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[ 単行本 ]
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中国貧困絶望工場 「世界の工場」のカラクリ
・アレクサンドラ・ハーニー
【日経BP社】
発売日: 2008-12-11
参考価格: 2,310 円(税込)
販売価格: 2,310 円(税込)
Amazonポイント: 23 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 1,809円〜
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・アレクサンドラ・ハーニー
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カスタマー平均評価: 4.5
邦題は内容にミスマッチ タイトルを見ると一見中国版女工哀史のようだが実はそうではない。オリジナルの「China price」の方がよっぽどしっくりくる。China priceを提供する中国側と、China priceを維持したい先進国側の攻防が興味深い。劣悪な条件でChina priceを維持するため、一方的に労働力を提供されるだけの立場だった人間が、ある日労働者の権利に目覚め同胞の為に立ち上がる。或いは極貧の労働者から、徐々にステップアップし、ホワイトカラーへと転進する。
タイトルだけ見ると、いかにも中国の悲惨な労働環境だけがクローズアップされているように見えるが、私はむしろ後半に描かれている、中国でのポジティブな変化の方がこれからのChina Priceへのインパクトとして重要なのではないかと感じた。
知らないままでは済まされない 労働集約型消費財の世界の工場として成功した中国。
だか、そのために払っている犠牲も計り知れない。
その実態に肉薄して描いている。
<チャイナ・プライス>の将来を展望すれば、
成長の阻害要因といわれる非効率な金融市場、貧弱な特許基盤、
未発達な法制度、経営の透明化をもたらす情報技術活用に消極的姿勢、
技術力のある労働者不足などの克服とともに、
職場の安全や衛生、労働者の権利を保障するための労働組合や新しい労働法などの法的整備、
さらには、汚染産業、違法工場、腐敗官僚を見張る監視役としてのメディアの役割、
そのための取材制限の緩和・・・などなど、こんなキ?ワ?ドが浮かんでくる。
「安い製品の裏に人間がいる?中国からの安い製品の裏に、私たちと同じように希望を持ち、
笑ったり、悲しんだりする人たちがいることに気づいて欲しい」
と、著者が新聞の紹介記事で語っている。
「中国に責任があるように見えても、世界中の消費者にも同程度に責任があるということだ。
我々が30米ドルのDVDプレイヤ?や3米ドルのTシャツを欲しがれば、
宝石工場では粉塵が舞い散り、違法炭鉱は操業を続け、
16歳の労働者は深夜まで残業することになる。
チャイナプライスの存在には、我々すべてが関係しているのである。」
こんな結びの言葉が心に残った。
よくわかる
中国の工場の様子を豊富な取材をもとにとても詳しく描いていると思います。
そのテーマのためか、工場の質的な生産能力、個別企業のビジネスモデルの優劣といったことについてはあまり言及されていない(おそらくそれが問題でないことが問題なのだとも思われる)ように思いますが、価格の裏側としてのコスト、コストの裏側にある労働条件、という一貫した切り口で問題の複雑さをよく描写しています。また、章立ても過去、現在、未来といった時代の流れも踏まえて整理されており読みやすく感じました。 これから先 中国の工場労働者の状況はもうずっと前から問題視されていて
その決定版として出た本だと思います。
これから先、たとえば中国での生産が外資よりも内需よりのウェートにシフト場合にどうなるのだろうか?
今、あぶれた大量の失業者はどこに行くのだろうか?
或いは、他の新興国の状況はどうなんだろうか?
色々な方向から参照される本でしょうし、読んでおくべき一冊と言えるかと思います。
どぎつい翻訳タイトルが目を引きますが、こういったケースが紹介されるのは今まで断片的なことが多かったので、役人のマークを外すために新聞社を休職してまでまとまった取材したこの本は貴重かと。 便利さの裏に潜む現実?幻想としての世界の工場が持つ現実? “グローバリゼーション”。おまじないに近いこの言葉が今のように一人歩きする以前、まだ80年代?90年代の半ばにかけて、“多国籍企業”という言葉があったことをどれほどの人が記憶しているだろうか。その多くはアメリカ本土に本社のオフィスを持ちながら、実際に商品としてユーザーに提供するための工場や原材料そして労働力を自身で全く持たず、全てを海外に依存し、ブランドとしてのネームバリューで自らのみが利益を独占してきた“悪名高い”外資系企業(例えばスポーツシューズのNIKEは東南アジアの子供達による半ば奴隷的な搾取によって製造されていた)の代名詞でもある。
そうした中で彼らの多くは労働力の安価な中国への企業進出を行い、安定した経営基盤を築いてきた。そしてそこにはもう一つ、14億人の消費者を抱える“市場”としての中国にも目を向けるとの強かな計算もあったことも事実である。だがそうした企業の繁栄の裏にどのような実態があるのか、と陰の部分に目を向けることは中国にとっても外資系企業にとってもタブー以外の何物でもなかった。
けれども今現在、そうした“世界の工場”として位置づけられてきた中国自体にも大きな地殻変動が起きつつあることを本書は綿密な取材によって読者の前に提示する。例えば、これまで“おとなしかった”中国の工場労働者が労働災害や安全を含め、自らの声を挙げ始めたことはこれまで余り活字やメディアには見られなかった現実である。当然ながら中国国内の工場を取材する際に、そのプロセス途上には公安を中心とする地方行政府からの監視や圧力もあり、中国にとっても触られたくない部分が数多くある事実を物語る。
未だに“安価な労働力としての中国”を口にする人の目の前にこうした事実を突きつけ、私達が享受する便利さの裏側にこうした多くの現実があることを改めて自戒させるに十分な説得力がある。
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[ 単行本(ソフトカバー) ]
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地球家族―世界30か国のふつうの暮らし
・マテリアルワールドプロジェクト
【TOTO出版】
発売日: 1994-11
参考価格: 1,988 円(税込)
販売価格: 1,988 円(税込)
Amazonポイント: 19 pt
( 通常2〜5週間以内に発送 )
中古価格: 5,887円〜
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・マテリアルワールドプロジェクト
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カスタマー平均評価: 5
面白い! 驚きの発想で世界30カ国を廻って集めた写真と文。
文化や環境や気候の違いでこんなにも違うのか!と驚くばかり。
日本の物の多さにもビックリします。
ごく当たり前のことだけど、“普通”の基準はそれぞれ違うんだってことを再認識しました。
世界は広くて、自分の知らない部分がまだまだあります。
読む度に「いろんな国に行ってみたい」と好奇心が沸いてくる一冊です。 おトクですね。 これは本当におトクです。 この金額でこの情報量。何よりも好奇心が刺激されます。 おうちでくつろぎながら読むにはホントにいい。ではなぜ、いいのか? それは写真家の人たちが一所懸命その土地の人の力を借りて、対象の家を選定し、1週間ほど住み込んでそのおうちを写真に映し出しているから。生々しいし、暖かいです。撮影中にお父さんが殺されたりしたうちもあります。家具は少ないのになぜかやみくもに絨毯があるうちがあります。めっちゃくちゃ散らかったうちもあります。 お父さんが殺されてどうしてるかな?と思うと世界の現状について真剣に考え、調べたりします。絨毯の数と生活のレベルにはこの国では重要な関係があるのかしら?とかおうちが散らかっちゃってる理由とか考えるのも楽しい。 何度も何度も読み返せます。 家に1冊あっていいと思います。大人も楽しめるし、子供には想像力をかきたてる媒体となるでしょう。知りたいことは一所懸命調べます。これはもう勉強になるね、とかいうレベルでなくて、子供たちをはじめ、私たちの知的好奇心をすごーく刺激します。そして恐らく調べる事を厭わなくなるでしょう。 ちなみに私のお勧めは最後の方に軽く集めてあるトイレです。クウェートとナイジェリアの対比を楽しんでみてください。 この内容ならもっとたくさんお金出して購入します。 そんな気持ちになる本はなかなか出会えないです。 以上の理由で☆は5つ。ホントは10個くらいつけたい気持ちです! イイ!! 自分の家の前に家族とすべての持ち物(小さな置物から果ては冷蔵庫、車まで…)を陳列して写真を取らせてもらう…、ちょっと想像しただけでも面白そうな企画です。 クウェートの一家の超豪華な持ち物の数々、ブータンの一家の極限まで無駄がそぎ落とされた、ある種神聖なまでの調度品、日本の一家の福袋をひっくり返したかのようなカオス的様相…。 日本に長く生きるとこの消費社会こそが世界の標準と理想であるかのように無意識のうちに錯覚しがちですが、それがいかに間違ったことであるか、日本がいかにオフセンターな状態にあるかがよく分かりました。 旅行で訪れるだけでは滅多に見ることのできない、現地の人の本当の生活風景が実感をともなって迫ってきます。大変にすばらしい写真集です。 とてもいい!! 写真集なみの写真の数の割に値段は手ごろで、 世界各国の本当に普通の暮らしが伺えます。 地域間の貧富の差など、改めて色々考えさせら れる本です。読んだら、やっぱり日本は恵まれ てるんだ…と思いますよ。 それぞれ自由に眺めてみては? この本を手にしたのは5年程前なので、その時から世界はまた大きく変化した。30カ国のふつうの暮らしを撮るというプロジェクトのもと、選ばれた家族の生活を写真に収め、さらに各国事情や暮らしのデータが掲載されている。私は何でもないふっとした時間に、よく手にとって眺める。一家族につき数枚の写真なので決して情報量は多くない。前にもめくったことのあるページをひたすらめくっては一つ一つの写真を眺める。データを見てはそのお国事情に考えをめぐらす。各国のトイレがずらりと並んだ写真を見るだけでも文化が見える。文化論、政治論、宗教論。ひとつの写真集でいろいろな視点から考えを巡らすことができるだろう。暮らしている国の政治体制や生活レベルが異なるものの、地球のどこかで家族の言語が日々少しずつ作られていることに改めて感動する。
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[ 新書 ]
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皇軍兵士の日常生活 (講談社現代新書)
・一ノ瀬 俊也
【講談社】
発売日: 2009-02-19
参考価格: 798 円(税込)
販売価格: 798 円(税込)
( 通常2〜5週間以内に発送 )
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・一ノ瀬 俊也
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カスタマー平均評価: 2.5
興味深い内容ではありますが、、、 読み物と言うよりは、学術的・歴史的資料と言う印象。
文章が少々読みづらいかも。 感情論でいえば、誰だって兵隊になんか行きたくないさ‥。 徴兵検査から入営、徴兵中の家族の暮らしなど、豊富な資料を使って
描き出す皇軍兵士とその家族たちの実態。
しかしながら、著者自身が本書の第二の課題として「戦時下の日本社会には
徴兵制がもたらした人びとの生と死をめぐる「不平等」「不公平」‥を再確認
することである」と述べているように、徴兵制を客観的に論評する立場から
本書が書かれているわけではないことを、読者は念頭に置いておくべきであろう。
ちなみに、第一の課題は「徴兵され、兵士になってゆく過程を‥制度と心情の
両面から、戦後書かれた「従軍体験記」やさまざまな史料にもとづき明らかに
すること」である。
従って、いろいろバイアスがかかっている部分を考慮に入れつつ、
統計数字だけを見てゆくと、面白いことに気がつく。
たとえば徴兵検査にいっても、平時には4人に1人しか実際には徴兵
されていない。
韓国などのように、現代でも全員徴兵にゆく国ではなかったというところに、
まだノンビリした時代性を感じる。
それが支那事変が起こり、徐々に時局が切迫し、働き手を失った家族たちの
悲しみがあり、戦後は敗残の苦しみを乗り越えて帰国した兵士たちの鬱憤がある。
「戦争はもう嫌だ」という声は拾えば幾らでも出てくるのは当たり前のことだ。
物資に溢れた現代に暮らす我々の物差しで、往時を測るのはそのような
バイアスを排除した客観的な視線が必要であろう。
力作なだけに、残念なところだ。 兵士たちの真の姿に迫る 戦争の長期化によって兵士たちの質は低下していった。過去の日本軍が誇った『鉄の軍紀』は地に堕ちた。しかしそれは、いつ故郷に帰れるかわからないという殺伐とした空気の中ではやむをえなかった。兵士たちは愛国精神から戦っていたのではなく、相互に監視しながらどちらが勇敢なのか(または臆病なのか)という世俗的な論理に従って戦っていた。
本書の指摘は新鮮だ。ただ、資料の引用が多くて読みづらく感じるかもしれない。
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[ 単行本 ]
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グローバリゼーション 人類5万年のドラマ (下)
・ナヤン・チャンダ
【エヌティティ出版】
発売日: 2009-03-09
参考価格: 2,520 円(税込)
販売価格: 2,520 円(税込)
Amazonポイント: 25 pt
( 在庫あり。 )
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・ナヤン・チャンダ
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カスタマー平均評価: 0
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[ 文庫 ]
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本田宗一郎夢を力に―私の履歴書 (日経ビジネス人文庫)
・本田 宗一郎
【日本経済新聞社】
発売日: 2001-07
参考価格: 680 円(税込)
販売価格: 680 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 46円〜
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・本田 宗一郎
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カスタマー平均評価: 5
うちの社長に推薦してみよう・・・ 世界のHONDAの創業者、本田宗一郎の物語
成功し続けている企業の創業者の生い立ちを紐解くのはたいへん興味深い、
本田は、若い頃から天才的な技術を武器に成功し、豪勢な人生を歩んでいた、
50歳半ばで「私の履歴書」に登場するなんて、痛快だろうな・・・
さらの、その後、4輪そしてF1と事業を拡大して引退する65歳まで
本田が何を考え行動してきたのかが、本人の言葉で語られる。
HONDA社内では、おそらくバイブルとして読まれているんでしょうね。
自分の会社が、創業者がどのように歩んできたかなんて理解出来たら、さらにやる気でますよね。
うちの社長も、有名な会社なんだから、思いを綴ってほしいな・・・
日本が生んだ偉大な会社の創業者物語、読み応えあります★4つ 純粋な心を持ち続け、今もなお色あせない経営哲学 第2部までは、本田宗一郎とホンダの生い立ちを振り返るが、個人的には企業ストーリーとしての事実を客観的に眺めている程度であり、それほど感動はなかった。
一方、第3部は本田宗一郎語録をまとめたものだが、氏の色あせぬ経営哲学と純粋さにあらためて勉強させられた。例えば、
「能率の尊重」とは、「プライベートの生活をエンジョイするために時間を酷使することである。(中略) 朝は早く、夜はおそく、昼食の時間まで惜しんで、働くために働くことを能率なりとする考え方や、生活を楽しむことを罪悪視する戦時中の超克己主義は、能率の何たるかを解しない人の謬見である。」
「半端な者同士でも、お互いに認め合い、補い合って仲良くやっていけば、仕事はやっていけるものだ。世の中に完全な人間などいるものではない。(中略)『人間の和』がなければ企業という集団の発展はおろか、持続さえもできないことを充分認識してほしい」
「早く自由化に踏み切って、大衆に判断してもらって、企業の方向性を正した方が得なのだ。(中略)いい品物かどうかはメーカーが判断するのではなく、大衆が判断してくれるものであることを決して忘れてはならない。」
「ありのままの子供を理解しようと努力もせずに、親の常識の枠内で教育しようとするから、いやらしいオトナびた子どもや、老人みたいな青年が生まれるのだ。(中略)こうした親達の手で、画一的にな人間のタイプ以外に、どんな個性が育てられるのか。(中略)だから私は、世間で言う『悪い子』に期待している。」
「わからずやのオトナ達の説教など、クソくらえだ。堂々と『若さ』を発散させ、『若いいのち』を主張し給え。」
最後に、氏の経営哲学が凝縮されている詩を紹介しておきます。
「企業という船にさ 宝である人間を乗せてさ 舵をとるもの 櫓を漕ぐもの 順風満帆 大海原を 和気あいあいと 一つの目的に向かう こんな愉快な航海はないと思うよ」
いずれも40年以上前に当時50歳を過ぎていた氏の言葉です。 技術者であり経営者である人物 前半は筆者が書いた部分であり、後半は、副社長の藤沢氏に関する記述や、本田宗一郎氏の語録集が記載されています。
前半で、本田氏の考えが分かり、後半でどうしてここまで会社を大きくすることが出来たのかについて少し分かったような気がします。
技術を追い求めるだけではなく、経営者としての正しい判断もできる人であると感じました。
会社のことだけでなく、日本全体を見渡して経営判断を行うことができるとことが、今の経営者とは異なる部分であると感じ取れました。 ホンダの生い立ちが分かる絶好の本 この本は3部構成からなります。第1部は1962年に日経新聞で連載された「私の履歴書」です。まず、こんな昔から「私の履歴書」があったことに驚かされます。この部分で、ホンダの黎明期のことが良く分かります。
第2部は、日経新聞編集員による書き下し?と思われる「私の履歴書」のその後について。ビジネス書としてここが面白いです。
第3部は本田宗一郎語録です。文章は平易ですが、何かを読み取るのは難しいです。そういう文章です。
※ なお、本書の第2部と内容的に重なる部分もありますが、「経営に終わりはない」(藤沢武夫著)も一緒に読むことをお勧めします。 表紙からしてカッコイイ本 本田宗一郎が書いた,寄稿文書,解説,社内文書からなる本
表紙がHONDA F1に座ってにっこりしている写真なのだが
とても表情が良くてこの会社の社員は楽しいのだろうなぁという
感じがとてもする表紙です.また赤い色は,HONDAが自動車に
進出する際,中央官庁と赤い車を認めさせるという逸話を
思い出させる意味でとても感慨深いです.
内容は,55歳の時に日経新聞に寄せた私の履歴書の文書。
履歴書から後の活躍を当時の本田宗一郎の言葉と共にまとめたもの。
最後に社内報などの記録に残っている文書の3部構成で
今に本田宗一郎を伝えようとしています.
HONDAという会社の大社長でありながら、気さくな雰囲気と
細やかな神経を配るこの会社は、社員はとても楽しく
夢を仕事に変えていたのだろうなぁというのが
伝わってきます.
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[ 単行本 ]
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世紀の相場師ジェシー・リバモア (海外シリーズ)
・リチャード スミッテン
【角川書店】
発売日: 2001-06
参考価格: 2,310 円(税込)
販売価格: 2,310 円(税込)
Amazonポイント: 23 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 1,799円〜
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・リチャード スミッテン ・Richard Smitten
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カスタマー平均評価: 5
非常に興味深い内容でした 読んでいて本当に面白かった。
14歳で家を飛び出て、まさに裸一貫で財を成す過程は圧巻。
周りに教えてくれる人がいるわけでもなく、試行錯誤しつつ取引手法を確立していくのは本当にすごい。
コットンキングの授業を受けて綿に手を出してしまい破産してしまうのは笑えなかった。
とかく情報や人に左右されがちな自分のことのようだったから。
情報や人に流されないようになるには自分の意見を言ってはいけないのであり、結果として秘密主義にならざるを得ないのだろう。
相場で成功する技を職人芸と言い例えているのも驚いた。
林輝太郎氏、板垣浩氏と同じ様なことを言っているからだ。
相場を続けていくと同じような結論を出すのだろうか。
趣味がブリッジというのも非常に面白い。
あのウォーレンバフェットもブリッジが趣味。
数学的思考、確率などに才能を持つ人間は同じ興味を持つのだろう。
リバモア自身もスノッブなナルシストと感じたのだが、それ以上に嫁、子供に対する金に飽かせたスポイルぶり目に余った。
金を稼ぐことには才能があったが、金をどう使うか、その結果どうなるのかということまでは考えなかったのだろう。
そう考えるとドケチとして有名なバフェットは金が持つ影響力ということを非常によく理解しているのであろう。
自分を律するためにも「あえて」ドケチに徹しているのだろうな。
相場師としては成功、人生としては失敗。
色々と考えさせられる傑作。
素直に嬉しい やっと復刊されたんですね。
素直に嬉しいです。
巻末のピボタルポイントの解説をずっと読みたくて、古本屋など探していました。
ユーズドでとんでもない値段が付いていたので、買うのを躊躇していましたが、やっと復刊されて入手できました。
「欲望と幻想」にはガッカリさせられましたが、「世紀の相場師」はなかなかいいです。 祝、緊急増刷 2001年6月に初版が出て永らく品切れ状態でしたが、今年6月30日に増し刷りされ再び販売されることになり、これを待っていた身としては本当にありがたく思います。帯に「ネットで激賞の嵐、トレーダー永遠のバイブル!!、熱烈なラブコールに応え緊急増刷!!」とあり、この本の復刊を粘り強く角川書店に要望されてきた方々に心から敬意を表します。
やはり評判どおりの読み応えで、ラインマーカーで色をつけた箇所は自分だけの箴言集となりました。付録としてリバモアの投資の鉄則がついており、本書の重要箇所をざっと復習できます。ここは本書の良いまとめとなっています。
私個人として少し気になったのが、180ページ「リバモアは、自分の意識下の世界、つまり眠ることのない自分の精神を理解しようと、やむことのない努力を続けた。フロイトを研究し、ユングの論著を読みあさった。」という箇所です。フロイトとユングは無意識を研究した心理学者ですから、「自分の意識下の世界、つまり眠ることのない自分の精神」という訳は本当に正しいのかなあ、という思いです。ここの箇所が「自分の無意識の世界、つまり眠ることのない自分の魂を理解しようと、やむことのない努力を続けた。」というのなら筋が通るように思うのですが、どうなんでしょうか。
まあ、いずれにせよ、リバモアはフロイトやユング、さらにアリストテレスまで読んでいたというのですから、やはり相場にかかわる者として心理学や哲学の勉強は怠れないなと思った次第です。
良い本だと思います。皆さんにもお薦めします。 ようやく復刊されましたね 定価の10倍以上なんていうプレミアが付いていましたが、
ようやく復刊されたようで角川書店さんありがとう。
中古本の価格暴落時が買い時かもしれません(^^)
プレミア値がついていますが それに相応する内容です。
たとえ株が全くわからない人間が読んだとしても、ジェシー・リバモアという1人の男がウォール街に挑んだ人生は読んでいて痺れます。
相場を動かすのは人の心理とはよくいったもので、それは昔も今も変わらない普遍の真理だといえる。
実際リバモアが相場で成功した理由も、純粋に数字に興味を持ち、大衆の心理を読む株式相場という一種のゲームを楽しんだ所にある気がします。
最近、マンガ版、文庫版とリバモア関連の本が出版されましたが、あちらはあくまでリバモア入門編といったところで、より本質的なリバモアという人物を知るにはこの本が最も適した書籍だと思います。
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[ 文庫 ]
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竜馬がゆく〈1〉 (文春文庫)
・司馬 遼太郎
【文藝春秋】
発売日: 1998-09
参考価格: 660 円(税込)
販売価格: 660 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 440円〜
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・司馬 遼太郎
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カスタマー平均評価: 5
いわずとしれた名作。 日本人の好きな人物の、常に3位までに入る坂本竜馬。これは、司馬遼太郎の「竜馬がゆく」の作品なくしては、成し遂げられなかったであろう。文句なしの名作。 因縁が、今現在にも影響 司馬遼太郎が資料集めを始めると、
関連書籍がその地域の古本屋や
古書業界から無くなるほどだった。という逸話を持つ
その時代考証は深く、司馬氏自身が目の前で
見てきたかのような細かい描写に活かされている。
戦国時代から、江戸末期、明治から昭和へと続く
藩同士の因縁が、今現在にも影響していることを再認識
↓続きはコチラ
http://johnjohn.jp/blog/jb/mkt/archives/2008/03/post-129.php
「忙しい人のための楽習塾」 利益を上げる読書術とは?
http://johnjohn.jp/blog/jb/mkt/ 男心を刺激する 坂本龍馬が多くの日本人に愛されるキッカケをつくった本。著者自身も言っていますが、その人物像は著者のイメージによるところが大きいとはいえ、当時のあらゆる事ともに、膨大な資料から練り上げられたイメージにはリアリティを感じます。この物語には数々の英雄とその人生が描かれおり、男の命の迫力が伝わってくるでしょう。何も伝わらないようなら、君は男子ではない、そう言わせるだけの青春物語。 評するも人、評さるるも人。つまり大人物。 勝海舟の引き寄せで、坂本竜馬が西郷隆盛と対面したとき、坂本は「大きくたたけば大きく響き、小さくたたけば小さく響く人だ」と西郷の印象を語ったそうです。それを聞いた勝は「評する(坂本)も人(大人物)、評さるる(西郷)も人(大人物)」とうなずきました。
坂本は、武家の生まれでしたが、いわゆる格が低い家でありました。だから、ストレートにいけば、武士としての立身出世は難しかったでしょう。ただ、江戸留学も含めて剣術は相当に強かった、そういう人が、海の向こうを相手にビジネスを行うことを考えていた。
その実現に、障害となるものを取り除こうとしていったのでしょう。とてつもない行動力・実行力です。
本巻では、剣術に強くなっていく青年としての坂本竜馬が描かれています。
坂本竜馬 土佐、薩摩、長州などの国ではなく、初めて日本を意識した日本人、坂本竜馬。
幕末維新史上の奇蹟を起こした坂本竜馬に男気を感じずにはいられない。
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[ 単行本 ]
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空白の桶狭間
・加藤 廣
【新潮社】
発売日: 2009-03-27
参考価格: 1,680 円(税込)
販売価格: 1,680 円(税込)
Amazonポイント: 16 pt
( 一時的に在庫切れですが、商品が入荷次第配送します。配送予定日がわかり次第Eメールにてお知らせします。商品の代金は発送時に請求いたします。 )
中古価格: 1,187円〜
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・加藤 廣
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カスタマー平均評価: 4
「桶狭間の戦い」の常識を打ち破る、必読の一冊。 戦術の妙が最も光るのは、寡兵をもって大軍を破ったとき。
世間の評判も芳しい。
しかし、歴史は常に勝者のもの。
さて、実際のところ、桶狭間で何があったのか?
そして、何がなかったのか?
「兵は詭道」というとおり、本書は今に伝えられる「桶狭間の戦い」を検証し、
今川義元の姦計、秀吉の謀略、松平元康(後の家康)の深謀遠慮をあぶり出す。
全278ページ。
秀吉の出自にも迫る、一気に読める戦国ミステリー第3弾!
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[ 文庫 ]
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竜馬がゆく〈5〉 (文春文庫)
・司馬 遼太郎
【文藝春秋】
発売日: 1998-10
参考価格: 660 円(税込)
販売価格: 660 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 300円〜
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・司馬 遼太郎
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カスタマー平均評価: 4.5
血なまぐささの増す五巻 池田屋の変、蛤御門の変と血なまぐささが増すが竜馬の現実的思想はより冷徹さを増してゆく。
激動する長州に潜入し若々しい猛々しさで報告する中島作太郎に「死を賛美するな。土佐っぽは死を急ぎすぎる。これからの時勢はもはや決死剽悍の暴漢だけでは間に合わぬ。土佐っぽの落ち着きの無さをいい加減捨てよ」と説き、逃げた桂を「さすがだな、逃げることを知っている」と評す。
西郷、大久保による薩摩藩の手練手管の外交術は観念主義一辺倒の長州を赤子の手を捻るかのように駆逐していく。
司馬遼太郎をして「革命のために生まれた男」と評された高杉晋作も面白い。「ほかのどの世でもこの男は役に立たない、乱世の革命時にのみ光る」高杉の天才と言われる所以が随所に溢れている。
五巻に入りそれぞれの人物が一気に加速し動き出し接触しだす。
坂竜飛騰。縦横無尽に志士たちが飛騰する。 長州人の美学に巻き込まれてしまいそうだ 坂本竜馬の物語、全8巻の5冊目である
5冊目が描くのは、池田屋の変
尊皇攘夷派であり、クーデターを企てていた
長州・土佐藩など20数人を
新撰組が襲撃した事件である
著者はこの事件について、こうまとめている(P120)
幕末争乱の引金がひかれた。
ひいたのは、新撰組であるといっていい。
坂本竜馬は、事件の現場には、いなかった
しかし、友を殺され、時代が動いた
竜馬は、勝海舟と話し、西郷隆盛と出会う
脱藩者が藩を超えた日本を考える
長州人の生き様が、活き活きと書かれている
長州人の考え方に、つい巻き込まれてしまう
その命を捨てる美学に酔ってしまいそうだ.. 国民的名作第5巻、西郷との出会い 第5巻前半は、京都で飛ぶ鳥をおとす勢いだった長州が失脚するひとつの転換点となった、池田屋の変、蛤御門の変。そこで描かれるのは悲しいことに、新しい日本国を夢見た若者たちが次々と死んでいく場面です。ほとんどの志士たちがいまの私より年少であることに胸が締め付けられます。
一方、竜馬は師・勝海舟の導きで薩摩の西郷と出会います。出会った二人の会話と「間」がなんともいえず二人のキャラクターをうまく表現していて、感情移入できます。
物語ももうすぐ佳境にはいってきますが、ちょっと中だるみした感じの第5巻でした。
復帰しました第五巻! 長い長い「竜馬が行く」にちょっと息切れしてしまい、途中で断念しかかったこの五巻。
大人気の大河ドラマ篤姫にも影響されて、半年振りに竜馬の世界に復帰しました。
で、感じたのは、やっぱり面白いということ。
篤姫を観ることで徳川側からみた幕末を知り、この「竜馬が行く」を読むことで倒幕側からの幕末も同時に知ってくると、両方が非常に面白くなります。
幕末という時代は、司馬さんが本の中で『維新史は、その歴史そのものが壮大な戯曲である』と、言っている通り、本当に面白い!
とくにこの五巻は竜馬というより、幕末という時代を主役に据えている印象が強い巻なので、その維新史の面白さが存分に味わえます。
池田屋の変、蛤御門ノ変、長州や薩摩の動向、新撰組、高杉晋作、来島又兵衛、司馬さんが、『神が幕末の混乱を哀れんで派遣した妖精』と例えた勝海舟、そして西郷隆盛。
『評するも人、評せさるるも人』。
竜馬に西郷の印象を尋ねた時の返答を聞いた勝海舟が残した言葉がこれ。
さて、竜馬は西郷をどうみたのか。
そんな幕末の主役、二人の対面が書かれているのがこの五巻です。
様々な人物に焦点を当てるだけに、ストーリーとして流れに乗って読み進むことが難しかったこの五巻ですが、そこがまた読み応えがあり、またそこを超えると徐々に薩長同盟あたりに触れてくるので、俄然面白くなってきます。
このまま一気に突っ走れそうです。
坂竜飛騰 p298に出てくる当時の竜馬の活躍を表した言葉「坂竜飛騰」。
まさにこの頃の竜馬をうまくあらわしていると思う。
竜馬、西郷という幕末の両雄がようやく出会い、一気に時代の流れが進んでいく第5巻、読み応え十分です。
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[ 単行本 ]
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ローマ亡き後の地中海世界 下
・塩野 七生
【新潮社】
発売日: 2009-01
参考価格: 3,150 円(税込)
販売価格: 3,150 円(税込)
Amazonポイント: 31 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 2,750円〜
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・塩野 七生
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カスタマー平均評価: 4.5
どうやって、読者をはまらせるか? 本の内容の評価は良い悪いは別にして、作者自身が読者にうまく内容を噛み砕いて表現していることを一番評価しています。ローマ人の物語もそうなのですが、見やすい地図や表が必ず途中に出ていて、読んでいてもストレスがなく、カタカナの地名が連続して出てきても、近くのページの地図を追いかけていけるので頭が痛くならなくて良いです。その地図も結構工夫がされていて、本の内容に合わせた地図が出ています。
今まで読んできた本の中には地図がなかったり、いまいち痒いところに手が届いていなかった場合が多く、地名のカタカナが連続して出てくると、日本語に見えず、何かの記号の羅列に見えてきて、めんどくさくなって挫折するか、読み飛ばすかしていました。自分は日本人で、日本史なら地図なしでもある程度イメージできます。あまりマニアックな地名だと困りますが。しかし、いきなり外国の地名が出てきてもなかなかイメージできません。距離感がわからない。そのような不親切な本をいったい誰に向けて発行しているのだろうか?出版社の人はその本を読んで「日本人でもわかりやすい」「日本人でもわかる」と思っているのか?
出版業界は大変だと聞いています。しかし、売れる本は売れるんだと思います。ローマ人の物語や今回の上下巻の評価すべきところは、文章もさることながら、痒いところに手が届き、ストレスを与えない構成です。それがあるからこそ、本にのめり込めるんだと思います。 地中海からの西洋史 塩野先生の著作はローマ人の物語、ベネツィアの物語をはじめ一部の女性物を除いて多くを読ませていただきました。我々が世界史でヨーロッパの歴史として学んだ中世はイギリス、フランス、ドイツが中心でせいぜいローマ法王が出てくるだけでした。トルコとの関係もせいぜいコンスタンチノープル陥落とウィーンの攻防戦ぐらいのもので1000年に及ぶ地中海での覇権争いなどたぶん習った覚えはありません。とても勉強になりました。
地中海はマグロをはじめとする漁業、モロッコ?のマツタケなど現代の日本経済にもある程度の関係を持っています。教育でもこの方面の歴史にもっと光を当てるべきでしょう。 平和がどれほど貴重な事か 平和であること、安心して暮らせることがいかに貴重なのか、改めて思います。ローマによる平和なきあとの地中海世界の恐ろしさがいやというほど(救いのあるエピソードもありますが)書き綴られていて、愕然とします。海賊がどれほど地中海の人々の脅威となったか、アウグストゥスが知ったら酷く悲しんだでしょう。
「ローマ人の物語」特に「パクス・ロマーナ」と併せて読むと、社会は線型に進歩していくものじゃなくて、前にも後ろにも、真直ぐな道も、歪んだ道も歩むものだと思わされます。 ベネチア史 ある意味のベネチア史であるな。下巻ではベネチアと、オスマン、スペイン、フランスなどと国家的な関与があり、特にベネチア、オスマンのせめぎあいは読みがいがある。といっても、イタリアそれもベネチア視点というのはずっと変わらない。
この本はローマ人の物語の続編というよりもベネチア(海の都の物語)の外伝として捕らえていくといいかもしれない。日本人とは少し離れた世界の物語だが、ローマ人の物語と同じようによどみなく読み進められた。
上巻ではシチリアのイスラムの寛容、ノルマンでのイスラム・キリスト教の共存、下巻ではベネチアの貴族の娘の話と、和みの話が含まれているのが、殺伐としたこの時代のともし火だ。
塩野先生の地中海まとめ 上下巻出ました。一年でこの厚い本を二冊かくことがまずはすごいな。と感じました。読み終えてからはとにかく面白い。なにが面白いかというと困るんですが安定した塩野先生のお仕事という感じです
さて内容としては塩野先生の持論、国家が行うべき最大の義務『治安維持』が徹底してないと民衆はたちいかないということをえんえんと語っています。たしかにそう言いたくなるくらい、この時代のイタリアはひどい。まさにリアル北斗の拳
ただ、概論を述べようとするため細かいところは今までかいた本を読んでください。というのがちょっと多い気がします。塩野先生の著作すべて読んだ人にはなんとかわかりますが、そうでない人には厳しいところもあり、四つ星にしました。
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