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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

アイテム一覧
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チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 600) 罪責 潜入捜査4 (ジョイ・ノベルス) 向日葵の咲かない夏 (新潮文庫) 眠りの森 (講談社文庫) 仮想儀礼〈下〉 陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫) 天使と悪魔(下) TOEICテスト出まくりキーフレーズ 【CD付】 イノセント・ゲリラの祝祭 聖女の救済
チーム・バチスタの栄光(下) .. 罪責 潜入捜査4 (ジョイ・ノ.. 向日葵の咲かない夏 (新潮文庫.. 眠りの森 (講談社文庫) 仮想儀礼〈下〉 陽気なギャングが地球を回す (.. 天使と悪魔(下) TOEICテスト出まくりキーフ.. イノセント・ゲリラの祝祭 聖女の救済

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チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 600)

[ 文庫 ]
チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 600)

・海堂 尊
【宝島社】
発売日: 2007-11-10
参考価格: 500 円(税込)
販売価格: 500 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1円〜
チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 600)
海堂 尊
カスタマー平均評価:  4
映画は最悪だったが、原作は・・・
 映画版は原作を未読で鑑賞したのだが、個人的には「ありえない」出来だった。  レビューにも星ひとつをつけた。  ただ、映画の印象だけで原作を読まないというのはいけないと思うし、もしかしたら損をする可能性もあるので読んでみた。  読んだあと「やっぱり読んでみてよかった」と思った。    映画では、「ありえない」と思った動機も「なるほど」と思ったし、「編集をしすぎているんだろうな」という点も問題なかった。  現役の医師が書いているだけあって、医療問題や死生観などの見方が考えさせられた。  映画版よりはよかったのだが、それでもやはり「これが『このミスがすごい大賞』なんだ」という意見は変わらない。  やはり東野圭吾よりは落ちるんじゃないかと思う。  映画版に「ガッカリ」した人は読んでほしい。  きっと印象が変わるはずだ。
強力な助っ人とともに、死に立ち向かう
チーム・バチスタの手による不可解な死を 主人公の田口医師が 強力な助っ人とともに、立ち向かう下巻である 得たいの知れない官僚「白鳥」が、その助っ人だ 高級な服を身にまといながら、 礼儀とは無縁の行動を貫き、 論理的な思考が見えた瞬間、 挑発的な言葉で他人を翻弄していく 事故か、殺人か.. 天才外科チームに、手術室という狭い空間に、 文字通り転びながら、田口と白鳥が挑んでいく 専門家は 技術と倫理の両方を持っていなければならない そんな言葉を思い出した
医療ミステリーとしては良かった。
下巻を読み終わりました。 下巻は上巻より「ロジカル・モンスター」厚生労働省のエリート役人白鳥と田口の場面が多いので「田口・白鳥コンビ」の丁丁発止のやり取りが楽しめます。最後まで「バチスタ事件」の真犯人は誰かと云う推理ができたので医療ミステリーとしては良かったと思います。 筆者の現役病理医の立場から見た医療現場の実態をいろんな意味であからさまにしているのはかなり 勇気がいる仕事なのではないのでしょうか?バチスタ手術の患者さんが亡くなるシーンが多いのは正直読んでいて辛い部分もありました。でも現実患者さんの家族、医師にとっても辛い現実なんですよね?「命」のあり方を考えさせられる本です。(私にとっては)「ジェネラル・ルージュの凱旋」 がどんな作品か楽しみです。
転調、そして解決。しかしまだ問題はある
 厚生労働省から白鳥が派遣されてきたことにより、作品の様相が一変する。急激にテンポが上がる。上巻でいったんは平静に収まったかのように見えたチーム・バチスタの現状が、全く違う人間模様として描き直される。ここに至ると、上巻での作業が、医療の常識などによる密室を構築していくものだったことが理解できる。下巻ではこの密室を崩すのだ。  小気味よい展開であるし、キャラクターも良く動く。しかし、人の死が非常に軽く扱われているところは若干気になる。キャラクターからも行間に見える作者からも、死者に対する畏敬の念を感じないのだ。これは、現状の医療関係者が実際にそのように思っており、その問題提起をするためにこのような書きっぷりにしたのかもしれない。逆に、現役医師である作者の普段の考えがそのまま滲み出たのかも知れない。いずれかは分からないが、ここの部分はもう少しフォローする必要があった気がする。
ミステリーとしては☆3つ。でも小説としては☆5つ。
上巻とセットでの評価です。素直に面白いと思います。 ただし純粋に「ミステリーなのか?」と聞かれると判断に迷います。 凡庸という位置づけながら観察力とそこそこのバランスを持った主人公。 そして圧倒的な推理力を持った探偵役の厚生省官僚。 ホームズとワトソンに似せた組み合わせなのでしょうが、主人公は決して凡庸では無かったですね。あと探偵役の推理が直感としか感じられない部分も。 上巻で様々な伏線を張っていて、主人公がそこを積み上げるだけでも本格ミステリーとしては成立したと思います。 下巻はエンターテイメント性を持たせるという印象が強かったですね。下巻だけ読んでこの作品をミステリーと考えるのは難しいです。なぜなら謎解きになっていないところが多かったから。ちょっと勿体無かったです。 それでも☆4つ付けられるのは作品のテンポの良さ。作中の天才外科医の手術のようにテンポ良く展開されていく流れは一気に読むことが出来、ラストの余韻も心地よかったです。

罪責 潜入捜査4 (ジョイ・ノベルス)

[ 新書 ]
罪責 潜入捜査4 (ジョイ・ノベルス)

・今野 敏
【有楽出版社】
発売日: 2009-04-17
参考価格: 900 円(税込)
販売価格: 900 円(税込)
( 在庫あり。 )
罪責 潜入捜査4 (ジョイ・ノベルス)
今野 敏
カスタマー平均評価:   0

向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)

[ 文庫 ]
向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)

・道尾 秀介
【新潮社】
発売日: 2008-07-29
参考価格: 660 円(税込)
販売価格: 660 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 179円〜
向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)
道尾 秀介
カスタマー平均評価:  4
お見事ですが、 読後感が悪いのが残念
どんでん返しの連続で最後は「おー!」と、思わず叫びましたが、殺人(殺動物?)の方法が個人的に嫌いでした。お母さんの葬儀の風習も例としては、ちょっと。。。 ただ、話の筋は素晴らしいので、ほかの作品を読んでみようと思いました。個人的にはあまり好きではありませんでしたが、皆さんには読んでもらいたいので、図書館に寄贈しました。評価は満点です。
読んだことのない展開
気味の悪い話である。 死んだ人間や動物の足を折り、その口に石鹸をつめる。映画だったら間違いなくR18だろう。 しかしながら、あまりに多い、「?」を知りたいがゆえにページをめくる手は止まらない。 冒頭に早くも訪れる「ミカ」が死んでしまったと言う事実、なぜミチオは母から嫌われているのか?、どうして9歳のミチオと3歳のミカが大人顔負けの思考を繰り広げるのか? 真犯人は?などという単純な疑問以外の謎が、やがて不条理な世界へ読み手を引きずり込んでいく。 確かに好き嫌いははっきり分かれるし、読んで感動すると言う内容でもない。 小説だからこそこんなのもありだな…と思う。 私はまたこの作家は手にとってしまうだろうな。
最近のミステリでは流行ってる手法?
伏線もよく練られていて後々うならされることも多かったのだが、割と早い段階でこれはアレだなと予想がついてしまうのが残念なところ。あえて気がつきやすくしたのかもしれないが。 小学生の冒険譚のように見せかけて、救いようもなく陰鬱な話だが、最後まで読み終わってから冒頭のプロローグを読み返すとそこに一縷の救いを見出せなくもない。
推理小説プラスGOTHプラスHORROR
道尾秀介氏の作品を初めて読みました。読んでいる最中の気持ちの悪い感じ(排泄物からスイカの種が出てきたとかいう設定など)や複雑な読後感を別にすれば、一気にその世界に惹き込まれ読むのを止められなくなった(特に266頁でS君の死体が発見されて以降)という意味では、紛れもない傑作であろうと思います。 ネタバレにならないよう詳細は述べませんが、逆に構成面などで気になった点を幾つか記しておきます。(1)244頁の「密告」の箇所は、本来なら摩耶道夫は用心して刑事に本を渡せばよいだけなのに、話の持っていき方として不自然、(2)441頁で、S君が摩耶道夫の希望に沿って自裁したのであれば、どうしてそもそも本書はこのようなストーリー展開となるのか、(3)462頁の「葬儀」の意味が今一つ判然としない。 「物事が上手くいかないとき、自分の心を誰もわかってくれないと感じたとき、人は、普段では考えられないくらい恐ろしいことをしてしまう」(359頁)。
すご本。でも、勧められない。
すごい。 少年のサワヤカなひと夏の探偵ごっこ+妹との交流・・と思って読みはじめて、こけた。 というか、おおこけ? ストーリー中盤でいきなりのG。 そうして後半、ぐるんぐるんと大揺れのアップダウン、もう吐きそう。 なぜS君がクモなのかの説明は無愛想だが、(本人が選んだとあるがここでは作者がなぜクモをチョイスしたかという意味)なんの疑問もなくコミュニケーションが成立しているあたり、その後のトコ婆さんのくだりで膝を打つ。 少年を性愛の対象とする嗜好、石鹸が嫌いな犬、僕が母親からネグレクト?虐待?されている理由、僕の父がそんな母親に驚く程寛容な理由、ミカの化粧・・さまざまな仕掛けが最後に種明かしされるが、その幕引きは極めて陰惨で、酷い。 ストーリーの組み立て、文章、流れ、才能のキラメキは十分に感じられるのだが、作者の熱が恐ろしい程に伝わらない。 読み終わった後、熱がすぅっと引いて寒々しい。 なので、すご本と思いつつ、人には勧めたくないよなぁ。

眠りの森 (講談社文庫)

[ 文庫 ]
眠りの森 (講談社文庫)

・東野 圭吾
【講談社】
発売日: 1992-04
参考価格: 580 円(税込)
販売価格: 580 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 200円〜
眠りの森 (講談社文庫)
東野 圭吾
カスタマー平均評価:  4.5
夢を叶えるためには、何かを犠牲にしなければならない
本作は、高柳バレエ団を舞台とする連続殺人・殺人未遂事件の真相解明に、 お馴染み加賀恭一郎刑事が挑むというものです。 バレエ団という、素人考えには非常に華やかに思える集団の舞台裏では、 バレエに全てを捧げたストイックな人間模様が展開している。 そして、加賀をはじめ、捜査官たちの予測は次々に裏切られていく。 ついに真相を見破った加賀の見たものは…。 タイトルの「眠りの森」とは、チャイコフスキー作曲の超有名作品に由来します。 ちなみに、魔法によって100年の眠りにつくこととなった悲劇の姫君の下に、 王子が現れるという筋が有名ですが、本作の「王子」とは…そう、加賀恭一郎なのです。 本作は、終盤の展開の美しさと物悲しさが印象的な、人気のミステリー作品です。
驚きと悔しさと爽やかさが共存している作品
 タイトルの「驚きと悔しさと爽やかさが共存している作品」というのは東野作品で「推理小説」に分類されるものに共通していえることです。  いつも東野圭吾に勝負を挑み、負けています。読みながら、驚きの声を上げ、読んだあとは悔しくてしょうがありません。しかし、なぜか読んでしばらくすると爽快感が起こります。「本当に東野圭吾は素晴らしい作家だ」とこのときしみじみ思います。本作品でも、同様でした。  私は今後も東野圭吾に勝負を挑み続けます。そして、また同じことを繰り返していくことでしょう。
奇麗事なく非常にリアルに描かれています
加賀恭一郎シリーズ、第二弾。 バレエ団を舞台とした、一連の事件、そして加賀恭一郎とバレリーナ、浅岡美緒の悲恋物語。 あらゆる部分が、奇麗事なく非常にリアルに描かれていると感じました。 まず、捜査の進められ方。理論整然と捜査が進む、「いかにも小説」といった展開ではなく、捜査員が何度も何度もバレエ団を出入りする所や、状況から仮説を立てるにあたる、捜査員同士のやりとりなど、まるで現実の捜査模様を垣間見ているようなリアルさがあります。 また、バレエ団という特殊な団体の内情。日頃私達が舞台上で見るバレエの美しさではなく、その裏舞台で見られるダンサー達のストイックさ、そしてバレエ界の厳しさが強く強く伝わってきました。 そして、若き加賀恭一郎の、1人の刑事としての自分と1人の男性としての自分の狭間で微妙なバランスを保ちつつも捜査を進めている様子は、初めから激しく恋心を表に出すよりも、むしろその気持ちの強さを感じ、ラストはとりわけ胸が締め付けられるものを感じました。
加賀刑事の悲しい恋
加賀シリーズ2作目、とあるバレエ団で起きた悲劇の物語。 加賀刑事がバレリーナの1人である浅岡美緒という女性に恋をするのだが、 刑事としての彼の魅力と、1人の男性としての彼の魅力、その双方がたっぷり描かれている。 バレエってあまり馴染みのない世界だが、ダンサーたちの踊りに対するストイックな姿勢や人間関係、 それらの独特な空気がすごく分かりやすく書かれていて夢中になって読んだ。 想像を絶する努力で築きあげられた"プリマドンナ"の地位、 それはどんなことをしてでも、守らなければならないもの。 華やかな世界の裏側に隠された彼女たちの苦悩・・ちょっと悲しい物語だが、 加賀刑事の美緒に対するピュアな恋心がそれを大きく救ってくれているように感じた。 それがこの作品の醍醐味であり、全てである。
とっても綺麗な作品です。
読み終わった後,とっても切なくて,でもとても綺麗な物語だと感じました。バレエの練習をしている風景や,発表の舞台,加賀刑事の表情などとても頭の中で思い描きやすかったです。加賀刑事のファンになってしましました★ 読みやすいし,何度も読みたいなと思える作品です。読んだことがない人は是非読んでみてください。

仮想儀礼〈下〉

[ 単行本 ]
仮想儀礼〈下〉

・篠田 節子
【新潮社】
発売日: 2008-12
参考価格: 1,890 円(税込)
販売価格: 1,890 円(税込)
 Amazonポイント: 18 pt
( 通常5〜9日以内に発送 )
中古価格: 1,226円〜
仮想儀礼〈下〉 ※一部大型商品を除く
篠田 節子
カスタマー平均評価:  5
篠田節子に称賛
下巻の帯には「狂信が常識を食い破る」と太字で刷られている通り、狂気が下巻に充満している。が。その狂気が宗教だけに留まらない所に篠田節子の筆力が光る。 正直まやかしで作られた宗教が破綻していく展開は、教祖である鈴木正彦が逃げだいと切に願う心情に共感出来るくらい教団の内も外も崩壊してゆく。 怪しい宗教団体と世間から見なされた時、社会からの弾圧はここにも狂気が生まれるという恐怖が見事に描かれているのだ。 「空疎だからこそ、それを心底必要とする者が、まるで自らの鏡像と対峙するようにして、強固な中身を作り出していった」404頁の正彦が見た宗教の本質。 帯に書かれた正彦の叫び「もう勘弁してくれ、目を覚ましてくれ」は、読んでいる間私にも生じた感情になったくらいこの作品は重いしキツイ。 それでも読み終わった後評価が下がらなかったのは、締めである最後の一行で戦慄が走り、読んでいた間の嫌悪をも打ち消したからだ。 人間がいかに脆く弱い側面を持つのか私たちは知っている。 そこに読み応えある重量感ある作品を読む醍醐味を味わったことがある人なら、この作品を描ききった篠田節子に称賛を称えずにはいられない作品だと思う。
「宗教」の真相へ
この下巻はすごい。「ゲーム」として捏造された「宗教」が、迫害されたコアな女性信者たちの間で完全な実体と化し、やがてその「教祖」の心身をも支配していく過程を刺激的なストーリー展開にのせ、説得的に描き出している。苦痛すぎる現実的な不幸からの逃走と狂気じみた妄想に、それらしい「教義」と「儀礼」が形を与え、やがて暴走していくとき、何が起るのか、その実情を著者は巧みに小説化した。 そうした息を呑むような「仮想現実」のなかで、しかしなお現実と虚構のはざまを行き来しつつ苦悩する主人公の姿が、誠に立派であった。自分の軽率な思いつきにより精神を呪縛され破滅していく人々を、最後まで引き受けるという責任の自覚が、ついには心底からの敬虔な「祈り」を彼に自然に行わせるに至る。あくまでも人間としての「常識」をまっとうしようとする誠実な態度が、結果として「常識」を超えた信心の次元を切り開く。 「宗教」とは何か。エンターテイメント小説という体裁でその真実に肉迫しようと試みかなり成功した、これは稀有な傑作である。
ページを捲る手が止まらない!
発展を遂げた団体が、今度は破滅していく様を描いた下巻。 教祖の正彦の思いとは違う方向に、どんどん堕ちていく。 ここが凄い…。 いったいどうやって結末を迎えるのかと、ページを捲る手が止まりません。 信者からも見放され、落ちぶれて、また一文無しになる正彦を予想していましたが、そんな簡単には終わってくれませんでした。 正彦の思惑からどんどん離れ、信者の中でどんどんと違うものに成長し暴走していく。 想像以上に悲惨な最後でした。 新興宗教の様々な事件が起こるたび、感じていた疑問。 何故、人が宗教に頼り、落ち、狂っていくのか。 その様子がありありと描かれ、疑問の一部を解いてくれました。 本書に描かれた様々な信者たちの姿が非常にリアルに感じられたのは、著者の取材力と描写力の為せる技でしょう。 とにかく凄い作品でした。 上下巻、900ページ超ですが全く飽きることなく、一気に読みました。
心が壊れてゆく恐怖‥‥
作られた虚構でしかない新興宗教団体。 しかし、そこで人間の営みが行なわれれば、虚構だったはずのものが否応なく現実となって、ひとりひとりを苦しめてゆく。 信者の盲信と暴走、それを止められずにどんどん追いつめられてゆく教祖。そして、ついには最悪の結末が‥‥。 心が壊れてゆく。 団体そのものが壊れる、ということ以上に、そこにかかわるすべての者の心が壊れてゆく。 それを深く描いた小説である。心理描写が非常に巧みであった。 ひとりひとりの登場人物の、リアルな描写も際立っている。 小説そのものも虚構ではあるが、すぐ目の前で現実にその場面が繰り広げられているような、ある意味で「ぞっ」とするような凄みのある小説だ。

陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)

[ 文庫 ]
陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)

・伊坂 幸太郎
【祥伝社】
発売日: 2006-02
参考価格: 660 円(税込)
販売価格: 660 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 96円〜
陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)
伊坂 幸太郎
カスタマー平均評価:  4
とにかく軽快!
タイトル通りの陽気なギャングの軽快軽妙物語! おもしろくて軽くてあっという間に読めます。 いい意味でも悪い意味でも他の伊坂作品とは違い軽いです。 たまにはこんな軽いものを読んでもいいなと思いつつ、 これなら伊坂さんでなくても、 他の作家作品でもいっぱいあるような・・・、 というような多少の複雑な気持ちは抱きます。 とにもかくにも軽くておもしろいことには間違いないです。
ロマンはどこだ
初出は2003年2月、文庫化は2006年2月20日。伊坂幸太郎の第3作だが、幻の処女作『悪党たちが目にしみる』を原型にして、リベンジを期すかのように書かれている。『リベンジ』というのは、『悪党たちが目にしみる』がサントリーミステリー大賞の最終候補作の3作に残ったときに、大勢の人を招いて開催された最終選考会で、選考委員から徹底的に叩かれた事に対する『リベンジ』である。文学界の一部に巣くう『選考委員』に対する不信感はこの時に始まっているように感じられる。 この作品はほとんどが会話で出来ているのだが、会話の内容が正に伊坂幸太郎で、『原点』を感じる作品だ。2006年5月に大沢たかお、鈴木京香、松田翔太、佐藤浩市の4人組で映画化もされている。伊坂幸太郎独特の言い回しが冴えていて、とても映像的だ。 もうひとつ、魅力的なのが伊坂幸太郎の選択する音楽のセンスの良さだ。そして、『曲が始まって百四十七秒のところでリー・モーガンのトランペットが飛び込んでくるところが最高だし・・・クリフ・ジョーダンのソロは七十一秒後。ウィントン・ケリーのソロは二百三十三秒後』とくる。すばらしい。逆に言えばこういうところが『選考委員』にはちんぷんかんぷんなんだろうと思う。悲しい文学界である。
陽気なギャングが地球を回す
サスペンスの中に分類されると思うんですが、4人の個性的なキャラクターが主人公という事でなかなか笑える作品でした。物語の中にいくつもの伏線があり最後の30ページぐらいでどんでん返しって感じの面白い作品だと思います。
味のあるやりとり
 特殊能力のある4人がチームを組み、銀行強盗をはたらく話。  ほとんど趣味としてこなすそれは、スタイリッシュで、切迫感は無い。 楽しんでいるのだ。  伊坂氏の作品では、登場人物たちの交わす会話が生きている。本作品では、特 にそこが際立っている。  あっさりとしたエンターテイメントとして、彼等の銀行強盗劇を楽しめるはず だ。
よくできているとは思いますが
豊富な知識をベースに 緻密な筋立ての小説を書ける作家さんであることは誰もが認めることでしょうが なんの人格描写もない「悪い若者」を出して主人公たちがとっちめて縄で縛って 「受けてきた教育がわるい」だの、コバンザメみたいな悪党を「周りに流されて生きてきただけの人間」だの、そこまでストーリー上重要でない箇所での主人公たちの発言がすこし 鼻につきますが、うまくまとまっている小説であるとは思います。

天使と悪魔(下)

[ 単行本 ]
天使と悪魔(下)

・ダン ブラウン ・越前 敏弥
【角川書店】
発売日: 2003-10-31
参考価格: 1,890 円(税込)
販売価格: 1,890 円(税込)
 Amazonポイント: 18 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 1,198円〜
天使と悪魔(下) ※一部大型商品を除く
ダン ブラウン
越前 敏弥
カスタマー平均評価:  4.5
イラスト付きの方が断然面白い
 反物質なるものが出て来るが、これはフィクションだろう。ただ、一般にはよく分からないバチカンの法王選挙「コンクラーベ」の様子がわかり興味深い。サスペンスはダ・ヴィンチ・コードに劣らないが、とても残忍なシーンが数カ所あり、クライマックスの場面も残酷で、後味が悪い。読後感はダ・ヴィンチ・コードより遙かに劣る。Special Illustrated Editionの方を読んだが、写真が豊富で、ローマを訪れたことのある読者には、Illustrated Editionの方が断然お勧め。 (呑気泡亭)
読み進め易くなかなかおもしろいが・・・
宗教象徴学者ラングドン・シリーズの第一作目。「ダヴィンチコード」の前編にあたります。 シリーズ2作目のダヴィンチコードがベストセラーになって、こちらも注目を浴びるようになりました。映画ももうすぐ公開されますが、はてさてダヴィンチコードほど注目を集めるかどうか? ダヴィンチコード同様、難解そうなテーマですが、歴史ミステリーとか好きな人ならさくさく読み勧められます。 なかなかおもしろかったんですが、内容に疑問も残ります。 スイス警護隊隊長からセルンのコーラーに連絡がいった経緯が不明。 その時点では反物質だと分かってないはずなのに、なぜセルンに連絡したのか? 反物質の容器にセルンのロゴでも記されていたのか? そのうち説明されるだろうと思ってたら最後まで謎のまま。 さてはそれがセルンから盗まれたものだと知ってる=黒幕か?と思ったが・・・ ラングドンもそこに言及しないし・・・ これ明らかに筆者のミスでは? 後、映画ではキリスト教団体への配慮からどうなるか分からないけど、勧善懲悪好きな自分としてはラストに不満が残る。悪事は悪事として公にして裁きにかけるべきだと思う。 2作目のダヴィンチコードのほうが読み物として完成されてる。
親の話は最後まで・・・
「ダヴィンチコード」のあとに読みましたが、先に書かれたのはこちらのほうです。両書の構成はまったく同じといってもいいのですが、それが邪魔にならずに一気読みできます。「ヤヌス」と名のる犯人探しはその名前から、あまりにも簡単に推理できますが、それでも面白さはそがれません。ハリウッド映画にするにはうってつけのというか、いかにもアメリカ人好みの作品です。  それにしても両作とも、育ての親の話を最後まで聞かずにとんでもない勘違いをする重要人物が出てきます。親の話しは最後まで聞いたほうがよいようです。
これはPocket Booksペーパーバック版のレビューです
 スイスの欧州原子核研究機構で研究者が惨殺される。彼の胸にはある文様が焼印されていた。研究機構の所長はアメリカからsymbologistのロバート・ラングレンを強引に呼び出し、事件の背後にはキリスト教によって迫害された歴史を持つ科学者の秘密結社Illuminatiが存在すると語る。そして結社は研究機構が開発した反物質を用いてテロ活動を行おうとしている。事件解決を目指してラングレンが向かったバチカンではおりしも新しい教皇を選ぶためのコンクラーベが開かれていた…。  以前読んだ同じDan Brown著の「Deception Point」とこの「Angels & Demons」には共通する要素があります。巨大な力をもった組織をめぐる壮大なミステリー、虚実ないまぜの細部と薀蓄にこだわった疑似科学、ほぼ24時間というわずかな時間に凝縮されたスピーディな物語展開、どんでん返しにつぐどんでん返し、そしてこれだけ小難しげに見える物語を問題なく理解させる平易な英語。569頁という大部の著作でありながら、一気呵成に読ませる筆力はさすがとしか言いようがありません。  荒唐無稽なエンターテインメント小説なのですが、それでもこの本がテーマとしている宗教と科学の長年に渡る相克については、考えさせられるものがあります。  このペーパーバックの378?383頁で、科学によって人類が見失ってしまった畏怖や畏敬の念といったものについて登場人物のひとりcamerlengoが独白していますが、熱心な宗教信者ではない私であっても、この彼の言葉には大きく胸ゆすぶられる思いをしました。  本書を興味深く読んだ人には渡辺正雄「科学者とキリスト教」(講談社ブルーバックス/1987年)がお勧めです。  ガリレオなど科学者がこの世界や宇宙の中に神の存在を感じ取る意図を持って研究を進めていたことがよく分かる書です。
“A hundred thousand miracles are happening every day” (Flower Drum Song)
Robert Langdon a Harvard symbologist is woken in the middle of the night by a phone call that is going to change his life. This phone call may also change our lives. Dan Brown weaves many story threads in to a tapestry of intrigue. The story takes place over a 24-hour period. A positive thing about this tale is that it is told in a linear fashion with very few flashbacks except when it is necessary for a back story. In this story he treats Robert Langdon’s character like Langdon is not aware of many, well known technical items and theories; this may be true of Robert Langdon, but Dan Brown also irritatingly treats us like we don't know these things! On the surface, we are treated to a “who did it” and “will we get there in time” story. However, we are also confronted with science versus religion. Is science and religion like oil and water or is science and religion just two of the facets of God?

TOEICテスト出まくりキーフレーズ 【CD付】

[ 単行本 ]
TOEICテスト出まくりキーフレーズ 【CD付】

・高橋 基治 ・武藤 克彦 ・早川 幸治
【コスモピア】
発売日: 2005-09-01
参考価格: 1,575 円(税込)
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( 在庫あり。 )
中古価格: 150円〜
TOEICテスト出まくりキーフレーズ 【CD付】 ※一部大型商品を除く
高橋 基治
武藤 克彦
早川 幸治
カスタマー平均評価:  5
習うより慣れろ、ですね
皆さんのレビューを参考にして、購入しました。  本書の中身を実際に見て、皆さんのコメントが 恐らく各自のレベルに応じた感想になっていて、 どのコメントも間違っていないと思いました。 本書は「習うより慣れろ」で、カギとなる フレーズを繰り返して読み・聞いて、同様の フレーズに出会った時に、意識して考えずとも、 反射的に理解する感覚を養うのに適していると 思います。 その他内容については他の方々のコメントで言い 尽くされていますが、敢えて付け加えるとすれば、 付属のCDは、本文の例文が順番に米語発音、 英語発音で交互に、つまり最初の例文が米語発音で、 次の例文が英語発音で、というように収録されて いますが、欲をいえば、一つの例文について 米語と英語の両方の発音で収録してあれば、 正に言うことなし!なのですが。 なお、表紙のデザインを気にされている方が いらっしゃいますが、本書の表紙のデザインが、 昔のアルク刊「起きてから寝るまで表現550」 (本&カセットテープ)に似ていたので、 最初私はてっきり本書もアルクの本かと思いました。 本の装丁デザインを同じ方がされたのでは ないでしょうか。蛇足ながら、現行の「起きて?」 (本&CD)の表紙は全く違うものになっているようです。 それにしても、カセットテープ版だなんて、 私の年代がバレちゃいそうですね。
いいですね
はじめに本を見ないでCDを聞いていたら何て言っているのか聞き取れない例文が 多数ありました。本を開けてみると平易な表現が多く、自分のヒアリング力のなさ を痛感しました。TOEICの点数が頭打ちになって3年、いろいろな教材を試してみた のですが、良書のひとつです。 ・例文の説明がほとんどついていない ・質問文の回答例があったらよかった 等つかいはじめて不満に思うことはありました。しかし、これらは余計なものと して本書から削除されているようです。反復練習用の教材です。
TOEIC の効率的学習に最適!
2005/09/09 から再版を重ねること第五刷,売れている理由はそれなりにあると思います.本書籍で勉強して TOEIC で何点取れるかはこれから試してみたいと思いますが,CDを合わせた効率的な学習ができる点は評価できます.単に練習問題を解くパターンの勉強方法にこの書籍を用いた勉強方法を加えると,学習の質は上がると思います.まずはこの書籍に取り上げられたキーフレーズを一通り覚えれば(ヒアリングも含めて),600点以上は採れるのではないでしょうか?
覚えるまで何百回も繰り返して630→880に!
TOEIC630点の時この本購入して 例文500個を覚えるまで ひたすら何百回も黙読・音読・聞取・書取しました。 (それプラスTOEICの問題演習を2000問ほどやりました) その結果約1年間で880点にまでなりました。 この本はTOEIC対策のエッセンスが凝縮されてますので 覚えるくらいまでやるとものすごく力がつきます! あれこれやるよりこれ1冊ひたすらやることをお薦めします。
いろんな意味でシンプルです。
例文が見開き1ページに数個から10個くらい載っている。下部に訳と、場合によってごく簡単なコメントが書いてある。そして、それを読み上げるCDがついている。たったそれだけの教材です。しかし、そのシンプルさが良い。簡単なので使いやすく、特に迷うこともありません。私は、DUOのKeyPhrase 版のような感覚で、シャドーイングしながら使っています。CDに変な音楽も入っていないし、淡々と繰り返しやれます。 解説はほとんど書いてありません。これはあくまでも重要なキーフレーズを確認するだけの本だと割り切ればいいので、それはそれでいいのですが、ある程度手厚い解説を期待される方はこの点をあらかじめ考慮されておいた方がよいでしょう。それから、本書は類似表現や反対表現を関連付けて一緒に覚えようとする人への配慮はあまりなされていません。あまりにも散発的で、細切れで、バラバラです。関連フレーズもしくは同じような場面でつかえる表現もチェックしながら体系的にまとめ覚えしたいあるいは確認したいという学習者には本書は向いていないと思われます。 私は類似表現や反対表現も一緒に確認しながら覚えていきたいタイプなので、その点がちょっと不満なのです。DUOのように解説部分に類似表現や反対表現や紛らわしい表現をもっと加えるとか、索引や付録でカバーするなど、工夫の余地があると思われます。 尚、378では、テキストでは「study」となっていますが、ナレーションでは「student」になっています。あと、いずれにせよこれは勉強のための本なのでどうでもいいですが、本書の表紙の写真はなぜ本書でこれなのかよくわかりません。いくらなんでも、もうちょっと違うデザインでよかったのではないでしょうか。

イノセント・ゲリラの祝祭

[ 単行本 ]
イノセント・ゲリラの祝祭

・海堂 尊
【宝島社】
発売日: 2008-11-07
参考価格: 1,575 円(税込)
販売価格: 1,575 円(税込)
 Amazonポイント: 15 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 820円〜
イノセント・ゲリラの祝祭 ※一部大型商品を除く
海堂 尊
カスタマー平均評価:  3.5
ゲリラ万歳!
チームバチスタから、ナイチンゲール、螺鈿迷宮、ジェネラルルージュと読み続けてきましたが、 常にどこかで話や登場人物が繋がっていて、ついつい続けて買ってしまっています。 本題のストーリについては、主に霞ヶ関周辺で話が進んでいて、あまり医療現場での展開はない 本作品ですが、相変わらずの白鳥と田口のやり取りは健在で安心しました。 一方で、ミステリー作品ではなくいろいろな思惑を持った人々の論理展開の攻防をもっと期待して いたのですが、最後は・・・。 毎回、個性的な新キャラが出てくるので、そのあたりは楽しみです。 今後も海堂さんの作品にも期待しています。
何だこりゃ
今までの作品とはかけ離れている。全然ミステリーっぽくない。「ジェネラル・ルージュ」がよかったから、ちょっと残念。新刊買うことないですよ。
これはなにかの前哨戦
こんなに不吉な予感がいっぱいで終わられると、どうにも居心地が悪くなる。 田口が厚生労働省の会議の委員に引っ張り出されるまでの前半は、テンポのよい会話に笑わせられながら、するすると読み進んだ。 後半は厚生労働省の会議の連続。官僚主義に対する批判は舌鋒鋭く、かつ、皮肉たっぷりだ。 これは小説じゃないと書けない。創作だから許される。うかつに書くと後が怖そう。 そんな風に感じてしまう私の感性は、それだけ官僚主義社会を信頼していないということである。 そんな風に感じてしまう文章を書き上げた作者が、イノセントなゲリラを企図しているのだと思う。 今のままで医療ユーザーが無関心を保つとどういうことになるか。作者はミステリーを書きたいのではない。警告を放つ訴状を書きたいのだと感じる。 この物語はここで終わらない。ハッピーな展開は期待せずに、次を待ちたいと思う。
議論ばかり・・・
今回のシリーズはミステリーっぽくない。医療事故死の死因究明のあり方を、 さまざまな人間が議論する展開になっている。役人、医療従事者、法律学者、 遺族代表などなど。誰もが自分の立場から言いたいことを言いたいだけいうので 収拾がつかない。おなじみの登場人物田口や白鳥も、今回は影が薄い存在に なってしまっている。壮絶な議論はそれなりに面白いのだが、述べられている 内容がくどすぎる。今の医療の問題点を滔々と述べるのはいいのだが、度が 過ぎるとうんざりしてくる。作者の思惑は、読み手を楽しませることではなく、 この作品で自分の考えを主張することなのか?と勘ぐりたくなる。明らかに 今までのシリーズとは趣が異なる。ラストもかっこよく決めようとしているの だが、なんだかすっきりしない。田口や白鳥に、もう少し活躍してほしかった・・・。
これはサーガの第1章
今までの諸作品は全て、ミステリーの形をとった「登場人物紹介」に過ぎなかった!と、今作品を読んで感じました。「ひかりの剣」でチラリと姿を見せた人物が、影の主役として登場し、これで役者は揃った感があります。「ジーン・ワルツ」で言及されていた重要な事件も、この作品の中で初めて起きます。裏にあるものをほのめかせつつ。 海堂さんは日本の医療行政に異議を申し立て世に警鐘を鳴らす手段として、このフィクションを用いているのかな、と感じます。 この架空世界の医療行政は、どう進んで行くのか? 「医学のたまご」において、かつて一度崩壊したと語られていた、未来の桜宮の医療は。第2章を待つのが怖いような楽しみなような…。

聖女の救済

[ 単行本 ]
聖女の救済

・東野 圭吾
【文藝春秋】
発売日: 2008-10-23
参考価格: 1,700 円(税込)
販売価格: 1,700 円(税込)
 Amazonポイント: 17 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 677円〜
聖女の救済 ※一部大型商品を除く
東野 圭吾
カスタマー平均評価:  4
犯人の存在感
映像を観たせいで湯川の声が福山雅治さんの声になり、時々内海刑事が柴咲コウになってしまう。この小説は映画にはならないのだろうか。映画になるのなら犯人はどんな俳優さんが演じるのだろう。この本の犯人は怖い。この怖さ、存在感は想像の世界にのみにあるような気がする。東野さんの挑戦だろうかと思った。トリックがもう少し納得させられるものだったらもっと嬉しかった。
タイトルの意味がわかったときゾッとしました
犯人はわかっている。でも、その人物には鉄壁のアリバイが・・・。 どうしてその人物に犯行は可能だったのか・・・・。 緊迫感やスピード感は少ない物のただ一つの答えを追い求めるだけのシンプルさで読者をグングン引っ張ります。 最後の方でタイトルの「救済」の意味がわかったときはゾッとしました。 通常ではありえないようなトリックを可能にさせたのは犯人の凄まじいまでの執念・・・。 綾音さん、宏美さん、潤子さん・・・女心の深みを解き明かすには、やはり内海刑事の女性ならではの発想は不可欠だった。 はじめはいつか映像化するために無理やり登場させたキャラに思えたけど、 内海刑事なしではこの事件の本当の意味での解決は不可能だったかも!? 今作の主人公はあくまで女性たち。 トリックの不可能さに驚くよりも、女の情念の深さを読むべき作品だと思います。
逆転の発想
本作は、ガリレオこと湯川准教授が活躍する長編の第2弾です。 「容疑者Xの献身」「悪意」「眠りの森」等の要素が盛り込まれていると思いました。 すなわち、被疑者の直情、犯行方法と動機の解明が主眼、刑事の心の動揺、 といった要素が本作を構成していると思えるのです。 特に好きなのは、草薙刑事の揺れる想いであり、冷徹に振舞うべき捜査官が、 ほのかに抱いた恋愛感情に苦悩するという心理描写に共感を覚えます。 新キャラ内海刑事の融通が利かないとでもいうべき、冷静沈着ぶりも、 草薙の揺れを浮き彫りにする効果を発揮していると思います。 反面、犯行方法と動機については、 「虚数解」というキーワードに象徴される、 殺そうとするのに…という、逆転の発想に目新しさを感じますが、 どうも非現実的に思えてなりませんでした。 ガリレオ長編としては、「容疑者X?」の方がお薦めではあります。
微妙だなぁ。。
「容疑者x」以降、東野さんちょっとパワーが落ちてるような気がする。 もちろん今作も、読み易さは抜群だし、そこそこ魅力的なキャラクターが出て、 まあトリックも(ありえないながらも)「ほぉ?」と感心するような内容です。 ただ、全てにおいて中途半端な感が否めませんでした。 まず刑事側が、草薙1人体制から草薙&内海の2人体制にシフトした事によって どうしても焦点がぼやけてしまう。特に内海が中途半端。 各種のヒントや内海が綾音を怪しいと思う観点がどうも唐突すぎる。 で、それを「お前は勘が鋭いから」の一言で済ませてしまう。。。 あとは湯川。 今までも協力してもらってるからと言って、あれだけ内部情報をリーク させるのはどうかと思うし、何だか物語を無理矢理収拾させるための 「都合のいいキャラ」に成り下がってるような。。 ガリレオ長編という事で、どうしても容疑者xと比較してしまうんですが、 あの時の湯川と石神の息がつまるような頭脳戦や、クライマックスの衝撃、 それらに比べると、何とも中途半端な感じがします。。 東野さん好きなんですが。。最近どうも、、ね。。
草薙刑事と内海刑事が活躍
ガリレオシリーズの長編。 「おそらく君たちは負ける。僕も勝てない。これは完全犯罪だ。」 帯を読んだ時点で、湯川を苦しめるほどの 難事件なんだろうなぁ…と予測。 読み始めると、先が気になってどんどん読み進められる。 今回は、犯人はわかっているけれど トリックがわからない、という事件。 そして、今回は、草薙刑事と内海刑事が大活躍。 内海刑事はドラマのイメージが先入観としてあったけど 原作の方がしっかりしてる感じ。 常に冷静で、女性ならでは、の勘で、どんどん核心を突いていく。 ま、ちょっと強引すぎる点もあったけど(苦笑) 草薙刑事も、今までの頼りないイメージから ちょっと浮上した感じかな? そのせいか、湯川の存在感がかなり薄め…かも。 あと、今までの作品に比べて ドラマのイメージが定着してしまって 頭の中にドラマのキャラクターが浮かんでくるのは よかったのか悪かったのか(笑) トリック自体は、湯川が語る通り「虚数解」。 「理論的には考えられるが、現実的にはありえない」 う?ん…さすがにかなり強引さは感じられたけれど そこまでに至った綾音の心情を考えれば可能なのか。 義孝の性格は女の敵だと思うけれど それでも、やっぱり東野圭吾に描く女性像は 芯が強く、そして恐ろしい。

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 更新日 2009年5月10日(日)  ※ 表示価格は更新時のものです!      メール      相互リンク

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