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[ 文庫 ]
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Op.(オペレーション)ローズダスト〈下〉 (文春文庫)
・福井 晴敏
【文藝春秋】
発売日: 2009-02
参考価格: 690 円(税込)
販売価格: 690 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 300円〜
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・福井 晴敏
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カスタマー平均評価: 2.5
リーンの翼 饒舌ですね。これでもかと言うくらい饒舌な小説です。設定等は、単行本、他の文庫のレビューの方々と同意見ですので、繰り返しません。しかし、この饒舌さの感じは昔読んだことがあるような気がして思い出しました。富野氏の「リーンの翼」です。設定も内容も全く違うのですが、何か富野氏の小説を読んでいるようでした。この小説もよくできていたのですが、小説家の小説ではなかったと思います。物語を所謂、物語るという内容だったと記憶しています。
説明をし過ぎるくらいしないと落ち着かないのでしょうか。画で見せるくらいに。
この小説は、映画の詳細な脚本のようであり、それは、やはり、小説とは違うものだと思うのです。小説は、小説で独立した文字の世界を成立すべきものだと思います。饒舌であるよりも、もっと簡潔であって欲しいと思ってしまい、やまり他の方と同様に辛口な評価となってしまいました。ただ、非常に力のある作家の方ですから、残念なんです。次回は、飛んで欲しいと思い書かせてもらいました。 読み進めども… もっさりとしていて、キレが悪い。
最初から最後まで延々とぐだついている感じ。
☆1では3冊読んだ自分がかわいそうだから☆2つ。
著者の本で後悔したのは∀ガンダムの小説版(これも3冊だった)以来。
がっかりです。 この本を読んで この本も以前のイージス、ローレライに負けず劣らず結構わくわくさせられるいい作品でした。
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[ 文庫 ]
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特殊防諜班 組織報復 (講談社文庫)
・今野 敏
【講談社】
発売日: 2009-02
参考価格: 630 円(税込)
販売価格: 630 円(税込)
( 通常2〜5週間以内に発送 )
中古価格: 250円〜
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・今野 敏
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カスタマー平均評価: 0
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[ 文庫 ]
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第三の時効 (集英社文庫)
・横山 秀夫
【集英社】
発売日: 2006-03-17
参考価格: 660 円(税込)
販売価格: 660 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1円〜
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・横山 秀夫
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カスタマー平均評価: 5
読みやすい 短編集なのでとても読みやすいです。警察の泥くささみたいなものが良く出ています。ドラマにもなっていましたよね。 死ぬまで笑わないと誓ってください こんな面白い小説は今まで読んだことがありません。
短編集なので、とてもテンポ良く読めます。私は一日で全て読んでしまいました。
中でも『第三の時効』という話が一番ですね。生々しい心理戦に手に汗握りました。
警察小説の最高峰であることは間違いないので、ぜひ一読することをオススメします。
早く続編が読みたいです。
そして作者の他の作品も読んでみたいと思います。
この本にレビューなど必要ない。 この本にレビューなど必要ない。
とにかく読んでみてほしい。
この本に満足できない人に薦められる本など、この世の中には存在しない。 中編集とは思えないほど読み応えあり! 素晴らしかった!!
…の一言につきます。
全6編から成る連作集ですが、登場人物が少しずつかぶっていて、2作目3作目と読みすすめていくうちに「あ、この主人公そういえば前にちらっと出てきていた!」と気付くことが何度かありました。話自体は全く独立したものですが、そのどれもが読み応えがあって大変面白いです。キャラクターの造詣、先の読めない展開。そして何と言っても男たちの熱い生き様…登場人物全てに「血が通っている」とでも言えばいいでしょうか…。警察内部の人間関係という、一般人からは分かりにくい世界を描いているにも関わらず、難しさやとっつきにくさなどは微塵もなく、すらすらと読みやすいのも魅力的だと思います。
一班の朽木、二班の楠見、三班の村瀬…特にこの3名のキャラクターは強烈で(かと言って現実離れしているわけではなく実在しそうなリアルな感じで)、彼らのシリーズの続きをぜひ…と思ってしまいます(実際に彼らのシリーズの続きが出ているそうで、今から楽しみです)
全ての作品が面白いですが、やはり表題作の「第三の事項」が特にオススメ。自分もその場に立ち会っているかのような臨場感を味わえて息が詰まりそうでした。「囚人のジレンマ」「ペルソナの微笑」も印象的(特にラストが…)。
横山秀夫さんの作品は題名がいつもシンプルかつカッコ良くて、しかもちゃ?んと深い意味があるのが素晴らしいですね。この本で一気にファンになってしまったので、これから「動機」「陰の季節」「半落ち」「震度0」など、どんどん読んでいきたいなぁと思いました。 硬質で良質な警察小説 時効が過ぎたにも関らず、被害者宅で息を潜めて犯人からの電話を待つ強行犯の刑事達。
犯人は一時海外に渡航しており、真の時効は7日後。それまでに犯人は、思いを寄せていた
被害者の妻に電話をしてくるのか、それとも真の時効を知って、その日が過ぎるのを
待つのか。しかし、そこには戦慄の罠が…。(「第三の時効」)
F県警捜査第1課強行犯係の刑事達が手がける難事件を通して、捜査にかける執念、
激しい功名心、ライバルへの敵愾心等を見事に描き出す、全6篇の連作短編集。
個人的には「第三の時効」、「密室の抜け穴」、「沈黙のアリバイ」がお薦め。
ことに表題作「第三の時効」には衝撃を受けた。リアルに考えればあり得ないケーでは
あるが、さすが元社会部記者上がりだけあって、著者は良く司法や警察を良く
知っているし、良く調べているなあと感心した。
氏は刑事達の暗闘や苦悩を通して、警察組織(の暗部)を実にリアルに巧みに描いている。
本作では、「動機」ではやや弱いと感じたミステリーの核の部分も良く出来ており、
また、刑事達の造型も素晴らしく、これほど硬質で読ませる警察小説は、
高村薫の一連の刑事もの(「マークスの山」「地を這う虫」「照柿」など)以来と思った。
それにしても、F県警強行犯の刑事達、殊に班長(警部クラス)達は個性的で実に面白い
キャラクター揃いで続編が楽しみ。とりわけ二班の楠見班(長)がどうなっていくか、
興味が尽きない。
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[ 単行本 ]
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新世界より 下
・貴志 祐介
【講談社】
発売日: 2008-01-24
参考価格: 1,995 円(税込)
販売価格: 1,995 円(税込)
Amazonポイント: 19 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 758円〜
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・貴志 祐介
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カスタマー平均評価: 4.5
極上のSF 間違いなく面白いです。
近未来冒険物でありながら、
超能力物であり、
サイコホラーでもあります
面白いものがすべて、詰め込んであり
しかもそれが、絶妙なバランスです
貴志祐介ここにあり!って感じですか 圧倒的世界観! どうやらSFらしいという予備知識だけを元に読み始めました。
物語は、今から1000年先の日本。
たぶん核戦争後、人口は激減し、あちこちにコロニーを作って人々は生活をしている。
近代的機器を排除し、「呪力」と呼ばれる超能力を使って生活する。
未来の話でありながら、懐かしいようなかつての田園風景を思わせるような街。
「呪力」を身につけていく子供たち。
何やら訳のわからない世界が徐々に明らかになっていく不思議な感じにゾクゾクし、一気に引き込まれました。
この世界観を零から創り出す作業が出来る頭脳に感服です。
私は、後半のバケネズミの謀反による戦争部分よりも、前半の方が引き込まれるものがありました。
一気に引き込まれ、一気に読み上げましたが、読み終えてみると、何か違和感を感じます。
前半と後半では、ややテーマにズレを感じました。
あと、主人公・早季があまり魅力的では無かったのが、やや残念です。
生々しく迫力ある描写!! もう少し下巻の中盤からの畳み掛けるような展開を期待していたんですが、全体通して意外とじっくり進んでいたように思います。東京に行ってからはもうちょっとスピーディーな展開を期待したかったかな。 あとなぜ悪鬼があれほど強大な力を持っているのかについての説明が最後までなかったのが残念でした。真理亜達のその後の下りを含め。 しかし全体としては極めて壮大な物語でありながら現実世界とも通ずる部分もあり、考えさせられました。またきめ細かい描写には話の中に吸い込まれそうな迫力があり、話の中にどっぷりと漬かることができます。1000ページという量を感じさせることは全くありませんでした。 夢にこの世界が出てくるほどのインパクト SF的な要素を含む上下合わせて1000ページを超す大作。
普段、現実的な世界の話しか読まないボクには、SF的なこの世界観は苦手だと
思って読んでいましたが、上巻半ばあたりから一気にのめりこみ、すっかりこの
世界を堪能してしまいました。
貴志さんは恐怖の描き方が素晴らしい。
怖かった。 もはや人類とはいえない? バケネズミの根元・正体は序盤から疑いながら読み進めていたので、かえって展開が中盤から後半までわかりやすかった。(初めからバケネズミの存在理由や物語の先が読めていた。)呪力であらゆる生命に影響を与えながらもお互いビクビクしながら管理しあっている。呪力に頼りつつもしだいには無意識に漏れだす呪力を排除しなければならない。舞台は日本でありながら、日本人にしては爆発したような縮れた髪、または真っ赤な髪の毛の同級生。早季達の詳しい「外見」の記述はないあたり、ワタシ達が想像する外見とは変化していると考えられる。幼年期からの同性愛を推奨しながらも近親交配を嫌悪し、瞳の光彩が左右4つもあったり、250年を生きるリーダーを受け入れる。そして「人間」が「人間」を攻撃できなくなった時点で「人間」的でないように感じさせられるこの矛盾。早季達「人類」ははたして「人間」といえるのか?長編でなくていいからバケネズミ側の物語を読んでみたい。
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[ 文庫 ]
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クレィドゥ・ザ・スカイ―Cradle the Sky (中公文庫)
・森 博嗣
【中央公論新社】
発売日: 2008-04
参考価格: 680 円(税込)
販売価格: 680 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 229円〜
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・森 博嗣
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カスタマー平均評価: 4.5
沢山のことを巻き添えにしてまで読む価値がある 本能は、隠せない。
空を飛ぶのは、やはり気分がいいらしい。
なんだか、自分も飛びたくなる。
一冊、一冊でなく五冊(六冊)読んで価値がある。 もう一度「スカイ・クロラ」から… シリーズ最終巻。といっても、時系列は「スカイ・クロラ」が最後なのですが。
…「僕」って誰?
この本はそれにつきる…とまでは言いませんが、まさか最後の最後でこんなに悩まされる
ことになるとは思いませんでした。もはやミステリです。
もう一度、「スカイ・クロラ」から読み直せざるをえないじゃないですか!
喜んで。
何ていうか、森博嗣さんの術中にはめられたなって感じです。
気持ち悪さなんて微塵も残りません。
ただ空を飛ぶことを望む主人公の姿の、なんと純粋で、儚いことか。
そんなどこまでも澄みきって、読者までも夢の中にいるかのような錯覚を起こさせる
作品なのに、読了後の興奮は醒めません。
ぜひ、「スカイ・クロラ」から読むことをお勧めします。
そしてこの「クレイドゥ・ザ・スカイ」の、最後の一言の余韻を楽しんでください。 主人公は誰かという、ミステリー小説だった 前巻までは、一人称視点の語り口に、ミステリーで培われたと思われる情報の抑制が効いていて、絶妙な小説だと思っていました。しかし、この巻では主人公「僕」は誰?ということに読者の関心が向くようになっており、まさに犯人捜しをするミステリー小説のようになっています。
私は、ミステリー小説を読むと、読者を誘導しようとする姑息な作者の姿が見えてきて楽しめないたちなので、他の巻では感じなかった不満を感じながら読むことになりました。そういった点で、すこしこの巻は毛並みが違います。
最後に主人公は明かされますが、どうとでも取れるようなもので、それまたもどかしい。
でも、クサナギとカンナミの関係が示唆されたり、物語の時系列的に次のスカイ・クロラでの登場人物の気持ちを推察したりと、最初に戻って読み返したいという気持ちが起きますので、シリーズ中で必須の巻と言えるでしょう。 どういうこと?先がきになる・・・!!絶対続き読みますからっ!! 思うに私の感想って、本当に自分の気持ちの感想文です。初めて本を手にする人に参考にはならないでしょうね(笑)読んだ人には理解してもらえ得るのかと・・・。あなたはそう感じたんだ・・と。おっと、ムダ話!!失礼しました。この本は本当に「どういうこと?」主人公は「誰?」僕は・・・って語られる主人公が本当にだれなのか・・終い近くまでわからず・・・・やっとわかったと思ったら、エピローグでまた「どういうこと???」なんとなくわかるけど、どうしてなのか・・絶対続き読まないといけません。逝けないんです。精神的な意味でも快感的な意味でも、すっきりしてイキたいんです。イっちゃいたいんです。この続き・・文庫本が出たら絶対読みます。もう、ハードカバーでは発行されてるんで文庫化まちです。最後にこの森さんって作家すごくね??
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[ 文庫 ]
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相剋―警視庁失踪課・高城賢吾 (中公文庫)
・堂場 瞬一
【中央公論新社】
発売日: 2009-04
参考価格: 900 円(税込)
販売価格:
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・堂場 瞬一
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カスタマー平均評価: 4.5
高城は「父親」であることを回復できるのだろうか 事件は、女子中学生が失踪した「らしい」という同級生からの届け出で始まる。
だが当の両親は、「家にはいないが、どうせすぐ帰って来る」と捜索願いすら出さない。
まるで事件性の見えないこの一件に、高城は全力を尽くして捜査を始めた―。
高城が行方不明の女子中学生・希(のぞみ)の行方を探さずにはいられないのは、高城が「父親」であるからだ。それも不幸な事件により、「父親」であることを中途で途絶させられた父親だからだ。
すべて子を持つ親であれば実感することであるが、親は子が生まれることで親になるのではない。子を育て時間を共にする中で、笑い、泣き、驚き、嘆き、落胆し、誇りに思う―そういう子どもにまつわるあらゆる感情の集積が、ただの男(女)を父親(母親)に変える。高城は、その「思いを積み重ねていく過程」を突然、理不尽に、奪われた父親なのだ。だから、希(のぞみ)の行方を探さずにはいられない。
この高城の行動に納得するためには前巻「触罪」から読んで来る必要があるので、本書を読まれる場合、ご注意されたい。
二巻目にして、「失踪課」のメンバーが徐々に「良い味」を出してきている。
今回は、「体力だけがとりえ」と思われていた「子沢山の巨漢」醍醐刑事が性格の陰翳が描かれ、味わい深かった。 ちょっと変わってきたなー 料理に関する記述が正直うざい。
「蒼の悔恨」でもそうだが、料理の記述がうざい。
いかにも、「書いてます」的なところが鼻につく。
それに、ハートじゃなくてテクニックに頼ってる気がする。
段落の最後のひとりごちたせりふはいらないと思う。
ハードボイルドにはお決まりだけど。
堂場ってもっと骨太だったと思うのだが。
売れようが売れまいがお構いなしに、
書きたいことを書くっていうのが
魅力だったのに。
うまい作家はごまんといる。
伏線の張り方が下手だとか書いてきたが、
そんなのは、ハートのアツさでカバーできたはず。
うまい堂場って読みたくない。
アツい堂場が読みたい。
本作だけど、ツッコミどころは結構ある。
ネタばれになるので詳しくは書けないが、
一番のツッコミどころだけ。
「なぜ、希の捜索にそこまでこだわったのか」が弱い。
高城は大好きなキャラだけに星4つとしたけど
料理をはじめとする堂場の好みの部分がうざくて
もっとページを削ってくれよというのが正直な感想。
高城の人間回復がこのシリーズのメインテーマなんだけど、
もっと悩んでもいいのにっていう気がする。
せっかくのテーマが泣いてる。
ちょっと厳しいレビューになったけど、
それだけ期待してるってこと。
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[ 文庫 ]
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予知夢 (文春文庫)
・東野 圭吾
【文藝春秋】
発売日: 2003-08
参考価格: 530 円(税込)
販売価格: 530 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1円〜
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・東野 圭吾
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カスタマー平均評価: 4
「探偵ガリレオ」に引き続き ドラマ「ガリレオ」映画「容疑者Xの献身」を見たあと、原作「探偵ガリレオ」を読み、「予知夢」にようやく入ることができた。
感想は「探偵ガリレオ」に書いたこととほとんど変わらない。
本作品を読んで改めて思ったことは、まず「やっぱり刊行順」に読まなければいけないということ。
次に、「やっぱりドラマが始まる前に読むべきだったかもしれない」ということ。
ドラマと原作では状況設定や動機なども大きく違うことが多いのだが、それでもドラマの場面がちらついて集中できないことがあった。
さあ、次は「容疑者Xの献身」にようやく入れる。
いまから楽しみだ。 オカルトを科学主義で論破。ただし、若干の余韻あり。 本作は、「探偵ガリレオ」の続編短編集であり、
殺人事件の捜査に取り組む草薙刑事の耳に入った、
あるいは、彼自身が体験した、およそ常識では考えられない現象を、
お馴染み湯川「ガリレオ」准教授が軽快にさばいていくというものです。
本作の底流に一貫して流れるのは、
現象を冷静に分析せよというメッセージであり、
科学主義はそのツールとして用いられます。
例えば、印象的だったのは、「霊視る」における超常現象の解読です。
我々の思い込みや思慮の浅さが「超常現象」なるものを作り出していないか。
もっとも、終章の「予知る」は、実に意味深な幕切れを迎えており、
著者の懐の深さや遊び心を感じさせます。
ドラマ『ガリレオ』シリーズを観よう! この書と、前作『探偵ガリレオ』を、徹底解体し、愉快なドラマ『ガリレオ』が誕生した。
草薙警部の代わりに、可愛い柴崎コウが新米女性刑事として、福山雅治演じる湯川学と組んで難事件に取り組んでいく。
快適なテンポと内容の分かり易さは、この小説を凌駕している。
ドラマ『ガリレオ』を観た者としては、ドラマのために書かれた小説と思ってしまう。
ドラマと小説を比較するのは、まことに贅沢な遊びである。
手抜き無く、思いっきりふくらませたドラマ『ガリレオ』をご覧になることをお薦めする。
本当に面白いのだから。
福山と柴崎の魅力が最高に引き出されていることを保証する。 失望した 科学トリックを最初に考えてそれに話をつけくわえた感じ。トリックもストーリーも面白みはない。よくないミステリー作品の評価に、こういうトリックを考えつきました、というレポートのような作品、というのがあるが、このシリーズの短篇はまさにそれ。肝心の科学トリックも、本当に実現可能なの、というものがいくつもあり小説としての質を落としている。 ガリレオシリーズ:第二弾 前作『探偵ガリレオ』に引き続き、読んでみました。
前作よりも湯川の関わり方が、単に「物理学者」ではなくより探偵の目線になっているような感じがします。
『容疑者xの献身』がこれの続編になり、三部作それぞれ同じガリレオシリーズでも独立した話になっていますから、どれから読んでも楽しめますが、『探偵ガリレオ』とこれを読み、湯川と同級生刑事・草薙の関係性を十分に知ってからの方が、『容疑者xの献身』をより楽しめると思います。
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[ 文庫 ]
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風の墓碑銘(エピタフ)〈下〉―女刑事 音道貴子 (新潮文庫)
・乃南 アサ
【新潮社】
発売日: 2009-01-28
参考価格: 500 円(税込)
販売価格: 500 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 45円〜
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・乃南 アサ
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カスタマー平均評価: 4.5
救いのない話なのだが 事件だけ見れば救いのない話なのだが、そう感じさせない、
いや、読後感はさわやかでさえあるのは、筆者が事件を、
ストーリーテリングに軸をすえているからではなく、
人間模様を書こうとしているからに他ならない。
ストーリー的には、ちょことしたサイドストーリーを挟んで
落ち着くだろうなぁというところに落ち着く。
だから、この本は、ストーリーを追うのではなく、
人間模様を楽しむための本である。
池上冬樹が「時代小説的」と書いているのは、
まさしく慧眼である。
中学生からお年寄りまで幅広い層に薦めることのできる
快作である。
ただし、どうせ読むなら、音道貴子シリーズを「凍える牙」から
読まれることをおすすめする。
盛りだくさんの内容で・・ 上巻を読んだときには、こんなにいろんな事件が出てきて、一体どんな風に結びつけ、どうやって解決していくのか?と思いましたが、ちゃんと点と点が線でつながって、無事に解決に至りました。
偽刑事事件や、同僚の女性鑑識、相方の病気、そして昴一のこと。
起きた事件の数と同じくらいに、それ以外の事が平行して起こっていて、今までにない盛りだくさんの内容になっています。
音道刑事の冷静さは相変わらず。
これから先、どんな事件を解決していくのか?続きが楽しみです。
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[ 文庫 ]
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ニッポン硬貨の謎 エラリー・クイーン最後の事件 (創元推理文庫 (Mき3-6))
・北村 薫
【東京創元社】
発売日: 2009-04-20
参考価格: 777 円(税込)
販売価格: 777 円(税込)
( 通常2〜5週間以内に発送 )
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・北村 薫
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カスタマー平均評価: 5
クイーンへのオマージュ溢れるパスティーシュ 1977年のエラリー・クイーン(フレデリック・ダネイ)の初来日。そして、
ミステリ作家の若竹七海が、かつてバイト先の書店で遭遇した毎週
土曜日に来店しては、五十円玉二十枚を千円札と両替していく男――。
この二つの事柄をモチーフに、作家クイーンが執筆したミステリの
未発表原稿を、北村薫が翻訳したという体裁を採った、早い話が、
北村薫によるクイーンのパスティーシュ小説。
若竹さんが体験した前述の《日常の謎》は、かつて同僚作家がそれぞれに
謎解きを試み、一般公募までされました(『競作 五十円玉二十枚の謎』)が、
北村さんは当時、それに参加されませんでした。
本書は、その謎に対する北村さんの遅れてだされた「解答」でもあります。
北村さんは、些細な《日常の謎》を連続幼児殺害事件という陰惨な大量殺人に接続し
抽象的かつ宗教的な《見立て》の構図を描き出すことで、じつにエレガントな解法を
提示されています。
そうした、あまりにも神秘主義的、そして、いかにも後期クイーン的な《見立て》に対し、
違和感をおぼえる人もいるとは思いますが、後に北村さん自身が語るように、あくまで
それは「天上の論理」のパロディによる誇張にすぎず、真に受ける必要はないのです。
そして、本書のもう一つの大きな柱にあたるのが、中盤にある『シャム双子の謎』論。
評論といっても、ヒロインの口頭によるプレゼンという
形式が採られ、内容も決して難解ではありません。
また、クイーンをまったく知らない北村薫ファンなら、一つの
うんちく話としてスルーしても、まったく問題ないと思います。
何といっても北村さんが描く、明るく愛らしい「若竹七海」(小町奈々子)が読めますし。
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[ 文庫 ]
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空の境界〈下〉 (講談社文庫)
・奈須 きのこ
【講談社】
発売日: 2008-01-16
参考価格: 800 円(税込)
販売価格: 800 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 159円〜
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・奈須 きのこ
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カスタマー平均評価: 4
上中下全部読んでみて思う事は、要約するとツンデレかな こんなところでアーラヤーシキとかに合えるとは思はなっかたけど仏教のタマシーみたいな物(仏教はタマシーを認めていないけど)とかよく勉強してるみたい、ウラズケとして、もう少し人を殺してはいけないというところの理由が、はっきりすると良かったかもね 物語は教訓とか要約とかはあまり良くないけど おもしろかった。 こうゆう雰囲気の物語は好きな方なので読んでいておもしろかったです。 最後はどうなるのだろうと気になっていて、個人的には良い終わり方で良かったなと。 劇場版として映像化されるのでそちらも期待しています。 今までに読んだことのない不思議な印象を持った はじめに
友達が持っていたほんが図書館にあったので読み始めました。
本のレビューを書くのは初めてです。
全体感想
タイトルにあるように今までに読んだことのない不思議な印象を持った。初めてこの本を読む人にとってこの本の世界観を理解するには時間がかかると思う。読みやすい本ではない。全部で七つのストーリがあるが、すべてがどこかのストーリに通じていて結果として全体でひとつのストーリとなっている。よって一通りすべてを読み終わった後にもう一度最初から読むとこの本の世界観がかなり理解できる。話の内容はネタばれになるので詳しくはいえないが、一言で言うならファンタジーに位置する。ただし舞台背景は現実の世界、といった本である。非日常が日常の中に溶け込んでおり、さらに魔法や魔術に関しての哲学的な要素がかなりふんだんに盛り込まれており、語彙力、創造力(想像力)がない人が読むととたんに意味がわからなくなる話である。自分で言うのもなんだが私にはそこそこの語彙力とかなりの創造力を持っていたのでかなり中に入って読むことができた。因みに私は気に留めなかったが、文法の間違いや社会状況の誤りがある。気にしなければなんでもないことだった。
終わりに
買って損はないと思う 2Hの鉛筆 忘却録音は他の章とは少し雰囲気が違いました。
学園で起こった事件を解決するために式が潜入するという分かりやすい話だったのと、語り手の鮮花が感情豊かだったことです。
自分の未熟さに怒りを覚えたり、他人のために身を挺したり、恋敵である式のことを心底嫌いになれなかったりと、他の登場人物が浮世離れした思考をしているのに対し、鮮花の想いには共感できるところが多かったです。
矛盾螺旋で脱落しなくて良かった。
最終節「空の境界」は硬質なイメージを受ける本作品のラストにふさわしいシーン。
それぞれのキャラがそれぞれに悩み、苦しみ、笑っているのに、通して受けるイメージはどこか冷たく硬い。
中巻の解説で菊池秀行先生が書いていた孤絶という言葉を思い出しました。
殺人考察(後)のラストが式のエピローグなら、「空の境界」はもう一人の主人公幹也のエピローグ。
ここまで読めば物語全体の見方も変わる、そんな気がします。
あと、ちまたに溢れる密室殺人の見方を改めさせられました。 青→赤→白(黄) 文庫版完結
今回の文庫化は新規挿絵の存在がかなり大きい。ノベルスでは挿絵はほとんど無い為にキャラの姿をイメージするのが難しかった。
空の境界を読んだ人が皆月型を知っているわけでもないため、関連した書籍にラフ画が載っていることにも気が付かなかった人はいると思う。
昨年の十二月から映画の上映が始まり、それに合わせて劇場版のホームページが出来たことで幾人かのキャラはそのビジュアルが知れるようになったし、
実際に映画を見れば文章だけでしか受け取ることのできなかった空の境界の世界の情景を見ることができるだろう。
しかし原画家の武内氏が描いた挿絵はとても綺麗で、いっそ武内氏漫画にしてくれたら良いのにと・・・思うほどに違うものだ。
今回の解説はノベルスでもおなじみの笠井先生だが、前回に比べると焦点が空の境界自体に直接当てられているため、読んでいてもかなり面白く感じられた。
綾辻先生が空の境界という作品の外側、作品の構成やきのこ先生本人に係わる話などを書いたのに対して、笠井先生は作品の内容に関してかなり詳しい見解が書かれている。
設定やストーリーに隠された現実社会との関係みたいなことが書かれていてとても興味深かったが、ただ気になるのは最初からきのこ先生がそこまでの設定を踏まえた上でこの本を書き上げたのかという点だが、
それにしてもこの作品を読んでこれほどの解説を書ける笠井先生に感服した。
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