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歴史・時代小説

アイテム一覧
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アラミスと呼ばれた女 (講談社文庫) 国盗り物語〈第3巻〉織田信長〈前編〉 (新潮文庫) 薄妃の恋―僕僕先生 蒼穹の昴(3) (講談社文庫) 国盗り物語〈2〉斎藤道三〈後編〉 (新潮文庫) 叛旗兵〈下〉―妖説直江兼続 (徳間文庫) 三国志〈2の巻〉参旗の星 (ハルキ文庫―時代小説文庫) 三国志〈9の巻〉軍市の星 (ハルキ文庫―時代小説文庫) 蒼穹の昴(4) (講談社文庫) 翔ぶが如く〈10〉 (文春文庫)
アラミスと呼ばれた女 (講談社.. 国盗り物語〈第3巻〉織田信長〈.. 薄妃の恋―僕僕先生 蒼穹の昴(3) (講談社文庫) 国盗り物語〈2〉斎藤道三〈後編.. 叛旗兵〈下〉―妖説直江兼続 (.. 三国志〈2の巻〉参旗の星 (ハ.. 三国志〈9の巻〉軍市の星 (ハ.. 蒼穹の昴(4) (講談社文庫) 翔ぶが如く〈10〉 (文春文庫..

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アラミスと呼ばれた女 (講談社文庫)

[ 文庫 ]
アラミスと呼ばれた女 (講談社文庫)

・宇江佐 真理
【講談社】
発売日: 2009-04-15
参考価格: 610 円(税込)
販売価格: 610 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 570円〜
アラミスと呼ばれた女 (講談社文庫)
宇江佐 真理
カスタマー平均評価:  3
市井物を離れちゃダメ
宇江佐真理は、市井物だけを書いてればいいんです。 歴史物を書いちゃいけません。 お勉強したことを、ナマのまんま書いても、それは小説にはなりません。 宇江佐ファンとして残念な一冊でした。

国盗り物語〈第3巻〉織田信長〈前編〉 (新潮文庫)

[ 文庫 ]
国盗り物語〈第3巻〉織田信長〈前編〉 (新潮文庫)

・司馬 遼太郎
【新潮社】
発売日: 1971-12
参考価格: 740 円(税込)
販売価格: 740 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 78円〜
国盗り物語〈第3巻〉織田信長〈前編〉 (新潮文庫)
司馬 遼太郎
カスタマー平均評価:  4
タイトル間違っていないか?
「織田信長」という副題が付いているのに,内容の大半が明智光秀! 読んでも読んでも,話題は光秀.光秀が好きな人にはお勧めだが,私のように,織田信長その人に興味のある方にはお勧めできる作品ではない.超偉大な文豪の書いた作品だから,私のような凡人には何も言う資格はないのだろうが,ちょっと,だまされた気分です.「織田信長」と副題を付けるなら,その人のことを中心に描いてほしい者です.とにかく,よめどよめど,明智,明智です.
風雲児信長を描く
 道三の愛弟子、風雲児信長の前半生を描く。  天才肌のイメージのある信長は、実は、すべてを実践で試しながら、自らを鍛え上げていく働き者。そんな信長を、信長自身と当時最高の教養を誇る光秀の視点、両方から描いており、その生き様の比較はおもしろい。  
清洲攻略から稲葉山城の奪取まで
 第3巻になりいよいよ「織田信長編」に突入します。  第2巻を読み終えたところでは、「第3巻からは、信長の話が中心にんるのだろうな」と思っていまし。しかし、本作品は信長が中心であることには間違いないのですが、斎藤道三の最期や、その後の明智光秀の話があります。斎藤道三の最期を描くのは当然としても、その後の光秀の話はいらないのではないかと読んでいるときは思いましたが、読み勧めていくと決してそれが本筋の信長の話を邪魔することもなく、逆に光秀が信長に少しずつ近づいていっているのが分かって、とても読み応えがありました。  第4巻で光秀と信長がどう出会い、どのように「本能寺の変」までが描かれているのかが、楽しみです。
信長の複雑な個性を捉えられてません
信長をここまで単純な合理主義者にしてしまえば、分かりやすく、面白くおかしく描けるのかもしれせんが、信長のスケールの大きさが滑り落ちてしまうという感じを抱きます。光秀との相克も前半の期待に反し後半が月並みです。信長と光秀を道三の弟子とみる史観も司馬さんのオリジナルではなく海音寺潮五郎さんがオリジナルですよね。それに奇人変人好きは、信長ではなく司馬さんでしょ!!
光秀観が変わる?
本作の後編は信長の「国盗り」を追うことになる。信長がいかに稀有な人物であったか、そして、極めて常識人の光秀がなぜ主君に謀反をおこしたのか。それは読者がそれぞれを感じるべきことであろう。
また、二人の余りに対照的な価値観に読者はどちらかに荷担することにもなる。正直、私は本作で光秀観が劇的に変わった。彼は常識人であり、知識人である。そのような彼が謀反を企てて、本当に信長追討後の天下を目指していたのだろうか。一時の感情に流されて、後世の謀反人としての汚名を受け入れられるほどの気概が果たして常識人光秀にあったのだろうか。比叡山焼き討ちを反対する光秀と断固としてそれを決行しようとする信長のやりとりはこの2人を象徴している見せ場だ。
光秀は謀反人の汚名を今も受けていることは間違いない。

しかし、彼がなんと涼やかで明晰な人であったかを本作で知るに及んで、光秀の悲劇性を感じざるを得ないのだ。

薄妃の恋―僕僕先生

[ 単行本 ]
薄妃の恋―僕僕先生

・仁木 英之
【新潮社】
発売日: 2008-09
参考価格: 1,470 円(税込)
販売価格: 1,470 円(税込)
 Amazonポイント: 14 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 1,216円〜
薄妃の恋―僕僕先生
仁木 英之
カスタマー平均評価:  4.5
シリーズ化、またはスピンアウトの期待高まる
文章が少々難しいのだけれども、内容は軽快で読んでいるとふんわりとした気分にさせられます。僕僕、王弁、吉良にすっぽんの妖魔や薄妃も加わり、諸国漫遊の旅は賑やかになっていきます。 旅の目的は僕僕先生にはぐらかされっぱなしですが、旅すること自体が目的の旅もある訳で、ゆるりとした彷徨は読んでいて気持ちも軽くなりました。 ささくれ立った心に潤いを与えるロードノベルですね。
帰ってきてくれてありがとう♪
いつまでも僕僕先生と王弁の世界に浸っていたい…そう願っていた私の元に帰ってきてくれました!!しかも今回はやや成長した王弁と、相変わらず仙人ならではの心の広さ(憧れます)と可愛らしさ満点の僕僕先生が色んなキャラクターを引き連れてくれています♪挿絵もまたスバラシく可愛い。短編集でさらりと読めますが、どのお話も歴史に思いを馳せ、読者の冒険心を掻き立て、心にキラキラとした輝きを残す印象です。中でも題名にある新たなキャラクター、「薄妃」の恋心を通して描いた王弁と僕僕先生の関係は読んだ後もずっと心に残ります。心大きく成長し、自分の可能性を広げていく王弁を見守る僕僕先生。この師弟関係もまた見所です。物語の世界観は前作そのままに、さらにファンタジー度が増している、読めばきっとほっこり幸せになれる物語です!!!
安心して楽しめる
 見かけはたおやかな少女だが、実際の年齢はいくつかわからないし、本当に女なのかもわからない。おまけにこちらの考えてることはすべてお見通しの仙人、僕僕先生と頼りない青年黄弁との中国南部の旅。  古代から永年中国に目を向けてその詩文を愛してきたご先祖様の血が流れているせいだろうか、中国怪異譚の類に親しみを覚えるのはなぜだろう。  本作も「聊斎志異」などの流れを受け継ぎつつ、作者独自の味を加えて、嫌味のない安心して読める作品に仕上がっている。  続編が待たれる。
ギザカワユイ妖怪がいっぱい!王弁君の妄想も爆裂!!
「羊羹比賽―王弁、料理勝負に出る」 「陽児雷児―雷神の子、友を得る」 「飄飄薄妃―王弁、熱愛現場を目撃する」 「健忘収支―王弁、女神の厠で妙薬を探す」 「黒髪黒卵―僕僕、異界の剣を仇討ちに貸し出す」 「奪心之歌―僕僕、歌姫にはまる」 の六篇が収録された短編集。 僕僕が老人形態には変身しなくなったので、 ジジコンの方には残念でしょうが、 美中年や美青年には変身するので、 腐女子の方は王弁君以上の妄想力でハァハァして下さい。 ギザカワユイ妖怪がいっぱい出て来るとても楽しい本である。 漫画化アニメ化されると、さらに大ヒットすると思う。 6編はそれぞれ、師弟愛、友情、男女愛、兄弟愛、親子愛、芸術(大衆への)愛 をモチーフにしていて、誰にも受ける普遍的なネタで、 スイスイ読めます。 基本的にはハッピーエンドだが、 見事なパラダイムシフトがある作品もあります。 軽い中華ファンタジーに思わせて、 哲学的なネタも埋まってます。 シリーズの一品として、 無敵の仙人に思えた僕僕の弱点や、 役立たずのニート青年の王弁の秘めた力も暗示されていて、 ファンタジーシリーズとしての引きも巧い。 将来絶対画像化され、 西遊記や漫画日本昔話級の、 日本国民誰もが知っているスタンダードな名作と評価されるようになるであろう。
成長した王弁と僕僕の新たな冒険
前巻の最後で、王弁が蓬莱に帰った僕僕先生と感動の再会を果たしてハッピーエンド、という展開だったのでまさか続編が出るとは思っていなかったのでびっくり。 5年の月日を経て少し大人びた王弁と僕僕が再び中国大陸漫遊の旅に出ます。 新たな人々や神仙、怪異との出会いにもあまり動じなくなった王弁はたくましくなりましたが、すぐに王弁をからかう飄々とした僕僕とのコンビネーションは相変わらずのようで安心しました。 短編集ではありますが、ちゃんと時系列に沿って一連の流れになっていますので読後のボリューム感はなかなかなのものです。 作中には続編をにおわせる伏線が色々とちりばめられているので、シリーズ化しそうな気配に心が躍ります。

蒼穹の昴(3) (講談社文庫)

[ 文庫 ]
蒼穹の昴(3) (講談社文庫)

・浅田 次郎
【講談社】
発売日: 2004-10-15
参考価格: 620 円(税込)
販売価格: 620 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1円〜
蒼穹の昴(3) (講談社文庫)
浅田 次郎
カスタマー平均評価:  4.5
清朝末期と日本の幕末には共通の壮大なドラマがある
地主の次男、梁文秀(史了)とその地の貧民の子、李春雲(春児)。 科挙登第を経て国政を担うこととなる史了と、宦官という 方法で内廷のトップまで上り詰めた春児。 二人の男(!?)を通して、清代末期西太后が実権を握っていた 王朝内部の動乱とそれにかかわる人々の思惑を描いた 壮大な歴史小説。 読み進めていく中で感じたのは、日本の幕末との 共通性。もちろん、時間的共通性もあるんだけど、 欧米列強のプレッシャーを受けながら、従来の 権威をいかに保つかという苦心と、国を存続させるためには 改革を進めなければという維新の思いとのせめぎ合い。 違いは、日本が明治維新という中からの改革で国体変化を 成し遂げたということと、日本が列強の側に加わってきたと いうことか。やっぱり中国は大きな国過ぎて、紫禁城の 中にいては危機感が伝わってこないのか。 現代の中国も変革が必要な時期に来ていると思うけど、 そこはやっぱり歴史を学んで、中から変わっていって もらわないと。「党」という「王朝」も絶対ではないのだから。 結局、4月の北京旅行前に読むことは出来ず、旅行の 帰りから読み始めたこの本。途中で出てくる地名だとか、 建物の名前は、実際行ったことで具体的にイメージしながら 読めました。そういった意味では、行ってから読んで よかったのかなと思いますが、読み進めるにしたがって、 あっ、ここも行ってみたかったななんて思うところも また出てきたりして。 なので、来月の休みのときにまた北京に行ってみようかと 思ってみたりもして。
李鴻章の香港の交渉が秀逸
袁世凱の暗殺失敗、李鴻章の香港の交渉など、内に外にストーリーが展開するところが面白いですね。
愛が深い故の悲劇
本巻で、これまで清朝を支え続けた恭親王と李将軍が表舞台から退場し、紫禁城では西太后派と皇帝派の争いがもはや止める事が出来なくなってしまいます。 前巻でもそうでしたが、この巻でも全般的に示されているのが、皇帝に対する西太后の限りない愛。本来ならば、天命を失った清の幕引きを降ろす役割を担うのは、皇帝の役割のはずなのに、「あの優しい子にそのようなむごい仕打ちをさせられようか」と、自らが非難の的になることを省みず、その役割を代わりに果たそうとする西太后。 直接の親子でもないのにも拘らず、いやそれだからこそ、西太后と皇帝の情愛の深さには感動しますし、その一方で、彼等の周りにいる延臣達の殆どが、2人の気持ちを理解することなく、逆に二人を苦しめるように事態を悪化させていく有様に暗然とした思いを受けます。 あと、改革派の旗手として現れた康有為ですが、史実でもああいう性格だったらしく、インタビューした日本の新聞記者が「ああいう人間だから、事を成せなかったのだ」と、あきれ返ったという逸話を残しています。
李鴻章が八面六臂の大活躍
いよいよ第三巻ですが、この巻では清朝が欧米列強に蹂躙され、 翻弄される様子が描かれます。 そこで、李鴻章なのですが、第三巻の見所はやはり李鴻章の政治手腕 ではないでしょうか? 特に香港の割譲に関しては、英国への「割譲」ではなく「貸与」と した英国側との交渉の場面が、たいへん凛々しく描かれます。 99年後(この辺の数字の意味については小説を是非読んでください) 英国によって繁栄した香港が中国に返還される。 まさに敵国に富ませた香港が99年後に中国に返還され、その富を そっくり貰い受けるという戦略。すごいではありませんか…。
皆から慕われ、星の力を借りずに出世する主人公
 清朝末期時代を描いた歴史小説の第3巻。  第11代光緒帝が即位しても西太后は政治の実権を手放しません。西太后に引退を迫る「変法」勢力と、西太后が引退すると失脚してしまう守旧派が勢力争いを展開していますが、その間に、列強諸国による中国の植民地化が一段と進みます。英国から香港の割譲を迫られた清朝廷は、李鴻章を全権大使に任命し、なんとか「99年租借」で決着をつけました。  主人公の文秀は「変法」勢力の中心人物となり、もうひとりの主人公の春児は西太后の側近の宦官として、敵対する政治勢力に身を置くことになります。  宦官となった春児には、もう守るべき家族がありません。寂しさを埋め合わせるように孤児院を経済的に支援したり同僚の借金返済に力を貸したりしますが、次第に皆から慕われるようになりました。  老いた宦官から「神様ってのは、こういうもんだ」と抱きしめられ、イエズス会の司教から「春児は、主イエスの現し身です。デウスがこの貧しい国の民のためにお遣わしになった、天の使徒ですよ」と賛嘆されます。  第2巻で昴の宿星など無かったことが明かされた春児でしたが、星の力を借りずに宦官の頂点に登りつめる日がいよいよやってきました。  文秀と同じ年に科挙の試験に合格した二人の友人にも、重要な役回りが回ってきます。  一人は光緒帝の伯父が死ぬときに「西太后を殺せ」という命令を受けました。  もう一人は、乾隆帝の霊から「真の龍玉を守護せよ」という使命を与えられます。  いよいよ第4巻は清朝末期の動乱に突入します。  この物語の壮大な伏線である「真の龍玉」とは何なのか、主人公たちがどのような運命をたどるのか。  あー、早く第4巻が読みたい!

国盗り物語〈2〉斎藤道三〈後編〉 (新潮文庫)

[ 文庫 ]
国盗り物語〈2〉斎藤道三〈後編〉 (新潮文庫)

・司馬 遼太郎
【新潮社】
発売日: 1971-11
参考価格: 740 円(税込)
販売価格: 740 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 160円〜
国盗り物語〈2〉斎藤道三〈後編〉 (新潮文庫)
司馬 遼太郎
カスタマー平均評価:  4.5
道三の国盗り物語
 国主を二度に渡って蹴落とした、道三の後半生を描く。  まさに国盗り物語の真骨頂であり、前編の、まるで手品を見ているようなキラキラ光る才知ではなくして、力の扶植に専念し、力でねじ伏せていくという、まさに、家老から大名へと変身していく様はおもしろい。  テンポもよく、あっという間に読める。
「信長編」へと続く「信秀編」が見所
 第二巻では斎藤道三こと松波庄九郎が、主君であり、美濃守護でもある土岐頼芸を追い出し、庄九郎が美濃守護になるまでが描かれています。ここまでは分かっていたところですが、本巻の見所は「道三編」でもなく「信長編」でもない、名前を付けるなら「信秀編」が描かれているところです。この「信秀編」が実にいいつなぎを果たしています。「信秀編」を読むことによって第三巻以降の「信長編」への興味がより沸いてきます。  第三巻以降の「信長編」もとても楽しみです。織田信長の半生がどのように描かれているのか楽しみです。  
これぞ下剋上
斎藤道三が大名へと下剋上を遂げる物語です。 常識の善悪を超越した存在として、 絶対の自信を抱いています。 組織の内側から革命をおこすという 難しいことを見事に行います。 信長や光秀の師匠であるという視点も 興味深いです。
司馬氏40代の作品、というつぶやきがムムムっと
司馬遼太郎作の魅力の一つに、作者のつぶやきがある、と思うのは私だけだろうか。龍馬でも多々つぶやいておられるが、この道三の物語でも....相当に司馬氏のお気に入りの人物だったのか.....この間の冒頭では庄九郎と茶飲み話にふけるなど、相当楽しんでおられる司馬氏の姿がかいま見えて微笑ましい。もちろん、ここにいる道三=庄九郎はこの物語の後半の怪物めいた描かれようとは異なり、相当に魅力的であり、司馬氏ならずとも茶飲み話の一つもしたくなる(うそ!こええよ、そんなの!)
さて、この巻の後半、いよいよ道三が蝮化し、土岐頼芸を追い出す段の手前で司馬氏はこんなような余話を挿入している。人間40を過ぎるころには愛憎が深くなるようだ、このころの庄九郎と同世代の筆者も...

え〜!司馬さんが40代の頃の作品なんだ〜!なんかすっごい。

書かれた時代は高度成長期のまっただ中で、古い日本を変えてやろうという戦中派世代が鋭い気概に燃えていた頃だったろう。戦国のスーパーマン、松波庄九郎の姿はこのころの植木等的サラリーマンにはスゴイ魅力的だったことだろうなぁ。そのスーパーマン庄九郎もこの巻の終わりではかなり哀しい。いつまでも若々しい華やぎのあるお万阿が素晴らしい。
信長編へのつなぎ
この巻では、斎藤道三の守護代時代からの後半生が描かれています。成り上がりの道三のイメージとは異なり、善政・知略で国を平らげていく課程が描かれています。つまり、この本の「国盗り物語」というタイトルの主題を描いている部分なのですが、この時期の道三は私の持つ「ギラギラした」道三の魅力はありません。

しかし尾張の信長の父親である信秀が魅力的に書かれていて、後の信長編に続く導線を引いています。早く信長編を読みたいと思わせる巻でした。
また「雑話」という章があるのですが、ここでは司馬氏自身が道三と世間話をするところを想像する、という面白い趣向があります。ここでの司馬氏と道三のやりとりは、この巻での一興でした。


叛旗兵〈下〉―妖説直江兼続 (徳間文庫)

[ 文庫 ]
叛旗兵〈下〉―妖説直江兼続 (徳間文庫)

・山田 風太郎
【徳間書店】
発売日: 2009-05-01
参考価格: 680 円(税込)
販売価格: 680 円(税込)
( 通常2〜4週間以内に発送 )
叛旗兵〈下〉―妖説直江兼続 (徳間文庫)
山田 風太郎
カスタマー平均評価:   0

三国志〈2の巻〉参旗の星 (ハルキ文庫―時代小説文庫)

[ 文庫 ]
三国志〈2の巻〉参旗の星 (ハルキ文庫―時代小説文庫)

・北方 謙三
【角川春樹事務所】
発売日: 2001-07
参考価格: 600 円(税込)
販売価格: 600 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 200円〜
三国志〈2の巻〉参旗の星 (ハルキ文庫―時代小説文庫)
北方 謙三
カスタマー平均評価:  4
王覇論議は無用
13巻は長かった。1度挫折していたんだが、くやしいのでもう一度挑戦した。後半、飽きてきてどうでもよくなったが、辛抱強く最後まで読み切った。 これが「三国志」じゃなきゃすばらしい作品なんだろうなあって思う。あくまでも北方さんの「三国志」なんだ。 いいところをあげればきりがないほどたくさんある。まず、戦闘シーンの臨場感・躍動感がすごい。呂布が率いる黒い騎馬集団の表現などは圧巻だ。また、心理描写もリアリティたっぷりで、さらに男気に感じさせられて涙ぐむところもあった。特に、キャラクターが死を迎える時の内的な独白がよかった。 しかし、それもくりかえされると冗長な感じが否めないのと、王覇思想に関心があるのか、そこら辺の議論がうっとうしかった。中国は覇道の国、日本は王道の国、革命を繰り返した民族と万世一系の民族では思考の根っこが違うはず。漢王室の血が400年を経て特殊なものとなり、1000年を過ぎれば神になる的な発想自体が日本的で、この小説にはそぐわない気がする。この議論は日本の皇室のものだからだ。 吉川さんの三国志には遠く及ばない気がする。
劉備、腹黒…!
   北方三国志の劉備は決して善玉ではありません。演義ベースである吉川三国志の劉備は、上に「超」がつくお人好しを地でいっておりましたが、この劉備は狡いのです。逆に、張飛もただの乱暴ものではありません。  孫策は、天下を見つめながらも雌伏のときを耐えて過ごします。  そして曹操は、飛躍するための戦へ。曹操は魅力的な人物ですね。「私は闘って負けた。私は闘わずして負けた諸君に、訣別を告げる」。第一巻では敗れて大きな財産を手にいれた曹操。彼は夏侯惇や荀イクを従えて、百万の敵と対峙する。「私も兵と同じように闘い、同じように眠る。全力を尽くす戦とはそういうものだ」。曹操の大きな賭けが始まります。
やっぱり面白い!
北方 謙三さんの三国志、何度読んでも面白いです。 人物の捕らえ方が独特で小説として感心してしまいます。 どんなキャラも魅力的に書くことの凄さを感じます。
緊張
三国志は1巻から読んでいます。内容がとても充実していて、とても読み応えがあり、いつもどきどきしながら読んでいます。
三国志
第1巻から読んでいるのですが、戦いが多くその時代の中国がどれだけ荒れていたのかということを見せつけられました。戦いと駆け引きにスリルがあり手に汗握ります。

三国志〈9の巻〉軍市の星 (ハルキ文庫―時代小説文庫)

[ 文庫 ]
三国志〈9の巻〉軍市の星 (ハルキ文庫―時代小説文庫)

・北方 謙三
【角川春樹事務所】
発売日: 2002-02
参考価格: 600 円(税込)
販売価格: 600 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 246円〜
三国志〈9の巻〉軍市の星 (ハルキ文庫―時代小説文庫)
北方 謙三
カスタマー平均評価:  4
王覇論議は無用
13巻は長かった。1度挫折していたんだが、くやしいのでもう一度挑戦した。後半、飽きてきてどうでもよくなったが、辛抱強く最後まで読み切った。 これが「三国志」じゃなきゃすばらしい作品なんだろうなあって思う。あくまでも北方さんの「三国志」なんだ。 いいところをあげればきりがないほどたくさんある。まず、戦闘シーンの臨場感・躍動感がすごい。呂布が率いる黒い騎馬集団の表現などは圧巻だ。また、心理描写もリアリティたっぷりで、さらに男気に感じさせられて涙ぐむところもあった。特に、キャラクターが死を迎える時の内的な独白がよかった。 しかし、それもくりかえされると冗長な感じが否めないのと、王覇思想に関心があるのか、そこら辺の議論がうっとうしかった。中国は覇道の国、日本は王道の国、革命を繰り返した民族と万世一系の民族では思考の根っこが違うはず。漢王室の血が400年を経て特殊なものとなり、1000年を過ぎれば神になる的な発想自体が日本的で、この小説にはそぐわない気がする。この議論は日本の皇室のものだからだ。 吉川さんの三国志には遠く及ばない気がする。
雪原に散った英傑の雄姿
 関羽が死んだ。  今まさに、劉備が宿敵曹操と肩を並べようとしている飛躍のときに。  完璧であったはずの孔明の戦略。  関羽が都に圧力をかけ、その間に雍州、涼州を奪れるはずであった。  しかし、完璧であったことこそが、唯一にして最大の弱点。非凡な才を持つものには見えない、信義に厚いものには考えつかない、人の弱さと愚かさ。  曹操ですら読めなかったその隙を見事についた司馬懿。同盟国の裏切り、自軍の裏切り、失くした拠点、使い物にならなくされた城。残酷すぎる罠が関羽を追い詰める。  桃園より駆けに駆け、雌伏のときを耐えてきた関羽。  北方謙三の筆により、見事に描かれた関羽の最後です。
感動しました。
三国志の小説はいろいろな人が書いていますが、
中でも北方三国志は秀逸だと思います。
歴史そのものよりも、個人の感情に焦点を当てるところが気に入っています。
最後の関羽が死ぬところでは、筋書きを知っているのにもかかわらず、
不覚にも号泣してしまいました。
三国志初心者の人でも、この小説なら入りやすいのでは。
関羽の死に様に注目
義兄劉備と共にもう一度闘いたかった…。何人かで大きな夢を目指す時にはこういったケースがたくさんあると思う。あれだけ強かった関羽にもそう思うときがあったのか…。ちょっと新鮮な解釈かなと思う。

蒼穹の昴(4) (講談社文庫)

[ 文庫 ]
蒼穹の昴(4) (講談社文庫)

・浅田 次郎
【講談社】
発売日: 2004-10-15
参考価格: 620 円(税込)
販売価格: 620 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 48円〜
蒼穹の昴(4) (講談社文庫)
浅田 次郎
カスタマー平均評価:  4.5
自分に近い時代の歴史を知る
近代中国ものということで、現代日本人の自分には関係がない、と思う方もいるかも知れない。けれど、清朝末期から始める理由があるのだ。隋から連綿と続いてきた、シビリアン・コントロールが崩れて、新たなリーダーが乱立してくる、大きな変換期であるからだ。そのシビリアン・コントロールの、最後のリーダーが李鴻章だったのだろう。1997年の、あの出来事の原因が描かれている。歴史は、必ず現在の原因になっている。文系にも関わらず、受験で日本史を選択したため、清が征服王朝であることすら知らずに読み始めたが、なんでもっと勉強しとかなかったんだろうと後悔しきり(笑)。こんなに面白いのに!世界史をやってなくても大丈夫!読んでるうちに、自ら求めて勉強したくなる、そんな作用もある物語。
どうなんでしょうか・・・
いまいちこの小説のよさがわかりませんでした。簡単に言うと起承転結の転の部分が完全に欠落しているように思えました。全てにおいて箇条書きなような感じで、間が無くいきなり結論に向かうといった印象を受けました。さらに結論もそれぞれの登場人物でバラバラで、結局この先どうなるのかもわからず、主人公の一人であるはずのチュンルに至ってはかなり無理やり終わらせたような感じがしてなりませんでした・・・
全巻を通して・・・最も面白い小説!
いろいろ意見はありましょうが、私はこの小説は最も面白い小説の1つとして是非とも推薦したい。 どこがそんなに良いのか・・・・    <1>清朝王国の末期の混沌とした情勢を、中国国内は勿論、ヨーロッパ、日本の情勢と違和感無く絡めており、広がりのある歴史小説になっている。  <2>しかも、それがごちゃごちゃせず、とても整然とストーリーが進んでいく。   (さすが浅田次郎の筆力です。)  <3>宦官、科挙制度という表面上の意味しか知らなかった中国の制度をわかりやすく、かつ 小説の重要な部分として描かれている。  <4>事実とフィクションとが違和感無く書かれており、小説の世界に引き込まれる。   本当によく調査している、筆者の努力とこの小説にかける気持ちが感じられる 最初は中国風のルビが付いるし、占い師の言葉からのはじまりであり、よく意味が分からず読み進めるのが苦痛でしたが、50ページ程度読んでからは一気に読み続ける事ができました。 とにかく、本当によくできた小説です。読んで後悔はしないと思います。 早く「中原の虹」を読みたいと思います。   
清朝末期と日本の幕末には共通の壮大なドラマがある
地主の次男、梁文秀(史了)とその地の貧民の子、李春雲(春児)。 科挙登第を経て国政を担うこととなる史了と、宦官という 方法で内廷のトップまで上り詰めた春児。 二人の男(!?)を通して、清代末期西太后が実権を握っていた 王朝内部の動乱とそれにかかわる人々の思惑を描いた 壮大な歴史小説。 読み進めていく中で感じたのは、日本の幕末との 共通性。もちろん、時間的共通性もあるんだけど、 欧米列強のプレッシャーを受けながら、従来の 権威をいかに保つかという苦心と、国を存続させるためには 改革を進めなければという維新の思いとのせめぎ合い。 違いは、日本が明治維新という中からの改革で国体変化を 成し遂げたということと、日本が列強の側に加わってきたと いうことか。やっぱり中国は大きな国過ぎて、紫禁城の 中にいては危機感が伝わってこないのか。 現代の中国も変革が必要な時期に来ていると思うけど、 そこはやっぱり歴史を学んで、中から変わっていって もらわないと。「党」という「王朝」も絶対ではないのだから。 結局、4月の北京旅行前に読むことは出来ず、旅行の 帰りから読み始めたこの本。途中で出てくる地名だとか、 建物の名前は、実際行ったことで具体的にイメージしながら 読めました。そういった意味では、行ってから読んで よかったのかなと思いますが、読み進めるにしたがって、 あっ、ここも行ってみたかったななんて思うところも また出てきたりして。 なので、来月の休みのときにまた北京に行ってみようかと 思ってみたりもして。
登場人物は魅力的だけど
全四巻の通しの感想です。 登場人物のためにストーリーがある前半部と、ストーリーのために登場人物がいる後半の書き方がかなり異なるため、前半で登場人物に入れ込んだ読者(僕もですが)は大いに迷います。あれもこれも欲張ったためにストーリーもそれぞれに登場人物の人物像やドラマも中途半端で、紅白歌合戦を見てるような気分でした。 それでもすばらしい歴史小説だとは思いますが、司馬氏や塩野女史などの作品に比べると、少し賑やかすぎてちょっと野暮ったい気もします。

翔ぶが如く〈10〉 (文春文庫)

[ 文庫 ]
翔ぶが如く〈10〉 (文春文庫)

・司馬 遼太郎
【文藝春秋】
発売日: 2002-06
参考価格: 570 円(税込)
販売価格: 570 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 394円〜
翔ぶが如く〈10〉 (文春文庫)
司馬 遼太郎
カスタマー平均評価:  5
維新から西南戦争までの濃密な5年を描く超大作
「死ぬなら故郷で」の一念で日向から豊後山中を突破して九州を縦断、鹿児島城山に籠った残兵は300人…。包囲する政府軍は7万人。死を恐れることを何よりも嫌った薩摩の将士たちは最後まで戦い、そして死んでいきました。こうして日本最後の内戦は終わり、本当の意味での近代化(武士の社会の終わり)がスタートすることになります。 全10巻を振り返って。 この超大作で描かれた時期というのは、征韓論をめぐる政争があった明治6年から西南戦争終結の明治10年まで(最後に少しだけ大久保の暗殺(明治11年)は書かれていますが)のたった5年間です。司馬はあとがきで「私は維新から明治10年までのことに昏かった。かつては西南戦争以後に明治国家の基礎が成立すると思っていたが全くの思い違いであった」と語っていますが、本書を読み終えて司馬と全く同じ感想をもちました。ややもすると明治維新で世の中がすべて変わって近代国家になった(確かにインパクトが大きいことではありますが)と考えがちな歴史教育のなかで、維新から西南戦争までの時代の雰囲気とか、国づくりのプロセス(すなわち大久保による「官」の強化とそれに対する士族の抵抗)とかを濃密に描いたこの作品は、評論小説としても非常に意味をもつ作品だと思います。 また、これも司馬自身が「主人公は西郷と言う虚像」というように、維新の立役者であった西郷の晩年の実態と周りが担ぐことにより増幅した虚像をうまく、しかも切なく描いている点も、とかく英雄視されがちな西郷(と対比して悪役視される大久保)の批評的な側面ももった作品ともいえます。 読みにくさという点では司馬本で文句なしのナンバー1だと思いますが、それだけに考えさせられることも多い作品。「(娯楽として)面白い」とはいいませんが、歴史に興味のある方には是非挑戦して欲しい作品です。
深く、濃い、西南戦争を描いた最高傑作
 本作品を読もうと思ったきっかけは、「小学生が知らない歴史上人物、大久保利通ワースト1」の記事を読んだ時だ。「大久保利通を知らないなんて何事だ!!」と思ったが、よく考えてみると自分自身そこまで深くは知らないことに気づいた。「大久保利通が出ている小説を読もう」と思った時に一番最初に頭に浮かんだのが、本作品・「翔ぶが如く」だ。  期待していたほど大久保の人物像を深く知ることはできなかった。しかし、その代りこの時代の奥深さを再認識することができた。  「好きな時代」の統計を取ると、たぶん「戦国」時代がトップに来るだろう。しかし、「幕末」も「戦国」と同じくらい、いやそれ以上に面白い時代だといえる。もし「戦国時代が好き。他の時代には興味がない」という人はぜひ本作品を読んでほしい。いや、本作品でなくても司馬遼太郎の幕末作品を読んでほしい。
司馬遼太郎幕末史の集大成
 いい意味でも悪い意味でも、司馬氏らしい書き方がされている。読む順番を間違えてここから入ると、どなたかが(あえて書かないけど)「菜の花忌」で発言されたように、「私、司馬さん嫌いだったんです」ということになりかねない。  どこから入るかはともかくとして(「燃えよ剣」かな、やっぱり)、司馬氏の書き方に慣れて、幕末ものの最後に読む作品としては傑作と言っていいと思う。頭が幕末している時なら、氏特有の「余談だが」がかえって面白い。村田新八の描き方など、かなりいいと思う。宮崎八郎の逸話もなかなかだし、最初は読者サービスのつもりで出したのであろう女性が途中でどこかへ消えちゃうあたりも、いかにも司馬さん。  これを読むには、一時的にでもいいから幕末オタクになるのが条件だ。かなり細かいところまでわかるようになると楽しく読めて、最後の1行に万感の思いが込められていることに気づく、そんな作品。司馬作品の中で、私の一番のお気に入りだ。
いったい何が目的の戦争だったのか?奇妙な読後感が残る最終巻
 西郷隆盛や桐野利秋ら薩軍の中心人物が命を落とし、西南戦争の終結をまとめた最終巻、最後まで読めば、この挙兵が成功する可能性や秘密の作戦等の裏話が明かされ、西南戦争に西郷がゴーサインを出した謎が明らかになると思ったのだが、結果としては、西郷が無策な桐野や篠原などの側近にそそのかされて始めた戦争だったことを知り、驚いた。特に桐野利秋については、明治陸軍創設時に軍の中枢に所属しており、徴兵制によって膨大な数の兵員を新政府軍が補充できることを知っていたにもかかわらず、「政府軍は腰抜けの農民兵」と侮り、野村忍介のように広い視点で戦況を分析し、計画的な戦闘を主張すると桐野は「命が惜しいか」と言って切り返し、薩摩人にとって最も屈辱的な言葉で反対意見を完全に封じてしまう。その結果無計画で場当たり的な戦闘を繰り返し、薩軍に多くの死傷者を生み出したことに対して、桐野には反省の気持ちがなく、常に堂々としていたらしい。桐野の最期の瞬間まで死を恐れる様子は感じられず、「死を恐れなければ結果はどうでもよか」というような精神構造が僕にはどうしても理解できなかった。こういう人がトップに立ったら部下は悲惨である。結果として、この戦争を通して、日本の徴兵制の成功が認められただけではなく、日本軍の戦闘力や戦術が向上し、日清戦争や日露戦争で日本軍の強さが世界中に認められることにつながったことは日本の未来を考えれば大きなプラスになったといえる。
傑作です
データ量が豊富で、特に序盤は全体像が見えません。 しかし、丹念に書かれているので 中盤から後半にかけて徐々に人物の輪郭が 浮き上がってくるように感じました。 歴史の教科書からはなかなか理解が難しい明治維新ですが、 時代の雰囲気のようなものまでとらえられる本です。 私は、大久保という人に対して、冷酷な人物としての感覚しか ありませんでしたが、この本を読んで大久保と西郷の 信頼の深さというものを感じる事ができました。 これまで司馬氏の本はいくつか読んできましたが、 傑作はどれかときかれたらこの本をあげたいと思います。

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 更新日 2009年5月10日(日)  ※ 表示価格は更新時のものです!      メール      相互リンク

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