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文学

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三国志〈3〉 (吉川英治歴史時代文庫) 坂の上の雲〈1〉 (文春文庫) 謎の1セント硬貨 真実は細部に宿るinUSA 銀河英雄伝説外伝4 螺旋迷宮 (創元SF文庫) アルケミスト―夢を旅した少年 (角川文庫―角川文庫ソフィア) 死神の精度 (文春文庫) 音楽は自由にする 利休にたずねよ 坂の上の雲〈3〉 (文春文庫) 坂の上の雲〈4〉 (文春文庫)
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三国志〈3〉 (吉川英治歴史時代文庫)

[ 文庫 ]
三国志〈3〉 (吉川英治歴史時代文庫)

・吉川 英治
【講談社】
発売日: 1989-04
参考価格: 798 円(税込)
販売価格: 798 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 600円〜
三国志〈3〉 (吉川英治歴史時代文庫)
吉川 英治
カスタマー平均評価:  5
劉備
実は劉備に関する資料はあまり無いそうです。この第三巻あたりの劉備は曹操に比べてあまり魅力が無いように写ります。曹操は日本で言えば織田信長のような感じに描かれ武士というよりはアーチストだったのでしょう。そして全て読み終えて劉備亡き後の孔明の苦難努力を考えると劉備はもう少し野心を表に出して天下統一に突き進んでくれればなと悔やんでなりません。でもどうして劉備関羽張飛の三人はこれだけ負けても死なずに生きながらえたのでしょうか。逆に考えると劉備のような人間は何人も存在していてその中で生き残れたが劉備だったのでしょうか? 私の大好きな孔明と曹操 が好きになった劉備ですから凄く魅力ある人物だったのでしょう。でも劉備のような人間が現代の日本に僕の隣に住んでいても何の興味も持たないような気がします。人物は時代とともに生きるのですよね。今の日本に必要なのはやはり いやいつの時代でも孔明かな。
赤兎馬が駆ける
1989年4月11日リリース。『草莽の巻(後半)』と『臣道の巻』からなる。赤兎馬に又がり最強だった呂布の最期に始まり、中心で勢力を増す曹操との接点に集中する劉備の動き、そして血判と印象深いシーンが続く巻だ。 だがぼくにとって最も印象的だったのは『黒風白雨』での猟師劉案が劉備を宿泊歓待するために、妻を殺して饗した場面だ。吉川英治はここで一度『三国志』の筆を止め、この場面に対する私信を述べている。曰く、日本の古典『鉢の木』を例に挙げ、最明寺時頼が寒飢をもてなすために、寵愛していた梅の木を伐って、炉にくべる薪にした鎌倉武士の話と比較し賞賛している。吉川英治が『三国志』の筆を止め、私信を述べるのは、この場面とラストの孔明の死の場面だけで、いかに吉川英治がこの場面の自分の思うところを誤解なく、読者に伝えたかったか、が分かる。 閑話休題。赤兎馬は関羽へと引き継がれる。この馬の最期などまさに『三国志』そのものだとぼくは思う。
陳宮が素敵
呂布の最期が印象的な第三巻ですが、私は陳宮の健気さが大好きです。 どんな策を献じてもまともに実行してもらえず、すぐに取りやめられたりします。 ふてくされたりもしますが、乞われればなんだかんだで嬉しそうに献策してます。 そして曹操との問答のシーン。 饒舌に堂々としていて、潔く格好いいです。 あの曹操と互角だったです間違いなく。 また、暗愚も暗愚な呂布だけど、陳宮はわりと好きだったんだなぁとなんだかグッときます。 そんなデコボココンビにグッとくる3巻です。 そしてそういう目で読むと、陳登・陳珪親子の小賢しさがこの上ないです。
印象的な場面が多い第3巻
三国志の中で最強の武将、呂布が死に、矢で射られた片目を食べてしまった夏候惇、敗走する劉備にせめてものもてなしをと妻の肉を出す話など、非常に印象的な場面が多い第3巻です。
玄徳ピンチ
第3巻で描かれるのは、董卓や呂布の時代を経て、曹操が都の実権をほぼ掌握した時代です。皇帝をないがしろにする曹操に対して危機感を持つ武将たちが打倒曹操の誓いを立て、玄徳も彼らの仲間となります。ところが、曹操暗殺計画が失敗に終り、玄徳もこの一味に加わっていたことを曹操に知られ、逆賊として討伐される身に陥ります。 討伐軍に敗北した玄徳は、関羽・張飛と離ればなれになってしまいます。曹操は関羽の軍人としての腕前と忠義の心に惹かれ、玄徳の妻子の命を助けることを条件に彼を配下に置きます。いよいよ話が盛り上がって来たところなのですが、私は4巻を持っていません。これから買いに行ってきます。

坂の上の雲〈1〉 (文春文庫)

[ 文庫 ]
坂の上の雲〈1〉 (文春文庫)

・司馬 遼太郎
【文藝春秋】
発売日: 1999-01
参考価格: 670 円(税込)
販売価格: 670 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 142円〜
坂の上の雲〈1〉 (文春文庫)
司馬 遼太郎
カスタマー平均評価:  5
司馬遼太郎の最高傑作
司馬遼太郎といえば、「竜馬がゆく」と「坂の上の雲」が双壁であるが、こちらの方が、大人向けかな。日本人がいかにして、今日の日本を形作ろうとしたのかを、筆者が渾身の力で書き上げたのが実感できる。まさしく名作。
混迷する現代日本の進路を司馬と対話しつつ考えはじめた
明治という時代、日本人、特に若者が、新しい社会を作ろう、その力になろうと張り切って生きた姿はしばしば見聞きしてきました。しかし、当時の日本は、自由民権運動への弾圧にみられるように、民主的な国づくりをめざすのではなく、日清・日露の両戦争を中心にした歩みに示される通り、富国強兵のスローガンを振りかざし軍国日本の道を歩んだのでした。 その姿を秋山好古、真之兄弟に象徴的に見て取ることが出来ます。進取の気風に溢れる若者は、しばしば時の国家の方針に大きく影響されてその才能を振るうことになります。司馬遼太郎は、両兄弟をはじめ、主として当時のエリート軍人、つまり軍の指導者が、もてる力をどう発揮したか、あるいはできなかったか、をことのほか力をこめて描いています。乃木将軍の無能振りも掘り下げて描かれます。また、正岡子規の才が、両兄弟との交わりの中で互いに淡く影を映すところも描かれます。 現代日本は、明治とは全く違う形で戦後という時代を経験しました。それは、新しい出発を、可能性として明治維新と同じ程度に準備していたといえましょう。しかし、どうでしょうか、明治以後の延長線上にしか、その可能性を生かし切れなかったのではないでしょうか。経済は高度成長を経験し、自衛隊は憲法の制約下でも世界で有数の力を持っています。ごく最近になって小泉首相は、その梶を大きく切ろうとしたのかも知れませんが、その方向が、アメリカ流の新自由主義路線という富国強兵を推し進める路線であって、決して日本とそこに住む人民大衆の幸せへの道ではなかった、このことは、小泉路線を失敗に終わらせた決定的要因だったのではないでしょうか。・・・とはいえ、現代日本の評価は、現在進行形でもあり、人により違っていっこうに構わないことではあります。 が、いずれにせよ、日本の指導者の多くは、混迷する日本の進路を図りかねています。そのようなときにあたって、司馬の描く明治維新後の有能な若者の生き様と戦争の時代の推移を通して、これからの日本と日本人の有り様(よう)を探ることが出来れば、それは、この本のひとつの有効な読み方といえるのかも知れません。私は、この物語を反芻しながら、坂の上の雲を見上げては、今日も司馬遼太郎と対話をしています。
日本の近代史入門書
明治とは、どういう時代だったのか。明治に活躍した人たちは江戸時代に生まれたわけだが、階級社会であった江戸時代にどういう立場にいた人たちだったのか。外国の情報が乏しい中、日本人はどうやって外国の文化を取り入れ、外国の政府と交渉したのか。優れたリーダーとは、一体、どういう人なのか。本書は、日露戦争を題材に、実在の人物を通して、これらの疑問に答えてくれる。 目的があって読み始めたわけではないが、あまりの面白さにあっという間に8巻全部を読み終えた。 徳川という旧い秩序の崩壊は、下級武士たちから生活の保障を奪い、生きる方法を模索させたと同時に、実力さえあれば出世のチャンスがある大きな空白を生んだ。明治時代、冒険心に満ちた優秀な人材が続々と頭角を現したのは、このためではないか。しかし、完全に階級を無視した自由競争が存在したわけではない。政治や軍事の分野で高い地位についたのは、倒幕を推進した薩摩藩、長州藩の幹部たちだで、中にはダメなリーダーもいた。また、出世競争に参加できたのは江戸時代に寺子屋に通って基礎的学問を身に付けた武士の子どもたちだった。他方で、軍隊の末端で従順に上官の命令を遂行し、虫けらのように命を落としていった兵隊たちは、農家の次男坊、三男坊が多かったのではないか。 わずか100年前、日本人が何をしたか、日本がどんな国たったかを知ることは、今の私たち自身を知る大きなヒントになると思う。
小説というよりも口頭伝承。
明治時代。 文学者、正岡子規と 日本騎兵の父といわれた陸軍軍人、秋山好古、 海軍中将、秋山真之の 秋山兄弟を中心に、 松山出身の三人の生い立ちから 日露戦争終焉までを描いた歴史小説。 開国後、明治時代の青年達が それこそ明日なろうとするかのように それぞれ迷いながらも、 真直ぐな思いで生きるその様に、 爽やかな印象を受ける。 何も無いところから、 何かを打ち立てることの気持ち良さやら、 上に立つ者達の態度やらも、 社会人生活を送る上でも同様に 当て嵌まることも多く、興味深い。 読み物として、とても面白い。 内容については面白いので、さておき。 僕が気になったのはこの本の描かれ方で。 新聞で連載小説の形式で書かれたせいもあるであろうが、 前半は正岡、秋山兄弟の三人を中心に描かれているが、 後半は日露戦争を中心にした関係人物の群像劇となり、 前半とは別の小説と言っても過言ではない内容になってくる。 このように、纏まりが無いように見える形式の小説で、 ここまで有名な本を僕は知らない。 普通であれば、これくらい長い小説では 背骨が通っていなければ全体として、 何を言っているのかが、判りにくいものに なってしまうのが常だと思うが、それでもなお、 この話が面白いのは、 虚構ではなく、作者が十年かけて調査した 歴史的事実が面白いからだろう、と思う。 あとがきで、作者が、 『小説とは要するに人間と人生につき、  印刷するに足るだけの何事かを書く  というだけのもので、  それ以外の文学理論は私にはない。』 と言っている。 このようなことを明確に書くということは、 作者としてもきっと、この話の形式について、 思うことがあったのだろうと考えられる。 この物語の話者は、 作者、司馬遼太郎になっている。 司馬遼太郎はこの本では、 個人的には、小説家というよりは、 口頭伝承をするストーリーテラー、 といった方が近い気がした。
明治の勇士
松山出身の歌人正岡子規と軍人の秋山好古・真之兄弟の三人を軸に、維新から日露戦争の勝利に至る明治日本を描く大河小説。 日露戦争での日本人の気概に圧巻です。

謎の1セント硬貨 真実は細部に宿るinUSA

[ 単行本 ]
謎の1セント硬貨 真実は細部に宿るinUSA

・向井 万起男
【講談社】
発売日: 2009-02-20
参考価格: 1,365 円(税込)
販売価格: 1,365 円(税込)
 Amazonポイント: 13 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 845円〜
謎の1セント硬貨 真実は細部に宿るinUSA
向井 万起男
カスタマー平均評価:  5
大笑いそして感心しています。
 奥様の世界的デビューの影にかなーりユニークな髪の毛のご主人がいました。 その後千秋さんよりご主人はなんぞやとおっかけていました。 半分くらい分かりましたが、奥様のために並々ならぬご苦労をなさっているにも かかわらずやはりその笑顔には心がはじけんばかりにこちらもつられて笑っていた。 凄い!! こんな人がいたので宇宙をとべたんだなーと千秋さん良い人選びましたね。 なんて、本に話しかけたりしました。  そして何年後またまた大ヒット間違いなしの「謎の1セント硬貨」万起男氏会心の 作品です。 装丁も良く明るい夫妻のようにきれいだ。 もう説明はいいです。はやくお買い求めになっておたのしみください。  マキオさんのファンにすっかりなっています。   推薦いたします。
こんなアメリカがあったのか!!
アジア人発の女性宇宙飛行士である向井千秋さんの夫であり、ベストセラーである「君について行こう」の著者である向井万起男さんの最新作です。 私は向井さんの著作は全て読んでいますが、この本が現時点での向井さんの最高傑作であることは間違いないと思います。 この本を読むまでは、私はアメリカという国に対して単一的で大味な国という印象を持っていました。しかし、この本を読んだ後に、私のアメリカ観はガラリと変わりました。アメリカにもたくさんの興味深い歴史的事実があり、ヨーロッパ人ともまた異なるアメリカ人ならではのユニークな文化・習俗の多様性があるということを知りました。 向井さんのスゴいところは、アメリカ人自身が気が付いていないようなアメリカの面白さ、奥深さを発見し、仮説を立ててそれを証明したり考察しているところです。この本を読むと、向井さんの知的探求の喜びを追体験することが出来るような気がします。 また、一人で旅するより、二人(カップルとか夫婦とか)で旅するほうが発見も多いし、視野も広がるということもよく分かりました。 アメリカが好きな人にもアメリカ嫌いな人にも、自信を持ってお勧めできるアメリカ本です。
久々のマキオちゃん節、健在です。
親しみを込めて、あえて著者を”マキオちゃん”と呼ばせていただきます。 前作「君について行こう」「女房が宇宙を飛んだ」はマキオちゃんのひたむきな感動の青春ストーリーであり、読むものに独特のまごころがこもった愛情をささやいてくれるものでした。 本書では、マキオちゃんのオタッキーぶりが顕在化しています。 それは決して悪い意味ではなく、よくこんなことまで気がつき、こだわりをもって執着するんだなっていうところが実に侮れないのです。それと、マキオちゃんのまるで子どものようなきもちで真理の探求をする姿に天晴れです。 こういった科学的アプローチなところがマキオちゃんとチアキさんご夫婦の共通点なのかなぁ?とつくづくとお二人の仲のよさを感じ取りました。 アメリカ社会や文化でニッチなところ、アメリカ人でさえ違和感や疑問に感じることなく通り過ごしてしまうことをテーマに取り上げており、ネット調査やeメールを通じてマキオちゃんがヒアリングを行い解を求めたものですが、そのプロセスの中でアメリカ人のフランクな生の声が伝わってきてアメリカに対して親近感と理解を深めることができます。
とても楽しく読めました
クスクス笑いながら,へぇー,ほぉーと感心しつつ,そして時にしんみりと,読めました。 軽妙な語り口で,飽きさせません。 著者は朝日新聞の夕刊で大リーグにまつわるエッセーも連載していますが,それも早く単行本になることを期待しています。

銀河英雄伝説外伝4 螺旋迷宮 (創元SF文庫)

[ 文庫 ]
銀河英雄伝説外伝4 螺旋迷宮 (創元SF文庫)

・田中 芳樹
【東京創元社】
発売日: 2009-04-28
参考価格: 777 円(税込)
販売価格: 777 円(税込)
( 在庫あり。 )
銀河英雄伝説外伝4 螺旋迷宮 (創元SF文庫)
田中 芳樹
カスタマー平均評価:  2
尻切れとんぼの外伝最終巻
銀英伝の外伝はここで終わります。まだ何作か書かれるはずだったそうですが、田中氏お得意の宿題の放り出しです。そういう意味で、新規の読者の方々にとっては惜しい一冊であり、他社版を持っているファンの方々にはただ苦々しいだけの一冊です。過去の戦争で亡くなった英雄の死は、名誉の戦死だったのか、謀殺だったのかをヤンが調査するというお話ですが、ヤンが目を見張るような推理で過去の戦史を解き明かす訳ではなく、遺族には迷惑がられ、後味の悪い結末しかありません。著者のウリのひとつである戦争シーンも、「天才はラインハルトとヤン・ウェンリーのみ」という主軸を崩せなかったためか、壮大さに欠けます。氏は、架空戦記や、少年少女の活躍する胸躍る冒険譚を書かせれば超一流「だった」のですが、ミステリや伝奇では、はっきり言って三流の水準です。これは氏の作家としての技量の問題ではなく、「陰謀や魔道によって歴史が歪められてはならない」という信念の成せる結果でしょう。どうせみみっちい話になるのなら、最初からミステリや伝奇の要素を絡めないほうが良いですよと、読者としては言いたくなるんですけどね。

アルケミスト―夢を旅した少年 (角川文庫―角川文庫ソフィア)

[ 文庫 ]
アルケミスト―夢を旅した少年 (角川文庫―角川文庫ソフィア)

・パウロ コエーリョ
【角川書店】
発売日: 1997-02
参考価格: 580 円(税込)
販売価格: 580 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 45円〜
アルケミスト―夢を旅した少年 (角川文庫―角川文庫ソフィア)
パウロ コエーリョ
Paulo Coelho
カスタマー平均評価:  4.5
全ての事象には前兆があるのか
結構有名どころですが、 僕が読んだのは高校生のときでした、いろいろ考えさせられた言葉もあります。全ての事象には前兆があるというもので、哲学の要素が含まれますね、捉え方によっては宗教的だなと感じられるかもしれません。しかし、ストーリ的にはかなりセンスいいと思います。 高校生だった僕にはちょっと物語的要素が強く感じられましたが、ある種の宗教的パワーとかは人が強く念じれば実現が可能なのかもしれません。 それは只の自己暗示で人間の無意識下において実行されうる現象かもしれないということは、可能性として否定できません。
読んで損はないレベルかな
世界各国で高い評価を得ている理由は分からないではないけど、主人公のサンチャゴの夢が、経済的な富(宝)を得ることである点に違和感を感じる。そんな俗っぽい夢ではなくて、純粋で尊い夢を追い求めてくれたら、もっと共感ができたのになあ。読んでいて、そのことが常に頭にこびりついてしまって、素直に感動できなかった。 その他、文化的・宗教的な知識がなかったからか、すんなりと入ってこない部分もあった。 でも、読んで損はない本だと思う。 サンチャゴとファティマとの恋を描いたところは好きだな。
自己啓発に役立つと聞いて読んでみましたが
 私は自己啓発系の本だと聞き、この小説を買い求めました。  内容としては、自己啓発というよりもファンタジーの割合が多いですね。でも本物の錬金術師(アルケミスト)が出てくるような内容ながらも、ディティールがしっかりしていて奥深さが感じられます。いかにも1世紀前のスペインの山奥だとか、砂漠の静けさ・・・などをイメージさせる文筆はさすがだと思いました。価値感の違い、などが特に聞いています。  ファンタジー寄りではありますが、自己啓発の部分が(直訳と間違えかねられない、すらすらとは読めない文章も)あるからこそ神秘的になっていて、切っても切り離せないと思いました。  たまにはこんな人生の知恵、深い気持ちを味わってみるのも、自己啓発としては悪くない気がします。
悔いなく生きるために
生きることが「守られること」ではなく、「死と共に歩むこと」であった時代、私たちはたしかに私たち自身の人生のあるじだったのだ。
自分の運命を生きる
学生時代に読んで以来大好きなこの本を、10年ぶりに読んだ。大好きだったのに内容を忘れてしまっていたけれども、この本の通り「自分の心の声を聞いて」「自分の運命を生き」てこられたことを確認した。それは、この本のメッセージが心の奥に深く突き刺さっていたからだと実感した。前兆を信じて、これからも生きて行こうと思いました。これからも一番好きな本です。

死神の精度 (文春文庫)

[ 文庫 ]
死神の精度 (文春文庫)

・伊坂 幸太郎
【文藝春秋】
発売日: 2008-02-08
参考価格: 550 円(税込)
販売価格: 550 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 159円〜
死神の精度 (文春文庫)
伊坂 幸太郎
カスタマー平均評価:  4.5
死に神が…
死に神がカッコよすぎる! 伊坂先生の作品のキャラは格好良く、独特の空気感を持っていますが、この作品の千葉がいい味を出しています。 短編集なのでこの作品から入って、ほかの作品を読むか決めるのも良いでしょう。
偏愛的作家。
伊坂ワールド万歳! 重力ピエロ、オーデュポン、アヒルと鴨、ラッシュライフの系列を正しく踏襲した素晴らしい逸品! テレビだか映画だかになっていたよね?見てみようかな。 一話ごとに短く、簡潔。 一話ごとの精度が高く、テイストはそれぞれ違い、しかし最後にまとまる美しさ。 この才能はなに?
これでいいの?
 2005年に出た単行本の文庫化。  6本の短編が収められている。  面白いのは間違いない。工夫のある物語で、設定も奇抜だし、文章にも魅力がある。泣ける本でもある。  しかし、こんな方向に進んでしまって著者は後悔していないのか? なんだか「普通の小説」で、その感動的な物語にはあざとさすら感じてしまった。  面白いけれど、ガッカリという一冊であった。
新しい死神
今までに見たこともない新しいタイプの「死神」 伊坂さん得意の伏線を散りばめた短編のような長編。 なんといっても「死神の精度」 読み終えた後にこのタイトルの意味を考えると ほのぼのします。
本が苦手、という人も是非!
意外とさっと読めます。文章が変に難しいわけでもなく、とても面白い。 何故か雨男の死神が人の生死を決めるため一週間傍に居る。 人間じゃなく死神という男の視点だから何処か冷めていて、でも不思議と引き込まれる作品です。 ラストで「あぁ…。」と思わず呟いてしまいました。そうきたか、と。 文章が苦手なんだ、という方も是非一度読んでみてください。 本当にお勧めします。

音楽は自由にする

[ 単行本 ]
音楽は自由にする

・坂本龍一
【新潮社】
発売日: 2009-02-26
参考価格: 1,785 円(税込)
販売価格: 1,785 円(税込)
 Amazonポイント: 17 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 1,540円〜
音楽は自由にする ※一部大型商品を除く
坂本龍一
カスタマー平均評価:  4.5
YMOや坂本龍一の音楽をBGMにして読みましょう。
一気に読み終えてしまいました。 ピアノとの出会い、名編集者だった父 (三島由紀夫の『仮面の告白』などを担当)との関係、 学生運動への傾倒、ミュージシャンや文化人との幅広い交友関係、 YMO、俳優としての活動、映画音楽など、 本人の口から語られる本音の言葉は日本の音楽史の貴重な記録です。 個人的には、戦後の日本を引っ張ってきた 全共闘世代の回顧録としても面白かったです。 ただ、それは坂本龍一という人間が面白いのであって、 本の作りには疑問を呈してしまいます。 一番は『エンジン』という車雑誌に掲載された連載を まとめたものであるため、深堀りが少ないこと。 もっと知りたい、と思うところで次の話題に移ってしまうのが残念でした。 当たり前ですが、YMOや坂本龍一の音楽をBGMに読むと一層楽しめます。
radioでの語り口と似ていて良い
本書が単調に思われる方はおそらく本人の語調や語りを聞かれたことがない方でしょう。 本書は本人自身はよく色々しゃべってるな?っと思っていると思います。 DJをやっていた頃も淡々とマイペースで語ってましたから。そこが良いと聞いていた私は思っていましたから本書もその感じで入っていけました。よくここまで語ってくれたなっとも思っています。どうせならこれの倍ぐらいの厚さの本で出してもらいたかった。ドビッシーへの思い入れや、細野さん、達郎さんに対するリスペクトの仕方の根拠が音楽観を元に語られているところなどは疑問が解けた感じでした。
自由へと疾走する、音楽の哲人の軌跡
天才は、偶然を必然に変える、と言われますが、まさに彼の創作人生は、時流の中を、素直に泳ぎながら、制約や条件や、他者との出会いを縦横に活かして、創作に結実させてきたようでした。<年をとってよかった>という彼の感慨は、今までの人生の各々が、確かな経験の蓄積となっている者の、輝かしい凱歌のようです。9・11テロを契機に、自分が信じてきたアメリカ的なものやクラシック音楽を、幻想として全否定したいという大きな心の揺れを感じつつも、それでも音楽にできることを模索して、<音楽のための、みんなの共有地>作りをやろうと、あくまでも希望を音楽に託しているさまは、すさまじい音楽家魂だと思います。これからも変化を恐れず、自由自在な音楽を創っていただきたいと思います。
教授、けっこう赤裸々。
読んでみると教授かなり頑張って赤裸々に語ってるのがわかります。 YMOメンバーの実際の確執のことや元奥さん、矢野顕子のこと。 長い間のファンならば自分の記憶と照らし合わせると その裏付けが取れてとても興味深いと思います。 それにしても「CUE」が細野さん、幸宏からの「RIOT IN LAGOS」の復讐とは! それに93年の再生もホントに雰囲気最悪じゃん!
芸大
坂本龍一が、芸大を出ていることを知りませんでした。 戦場のメりークリスマスは、すてきな曲だし、YMOの曲もいくつも聴いたことがありますが、坂本雄一がメンバだとは知りませんでした。 細野晴臣は、はっぴいえんどの頃からファンだったのですが、高橋幸宏と組んでYMOをはじめたころには、 仕事が忙しくてなかなかラジオを聴く時間がなく、音楽家の名前は覚えていません。 曲は、自然と耳につくので、聞いてみるとああ、こういう名前の曲だったんだと思います。 本書は、そんな無知な自分には情報満載で楽しめました。

利休にたずねよ

[ 単行本 ]
利休にたずねよ

・山本 兼一
【PHP研究所】
発売日: 2008-10-25
参考価格: 1,890 円(税込)
販売価格: 1,890 円(税込)
 Amazonポイント: 18 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 1,130円〜
利休にたずねよ ※一部大型商品を除く
山本 兼一
カスタマー平均評価:  4
美しさのしょうもなさと、しょうもないものが美しさを生んでしまうということ
読ませる本である。 利休切腹の日から始まって利休のうちに「美」という病を生ぜしめた若き日の事件へと時間をさかのぼっていく。 この間、多くの人物の目を通して様々な角度から利休の追い求める美の姿を浮かび上がらせていくさまは、細かな伏線や言葉遣いという技術的な意味でもなかなかに良く練られた小説である。 読ませるのである。 著者の伝えたいことが強いせいかあざとさは感じなかった。 大事なのは歴史的な事実ではない。 前半を読んでいるときには、寂があるのは荒ぶるものがあってこそと感じた。 中盤を読んでいるときには、美の絶対性と同時にその脆さ・危うさを感じた。 そして最後に、人間を突き動かすものは、実はしょうもないことであったりするということを感じた。 話してしまえばしょうもないこと。 ただ、内に沈んだことで恐るべき力となって人を突き動かすもの。 歴史に名を残したような人物・事件であってもそのようなものは多い。 美もまた美しくないものから生まれているのである。 いや、「美」自体が気づいてしまえばさして美しくもないもの、なのかも知れないとさえ思えてくる。 この小説には綻びもある。矛盾もある。それでも敢えて☆5つをつけた。 どんな大人物の人生であっても、所詮人生などうたかたにすぎない。 しかし、うたかたにすぎなくとも、しょうもないものから始まっていようとも、美しいものは美しいのである。 そう感じずにはいられなかった。
結局読み終わって一番印象的だったのは秀吉
終盤にさしかかるまで、☆5つにしようと思っていた。引き締まった文体、一席でその人物の人となりを浮き彫りにする構成、歴史上有名な人物が語る「茶の湯」観…、実に熟練の技…と思い読んでいたのだが、何か後半、秀吉の章が多過ぎて飽きてしまった。後半でも「三毒の焔」や「白い手」などは良かったのだが。利休の侘び寂びの底辺には、美(それの象徴が高麗の女人)に対する生々しい憧れ(執着)があったのでは…?ということが主題なのだろうが、いかんせんここに描かれる秀吉像が強烈過ぎて、読み終わると秀吉の本を読んだような気になる。秀吉というのは、ことほど左様に強烈な個性の持ち主なのだから、こんなに頻繁に登場させない方がよかったのではないだろうか?その秀吉像に対抗できる程、利休の人となりがくっきりと像を結ばなかったとも言えるのだが。圧倒的な美は人を従わせるという「美至上主義」な利休に対し、茶席を人心掌握の道具として利用する秀吉や、茶道具に遣う金があるなら有為の者を召し抱えるのに遣うべきという黒田官兵衛など、様々な人物の「茶の湯」観が、最も興味を惹かれた部分。表題になっている古田織部や家康以外に、石田三成なども登場してくる。彼らの「茶の湯」観が、すなわち人となりを表している。
いろいろと考えさせられる作品です
「利休にたずねよ」とは、何を尋ねるのであろうか。それは利休自身の自らへの問いである。問いの中身とは、茶ではなく美である。では、利休にとっての美とは何であろうか。というところがこの作品の勘所である。ある意味これはこじんまりと成功し、また大きく失敗している。作品の構成としては、死の当日から青年時代の過去へとさかのぼる道行であり、その中で出会う様々な人々との語らい、かかわりからこの主題を多声的に奏でるというわけなのである。 蓋し、美とは利休にとっても我々にとっても存在を超えた絶対的なもの、とついあげ奉りがちであるが、実は真実は、野卑、下品、禍々しきものであり、自らがつながっていた胎盤のような見たこともない不潔で不気味なものである。それを作者は、安易に具現化してしまったところがこの作品の最大の失敗であり、読者をやっぱりそうか、と一気に失望させてしまう点なのである。読後余韻の乏しさはここにある。 文章は清潔であり、茶道を知らない私にも作法の細々、名物や茶室のあつらえの機微など、大変わかりやすく記述されている。しかし、一見美しくたおやかな四季折々の表現も、どこかで目にしたことがあるような、無難で定型にはまった幾分かの退屈さは否定し難い。 更に、弟子である細川忠興の記述が物足らない。今日見直されている史上稀に見る知的獰猛な怪物、凄まじい毒をもった人物である。もっとわくわくさせてほしかった。また高山右近はどうであろうか、利休の対極に立つ人である。ぜひ出させてほしかった。 最近、黒木了作の「荒木村重?惜命記」を呼んだ。 比較は野暮、と百も千も承知である。が、「利休に」は、文体の洗練された技巧では勝っていても、内容の深遠さ、茶の湯の持つ積年のどぶの様な怨念、美が本来持つ猛毒、というまがまがしいものへの到達という肝心要の点では、「利休にたずねよ」はこの大昔の地味な作品に遠く及ばないのである。
いまどきの利休感
 週刊新潮の書評に釣られて購入し、結論を言えば購入するまでもなかった。美を最優先したのはいい。その美が利得と関係している芸を指摘するのもいい。だが、美と権力の相克の掘り下げが軽い。これでは秀吉はマンガである。いたずらに政治とは醜悪なものという思い込みに迎合しているのだろう。40代前半に、無性に利休に関心が湧いて、井上靖と野上弥生子の二つを読んだ。井上のそれは権力の儚さを感じさせた。熊井啓の映画もよかった。野上のそれは、その執拗さには感心したが、それ以上に共感は湧かなかった。今回のものは、比較にならないくらい低い。著者の志も薄いように思う。ただ、19歳の李朝ヤンバンの女性との交遊は読ませる。いまどきの茶道に取り組む若い女性には評判になるのか。それにしても、これでは利休も哀れだ。錚々たる面々が弟子になっていた事実の意味するものは、この小説に記されている程度の美では収まらないはずだから。
利休が追求した「美」の深みと凄みに触れることができる傑作
侘び茶人と呼ばれた千利休について、著者が新しい解釈を加えて仕上げた1冊。 誰よりも「美」の神髄を知る男・千利休の、政治権力に屈することなく自らの美学を貫いた生き様が、研ぎ澄まされた美しい日本語によって表現されています。 切腹の日まで、利休が手元から離すことがなかった緑釉の香合。 そこから時を遡ることで、緑釉の香合の背景にあった利休若き日の恋物語が明らかになります。 小説の前半(つまり晩年)の利休の、美を追い求める冷徹な姿を「静」とすると、その奥底に隠されていた若き日の高麗の女性に対する利休の恋心の激しさは「動」であり、そのコントラストは実に印象的です。 初めからその存在は何となく見え隠れはしていましたが、特に「白い手」のエピソードあたりから、利休の「静」な部分に隠された「動」の部分が本格的に動き始め、「恋」でその「動」の部分が大輪の花を咲かせるかのごとく放出され、「夢のあとさき」で利休の激しい恋の結末として、高麗の女性に感じた「美」が茶の湯における「美」と融合し凄みを増していく様子が描かれ、終始心が震えっぱなしでした。 またもう一つ、この小説で特に印象に残ったのは、「三毒の焔」での宗陳の「信長と秀吉の(土地や金銀への)執着と、利休の(美をむさぼることへの)執着では、いったいなにが違うのか」という言葉です。 利休の美への追求に対する周囲の言葉は、もちろん尊敬の念もありますが、前述の宗陳のような言葉もあり、「なぜそこまで美にこだわる?」という疑問もあり、また「間違いがないゆえ、余計に悔しい」という「嫉妬心」もありますが、誰にも共通しているのは利休の審美眼に間違いがないと認めているということ。完璧な美を目の前にすると人は、プラスの感情のみならずマイナスの感情も湧き上がるのですね。 ただ「美しい」と絶賛する言葉のみでなくそういったマイナスの感情も登場させたことにより、利休の完璧な「美」がより深く裏打ちされたように思いました。

坂の上の雲〈3〉 (文春文庫)

[ 文庫 ]
坂の上の雲〈3〉 (文春文庫)

・司馬 遼太郎
【文藝春秋】
発売日: 1999-01
参考価格: 670 円(税込)
販売価格: 670 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 256円〜
坂の上の雲〈3〉 (文春文庫)
司馬 遼太郎
カスタマー平均評価:  5
司馬遼太郎の歴史認識が語られている
 この巻で遂に日露戦争に突入するが、同時に作者の歴史認識を垣間見ることができる。  帝国主義時代に日本が列強を目指さざるを得なかった状況、大国ロシア相手に戦争を起こさざるを得なかった理由、白色人種のアジア系民族に対するサディスティックな感覚など。  また、日本の軍部指導者が第二次大戦時の指導者と比べて、いかに合理的であったかも語られている。兵隊たちの士気の高さとともに、国家として成長を遂げつつある日本の清清しさを感じることができ、とても気持ちがよいと思うのは私だけではないだろう。
日露戦争
正岡子規の死から日露戦争開戦までが描かれています。 戦争といえば、圧倒的な国力の差を気持ち一つで埋められると 考えた太平洋戦争した思い浮かびませんでした。 日露戦争も同じようなものかと思っていましたが、 国家を守るために今何をしなくてはならないのかを第一に、 冷静に状況を判断し事態に対処していく各々の姿に熱くなるものがあります。 同じ戦争でも、携わる人によってこうも性格が異なるかなと考えさせられます。
もはや成功・不成功を論じているような余裕などない
日露戦争開戦に向けての意思決定と開戦準備がテーマ。 当時大人と子供ほど国力の差があったロシアに対して、なぜ日本が開戦を決意するに至ったのか、当時の人々の深刻且つ切実な葛藤・決意が臨場感を持って伝わってきます(「このまま時が移れば移るほどロシア側に有利で日本側に不利です。今なら何とかなる。日本としては万死に一生を期して戦うほか、残された道はない」)。 国に対する愛情だけでなく客観的・冷静な彼我分析のもとに、日本がなけなしの総力を結集していく過程には思わず心が動かされます。
昭和日本軍の原点をみた
いよいよ日露戦争の戦いの火蓋が切られる第3巻。 前半部分では、戦争回避の努力もむなしくロシア側の理不尽な要求に追い詰められ開戦せざるをえなくなったプロセスが描かれています。当時の日本にとって大国ロシアと戦うことがどれだけ困難(無謀)なことだったかを思うと、大国から屈辱的外交を強いられた憤りを感じます。 中盤以降は日露戦争準備から緒戦まで描かれていますが、私が印象に残ったのは、さまざまな点で後の日中戦争、太平洋戦争との対比やそれらへの影響が垣間見えたことです。 例えば、開戦の段階で陸・海軍と政府があらかじめ戦争終結に向けたシナリオ(短期決戦での勝利で列強諸国に仲介してもらうこと)を共有化していたことは、昭和の戦争とは対照的で興味深いです。 一方、兵士個々人の闘争心や忠誠心に頼る白兵戦中心の戦闘、補給に対する意識不足など日本軍の特徴がすでにみられ、日露戦争の反省があれば昭和の戦争はもう少し違ったものになったのではないでしょうか。
まさに戦争だ!
子規は逝去。文学の周辺に関しては、この巻で終わってしまうようだ。 とうとう、日露戦争が開始され、秋山兄弟の活躍が始まる。 山本権兵衛、東郷平八郎が登場。 日露戦争の緒戦までが、本巻の内容。 ロシア側の人物に関しては、ウィッテの記述がいまひとつ定まらない感じがして、落ち着きがない。 日露戦争も佳境に差し掛かる、どう物語は進むのか?

坂の上の雲〈4〉 (文春文庫)

[ 文庫 ]
坂の上の雲〈4〉 (文春文庫)

・司馬 遼太郎
【文藝春秋】
発売日: 1999-01
参考価格: 670 円(税込)
販売価格: 670 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 484円〜
坂の上の雲〈4〉 (文春文庫)
司馬 遼太郎
カスタマー平均評価:  4.5
気力、運、敵失、全てが日本に味方した
 黄海海戦、遼陽会戦では敵失もあり、勝つことが出来た。その一方で旅順は膠着する。  作者がうまいのは、陸戦、海戦だけでなく、外交、スパイ、日英同盟、戦費調達など、日露戦争を巡る全ての要素を同時に進行させていることだ。  実力で劣る日本がいかにして勝てたか。勿論明治人の冷静な計算、士気が勝っていたことも確かだが、運や敵失にも助けられている。本当に薄氷を踏むような戦いだ。
乃木 希典の評価
日露戦争において英雄か凡将か評価が両極端に分かれる乃木希典。 司馬先生は凡将の立場で旅順攻略戦を描いており、 乃木の評価に対する議論を紛糾させる契機になったといわれてます。 とにかくこの本では正面から突撃あるのみです。 大将の心理を含め、日露戦争を丹念に描いています。 ロシアのクロパトキンもそうですが、 個人の感性や性格に戦局が大きく左右されていく姿に興味が惹かれました。
日露戦争に勝ったことで日本が残った。
○読み始めたきっかけ  司馬遼太郎の歴史モノが好きで、その中でも経営者を中心に愛読者の多い、 「坂の上の雲」を読んでみました。 ○心に残る言葉  日本の砲弾は、敵艦船の装甲を打ち破るのではなく、甲板で炸裂し火災を起こさ せ砲台を無力化することを目的としている。兵力の少ない日本海軍にとって、最も 効率的に戦闘する手段の一つ。  日露戦争当時では、一軍の統率は司令官がその人格力をもってやる、作戦の方は 参謀長が受け持つ。基本的にすべて参謀長に任せる。二者択一を迫られた時か、戦 況が紛糾した時のみ司令官が決を下す。 p.184 農業社会=有能無能の価値基準はなく、自然の摂理に従って、きまじめさと 精励さ嵩が美徳。  狩猟社会=それぞれの能力によって部署に配置され、全体の一目標のために機能 する。その中では指揮者が必要。この社会では人間の有能無能が問われる。世界史 的にみて、狩猟民族は軍隊を作ることに熟達している。 p.256 敵よりも大いなる兵力をもって敵を圧倒撃滅するというのは、常勝将軍と いわれるものが確立し実行してきた鉄則。  日露戦争に勝ったことにより、日本がロシアの植民地にならずにすんだ。しかし、 その成功体験が太平戦争での軍部の過信を生んだ。 ○どんな人に読んでもらいたいか。  過去の日本人の行動や歴史を知ることで、将来の日本の問題について考えるきっか けとなる。できるだけ、多くの日本人に読んでもらいたい。
ちょっとした記述が妙に面白い。
良さについては沢山のレビュアー様がおっしゃっている通り。 個人的には北進軍の中の黒木部隊の記述「まるで別の人種の部隊に率いられていたかのような強さ」というところで思わず吹き出しました。 司馬遼太郎、時々面白い表現しますよね。。
リーダーの資質が組織の運命を決める
第4巻は遼陽の会戦から旅順攻防まで。 リーダーの資質が、特に戦争といういわば極めて緊迫した状態において、いかに重要かということを思い知らされます。 旅順攻略軍における乃木・伊地知コンビ、バルチック艦隊におけるロシア司令長官について、著者は「無能」を連発し酷評しています。当然、ここでいう「無能」とは、全人格を否定する意味での無能ではなく、あくまでもそのとき置かれた状況下において能力を発揮できなかった(もしくは持っている能力が状況に適応できなかった)という意味でしょう。ただ、リーダーたるもの、ある面で優れているだけでは(例えば乃木がもつ会う人を魅了してやまない包容力など)務まらないどころか、組織全体に対して悪影響を及ぼすという事例ともいえ、企業経営などに置き換えると考えさせられるものがあります。 なお、乃木・伊地知が攻撃の失敗から反省することなく、無謀な攻撃をただ繰り返すさまは、日本陸軍がもともともつDNAなのか、後の太平洋戦争を暗示しているようで、名著「失敗の本質」が思い出されてしまいました。

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 更新日 2009年5月10日(日)  ※ 表示価格は更新時のものです!      メール      相互リンク

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