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[ 文庫 ]
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商社審査部25時―知られざる戦士たち (講談社文庫)
・高任 和夫
【講談社】
発売日: 2005-03
参考価格: 700 円(税込)
販売価格: 700 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 73円〜
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・高任 和夫
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カスタマー平均評価: 4
飽くまでもデビュー作 総合商社、畿内商事の審査部第三審査課長が主人公の企業小説。内容は、取引先の不渡り、倒産、債務の焦げ付きを如何に回収するかという苦心談。いきなり“融手”という言葉が出てくるが、意味が分からない。しばらくして融通手形の略だと気付く。こんな調子で最後まで悪戦苦闘して読みました。基本的に商業法務の知識がないと読んでいて苦しい。言葉の意味が分からないまま読み進めなければならない。またデビュー作というだけあって、人物描写が物足りない。人物像が湧き上がってこない。小説としては致命的な欠点ではないか。
面白かったのは、債権回収などの場面で描かれている駆け引き。会社更生法の適用申請をした取引先をめぐり、主人公が裁判所相手に見せるやり取りは緊迫感があって特に面白かった。
企業法務の知識、或いは興味がないとお勧めできない。一応法学部を出たので、先取特権の意味ぐらいは分かったが、保全人と管財人の違いは見当が付かなかった。普通に読むには難しい小説だったので、星3つ。 意外と楽しんで読める 先輩社員に薦められて読みました.
商社の審査部がどのような部署かさえ知りませんでしたが,
読んでみると緊張感が伝わってきて面白かったです.
会社の利益と損失をいつも頭に置いて,いつも決断を迫られ,解決策を考え,
よくぞその重圧に耐えられるなぁと感心しました.
仕事内容もよくわからないのに,自分だったら..と考えてしまいました.
女性向の本ではないなと思いましたが,決して読めないことはないです.
読んでみると,働く男性を見る目が変わるかもしれません.
皆が皆,こんな重い仕事をしているのではないでしょうけど... 経済小説もおもしろい 「商社」という言葉からくる,世界を股にかけての大取引というようなイメージからはほど遠い内容ですが,法を駆使していかに自社の損失を回避するか,損害を最小限に抑えるかという裏方ながらかなり厳しい世界が水面下の攻防も含め,迫力を持って描かれていると感じました。派手さはありませんが,静かな攻防戦が読み応え十分です。裁判所との心理戦などは思わずうなってしまいました(ただし,描かれている裁判官像は,知り合いの何人かの裁判官と比較して若干違和感がありました。)。自分が審査部員だったらどう行動するかと考えならが読んでいくと,心地よい緊迫感も味わえます。 お世話になってます ずいぶん前に本書が商事法務研究会から出たときは、硬い本かとおもって手に取った。民法・商法理解の足しになればといった動機だった。しかし、読み始めると止まらない。面白い。なんだか元気の出る本だった。以来、わたしの愛読書である。
債権回収という地味な商売を、クリエイティブなものに変えようという姿勢に好感をもった。会社生活では、地味な仕事に嫌気のさすことも多い。そんなとき気持ちを前向きにすることができた。ずいぶん世話になった本である。
活きた企業法務の教科書だ! この本は小説で、厳密に言うと法律書ではない。しかし、私はこの本を繰り返し読むことで、企業法務の世界を垣間見ることができ、法的思考能力を培養した。高任氏は、「三井物産」の審査部に在籍しながら、この小説をビジネス法務雑誌に連載していた。商社の審査部は、与信や債権保全、訴訟などを手がける民間の法律家集団であり、法解釈論だけでなく実務で必要とされる予防法学の専門家である。主人公の千草審査2課長たち畿内商事の面々は、経験に裏付けられた法的思考能力と抜群の行動力で、回収不能と思われた焦付き債権を次々保全していく。まさに、著者の経験が十分に生かされた名著だ。私はこの本を読むまで、「動産売買先取特権の物上代位」などという論点の存在すら知らなかった。民法の債権総論や担保物権を立体的に理解するための参考書として読むことができる。
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[ 単行本 ]
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消失 第2巻
・高杉 良
【ダイヤモンド社】
発売日: 2007-11-09
参考価格: 1,785 円(税込)
販売価格: 1,785 円(税込)
Amazonポイント: 17 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 480円〜
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・高杉 良
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カスタマー平均評価: 3
もういいのでは・・・ 銀行のゴシップ記事を載せているような内容だけど・・・。主人公もあいかわらずシニカルな視線で物事をみてて、展開も後だしじゃんけんのご都合主義で進む。。。そして、もう恥ずかしいくらいの主人公の非現実的な不倫話が本編と同じくらいの厚みで続く。
小説日本興業銀行などの名作を残した著者だけに、もう辞めてくれといいたい。
小泉+竹中とメガバンクの戦いを描いている 当時の金融庁のやりかたが結構リアルに描いてあると思います。
次巻にてどう展開するのかが待ち遠しい。
主人公の私生活の細かい描写が緊張感を解きほぐす。
これがないとただの事件簿みたいになってしまい肩がこるのではないでしょうか。
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[ 単行本 ]
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消失 第3巻―金融腐蝕列島【完結編】
・高杉 良
【ダイヤモンド社】
発売日: 2008-04-11
参考価格: 1,785 円(税込)
販売価格: 1,785 円(税込)
Amazonポイント: 17 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 686円〜
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・高杉 良
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カスタマー平均評価: 3
まだ物語が終わらないので 3としました。登場人物の会話のリアリティは愛変わらず凄いですね。学ぶべき点は多々あります。それにしても主人公の非現実的な恋愛はいつまで続くのでしょうか。最近、著者の作品になぜ不倫話しが多いのか不思議です。 3巻目はなかだるみかな? 1巻、2巻はそれなりに楽しめましたが、3巻目は公私共に盛り上がるようなところ
もなく、終わってしまいました。なかだるみ?
全4巻で3巻目だけ読まない訳にはいかないですからねぇ・・・
高杉氏の集大成 高杉氏の作品はほぼすべて読んでいるのですが、消失シリーズが自分が読んだ中で一番面白いと思います。モデルが旧○和銀行なのですが、銀行内部の様子などが伺えて非常に興味深いです。お薦めの一冊です。 もうたくさん・・・ 内容が中年親父の妄想と後知恵の話ばかり・・・。周囲の登場人物は主人公のことをしきりに褒めているが、その中身はお粗末なのでは?
週刊誌に出てくるようなスキャンダルネタが半分を占めている。もう高杉良の名を汚すのはやめてほしい。
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[ 単行本 ]
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消失―金融腐蝕列島・完結編[第1巻]
・高杉 良
【ダイヤモンド社】
発売日: 2007-06-01
参考価格: 1,785 円(税込)
販売価格: 1,785 円(税込)
Amazonポイント: 17 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 1円〜
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・高杉 良
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カスタマー平均評価: 2.5
またこのネタを引きずるか・・・ もう中身が明らかになって散々非難された内容をさも新事実を引っ張り出したかのようにいまさら主題にする著者の感覚に疑問?これを小説にしてなにを訴えたいのだろうか。
あと、内容の半分を前作に引き続き不倫ネタ。週刊誌並み。こんな中年親父の自己中な願望を具現化した女がいるわけないだろう?
かなりがっかり がっかりした。高杉良の最近の小説はちょっとまずいかもしれない。著者が全盛期の頃の記憶に頼り、一時代前の銀行マンをモデルにしているのか、主人公を含め時代錯誤的な行動、発言が小説全体を覆っている。特に著者の男尊女卑的なものの考え方がプンプンと伝わってくるところがいやらしい。かつてのよい小説をたくさん知っているだけに、これ以上晩節を汚し、粗製濫造するのはやめてほしい。 文句なし、さすがの一言です シリーズ最初からずっと読んでる方も多いと思いますが、今回も裏切らない
”高杉ワールド”満載です。
シリーズを最初に読んだのはもう随分前ですが、
日本の景気、特に金融機関がここまで元気になって
いるのは想像できなかった。
個人的にはメガバンクに対して言いたいことも多いですが、
やはりこの世界で出世するには非情に徹しきれないと駄目
なんだなと再認識した。
個人的なメガバンクの知人友人も何人かいますが、
その人間自体は本当に善良でいい人ですが
”銀行”というものに対する忠誠心や我々のような
一般市民に対する感覚は正直違和感を覚えます。
まあ、こんな世界にいたら致し方ないですね。
続刊が早くも楽しみです。
キングオブ経済小説、ですね。
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[ 文庫 ]
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ウルトラ・ダラー (新潮文庫)
・手嶋 龍一
【新潮社】
発売日: 2007-11
参考価格: 660 円(税込)
販売価格: 660 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1円〜
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・手嶋 龍一
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カスタマー平均評価: 3
小説として面白いかどうかは別物 「わが国に初めて誕生したインテリジェンス小説」、なのだそうだ。
作者は長年NHKに勤めた外交ジャーナリストの手嶋龍一氏。
インテリジェンスか何か知らないが、小説として面白いかどうかは
別物である。
視点が定まっていない箇所がある。時系列が判り難い。伏線が
未消化で登場人物がいつの間にか消えている等、小説としての
基本的な書き方が未熟なのである。新人賞の最終選考に残るか
どうかといったレベルではないだろうか。
作者は経験豊富な外交ジャーナリストだけあって、北朝鮮の偽札
作りを軸とした国家の外交戦略や官僚の駆け引き、諜報活動など
惹かれる部分はあるのだが、エピソードの羅列のようになった感も
あり、ラストも締りが無い。
本書には真実が散りばめられているのかも知れないが、例え
嘘っぱちでも、クリエーターとしてのプロである作家が書いた作品
の方が、小説としては面白いのではないか。もっとも、そういう
作品は本当に数少ないのではあるが。 上質のインテリジェンス 評判を見て予想していたよりも
面白かったです。
ウルトラダラーが現実の話なのかしらと
思わせてくれますし、実際はもっと深刻な
外交駆引きが行われているのではと
想像が掻き立てられます。
情報量が多いですが、テンポがよく
一気に読めました。 興味深いけど面白味は… 読む前は、NHK元ワシントン支局長が書いたということで、報道関係者しか知り得ない情報が詰まった限り無くノンフィクションに近いものだろうとワクワク期待していました。前半までは、偽札疑惑の舞台裏にどんどん踏み込んで行く面白さで引き込まれるのだけど、どうも人物がイメージ画像として頭に浮かんで来ないので、途中から読むのが疲れてきます。拉致被害者の方々の帰還にまつわる話は実際にあったことなのに、関係者の人物設定がやり過ぎのような。重要人物の外務官僚の生い立ち設定や、浮気をネタに脅される下りには、ちょっと引きました…。こういう設定を使いたいのだったら、完全なフィクションにすればよかったのにと思いました。話の大部分が情報のやりとりで進んできたのに、終盤の片付け方は肩透かしじゃないでしょうか。インテリジェンスがテーマだと思ってたら、いつの間にか活劇になってて。うーん…って感じです。 ジャーナリストが外交問題にふみこんだ小説 同時多発テロ時NHKのワシントン局長として一躍有名になった手嶋氏が北朝鮮から流れるウルトラダラーと呼ばれる性向な偽札の謎について、取材および独自の解釈を加えて描いた作品。
主人公の日本人とせず、BBCの記者の顔を持つ諜報員とし、彼や彼の周りのCIA、内閣官房、外交官、その他さまざまな人物を通し、日本の拉致問題やウルトラダラーの目的、その黒幕について、見事に書かれている非常に読み応えのある小説ではある。
どこまで本当なのか、もしかしたらこれが真実なのか。そう思わせる力量はある。
しかし、話があまりに多岐にわたり絞り込まれておらず散逸になった部分があるのが残念。
それでも多くの小説家が書く同じような題材の小説に比べて全く遜色はなく、大部分の本職の小説家より上手いと感じた。
何が書きたいのか 偽札事件から北朝鮮の拉致、ミサイル取引、2重スパイ、エリート官僚の失踪と盛りだくさんの内容に思えるが、全てがご都合主義で繋げられ、どれも中途半端に描かれており、結局何が書きたかったのか良くわからない。日本文化を紹介しているものの、それが何に繋がるのか?登場人物のバックグラウンドの説明や服装の描写など何の意味があるのか?あんな陳腐な結末は一体何なんだ。解説にはインテリジェンス小説の古典、とあったが何をして解説者はそう言うのか?インテリジェンス小説自体が曖昧だし、もしこれがインテリジェンス小説と言われるのであれば二度インテリジェンス小説は読まないだろう。
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[ 文庫 ]
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タックス・シェルター (新潮文庫)
・幸田 真音
【新潮社】
発売日: 2008-03-28
参考価格: 780 円(税込)
販売価格: 780 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1円〜
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・幸田 真音
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カスタマー平均評価: 0
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[ 文庫 ]
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燃ゆるとき (角川文庫)
・高杉 良
【角川書店】
発売日: 2005-09-22
参考価格: 620 円(税込)
販売価格: 620 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 210円〜
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・高杉 良
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カスタマー平均評価: 4.5
マルちゃんの成功物語 ノモンハンの激戦から生き残った主人公が
戦後築地市場の片隅で従業員4人と立ち上げた会社を
マルちゃんのブランドで知られる大手食品メーカーへ育てていく成功物語。
本書は主人公・森和夫を始めとしてほとんどの人名や会社名が実名で書かれている。
あまり良く書かれていない会社名や人名は偽名になっているが、
実名の一部をちょっと変えているだけだったりするので
誰が読んでもわかる内容になっていて非常に面白い。
最も印象的だったのは一流商社によるグループ会社への横暴。
テレビ番組のスポンサー名で「○○物産食品グループ」というのをよく見かけるが、
商社とグループ会社の裏側にはこんなにもシビアな関係があったのかとちょっと驚いた。
会社が大きくなっても自らを「魚屋のおやじ」と呼び、
いつもゴム長靴を履いている森和夫の気取らないキャラクターもとても魅力的。 会社が成長するさまざまな段階を垣間見れる 「赤いきつねと緑のたぬき」で有名な東洋水産の実名小説である。小さな事務所でたった4人の従業員と仕事を始めた創業期から東証一部上場、海外進出まで、社長の森氏を主人公にさまざまなドラマが展開する。登場する企業名や個人名は実名が多く、それが本書の緊張感を高めている。
大手商社第一物産(現三井物産)、先行大手食品会社(日清食品)などのやくざやマフィアまがいの妨害との戦いがこのドラマの中核にデンと構えている。フェアな競争とは到底言いがたい。ビジネスとは力があるものが勝つ弱肉強食の世界なのだ。
全体を通して、どうして東洋水産が倒産の危機を何度も潜り抜け現在のように輝く大企業として生き残ってきたのか考えてみた。小説でしか東洋水産のことを知らないので考えの元となる材料は限られているのだが、小説を読む限りではやはり経営者森の一貫した経営に対する考え方があるのだと思う。柱がしっかりしているから多少の地震ではびくともしなかったのだ。ベンチャー企業における社長の役割は非常に重要だと思った。
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[ 単行本 ]
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実用企業小説 プロジェクト・マネジメント
・近藤 哲生
【日本経済新聞社】
発売日: 2004-01-07
参考価格: 1,680 円(税込)
販売価格: 1,680 円(税込)
Amazonポイント: 16 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 305円〜
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・近藤 哲生
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カスタマー平均評価: 4
勉強にはなるが・・・ 実際のプロジェクトに反映できる部分もあるが
読んでまず思ったことが「非現実的」という感。
筆者が自身の経験に基づいて書いているので
なんとも言えませんが様々なプロジェクトに
応用できる考えが少し無いように感じた。
しかしながらプロジェクトを完遂させるには、
チームの思いと感情であるということは非常に
共感できたことである。
経験したほとんどのプロジェクトがエンドユーザとの
ヒアリング不足やチーム間のコミュニケーションエラー
などによる部分が大きいと感じてしまう小生としては、
あまり参考にならなかった。 松風かっこいいぜ 小説風にプロジェクトを立て直す様が取り上げられている。実際のPMとして自分が
松風大地になった気分で投影して読むと、爽快感がある。
最初に筆書きでプロジェクトの理念を書いて配るところからしていけている。
これは今度早速やってみようかな。
メンバー(正確にはプロジェクトサブリーダー)に自立と自律を求め、PMはタイミングを
見計らって、ポイントだけ介入するという見習うべきマネジメントスタイルである。
気になった点が、肝である手法がPRP(Project Re-Planning)、DPM(Decision and Progress Meeting)と
横文字3文字略語を使っていることである。
PMBOKにも同じ違和感を感じるのだが、こういった言葉は似非コンサルタントが使う用語であり、
実際のプロジェクトでは皆がイメージし易い日本語に置き換えたほうがよいと思う。
ボクにとっての一つの理想像が描かれていました プロジェクトの成功事例に関する
かなりリアルな小説?ビジネス書?という本。
この本、とってもとっても感動しました。
シゴトを進める上でのボクにとっての一つの理想像が描かれていました。
早速、これを見習って行動に移しています。
帯に
“絶対、成功させてやる-----
傾きかけたプロジェクトの再建に一人のリーダーが着任した。
メンバーの本音と自主性を引き出し、
個人とチームのチカラを最大限に発揮させる
画期的管理手法を迫真のストーリーで描く。”
こうあるとおり、内容は、主人公・松風が失敗に向けて突き進む負のスパイラルに陥ったプロジェクトを建て直し成功に導くストーリーなのですが、この主人公・松風みたいになりたいと思いました。
松風だけじゃなくてここに出てくるいろんな人間になりたいと思いました。
おすすめです。 なぜプロジェクトマネジメントか? プロジェクトマネジメントという言葉が安易に使われている今日、プロジェクトをマネージすることとは何かを、真摯に問うたマジメな小説である。 冒頭、プロジェクトは生身の人間が行なうものであるという、当たり前の事実を指摘することに多くのページが割かれる。プロジェクトを立ち上げるということは、生々しい利害の結果だということに、気づきを与えることが著者の希望であろう。 また、あまり表には出てこないが、本書に登場するプロジェクトのメンバーは世界標準といわれるPMBOKの原則に従ったプロセスを志向するようになって行く。WBSを活用し、段階的に詳細化を進めていくシーンなどが正にそうである。 プロジェクトを成功に導く科学的手法は確かにあるが、それを実践する秘訣はチームのモチベーションと、それを支えるメンバーの主体性にかかっている。著者はプロジェクトマネージャの第一の役割が、成功を確信するチームづくりにあることを訴えている。 しかしながら、本書の主人公であるプロジェクトマネージャは人格的には理想に近い設定を与えられている。どうすればこのようなプロジェクトマネージャを育成することができるのかが、最も知りたいところである。 ただの成功物語ではない。 実際、火だるまプロジェクトを経験した後であったので、すごく参考になりました。私の失敗で痛感したことは以下の3点。 @作業の詳細化(WBS)をPJMである私のみがやってしまったことで、メンバー同意が得ずらかった。 Aプロジェクト初期に気づいていた不具合を強く改善要求できなかった。Bプロジェクトとしての意思決定が、特定の人のみで決められ、現場の意見が無視された。 これらのことすべてに本書は記述されています。幸せになるプロジェクトを作れるよう、努力したい。
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[ 文庫 ]
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銀行大統合 (光文社文庫)
・高杉 良
【光文社】
発売日: 2008-07-10
参考価格: 780 円(税込)
販売価格: 780 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 279円〜
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・高杉 良
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カスタマー平均評価: 4
役員でさえも知らないエピソードが満載!! 一気に読ませるみずほ大統合ドキュメントノベル この小説について、あるみずほの役員と話をしていたら、
「高杉さんの小説の中のあの話、本当にあんなことがあったのかな?」と
言う事柄がたくさんあって私の方がびっくりしたそれぐらい
高杉さんの情報源は本当に凄いとつくづく思う。
その高杉さんがみずほ統合までの舞台裏を、読者に
それが目の前で行われているかのごとく思わせるほど、また、
信憑性を疑わせることなく一気に最後まで読ませてしまう。
この本の中に出てくる三つの銀行のトップが時には苦しみながらも
私情に溺れることなく、高邁な精神で統合に向かって進んで行く
ところには感動さえ覚える。
この本を読み終えた時、この本の中に出てくる人達の希望に
満ちた新銀行のビジョンを、統合発表後、10年近く経った今のみずほの姿
と重ねたとき、私は失望の念を感じざるを得ない。
「企業は人なり」と言うが、西村・山本・杉田という素晴らしい
三行の頭取が揃い、情熱を持って本気で取り組んだからこそ、
「みずほ統合」というビッグプロジェクトができたのだと納得させられる。
この本により改めて、経営トップ次第で企業は決まるのだという
当たり前のことを確認させてもらった。
高杉さんには、今のみずほの現状を踏まえて、統合後の
みずほをテーマにこの本の続編を書いていただきたいと
切望する。
「みずほ」の舞台裏にメスを入れる、リアルな実名経済小説 2002年4月、第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行の三行統合により、世界最大の総資産を誇る「みずほファイナンシャル・グループ」が誕生した。しかし、スタート当初から大規模なシステムトラブルが発生し、その先行きに暗雲が漂ったのは記憶に新しいところである。
本書は、三行の頭取を中心として「みずほ」統合からシステムトラブル発生前後までの舞台裏を、高杉良氏が、実名で描いた経済小説である。小説としては物語性に欠ける部分があるが、各行のバンカー達が、困難な調整と折衝を経て統合していく様子は、その分リアルで読み応えがある内容に仕上がっている。
面白かったです 自分自身が金融機関に勤務しているせいもあり、金融機関同士の統合は、どのように行なわれるのだろうと関心があったのですが、実名入りでドキュメント性が強く、面白そうなので、手に取った1冊です。
内容ですが、統合に至る、3行頭取たちのやりとり、事務局の折衝等々、当事者本人でなくては、知りえない・書けないようなことまでが、微細に記載されており、まずは、その面で驚きとともに、面白さを感じました。
次に面白かったのは、各行の思惑。トップ(頭取)間では、各行の私情に溺れることなく、統合作業を進めるという高邁な精神が共有化されますが、下(事務局)に行けばいくほど、各行のエゴが見えてくるのは、何処の金融機関も同じだなあと。このことが、結局、あの大量のシステム障害に繋がったのは、他山の石ではないなあと。
前半の迫真性に比べると、後半、やや情報量が劣る気がしますが、統合までのやりとりが、ここまで書いてあれば、十分楽しめると思います。 ドキュメント 実名の小説ということで、とてもリアルな小説。
内容も実際の文書や公のコメントなどが多用されている。
が、そのせいか小説としてのドラマ性が少なく、読み物としては好き嫌いがでるかも。
事実を世の中に伝えるというドキュメントとしてはとても大きな役割を持っている本書。
だが、小説なのでもう少し色をつけたバージョンも読みでみたいと思った。
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[ 単行本 ]
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巨大投資銀行 (下) (ルビ:バルジブラケット)
・黒木 亮
【ダイヤモンド社】
発売日: 2005-11-11
参考価格: 1,785 円(税込)
販売価格: 1,785 円(税込)
Amazonポイント: 17 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 1円〜
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・黒木 亮
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カスタマー平均評価: 4.5
金融マンとは 上巻では3人のストーリーがほぼ均等に出てきたが、下巻では桂木メインで話は進んでいく。「そうだ!これが投資銀行のビジネスだ!」と上巻で再確認でき、モチベーションが上がったのだが、下巻では人間味溢れる暖かい気持ちにさせてくれ、上下では全く別の本だと感じた。下巻のテーマは「金融マンはどうあるべきか」だ。
今の若い人たちは金の良さだけで投資銀行を選ぶ傾向にある。新卒で大きな責任を与えられて日系よりも成長が早いことを理由にする人もいるが(もちろんこれは的を得ている)、昨今景気が悪くなった途端に世の中安定志向に走る具合が非常に残念だ。桂木は景気悪化による左遷にも耐え、モルスタで着々と成果を上げていく。それまで金のために仕事をしていた感があるが、興銀(本書では産銀と書かれている)常務にスカウトされてその考えが変わっていく。「今までの経験を日本に還元しなくては。」
この本を読んで、橘(トレーダー)がいいか、桂木(カバレッジ)がいいかはっきりと分かれるだろう。成功したときの金がいいのは前者だが、世の中を動かせるのは後者なのだ。本書を是非若い人たちに読んで欲しい。
最後まで読むと、みずほFGの汚い内部事情や"桂木英二"の"英二"がどういう意味を持っているか分かるところも楽しい。 就職活動の学生にもお勧め ボストンで知り合った元大手自動車メーカーの経理をしていた学生もこの本を
隅から隅まできちんと読み、登場人物のモデルをマイナーな人まで調べつくして就職活動の参考にしていた。
とても勉強になる本である。
一方、ディナーで知り合った投資銀行家はこのほんの存在を知らなかったが、得てして実務をしている人はそういうものなのであろうと納得した。 面白い。 世紀末にモルガン、ソロモンを筆頭とする投資銀行が金融工学、裁定取引を駆使して、莫大な利益を得たことはよく知られているが、内情に関してここまで突っ込んだ作品は珍しい。
最先端(当時。今はもっと複雑なのだろう)のファイナンス技術の分かりやすい解説(でも私は7割くらいしか理解できなかったが・・・)はとても興味深かった。
ただ、西武流通グループの堤清二をコンプレックスの強いワンマン経営者に描いてるのには疑問符がつく。 最高の経済小説 今まで読んだ経済小説の中では最高の面白さ、質の高さで驚いた。日系証券会社が外資の新しい商品を研究していくあたりや、外資系IBの日本人社員が外人と日本企業の間の板ばさみにあうシーンなどはリアルなため思わず笑みがこぼれてしまった。著者はもともと金融出身者だが、本当によく実態をここまで調べ抜いたと思う。外資系というとお金の亡者というイメージを持っている人たちが多いと思うが、本書に出てくる主要な登場人物は皆腹にお金以外の強い思いのある人間ばかりである。金融に直接携わっていない人でも、彼らが織り成す人間ドラマに引き込まれること請け合いである。日本のために頑張ろうと日系企業に戻る主人公、自分のやりたい仕事に専念する幸せな生活を海外で始める人等自分の将来の考え方にも少なからず影響を及ぼす内容であった。 R35 & 金融市場経験者 には5☆、それ以外の人には?? ビジネスノベル(経済小説)としてもおもしろいと思いますが、バブル前後の金融市場(株式、債券、外国為替、デリバティブ等々)を実際に経験している人にはとても興味深いと思います。
ただ、金融業界の専門用語が頻発するので、巻末に用語集やスキーム図まで付いていますが、抵抗感が先に立ってスムーズに読めない方もいるのはやむを得ないでしょう。日経新聞の金融欄が抵抗なく読める位なら大丈夫かな?
3人の主人公が登場しますが、シッカリと個性が書き分けられ、キャラクターの混乱はないと思います。モデルになる実在の人物が複数いるのでしょうが、書いている作者の力量も立派だと思います。
また、この作者の特長だと思いますが、海外や国内の景色や食べ物、地元の人々がとても印象深く登場し、簡単な調査やガイドブックの請け売りではなく、作者自身の豊富な実経験に裏打ちされているように感じました。「悪役」として登場する人々もとてもリアルに書き込まれていると思います
主人公が転職直後に、慣れない海外勤務のストレスからついつい奥さんにつらく当たってしまうところなど、私自身もちょっと似たような経験があり、ずしんと重い描写でした。
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