しかしどうせならば、文庫ではなくハードカバーで読んで欲しい、という気持ちもある。やっぱり、版元が違うからイラストも使えなかったのかな、と思うが、とても残念。その分、☆ひとつマイナスさせてもらった。
ちなみに、もう絶版になってしまっているようだが、谷川訳のCDもいい。本人朗読による『フェル先生』などは、もう最高。彼のマザーグースが日本の児童文学に与えた影響は、とても大きいだろう。とにかく、翻訳モノにはまれにみるほどの完成度で、オリジナルと言っていいほどに素晴らしい。子供にはぜひとも読ませたい。
白いページに大きめの黒い印字、詩の内容と同じくすっきりとしたページが気持ちいいです。
各々の詩のトビラには、猪木さんの写真があります。それがまた良い。
この力強そうな身体を持った大きな男が、このシンプルで力強く美しく、温かい(ときにはユーモラスな)詩を書いたのかと思うと、さらに感動します。
猪木さんのことはよく知りませんが、生きる姿勢が素晴らしいと思いました。読むと励まされ、元気が出ます。
書き下し文が歴史的仮名遣いではないので、現在の高校の漢詩授業とは違ってしまうのが残念だが、漢詩に興味がある人にはぴったりの好著である。ここに述べられている漢詩のリズムと意味の切れ目をふまえれば、自分で漢詩の意味をだいたいつかめるようになるのだから。同じ著者の『漢語の知識』が品切れ状態(一時的に復刊していたけれども)だが、ぜひとも復刊させてほしいと思う。若い人々が真の教養に出会える名著なのだから。 漢詩を理論的に理解する最適著。 著者は「旧制「高校理科コース」に進学。いわゆる専門外。私は高校時代(もちろん新制)、漢文を習った。「韻をふむ」「対句」「絶句」・・・説明を聞いた。理解できなかった。私の理解力不足のせいにしてきた。でもこの本に出会ってから、考えが変わった。実は「そのときの高校の先生はこの意味を本当に理解していなかったのだ」ということが解った。私は、大学に進学して中国語を徹底的に学んだ。この本は最近出版されたが、中国語を学んだものにとっても、これは名著である。著者は専門外から中国文学の専門教授になられたため、如何にしたら門外漢に解り易く説くかをよく心得ている。また、理論的という、おそらく「詩」とは縁がない手法を用いて読者を引き込む。漢詩25編を解き明かして、もう一度分析しなおしている。岩波シリーズ「ジュニア新書」は、実は知ったかぶりを叩きのめすための「大人の新書」なのである。