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[ 新書 ]
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脳が冴える15の習慣―記憶・集中・思考力を高める (生活人新書)
・築山 節
【日本放送出版協会】
発売日: 2006-11
参考価格: 735 円(税込)
販売価格: 735 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 50円〜
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・築山 節
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カスタマー平均評価: 4.5
すぐに出来る15の習慣 脳にとってよい習慣を身につけるために、すぐできる15の習慣を紹介しています。少しずつでもいいから取り入れていったらいいのではないでしょうか。
15の習慣のうち特に以下の3つは大切にしたいなと思います。
・生活の原点を作る:生活の基盤を整える(同じリズムで起きる、ウォーミングアップをする)
・集中力を高める:締め切り効果(試験を受けている状態)。適度な休憩。一日に何回締め切り効果を生かして仕事ができるか。
・睡眠の意義:疲労回復のみならず、思考の整理のための睡眠。決して、睡眠を削ろうとは思わないように!
後の12の習慣は本書をお読みください。
分かりやすいし、救われる 最近脳関係の本ってブームですね。
池谷さんとか茂木さんとか、私自身も関心があり、
いろいろと読んでみました。そして築山さん。
まず「家事が脳トレ」というのがびっくり。
家事とか雑用こそ進んでこなすべし!
進んで雑用をこなすことによって脳に耐性が生まれる。
脳は自堕落で怠惰だから楽な方法に進みたがる。
それを阻止するには雑用をこなすべし!とあり、
DSなどかわずとも、脳トレが出来るのか!と目からうろこ。
DS買わなくてよかった(笑)。
そして人間や脳にとって、自由とか束縛、規制がないことが
どれだけ逆に「不自由」で「大変」なことなのか、ということに
ついても書かれています。
つまり、脳や私たち自身のためには
ある程度の「不自由」、つまり規制や束縛が必要、ということです。
そういうこともとても勉強になりました。
つまり、夏休みに宿題をたくさん与えられたり、
「日課表」とか「日程表」やらその日の天気を毎日記入したり、
早寝早起きを心がけたりすることは
とても大事なことだったのですね(納得)。
もう一度そこに戻らなくては・・・(汗)。
いろいろ勉強になり、気分が明るくなり、
ためになった本でした。
オススメです。 月に一回読見返したい。 「年齢を重ねるたびに、全てのことが面倒になって、記憶力も落ちてきている。このまま、衰えてしまうのか」と危機感を抱いたときに、この本に出会いとても良かったと思います。
習慣となるまで、月に一回は読んで、脳の活性化をはかりたい。 わかりやすく、実行しやすい実用書! 脳トレが巷では盛んですが、この本はその基本中の基本を教えてくれます。
脳を鍛えるというか、脳をうまく動かすための環境作りを教えてくれます。
脳を鍛えるというちょっと構えなくてはならない事をする前に、
いろいろ私生活の取り組み、仕事の取り組みを変えることによって、脳が活性化するということを教えてくれます。
・生活のリズムをくずさない
・時間の制限を作って、課題に取り組む
・目を動かしていろいろな情報を取り込む
・行動表を作って取り組む
等、実行できそうな項目が並べられています。
私も遅まきながら、少しずつ実践していこうと考えています。
3か月やって効果を見てみたいと思います。
すべて脳のためと思って。 毎日のルーティンワークでも、脳のためにいいことだと思うとやる気がでます。
たとえば料理。面倒だ思うと、おっくうになるし、手を抜きたくなる。けれど、本書によると料理は前頭葉を使う脳トレになるという。頭を使う、手を使う。
家事には定年退職がない分、一生続けられる仕事だと思えばいい。
脳関連本がブームとなっているが、どれも同じようなことが書かれています。しかし、本を読んで生活をリセットし、実行に移すことが大事なのでは。
15の習慣の、目次のタイトルをときどき読みかえして、脳にカツをいれてみたくなる一冊です。
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[ 単行本 ]
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狼と香辛料 狼と金の麦穂―DVD付き限定版
・支倉 凍砂 ・文倉 十
【アスキーメディアワークス】
発売日: 2009-04-30
参考価格: 3,360 円(税込)
販売価格:
中古価格: 4,200円〜
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・支倉 凍砂 ・文倉 十
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カスタマー平均評価: 5
絵本ですね 「ビジュアルノベル」と銘打っていますが、全ページのカラーイラスト・短い文章と
結局は「絵本」ですね
絵本としてはなかなか雰囲気がいいんじゃないでしょうか。
#もともとが中世ファンタジーなので絵本とは親和性が高そう
お話の内容は豊壌の神としてのホロの日常・・・というか収穫の様子をホロから見た様子というか・・・
おまけのDVDは原作7巻のなかの「狼と琥珀色の憂鬱」をアニメ化したもの。
この話は以前ドラマCDにもなっていたが、そちらはちょっと羽目を外し過ぎの感があり。
それに対しこちらは原作を忠実に作ってある。
こっちのほうがずっといいですね
アニメ2期の0話ということで2期の出来を占う意味でも注目だったんですが、
1期並みのクオリティは維持されていそうで一安心
あとはちょっと値段が高いのが気になるといえば気になるけど、絵本+DVDという意味では
まあ許容範囲内かしらん
#発行部数が少なそうなのはちょっと・・・ですけどね 狼と琥珀色の憂鬱 同封されているDVDアニメは原作を読んだ方ならわかる
「狼と琥珀色の憂鬱」です。
この物語と、ホロのこれまで村で麦を守ってきた日々と
ロレンスへの思い。今の生活のたのしさと、この先のいとしいロレンスとの旅の限られた時間への不安が描写されています。
これが絵本の中の物語とイラストと絶妙にリンクしていて
原作を読んだ方なら思わずホロっときます。
ホロの揺らめく心の描写が今後のアニメ2期の1つのテーマなのではないかと予感させます。
ファンの方は是非、絵本とアニメを噛み締めるように楽しんで頂きたいです。
豊穣の狼の欠伸 麦の穂を渡る風を頬で感じるような、
さわやかだけれども少し寂しいホロの一人語り。
狼と香辛料 (電撃文庫)の番外編です。
支倉先生の書き下ろし本文に、
文倉先生のイラストを豪華に使った美しい短編です。
麦畑で一人悠久の時を過ごすホロの、
いつもと変わらない日常と、
少し変わった祭りの風景がつづられています。
限定版はDVD付き!
アニメ第2期番外編が楽しめます。
楽しげなロレンスとノーラをよそに、
一人ご機嫌斜めなホロ。
その訳とは・・・?
御年数百歳の賢狼といえど、
自分の気持には不器用なご様子。
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[ 文庫 ]
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V字回復の経営―2年で会社を変えられますか (日経ビジネス人文庫)
・三枝 匡
【日本経済新聞社】
発売日: 2006-04
参考価格: 840 円(税込)
販売価格: 840 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 650円〜
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・三枝 匡
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カスタマー平均評価: 5
我が社もなんとかしたい 経営の立て直し屋と呼ばれる著者が、自ら関わった数社の事例をミックスしてストーリー仕立てにした経営回復の処方箋。とは言え、実はエピソードの90%は某社1つの事例をベースにしており、あまりにもできすぎているので、回復した数値も控えめに表現してあるらしい。
経営立て直しの根幹は人心の一新にある。そのためには、社員一人一人に現状を余すところ無く伝えて緊張感を持たせることから始まる。赤字の原因は経営陣のみにあるのではなく、社員全員がぬるま湯に浸かっていることを理解することが必要だ。
市場を見ずに趣味で行う研究開発、クレーム対処や営業に振り回される製造部門、上からの数値目標に適当に従う振りだけの営業、もちろん経営者も自らの過ちを認めないことには話は進まない。全員が会社を蝕む癌細胞になる可能性も持ち合わせていることを自覚しなければならない。
赤字を他人のせいにして偉そうに高みの見物をしている傍観者や、改革を意図的に妨害する社員は、完全に癌細胞なので、去ってもらって結構ということだ。 社内改革について非常に勉強になりました。 よっぽどうまくいく会社というのは、ある意味宗教ちっくな側面を
抱えていることが秘訣なのかもしれません。
この本で紹介される組織も、ワンマン経営に近いところはあるかもしれないけれども、
それが結果的に社員をハッピーにし、社会もハッピーにしていくことができれば
何ら問題はないかと思うわけです。
ただしワンマンで危険なのは、恐らく暴走したときにそれを止める役がいないこと。
よって参謀の存在は必須。
組織論及び社内改革について考えさせられる本でした。
とっっても面白かったです。 骨太・情熱 サブプライム後、アメリカ流のマネジメント・グローバル化が見直され、有識者からの反省も駆け巡っているが、本書はいつの時代でも、どんな状況でも活用できるヒントが満載だ。
なぜなら、1)具体的事例が豊富、2)登場人物の役割・心情が明確、3)まとめが要領を経ており、まるで映画を見ているかのごとく情景を思い浮かべることができ、自分自身もその映画に出演している気持ちになれるからだ。
筆者が、たぐいまれな情熱・実行力を持ち、修羅場を幾度も乗り越えてこられただろうことが容易に感じらるだけに、読んでいて体が熱くなる。
自分の環境と比較してみては 著者の実体験を元に執筆されており、企業を再生する上で、重要なポイントや必ず対面する困難が生々しく描かれている。
しかも、改革のステップ毎の構成になっており、各章の最後にキチンとポイントがまとめられているため、実に読みやすく、ストーリーの面白さからもあっという間に本書に引き込まれててしまう。
自分の会社での状況と比較すると、本書の内容と重なる部分がとても多く、それぞれの現象についての分析、対処策が書かれているため、自社の業績不振や環境に不満のある方には是非お勧めしたい一冊である。
自分も含め、不振の原因を他部署や経営陣の責任にしてしまうが、本書を読むと、自分にも悪い部分が必ずあるという事に気づかされるので、そんな経験をお持ちの方は是非読んでみてはいかがだろうか。
プロの経営者になるための必読書である。 元BCG・現ミスミ社長の三枝匡氏の本である。
内容は実際に著者が関わり企業再生したケースをフィクション化した小説であり、現実味があり、再生していく過程の戦略も実践的かつ論理的であり、なにより分かりやすい。また実際に戦略が現場で実行されるときに社内外で起こる障害、必要とされる人材の能力、成功のために乗り越えなくてはならない壁、必要とされるスピード感・リーダーシップなどが具体的に見事にストーリー化されている。
文中や巻末に危機企業の発するサインが50ポイント列挙されている。
これらは、殆どの場合、業種を問わず当てはまる「経営の鉄則」であり、是非、活用していただきたい。
プロの経営者になるために、経営・マネージメントを学ぶ上で必読の書である。
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[ 文庫 ]
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お釈迦様もみてる―学院のおもちゃ (コバルト文庫)
・今野 緒雪
【集英社】
発売日: 2009-04-01
参考価格: 460 円(税込)
販売価格: 460 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 200円〜
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・今野 緒雪
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カスタマー平均評価: 4
祐麒はなぜ、安来節をおどるのか!? 花寺学院高校物語第二弾!
なぜか生徒が源氏と平氏に分かれている花寺学院高校。
その真っ只中に投げ込まれた、というか、自らはまり込んだ祐麒。
どちらにも組せず、おかげでどちらからも敵視されがちな学園生活を、
どういうわけか生徒会長の柏木優や、やっとできた仲間たちが救ってくれる。
身体は小さいが、真っ直ぐな性格が皆に好かれるのは祐巳と同じ。
ところで、「まりみて」と同時進行とか、男女を描き分けて、それぞれに
学園小説を物する、というのはやはりむづかしかったんでしょうかね‥。
「まりみて」に、花寺とリリアンのからみがちょっとあったが、結構楽しめた。
まあ、それが過ぎるとリリアンの世界があまりに下世話になってしまうかも
しれないし、その辺がむづかしいところでしょうか‥。
で、つぎはいつですか?今野さん。
「光の君」の烏帽子子、青春疾走。 祐麒主人公のシリーズも2巻目。彼が大好きな私には、個人的には
前シリーズよりも続きが楽しみ。
「マリみ」シリーズよりも、今野さんがマイペースかつリラックスして
文章を紡いでいる。前作は緻密な構成や入り組んだ人間関係が多々
存在したが、「お釈迦様」では出来るだけ「シンプルな思春期の少年」が
どうにも一筋縄ではいかないカオスな学園生活に四苦八苦&疾走する姿
が描かれている。
今回は柏木優こと学園のカリスマ「光の君」に「ただ1人」に選ばれた
福沢祐麒という高校1年生が、いかに周囲に特別な「継承者」として
認識されていくかの過程の初期が描かれている。
「マリみ」の色々な場面とシンクロする箇所も懐かしく、「安来節」セットを
何故祐麒が持っていたのか、そして「あの集団」の存在の謎なども判明する。
クセの強いアンドレ先輩視点で描かれる場面が多く、彼独特の粘着的感覚に多少
気後れするも、次第に優しく変化していく眼差しには心が温かくなる。
ちょっと残念なのは、柏木先輩と祐麒2人だけの会話が少ないこと。
脇役にも感情移入させるべくメインキャストの魅力を書くのも悪くないが、
一番読者が注目しているはずの「柏木さんが祐麒にどこまで惚れ込んでいるのか」
「祐麒がいかにして柏木さんを特別と認知したのか」が
続編を楽しみに待てというメッセージだろうけれど、まだまだ掘り込まれていない。
常に完璧で、ミステリアスな柏木さんには本当はどんな素顔が隠されているのか、
祐麒がこれから紐解いていってくれるのに期待大♪
それにしても、私は女子高育ちで男子校を知らないが、こんなにも女性的というか
1人の生徒会長をアイドル視して嫉妬したり追っかけしたりするものなのか。
リアルを求めるのは無粋なので、ここはファンタジーとして楽しむのが一番。
そしてやはり主人公祐麒は、どこまでもカッコ良い、時にナイーブだが優しく
勇気有る素敵な少年だと惹かれてやまない。
こちらのシリーズもぜひぜひアニメ化して欲しい。
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[ 文庫 ]
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日本語の作文技術 (朝日文庫)
・本多 勝一
【朝日新聞社出版局】
発売日: 1982-01
参考価格: 567 円(税込)
販売価格: 567 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 217円〜
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・本多 勝一
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カスタマー平均評価: 4.5
本多さんは嫌いだが、この本は例外 調査票を作る仕事をしていた時、あるベテラン調査マンから勧められ読みました。
本多さんの思想全般には賛成できないし人間的にも嫌いなのだが、この本は例外です。 途中までならスラスラ読める あの本多さんが書いた作文技術。
これは、新聞記者として技術を積んだ本多氏がそのテクニックを惜しみなく開示したもの。
まず、新聞記者がこれほどまでに文章に思い入れを込め、注意を払って記事を書いていたことに驚く。
あとがきは多田道太郎氏。
きちんとした日本語を書こうと思ったら、この「日本語の作文技術」を読めと言っている。
それは、日本語を書くことが出来るとほとんどの人が甘えているからだという。
しかし、この本を通読することは苦痛だ。
技術論が多く、例文が多く、とにかく考えながら読まなければ前に進まないからである。
あとがきで多田氏はこうアドバイスしてくれている。
忙しい人は4章まで読めば、確実に文章は良くなると。
そう、読んでいて5章から一気に読みにくくなるのだ。
最初から書いていてくれれば苦しまなくてすんだのだが。
例えば、句読点の打ち方。
「渡辺刑事は血まみれになって逃げ出した賊を追いかけた。」
これでは血まみれになったのは、刑事なのか賊なのかがわからない。
次のように点を打つとどうなるか。
「渡辺刑事は血まみれになって、逃げ出した賊を追いかけた。」
これでは渡辺刑事が血まみれになってしまう。
正しくは、
「渡辺刑事は、血まみれになって逃げ出した賊を追いかけた。」
点一つでもこれほど意味が違ってしまう。
日本語は本当に奥が深い言語である。 文章に携わる人は読んだ方が良いと思います 文章を書くことが大変苦手です。
私が思うままに書いてしまうと、文章が特に分かりづらくなると自覚しているからです。
そのため、どうしても文章を書かねばならないときは、過去に読んだ様々な書物や記事を思い出し、経験と照らし合わせながら書いていました。
ぼんやりとですが、こうしたら良いのではないか、と思うものの、
具体的にはどうしたらよいか分からずにいました。
この本は、しっかりと、分かりやすい日本語で
法則が書かれています。
やはりやり方はあったのか、と嬉しく思い、
読み進めるごとに頭が整理され、目の前が晴れたような気持ちになりました。
感情的ともいわれる表現は、私には大変魅力的に映りました。
日本語、言語というものを理解し、そして愛しておられるのだ、と。 堅そうな体裁のわりに読みやすい 昔の本だし、小さいので「難解かもしれないな…」と身構えて読み始めましたが、
意外と理解できてあっさりした読後感でした。
もともと国語が苦手ですので、すべてを理解できたとは思えませんが、数箇所「なるほど!」
と思う箇所がありました。 例を挙げると、
・日本語文にあるのは主語ではなく主格なのだから、翻訳で強引に主語をつけなくて良い。
・送りがなは文にリズムをつけるものである。いたずらに漢字を連続させないほうが良い。
・主格と述語はなるべく近くに置く。
・長い修飾語は最初のほうに持ってきて、読点で区切る。
などです。 後半は実践ぽい感じですが、例文がダラダラと続いたり置いてけぼり感を
感じるので正直読まなくてもいいかも。 わかりやすい日本語を書くための良書 述べたいことを正確に表し、しかも読みやすい文章はどうやって書いたらいいのかが分かる本です。私は弁護士をしていますが、法律文書にはやたらと難しくて分かりにくい文章が多いことを残念に思っています。法科大学院生の必読書として推薦したい1冊です。この本を書き上げた著者の労力に感謝します。
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[ 文庫 ]
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夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)
・森見 登美彦
【角川グループパブリッシング】
発売日: 2008-12-25
参考価格: 580 円(税込)
販売価格: 580 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 200円〜
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・森見 登美彦
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カスタマー平均評価: 4.5
よくわからん ぬらぬらとした奇妙な文体は、ドグラマグラを彷彿とさせるながらも、京都という街の魑魅魍魎が跳梁跋扈していそうなアヤシゲな雰囲気を表現することに一役買っていると思う。文体に感性があわなければそれまでだし、あえば独特の世界観を楽しめるのではないだろうか。そういった意味では、あらすじと可愛いイラストの表紙から恋愛小説だと推測して、ジャケ買いすることはお勧めできない。じっくりと腰をすえて、最初の数ページといわず1章くらい読んでから購入した方がいいのではないだろうか、幸運にも最近の本屋には座り読みできる空間があったりすることだし。それほどまでにギャップが激しい。
たまに「読者諸君」などと、こちらへ語りかけてくる部分以外は割りと面白かった思う。 京都の街並が目に浮かぶ 単行本も読んだけど誰かにあげちゃったので文庫版も買ってみた。
独特の言い回しで、京都の街並が思い起こされるほのぼのストーリーです。
普通の感覚で言えばとっても変わり者の「黒髪の乙女」が京都の街で大暴れするストーリーなんだけど、とてもほのぼのした心洗われるストーリーです。でも独特の言い回しに好き嫌いがあるかもねー。
■読んで欲しい人
・京都に住んでいるか住んでいた人
・京大の出身または学生の人
・ほのぼのしたい人 嗚呼、青少年よ苦悩せよ 一途な想いを寄せた意中の相手は黒髪の乙女。彼女の注意を惹くためにあの手この手で「外堀を埋めて」も、さらりと躱されすれ違う日々。
そんな『先輩』の苦悩と、それを知らない『乙女』の日々礼賛を交互に描いた意欲作です。
明治時代の書生さんのような堅苦しい口調の『先輩』。本当にこんな思考をする大学生がいるのかと苦笑いをしつつ読みながらも、あのように奥ゆかしい乙女がいれば一途な想いを向けてしまうのも無理はないと納得してしまいました。
安易に社会に流れずに我が道を生きる二人。登場人物の紹介を最小限にとどめ、現実とファンタジーの境界を曖昧にすることによって得られる独特の作品世界。人の世と感情の不思議が巧妙な文体や構成で描かれており、読後はさわやかな気分になれること請け合いです。
一流の娯楽小説 今まで読んだ小説で一番笑ってしまった作品。
ジャンルで言えばラブコメになるのでしょう。
軽妙な語り口にテンポの良い展開、
神様も現れるファンタジックな要素を持ち合わせた娯楽性ある物語と素敵な要素が満載でとにかく読んでいて楽しい!
古風で独特な言い回しながら簡潔で読みやすい文章も良いです。
また、春の飲み屋街、夏の古本市、秋の学園祭、冬の風邪騒動という四季に焦点を当てた四章構成も上手くまとまっていますね。
頭の中に1つ1つの場面を鮮明に想像することが出来る、色彩豊かな描写力を感じます。
でも、この物語の一番の魅力は個性溢れる登場人物であると断言しましょう。
理屈屋で不器用な主人公「先輩」と時代錯誤的な純真さで周りの誰をも幸せにしてしまう「黒髪の乙女」を中心に、
大酒飲みの女傑、空飛ぶ学生天狗、偽電気ブランで富を築いた高利貸し、
錦鯉センターを経営する心優しきダメ中年などアクが強く愛嬌あるキャラクターばかり。
微笑ましくて、愛おしくなること請け合いな人物が揃っています。
他にも様々な人々が登場しますが、誰一人無駄にならず活かされている点も素晴らしい。
いい意味で著者の手から離れて活き活きとキャラクターが動いていますね。
ファンタジー的要素など好みが分かれる部分もあると思いますが、楽しい小説を読みたければ一度は手に取ってほしいです。
難しいことを考えず気楽に読んでもらいたい作品。
「ハチミツとクローバー」や「3月のライオン」で有名な漫画家・羽海野チカさんのあとがき(?)もオススメです。 女の子の趣味が素敵すぎる! 森見さんは女の子の趣味が素敵すぎる!、『四畳半神話大系』、『太陽の塔』など他の作品にでてくる乙女も魅力に溢れていますが、特にこの作品の「黒髪の乙女」は老若男女を問わずだれもが胸を捕まれてしまうのではないでしょうか。
独特の文体も好き嫌いがあると思いますが、私ははまってしまいました。
一癖も二癖もある文章で、ファンタジーであるというものすごい森見さんの世界にどっぷりはまり込み、読み終わってしまうと、寂しくてまだまだ読み足らなくなって他の森見作品にも手を出してしまいました。この『夜は短し歩けよ乙女』から入って、『四畳半神話大系』、『太陽の塔』と出版年順には逆から読んでいったのですが、共通の登場人物などが出てきて、あのことがここにつながっている!など発見ができて面白かったです。
関西出身の作者だけあって京都を舞台にいきいきと描かれて京都好きにはたまらないのでは。
羽海野チカさんの「かいせつにかえて」も森見さんの世界が羽海野さんの世界観で絵になっていて素敵でした。
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[ 文庫 ]
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スイート☆ライン (電撃文庫 あ 13-26)
・有沢 まみず
【アスキー・メディアワークス】
発売日: 2009-05-10
参考価格: 578 円(税込)
販売価格: 578 円(税込)
( 在庫あり。 )
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・有沢 まみず
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カスタマー平均評価: 0
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[ 文庫 ]
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ハゲタカ(上) (講談社文庫)
・真山 仁
【講談社】
発売日: 2006-03-15
参考価格: 820 円(税込)
販売価格: 820 円(税込)
( 通常4〜5日以内に発送 )
中古価格: 377円〜
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・真山 仁
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カスタマー平均評価: 4.5
ドラマとは別の面白さ! ハゲタカと呼ばれている会社からお給料をもらっています。。。
ドラマにハマったものの、原作には興味がなかったのですがこちらで書評を見て手にしました。
ドラマとは鷲津のキャラが違いますし、設定も違うのですが引き込まれるように読みました。ドラマでは印象の薄かった「金髪」も、とても魅力的な描写がされており楽しめました。
よくこの原作であのドラマの脚本が書けたな?と脚本家の手腕にも感心しつつ、原作が素晴らしいからこそ、創造できたドラマだと思えました。 「商いの基本」の教科書 主人公・鷲津のビジネス展開(読み、根回し)に脱帽です。
作中の彼の言葉を借りれば「これはアメリカンスタンダードなんて話じゃないですよ。船場の商いでも、これくらいのことはします。ただ、我々は、経済成長という幻想の中で、頭を使うことを忘れたために、商いの基本を失っただけです」(下巻64ページ)
小説としても大変おもしろく、秀作だと思います。 注意喚起 ドラマ版のハゲタカをご覧になり、本書を読もうかどうか検討されている方へ。
単刀直入に申し上げると、ドラマ版と本書は全く別の作品です。ドラマ版のような感動を本書に期待するとその期待は見事に裏切られるでしょう。ドラマ版の鷲津は冷酷な仮面の下に優しい素顔を隠し持った非常に魅力的な人物でしたが、本書の鷲津は陰険、狡猾、強欲、傲慢なハゲタカそのものです。また、全体的に怒り、憎しみ、復讐といった感情が流れており、読んでいてあまりいい気分はしませんでした。
本書から材料として使われている部分はありますが、ドラマ版においてイニシアティブをとったのはこの著者ではなく全く別の方だと推測されます。ですから、ドラマ版とは全く異なる作品であるということを理解した上で読むかどうかを検討されるといいと思います。
ものすごく「当たり」 NHKでドラマをやっていたのを番組表で見て気になって読んでみた。
軽いテイストの本か,故なきハゲタカ批判の本かと勝手に思い込んでいたが,実は骨太な企業再生,日本再生に燃えて,それを実現するために奔走する人たちの本である。
また,ハゲタカとイヌワシの違いも知らなかった自分が恥ずかしくなった。
どこまでが実話かは評価できないが,当時起こった事象が有機的に繋がっているため結構真実味があり,現実もあたらずとも遠からずではないかと想像する。企業名も推測可能な名前になっているのがおかしい。
ハゲタカというと死肉をむさぼるというイメージがあるが,実は事業再生,産業再生ビジネスの本質はそうではない。
本業が健全であるにもかかわらず同族による乱脈経営で窮地に陥っている例も多い。そのような中,不採算事業を切り捨て,債務を切り離し,経営者の一新を図り,新たに資金を入れて設備の更新を図って事業を再生するビジネスの実際的な有効性は,本書を読んで初めて理解できたと言っていい。
一方,最後まで企業にしがみつき,それをしゃぶりつくそうという同族の「欲」という業の深さも余すところなく語られる。
再生ファンド,M&A,DIP等のファイナンスはさまざまな本で手順が語られるのを自分なりに読んできたが,これをこのような切り口から法律や各種の制度を理解しながら,鮮やかに物語として語っていく著者の筆力はただものではない。株式や債権をどの程度持っていると何ができるのかという辺りのノウハウはハゲタカしか持っていないだろう。
あと,興味深かったのは,産業再生の現場は,権謀術数渦巻く戦いの場であるということである。人脈,情報を駆使したもののみが勝者になれる厳しい世界である。ただ,このようなダイナミックな世界に若い人はあこがれるのではないだろうか(成功報酬で報われるわけであるし。これに比べると普通の大企業は退屈でしょうがないものであろう)。 面白い!これは買いです。 私は最初にNHKのドラマを見て、テーマが面白く、原作を
手にとりました。
ドラマとは違うストーリー・価値観があり、別のものとして
面白く楽しめます。
経済小説なのですが、純粋なフィクションとして楽しめます
し、肩肘張らずに読めます。
ストーリーテラーとしての作者の腕前は確かなものと、偉そ
うではありますが感服しています。
ご一読をお勧めします。
但し、実際のファンドや会社(多くは問題会社なのですが、
多かれ少なかれ、どの会社にも内在する問題意識です)とは
当然違うものなのだ、ということを踏まえて、楽しんでほし
いと思います。
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[ 新書 ]
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農協の大罪 (宝島社新書)
・山下一仁
【宝島社】
発売日: 2009-01-10
参考価格: 700 円(税込)
販売価格: 700 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 490円〜
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・山下一仁
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カスタマー平均評価: 4.5
老衰する農業 まったくもって正論である。なぜこれまでこういった主張が広く取り上げられず、放置され続けてきたのか。減反と補助金漬けでいまや日本の農業は完全なる死に体である。三ちゃん農家はばら撒きカットには反対するが、けして知恵は絞らず、農水省はそんな農家向けの予算を確保することに血道をあげ、政治家は票田として取り込みにかかる。この負のトライアングルの中、活力を失った農業は高齢化と需要減が進み、近いうちに壊滅するのだろう。
結局は規制緩和して自助努力を促すしかないのだが、戦後50年出来なかったことが、これから出来るのだろうか。農業の前途には暗澹たる未来しか感じられない。 お見事! 農協を始めとした既得権益に対して鋭いメスを入れている。
随分前だが、農家2人に対して農協職員が1人いるという、おかしな状況が指摘されたが、その後何ら変わっていない。
本当に良い農作物を真面目に作っている農民から搾取している既得権益をつぶさなければ、食糧自給率の向上など、ただの既得権益温存のためだけのスローガンである。
農業という国民にとっての生命線を守るのではなく、権益を守りたいだけの彼等をなんとかしなければならない。
本書はそのための重要なメッセージを発している。 行政で農政担当者のバイブルになりうる本 とある小さな市で農政を担当して丸4年が過ぎようとしている。この本ともっと早く出合えていたら、農業に関する理解がかなりの高速で完了したと思う。その分、仕事に時間を費やせたし、もっと有効な手立てが出来たかもしれない。年数から異動対象となっている自分だが、後輩たちには「教科書だと思って読め」と勧めている。
余談だが、著者の山下氏とは、とある研修会でお会いする機会があり、あつかましくもサインなどしてもらったが、生の山下氏はとっても気さくな方で、本の内容と一致しないところがまた魅力的だった。 農協の大罪ならぬ農水省の大罪を元農水省高級官僚が自責の念無しに語っている奇書 日本は水資源大国であるかこそ工業が発展した(p.175)、その水を供給しているのが水田であるp.176、一度転用した農地は元に戻すことが困難でp.166食糧安全保障のためには農地を守るべきp.167。「農地を減らす減反p.167」による高米価の維持は止め、主業農家への直接支払いによる所得保障に保護政策を切り変えれば、米の価格は下がり消費者メリットとなり米消費も増えるp.122上に、高関税で米を保護しミニマムアクセス米を輸入する必要もなくなるp.187。しかし、目の前の利益に囚われた政治家・農協・農家と農水省官僚の腰砕けな姿勢が、ビジョンの無い場当たり農政を作り出し、行うべき政策が行われず、日本農業の危機を招いた。こうした実態をデータを示しつつ説明。戦時中からの経緯を含め、どの政策が要因となってどんな問題が生じているのか解りやすく解説。これだけの内容が新書に収まっているのは驚異。しかし、筆者はついこの間まで農水省の幹部で、WTO交渉やMA米の扱いについても農水省最上層部に対してものを言える立場にあり実際に意見を言ってきた(?)筈で、そうした提言が受け入れられなかった経緯の説明が無いのが残念。日本の食料・農業に関心のある人は必読。ただし、官僚が「有利な材料である「多面的機能」を日本提案から削除したp.141」という指摘は疑問が残る。WTO交渉において「多面的機能」が力を失っていった過程は作山巧著『農業の多面的機能を巡る国際交渉(筑波書房)』に詳しい。 長年の疑問が解けた本 農業とくに農業政策はわかりづらい。
農地法はザル法ではないか、兼業も専業も一律な政策を行うのはおかしいのではないか、となんとなく、そんな気がしていたが、明確な説明にはなかなか出会えなかった。本書は、農地転売のキャピタルゲインから小規模農家=農協=自民党農林族=農林水産省の利権構造を見事に説明している。
崩壊寸前の農業を考える上で、是非、読んで欲しい。
なお、中山間地等では、農地を荒らしたらいけないと採算割れに近い農業を営んでいる人もいることについては、一言触れて欲しかったと思う(そういう声を利用して改革を妨害する人たちは論外だと思うが)。
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[ 文庫 ]
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三国志〈2〉 (吉川英治歴史時代文庫)
・吉川 英治
【講談社】
発売日: 1989-04
参考価格: 798 円(税込)
販売価格: 798 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 245円〜
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・吉川 英治
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カスタマー平均評価: 4.5
曹操 劉備や関羽などの第一巻で主役を成した登場人物を押しのけ魅力たっぷりな人物曹操が登場します。自らを乱世の姦雄と認める彼は成長するにつれ自分の才能と運を生かしやがて世の中を動かして行きます。三国志はの時代を素直に見れば曹操が主人公でしょう、後半出現する孔明と劉備の出会いがなければ歴史はどうなっていたのでしょうか。いろいろ想像しながら読めるのが歴史小説ですよね。 傾国の美女貂蝉 1989年4月11日リリース。『群星の巻(後半)』と『草莽の巻(前半)』からなる。この巻では圧倒的な強さをみせる呂布が中心で、その呂布を董卓から引き離すために貂蝉が登場する。おそらく『三国志』で最も印象に残る女性はこの貂蝉ではないか、とぼくは思う。貂蝉にすっかりまいってしまう呂布がどこか微笑ましいし、目的を達して死んでいく貂蝉にも感じ入る。
これを機に呂布の時代が来るわけだが、呂布は貂蝉を忘れられず、貂蝉に似た女を娶ったりもする。張飛もそうだが呂布のこういうところが男の純な一端を見るようで好きだ。
現代にも袁紹や董卓のような輩は跳梁跋扈している。見ているだけでイヤになる。だから余計にどこか純な呂布や張飛に惹かれてしまうのはぼくたけだろうか。 大きく動く! 董卓が死に、曹操、孫策がどんどん強くなっていきます。
三国時代につながっていく序章というところでしょうか。
読めば読むほど先が読みたくなります。
呂布は強いなあ 第2巻は黄巾の乱が治まって、その後に実験を握った董卓が暴政を行い、その董卓と他の豪傑たちが戦うという辺りがが描かれています。メインとなっているのは、董卓の家臣である呂布がとんでもなく強いので、董卓と呂布を仲違いさせるべく、貂蝉という美女が二人に色目を使って騙す物語です。この部分は実話ではなく、貂蝉も実在の人物ではないそうなのですが、三国志のひとつのクライマックスと呼んでも良い盛り上がりを見せています。
この巻では玄徳がいまひとつ目立たないのが玉にきずなのですが、曹操、袁術、呂布といったライバルたちの性格が徐々に明らかになって来ていて、今後に対する興味をつなぎます。
勢いに乗る曹操 若かりし曹操が力をつけていく様が力強い文体で描かれていく。途中、いなごの大群が出てきたりして、そういう不確定要素が歴史の舞台に登場してくるのが面白い。
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