど、このひとは狂気のボーダー上にいる人だ。実際の作品を目にすれば、その異様なフォルムに圧倒されてめまいがして吐き気さえ覚えるほど、執拗なまでのドットの嵐。まさしく「ナンダ、コレハ!」の世界なのだ。 ミラクルワールド・クサマトリックス。展覧会を見たら記念に一冊、おすすめ。
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[ 単行本 ]
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メディアアートの世界―実験映像1960‐2007
【国書刊行会】
発売日: 2008-01
参考価格: 2,310 円(税込)
販売価格: 2,310 円(税込)
Amazonポイント: 23 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 1,770円〜
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カスタマー平均評価: 4.5
ついに出た メディアアートに関する本邦初の専門書。書店で見つけた時、ついに出たかって感じ。
メディア芸術は変化も早いので本書がどれくらいの期間、価値を持つかは疑問だが、先駆書ということで5つ星。
特に松本俊夫、飯村隆彦といった前衛時代のアートストの記述などは若者にとって刺激になる。
同類本の「メディアアートの教科書」(フィリムアート社)と「芸術・メディアの視座」(タイケン)を併せて読めば
メディアアートのことはある程度理解できるだろう。 商業映画ばかり観ていて満足ですか? 筋立てのある映画やドラマも好きだけれど、どうしても受身に作品と接してしまう。それは鑑賞体験を重ねるにつれて物足りなさへとつながる。世の中には明快な刺激を伴わない難解な映像作品もある。メディアそのものについて自己省察的でコンセプチュアルに作られた、鑑賞者に能動的なコミットメントを求める挑発的な映像の世界が、大衆的映像文化の副流として存在する。インディーズの「映画」までで足踏みしていたシネフィルが、現代美術としての「映像」に開眼するには恰好の入門書となる。松本俊夫氏や飯村隆彦氏らをはじめとする執筆陣の個人史的な記述も興味深い。ただ、残念なのは装丁がフィルムアート社みたくキャッチーではないこと。 勉強になりました、年表がおもしろかったです
60年代の濃厚さを知ることは
現代のメディアアートをことを知ることにもつながったと思います
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[ 単行本 ]
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アウトサイダー・アートの世界―東と西のアール・ブリュット
・はた よしこ
【紀伊國屋書店】
発売日: 2008-01-31
参考価格: 2,520 円(税込)
販売価格: 2,520 円(税込)
Amazonポイント: 25 pt
( 在庫あり。 )
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・はた よしこ
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カスタマー平均評価: 5
好きになると、固くなったココロが、少しほぐれます。 滋賀県の近江八幡にある「no-ma」という美術館で
ここに載っている作品の多くを直に見ました。
アウトサイダー・アート、いわゆる「アール・ブリュット」とは、
精神障害者の表現を芸術として捉えたもの。
普通の芸術作品が多少なりとも「理性」によってコントロールされ、
自分以外の誰かや、何らかの目的に向けて制作されるのに対し、
ここに並ぶ作品には「つくらずにはいられない」という衝動しかありませんが、
そこには作り手を通した確固たる世界観があります。
表現のテーマは様々。
電車だったり、地図だったり、恋愛(男と女)だったり、世の中だったり、日記だったり。
作り手は、好きなものや興味を無理せずそのまま自由に表現します。
気が乗らなければ作らないが、作っている時の姿は無邪気そのもの。
普通であれば息がつまりそうなくらい緻密な表現もたくさんありますが、
ここでは、そんな作品ほど見ているととても気持ちが和む。
なんでかクスクス笑ってしまうような感じになります。
ギスギスした世の中で頑張っているうちに忘れてしまったものを、
もう一度思い出させてくれるような作り手たちと、作品たち。
なんだか大好きになってしまい、この本を買って帰りました。
興味があれば、あなたもぜひ手にとってください。
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