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[ 単行本(ソフトカバー) ]
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ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 上
・スティーグ・ラーソン
【早川書房】
発売日: 2008-12-11
参考価格: 1,700 円(税込)
販売価格: 1,700 円(税込)
Amazonポイント: 17 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 1,100円〜
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・スティーグ・ラーソン
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カスタマー平均評価: 5
スゴイですね! 冒頭の流れは暗かった。だから途中で読むのをやめようと思いました。
ところがそこからストーリーに急に奥行きが出て来て広がっていく。あれよあれよという間に読み切ってしまいました。
スゴイですね。とても新人と思えない面白さ!ただ、ストーリー5で完結の予定が3で終了、著者の突然死によるものです。もったいないです。
下巻は今日からスタート、結末に期待大です。 人物名覚える事苦手でも大丈夫 自分は小説で人物名を覚えるのがとても苦手なので、はじめの人物紹介ページの人物のあまりの多さに、「あ、これはもうダメかも」と思いましたがそんなことは関係なくなるぐらい入り込めます。
もちろん、人物紹介+家計図のページには何度も戻って確認はしましたが、それよりも作者の人物像の作り上げですんなり入ってきます。
人名覚えるの苦手な人はそれなりにいるかと思いますが、その点は大丈夫ですよ。 とても良い本です 最初スェーデンの地名や人名になれるのに苦労しましたが、すぐに物語に入り込みました。他のかたは、後半部分のテンポの良さを支持しているようですね。確かに。
上巻では様々な伏線がしかれていきます。私はこの部分がとても興味深く読めました。この部分がないと、アメリカン・ミステリーという感じになってしまうと思います。はじめにたくさんの人物が出てくるわけで(家系図のすごさと言ったら)、この性格を描き出すことに成功しています。
またページ数がずいぶん残っている段階で、主犯(ネタバレになるのであえて主犯といいますが)分かるのですが、その後も飽きさせずに読ませるところが実力を感じさせます。でも最後は切なくなります。
第一級の「娯楽小説」、でもちゃんとキャラが立ってる。 冒頭の登場人物紹介のページを見て思わずビビる。
なにせ50名近くの名前がずらり。
おまけに物語の中心となるヴァンゲル家の1800年代から現代に至るまでの複雑な家系図。
読むのが億劫になりかけましたが最初の50P位で心配は杞憂だと確信しました。それほど、本書はリーダビリティが高い。
実際のところ物語が大きく動き出すのは主人公であるジャーナリストのミカエルがもう一人の主人公、凄腕の調査員リスベットと出会ってからなのですが、それは上巻のほぼラスト。
それまでは特に大きな見せ場があるわけでもないのですが、この二人を含めて登場人物達が陰影に富んでいて意外なほどドンドンと物語に引き込まれてゆきます。
40年前に小さな島で起きた少女失踪事件の謎に挑むミカエルとリスベットの前に大企業ヴァンゲルグループの一族をめぐる暗い歴史とそれよりも遙かにおぞましい深い闇が現われてきます。
物語の後半は急テンポでミステリとサスペンスの度合がヒートアップして加速度的に面白くなってゆきますので心づもりが必要かと。
おそらくアメリカ型のエンターティメントだとこのミステリとサスペンスをもっと強調するのでしょうが本書の場合それだけでは終わらないのが最大の魅力でしょう。
二人の主人公の関係、特にリスベットのミカエルへの心象が細かな心の揺れを含めて描かれていて大きな読ませ所となっております。
それと雑誌「ミレニアム」のジャーナリズムとしての役割を通じた闘いが「ミステリとサスペンス」の物語が終わった後に意外なほどのボリュームで描かれているのですが、この部分だけでも十分面白いあたりがユニークでありおみごとな点だと思いました。
グローバル経済時代の企業のモラルの危うさに警鐘を鳴らす側面もあって本当なら「詰め込み過ぎ」で消化不良を起こしてもおかしくないはずなのに読んでいて全く破綻を感じない見事なエンターティメント小説です。
これは本当に面白い
新聞の書評で激賞されていたのに惹かれて購入したが、ここまで一気読みした本は久し振りというぐらい予想を大きく超える面白い作品であった。
本書の面白さはまずミステリーとして一級品だという点だ。ストーリーは月刊経済誌『ミレニアム』の発行責任者ミカエルが、30年以上に起きた失踪事件の調査を請け負うところから始まるが、大昔の事件でこれ以上新しい事実は出てこないであろうというところから、思いもよらぬ手がかりが見つかり、思いもよらぬ事実が徐々に明らかになっていく過程がたまらなく面白い。
そして登場人物が皆魅力的だ。ミカエルの恋人兼月刊誌『ミレニアム』の共同経営者は魅力的だし、仕事を依頼する大企業グループの前会長ヘンリック・ヴァンゲルを始めとする、ヴァンゲル一族はどれも一癖も二癖もある人間揃い。そして何と言ってもタイトルの「ドラゴン・タトゥーの女」リスベットの個性的なキャラクターと生き様は強烈で、彼女とミカエルとの関係はこの物語のもう一つの軸になっている。
本書の面白さはこれだけではない。著者はスウェーデン人の男性で、舞台もスウェーデンだが、北欧の平和的な福祉国家というイメージの裏側に、多数の女性が男性から性的な暴力を受けている事実が赤裸々に描かれている。本書には女性がこうむっている理不尽な暴力に対する著者の憤りが溢れており、それが単なるミステリーを超えた緊張感を生み出している。
本書はミレニアム3部作の第一作ということだが、以上のような様々な要素が盛り込まれた巨編であり、この作品だけで面白さを堪能できた。これだけ面白い作品の第2作の「火と戯れる女」がどのような展開を見せるのか、期待と若干の不安で一杯だ。
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[ 文庫 ]
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坂の上の雲〈8〉 (文春文庫)
・司馬 遼太郎
【文藝春秋】
発売日: 1999-02
参考価格: 670 円(税込)
販売価格: 670 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 567円〜
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・司馬 遼太郎
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カスタマー平均評価: 5
このような時代もあった 司馬遼太郎先生の作品は「竜馬がゆく」に続いて二作目ですが、最高傑作との評価に違わず、素晴らしい小説でした。最後の八巻では、終わるのが寂しく、わざとゆっくり読みました。今の混沌とした将来の見えづらい時代に、何かしら示唆を与えてくれる内容ですね。
今の日本に足らないもの 本著は全8巻からなる大作です。
明治の中期から末期に至るまでの日本の一般人の生き様を、精緻に縦横無尽の筆致で描いた著者が言いたかったのは、この時代の国民性にあると思います。
明治維新後に薩長閥でなかった伊予(今の愛媛県)の若者の生き様を通じて、この時代を描いていますが、当時全盛を謳歌していた薩長に属していない人間でも必死にこの国の将来を考え、自分がなすべき役割を精一杯やりぬいた結果を見逃してはいけないと思います。
むしろ、彼らを主役に据えることで、日本全体の雰囲気がよく出ていたと思います。
世界史上の奇跡といわれる「明治維新後の日本の胎頭」は彼らなくしてなしえなかった事実です。
膨大な資料や証言を元に司馬氏ならではの洞察力というエッセンスをちりばめ、全編を通じて飽きない20世紀の日本文学の名著です。
ぜひ一読したい作品です。
バルチック艦隊撃破 本書も遂に日本海海戦で大団円を迎える。結果を知っていても8巻にわたる長編の終わりをかみ締めながら読んだ。
かみ締めるといえば、初版の解説がまとまって本巻に掲載されており、これまでの振り返りができたと感じる読者も多かったと思う。
司馬遼太郎は、戦争そのものを描くと同時に、当時の日本人像を描こうとしていたのは間違いない。恐らく、太平洋戦争における日本人との対比を考えながら、そして現代の日本人のことを考えながら・・・・。
本書がビジネスマンの間でも高い評価を得ているのは、戦中戦後の日本人が忘れかけている良き資質を思い起こさせてくれるからだと思う。
明治の指導者は、冷静で論理的、しかも外交上手。与えられた仕事場で思う存分働き、国家を強くしていく・・・・。自分たちにもそのDNAが残されているのではないかと考えると、とても嬉しくなる。
一途な精神性がうらやましい。 こんなことを言ってはいけないのかも知れないが、当時の日本人がうらやましく思えてくる。全国民と国家が何の疑いもなく、一つの方向に向いてまい進している世界。自分の人生に疑問を持って、世界を放浪しようとするような子供はきっといないのだろうと思う。
驚きなのは、これほど多くの人が海外に出て、諸外国から良いところを学ぼうとしていたこと。自身が海外に居るだけに、当時の日本人がどのようであったのか、非常に気になる。 弱者の戦略 日露戦争のときの日本は弱小国であった。そのことを日本軍は重々承知していた。そこで日本軍は弱者の戦略を使った。限界まで知恵を絞り、今までにない方法で敵を倒す。全巻を読み終わったあとは爽快感に溢れていた。
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[ 文庫 ]
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坂の上の雲〈6〉 (文春文庫)
・司馬 遼太郎
【文藝春秋】
発売日: 1999-02
参考価格: 670 円(税込)
販売価格: 670 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 434円〜
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・司馬 遼太郎
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カスタマー平均評価: 5
明石元二郎のスパイ活動 この巻は日露戦争そのものの記述もあるが、むしろ傍論の方が面白い。バルチック艦隊の苦闘や明石元二郎のスパイ活動の描写が面白い。
特に明石元二郎である。スパイらしからぬ真直ぐな態度で任務を遂行しようとする姿が、意外にもレジスタンス活動を展開する人たちに受け入れられる。同時に、大国ロシアに立ち向かう小国日本に対する海外の目が優しいことにも気づく。
専制国家は滅びる 派手な戦闘の描写こそ少ないですが、諜報や外交など戦争は戦闘だけではないことが丹念に描かれていて興味深く読めました。
もともと国力として劣勢の日本は、国家存亡をかけて全身全霊で事にあたる姿はどこか健気です。
ルーズベルトの言葉「専制国家は滅びる」通り、ロシアの官僚制度の弊害がどんどん表面化してきました。国家より自分の保身を優先するあまり、国としての機能を失いつつあります。
この甘さが、国力を超えた所にある日露戦争の結果を導いたのだろうと如何にも納得できました。
明石元二郎物語 戦いのほうは、敵の退却により黒溝台での凄惨きわまりない危地を、あっさりと脱する。
この巻では、むしろ、明石元二郎が主役といってもよいくらいのサイドストーリーが展開されます。
とにかくこの人が、興味深い人物として描かれていて、印象が深いです。
革命に与えたこの人物の影響は、本当のところどの程度なのか?
もう少し勉強したい気持ちになりました。 日露戦争のサイドストーリー 第6巻は、読むペースが明らかに遅くなりました。
黒溝台の戦いでは、ようやく好古率いる騎馬隊の戦闘が描かれるのですが、残念ながらその機動力を活かした痛快な戦闘というものではなく、馬を降りて歩兵として戦うことで圧倒的な兵力をもつロシア軍に対抗するという地味なもので少し拍子抜けしました(少ない兵力で戦うにはそれしか方法がしたのですが)。日本軍最大のピンチとなったこの戦いは、ロシア軍内部の権力闘争の影響もあり日本の不思議な勝利で終わります。いわば敵失による勝利といえましょう。
後半は、これまでの苛烈な戦闘についての描写が一休み。バルチック艦隊の遠大な航海、ロシアでの革命活動を促したスパイの活躍、軍艦マーチを奏でる軍楽隊の様子など、日露戦争に関連するサイドストーリーが語られます。戦場での戦闘ばかり読んできた4?5巻に比べ、登場人物も話題も一気に広がる印象で、読むのに苦労しました。
戦争とはおそろしい 戦争とはおそろしい。
ちょっとした気のゆるみが多くの兵士を死に至らしめてしまう。
戦争指揮官の責任の重さはとてつもなくおおきい。
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[ 単行本 ]
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ユリイカ2009年4月臨時増刊号 総特集=坂本龍一 SKMT
【青土社】
発売日: 2009-04-13
参考価格: 1,300 円(税込)
販売価格: 1,300 円(税込)
Amazonポイント: 13 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 998円〜
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カスタマー平均評価: 5
本で 坂本龍一を「聴く」ということ 音楽家である坂本龍一を 活字で「聴く」本とも言うべきか。
本書を読む限り 坂本とはきわめてフットワークの軽い芸術家であることを強く感じる。音楽に限らず、学生運動、政治、哲学、IT、メディア論、環境問題など、その時々の「旬な話題」には必ず首を突っ込んでいる気がする。
ミーハーと言ってしまうことも出来るかもしれない。但し 坂本の場合 その「首の突っ込む時期」が 周りより半歩から一歩早いところに 彼のエッジ性が見てとれる。ミーハーを「流行に 後から ついていく人」と仮に定義したとすると 坂本の「早さ」はミーハーとは言わないとも思う。それは紛れもなく才能である。
そんな坂本だけに 本書で坂本が語る事、坂本について語られる事の ジャンルは多彩であり振幅も激しい。その 「多彩な振幅」は ある意味で 音楽的である。本書で坂本を「聴ける」としたら そんな振幅に音楽を感じる事だと思う。
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[ 単行本 ]
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のぼうの城
・和田 竜
【小学館】
発売日: 2007-11-28
参考価格: 1,575 円(税込)
販売価格: 1,575 円(税込)
Amazonポイント: 15 pt
( 通常2〜5週間以内に発送 )
中古価格: 743円〜
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・和田 竜
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カスタマー平均評価: 4
面白いけど。 確かに面白い。のぼう様こと成田長親を始め、その部下たちの快進撃は爽快だ。
序盤は人物紹介となっており、歴史に疎いものにはかったるいが、
戦が始まるとそれぞれのキャラが立った戦術でスラスラよめる。
しかし、小説好きには物足りないと思う。
面白いけど、何か足りない。
よく言えば、非常にシンプルで歴史ものが苦手な人でも読みやすい。
悪く言えば、人物描写が浅く、底が浅い。
ライトノベル以上歴史小説未満というか。
映画化企画進行中なものを小説に書き直したというから納得。
普段、あまり本を読まない方でスッキリしたい方にはおすすめ。 熱くなる本! R?40が選んだ本屋さん大賞1位という帯につられて読んでみました。
歴史好きのつもりだったのですが、
忍城のことは初めて知りました。ものすごく面白い題材だと思います。
本作についての感想ですが、
文章は読みやすいですし、それぞれの登場人物が躍動する様や、
のぼう様のだらしないけど憎めない性格を表現するのはうまいなあと思いました。
また、読んでいてものすごく心が熱くなるシーンもあり、
素晴らしい作品であることには間違いありません。
ただ、ちょっと石田三成の描き方も含め、納得いかないところがありましたので、
星4つくらいにしておきます。
これからもこの作家さんには注目していきたいと思います。 めちゃくちゃ読みづらくないですか? 皆さんライトノベルのようだとか書いてありますが、僕にはかなり読みづらかったです。僕は司馬遼太郎や山岡壮八、藤沢周平とかの時代小説も読むので時代小説が苦手では無いのですが、ページを進めるのが苦痛でした。中盤までまったく感情移入できないし、登場人物に魅力を感じませんでした。
後半は読みやすくなってきますが、あれだけの苦しんでたどり着いた後半の割には、「ああそう」という感じでした。 これは・・・ 歴史にとても興味があり、歴史小説も多く読んでいる私にとっては、
納得のできないところがいくつかありました。
内容も、もう少し納得できるようにして欲しいというか…消化が悪いです☆
私は、いつもざっと読んでから読み返すタイプですが、これは読み返す必要はないかな、と思います☆
表紙にインパクトがあるし期待し過ぎていたせいかもしれません。
軽い気持ちで読み進めると、ドラマのようで楽しいと思います。 キャラが際立っている 登場人物のキャラがみんな際立ってました。のぼう様こと成田長親は最後のまで器の計れない人物、そんなとらえどころのないキャラとして一際存在感がありました。個性のはっきりしている登場人物が繰り広げる物語であるゆえ非常に読み進めやすく、一気に最後まで読めました。
忍城側の人間だけでなく、敵役である三成,吉継も魅力的な男として描かれています。物語の最後に登場人物のその後が簡単に描かれているのも好感が持てました。
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[ 単行本(ソフトカバー) ]
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ミレニアム2 上 火と戯れる女
・スティーグ・ラーソン
【早川書房】
発売日: 2009-04-02
参考価格: 1,700 円(税込)
販売価格: 1,700 円(税込)
Amazonポイント: 17 pt
( 通常2〜5週間以内に発送 )
中古価格: 1,300円〜
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・スティーグ・ラーソン
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カスタマー平均評価: 5
前口上はいらない オリジナルは2006年リリース。邦訳リリースは2009年4月15日。今は亡きスティーグ・ラーソンの『ミレニアム』第二作。第一作の『ドラゴン・タトゥーの女』を既読の人でこれを手に取らない人は、まずいないだろう。本作は『主役』リスベット・サランデル中心にストーリーが展開する。正に、リスベット・サランデルの魅力満載となっている。
ただ、ちょっと気に入らないのは前半の90ページくらいまで前作の説明みたいな部分が多くを占めていて、なかなか本作のストーリーに突入してくれない。もうこの作品を読む人は前作の内容は空で言えるくらい把握しているのだから前口上はいらないよ、と言いたくなってしまう。ただストーリーが展開し始めるとスピードが付いてきて、どんどん進む。すばらしい。
読んでいてもう一つ思うのは、ラーソン自身の雑誌編集の経験が随所に息づいていて、それがより一層作品を光り輝かせている。正に、ミカエル・ブルムクヴィストは彼自身なのだろう。
ハッキングを使ってのミカエルとリスベットの会話のシーンが一番シビれた。第三作、『爆破された空中楼閣』が待ちきれない。 読まないと損!! 「今世紀最大のミステリ」と帯に書かれているが、偽りなし。
ダグ・スヴェンソンがミレニアムに人身売買・強制売春に関するルポルタージュにを持ち込み、出版間近になったところで事件が発生する。第二部ではリスベット・サランデルを中心に物語が進んでいくのだが、前作で登場したミカエル・ブルムクヴィストを含むミレニアムの人たちやリスベットの後見人ニルス・エリック・ビュルマン、ミルトンセキュリティーの社長ドラガン・アルマンスキーなども再登場している。第一作であれだけの強烈な人物が登場したにも関わらず、今回もさらに強烈な人物が登場する。まず、金髪の巨人。彼はリスベットの拉致を指揮する男。次に、犯罪組織の黒幕ザラ。彼は人身売買・強制売春の調査で何度も名前が出てくるもののいくら調べても正体がつかめない謎の人物。
第二部で明らかにされるリスベットの過去には衝撃を受けてしまう。彼女が背負わされた運命のせいでどれだけ子供の頃から闘ってきたのか考えるだけで苦しくなる。下巻の最後では本当に衝撃のシーンが待っている。第三部は7月に刊行予定となっているが、これが著者スティーグ・ラーソン最後の物語になってしまうのがとても残念。それだけにこの物語を読まないと損である。
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[ 単行本 ]
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ホルモー六景
・万城目 学
【角川書店】
発売日: 2007-11
参考価格: 1,365 円(税込)
販売価格: 1,365 円(税込)
Amazonポイント: 13 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 890円〜
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・万城目 学
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カスタマー平均評価: 4.5
もっちゃん! 前作より洗練されていて、読みやすい。勢いは前作の方があるかも知れないが、こちらの方が断然「巧さ」を感じる。「もっちゃん」「ローマ風の休日」「長持ちの恋」の順番に好き。特に、「もっちゃん」はこの本の評価を一段押し上げる、余韻の残るとてもいい話だと思う。情報を一切入れずに読んで、驚いて欲しい。「鴨川ホルモー」で、どっちが前か分からないくらいの大木凡人ヘアーに、太い黒縁メガネで、髪を切ったら素敵なレディになったという、楠木ふみがうまく想像出来なかったが、「ローマ風の休日」の挿絵を見て、納得。かわいいじゃないか! 『鴨川ホルモー』の副読本 ★3.5個
『鴨川ホルモー』の中で秘密のままだったエピソードの謎が解けて面白い。
ただし純粋に6つの短編小説として鑑賞した場合には、
必ずしもあまり質が高いできばえとはいえないので、
『鴨川ホルモー』マニア限定でおすすめ。
『鴨川ホルモー』をまだ読んでいない方は、まずそちらを読むことをおすすめします。
『鴨川ホルモー』の空白を埋める6つの恋の物語 鴨川ホルモーの続編です。この作品だけを読んでも面白いかもしれませんが、是非『鴨川ホルモー』を読んでから読まれることをオススメします。
・最強と言われていた京産大玄武組がなぜ、9人しかいない京大青龍会に敗れてしまったのか??
・おとなしそうな凡ちゃんこと楠木ふみがなぜ安部に告白したのか??
・突然振られた芦屋の元カノはどんな気持ちでいるのか??
・ホルモーの卒業生たちはどうなっているのか??
・高村と立命館白虎隊の会長(隊長?)とどのようにして付き合うようになったのか??
原作を読んでいてもっと詳しく知りたくなったこれらのことが6つの短編で語られており、ホルモーの世界観にどっぷりとつかることが出来、またこのホルモーの世界をもっと知りたいと思うようになると思います!
個人的には芦屋の元カノの話の続編を期待します!! 女子的視点で見ると「鴨川ホルモー」よりこっちの方が好みかも 「鴨川ホルモー」の続編というよりはサイドストーリーのような位置づけの作品です。
「鴨川ホルモー」からのおなじみの登場人物もいれば、そうでない人もいます。
ホルモーそのものは描かれてないのに、背景にはホルモーがあります。
とにかく「鴨川ホルモー」との絡ませ方がうまくって、伏線を見つけるたびにいちいち感動(^_^)
不覚にも胸キュンしたり、ジーンとしたり・・・。
「鴨川ホルモー」だけでなく「鹿男あおによし」とまでリンクさせてあってファンサービスも満点☆
「丸の内サミット」のシュールな結末に笑い(その後が知りたい!)、
「長持の恋」は切なく、あのチョンマゲ高村の恋の予感に自分のことのように喜び、
歴史的名作をモチーフにした「もっちゃん」は意外な人違いならぬ「阿倍くん違い」のうまさに唸ってしまい、本当に楽しい作品でした。
「ホルモオオオオオォォォーッ」と心から叫んでしまうほど楽しめる作品です。 背景の描き込みが秀逸!のサイドストーリー 著者のデビュー作「鴨川ホルモー」の登場人物にまつわる六篇のオムニバス短編集です。史実や映画をモチーフとし,想像力を使って登場人物や背景に丹念に練りこむ。この人の作品には,時代小説を読むような組み立ての面白さを感じますね。
中でも秀逸なのは「もっちゃん」かなあ。途中のある描写から,時代設定の先入観がくつがえされ,そこから明らかになる,今に名を残す文学青年とホルモーの意外な関係・・・なかなかいいっす。
ホルモーの何たるかはこの作品内でも語られているけど,物語の独自の世界観(笑)を楽しむには,「鴨川」を先に読むことを強くオススメ。同時進行的にこんなサイドストーリーがあったのか,と声をあげながら読み進められることでしょう。
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[ 文庫 ]
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西の魔女が死んだ (新潮文庫)
・梨木 香歩
【新潮社】
発売日: 2001-07
参考価格: 420 円(税込)
販売価格: 420 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1円〜
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・梨木 香歩
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カスタマー平均評価: 4.5
自分で考えて自分で決める 主人公のまいちゃんと
「西の魔女」こと母方のおばあちゃんとの
心の交流を描いた物語。
中学生になってまもない頃、
あることがきっかけで学校へ行けなくなった主人公は、
田舎でスローライフな暮らしをしている英国人のおばあちゃんのもとで、
しばらくの間一緒に過ごすことになります。
ワイルドストロベリーのジャムを作り、
毎朝産みたての鶏の卵を取りに行き、
庭で育てているハーブをちぎって料理を作る。
シーツやタオルを綺麗にたたんで収納する。
毎日きちんとベッドメイクをして、食事を摂って、
早寝早起きをする。
そんな生活=魔女修行をするうちに、
朝食も食べられず、早起きすらもできなかったまいちゃんは、
自分の意思で自らの生活を変えていけるようになります。
このお話での【魔女修行】とは、
その人が持つ素質を伸ばし、アンテナの張り方を覚えること。
自分で考えて自分で決めるということ。
簡単そうに見えて簡単ではないけれど、
難しそうに思えても決して難しいことではないことを
日々積み重ねていくこと。
やがてまいちゃんは、両親との日常に戻って行きます。
ふとしたことから抱えてしまった
おばあちゃんとのわだかまりを溶かしきれないまま***。
そしてそのまま再び顔をあわせることもなく
おばあちゃんは亡くなってしまいますが、
彼女の魂は最期に、まいちゃんの心を救いました。
清々しくあたたかい空気が流れている作品です。 愛される喜び 庭園やジャム作りなどの、日本じゃないような美しい情景描写。
その世界にいつのまにか入りこんでしまう。
ラストは号泣という感じではないけど、
じんわり泣けた。
誰かに愛される喜びを感じられる本。 シロクマも居たい場所を選べばいい ナチュラルに、英国人の祖母と、クォーターの孫の夏休みの生活という感じで楽しんで読めました。
スピリチュアルな生活をしているお祖母さんの素朴な魔法修行に、魔女修行も人間修業なんだなと妙な納得感はありました。
お母さんと、お父さんの現代人的な感覚も、嫌らしい感じに描いていないのが好感が持てました。
お母さんと、お祖母さんが、過去に衝突していて完全には和解していない感じも、嫌に感じませんでした。
普通こういうドロドロした感じになりそうなところをさらりと書くところがうまいなぁと思います。
途中でまいがつぶやくように、おばあちゃんの思う方向に誘導されているように感じるところが若干気になりました。
そんなことも感じさせないような、もっと泰然として俗世を超越したような存在と描いた方がお父さん、お母さんの印象と対比がくっきりしてもっと印象に残ったのかなと思います。
もっと話の印象をくっきりさせてもよかったのにという意味で3点です。
ラストシーンは綺麗で気がきいていて好きです。 内容が薄い 映画化もされてということで手に取ったこの本。
いわゆる「おばあちゃん文学」の一つであると思います。
過去から現在へ連綿と続く精神・魂の継承、
生とは何ぞや、死とはなんぞやということを考えさせられる一冊だと思います。
草花など綿密な取材と知識の下に書き上げられたことがひしひしと伝わってきますが、
いかんせん、おばあちゃんの話の内容が薄っぺらい。
言われることは至極当然のことがほとんどで、
(もちろん、日常では忘れ去られているというテーマからずれることなく仕上がってはいますが)
「亀の甲より年の功」という感じがいまいち出ていません。
おそらく、おばあちゃんがイギリス出身の異国人であるというところも影響しているでしょう。
収録されている「渡りの一日」も、魂の継承というテーマからずれている気がしていまいち読後感がありません。
「おばあちゃん文学」というジャンルにくくるのであれば、幸田文さんがお書きになられた
「きもの」の方がずっと奥が深く、内容があるとおもいます。
「顔のしわに刻み込まれた人生経験」がにじみ出てくる一冊だと思います。 愛に溢れた… 不登校、孤独感、死に対する恐れ。
主人公まいの悩みは、年齢、性別あらゆる垣根を飛び越えて、
誰もが共感できるものではないでしょうか。
そしてそんなまいに贈られるおばあちゃんの深い愛。
この物語には、おばあちゃんの、そして作者の、愛が溢れています。
生きる歓び、幸せ、それを思い出させてくれる。そんな作品です。
読んで本当に良かった。
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[ 単行本 ]
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人を喜ばせるということ―だからサプライズがやめられない (中公新書ラクレ)
・小山 薫堂
【中央公論新社】
発売日: 2009-04
参考価格: 777 円(税込)
販売価格:
中古価格: 1,129円〜
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・小山 薫堂
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カスタマー平均評価: 5
人生で大切なことは? アナタにとって人生で大切なことは何ですか?
仕事で成功すること?お金持ちになること?
でも。
アナタは自分の大切な人を喜ばせるということができますか?
アナタがこの世に生まれてきた意味をこの本は教えてくれます。
この本の著者の小山薫堂さんはとっても忙しい方です。
でも、どんなに忙しくても、この「人を喜ばせるということ」を
決してないがしろにせず、人生を満喫されている方です。
もし、
人を喜ばせることができたら、きっと自分にも「喜び」が返ってきます。 イカ薫-ウズウズ 著者である小山薫堂さんはまさに知れば知るほど面白く味のある方です。
この本からはそんな一部分をのぞかせて頂きました。
マイナス→プラス思考になれる。何か自分でもやりたくなるような
ウズウズさせてくれる一冊です。
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[ 文庫 ]
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ハゲタカ2(下) (講談社文庫)
・真山 仁
【講談社】
発売日: 2007-03-15
参考価格: 800 円(税込)
販売価格: 800 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 500円〜
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・真山 仁
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カスタマー平均評価: 4
現代版ラストサムライ 鷲津さんは誰がなんと言おうと自分の信じる道をとことん突っ走っていきます。そんな鷲津さんをサムライのようだ。自らが抜いた刀に全てを賭ける潔さ。自らの哲学を守る為なら鬼にも悪魔にもなると評しているセリフがあります。ほんとその通りでホライズンキャピタルの会長職をクビになった時も何億という退職金を断り最後に脅しをかけてさっさと辞めていきます。気持ちよい程の潔さ。だからかつて一緒に働いていた人達もそんな彼を慕ってごっそり辞めて彼に付いてくるのです。鷲津さんと一緒に仕事がしたいからと言って。 それと聞き慣れない経済用語(クラウンジュエルやパックマンディフェンス等々)が色々出てきて勉強にはなりますが理解しながら読まないとあとでまた出てきた時になんていう意味だった?となるのでその辺りが大変ですが魅力的な登場人物がいっぱいのエンターテイメント小説でした。最後に付け加えるなら私はしたたかで気の強いリンも好きです 「村岡」を笑えるかどうか。 激しい駆け引きを繰り広げる登場人物の中で、要領だけでお気楽かつ怠惰なサラリーマン生活を送る「村岡」。
あまり本筋にも関係なく完全に脇役扱いですが、個人的には影の主役と思っています。やたらと熱量の多い登場人物たちに囲まれた中で、初めて彼を見ると思わず侮蔑を感じずにはいられないのですが、ふと自分を思い返してみると果たして彼を笑えるかどうか。
ふつうのサラリーマンから言わせて貰えば、「村岡」がスタンダードに近いでしょ。彼のことを笑えるような会社員ってそんなに多くないはず。だから、彼が辿った末路については複雑な心境です。
ストーリーについては前作と同様スピード感もあり、一気に読ませます。けれども後半はなんだか「大スペクタクル ハリウッド超娯楽大作!」といった大味な感じなので少し減点。
現実感の乏しい経済小説 前作は読んでませんが、テレビで放映されたのとは話がずいぶん違うのでそれなりに面白さはありました。しかし話が大きくなりすぎていること、主人公がカッコよすぎることで経済小説としては現実感がなく途中で白けてしまいました。現実の経済活動はあくまで利益至上主義であって社会正義や死んだ部下のために巨額の退職金を蹴ってファンドを立ち上げるというのはありえない話に思われます。題名がハゲタカだけにもっと生々しくリアルな企業買収劇を読みたかったです。 続編の悲しい性のような出来 もともとの題がバイアウトだった長編経済小説の下巻
私に限らずハゲタカは皆,高い評価だったのにも関らず,続編である
このハゲタカ2は低い.
多分,上巻の伏線であった,軍事政商のやっつけかたや,あるサラリーマンの
最後,なによりメインの企業再生について,新しさが見られないためでは
ないかと思う.
また,殺人とも思われる重要な人物の死が下巻で解決している
訳ではなくさらに続編で解決されるような伏線が感じられるのは
不完全燃焼のくささを感じる.
とはいえ,ハゲタカ2で言いたかったと思われる,企業再生に
必要なのは,再生ファンドでもお金でもなく,意思の力というのは
ミカドホテル,シャイン,曙電機の全部で言いたかったことの
様な気がする.
今後の続編として,まだ主人公がまだ,トンネルから抜けきれて
居ないこと,現在の複雑な経済状況など題材は色々あるので
楽しみではある. 次回に続くのか ハゲタカの前作には少し劣りますが、
それでも、一気によめます。
話が大きくなり、ドキドキハラハラはありますが、
リアリティがなくなってるのは残念
ラストで次回作へ続きそうな気配も。
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