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[ 文庫 ]
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灰色の巨人―少年探偵 (ポプラ文庫クラシック)
・江戸川 乱歩
【ポプラ社】
発売日: 2009-05-05
参考価格: 546 円(税込)
販売価格: 546 円(税込)
( 在庫あり。 )
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・江戸川 乱歩
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カスタマー平均評価: 4
カバー絵は武部本一郎 ポプラ文庫クラシック版少年探偵シリーズの続刊は、前回からは巻数が一気に飛んで、第24巻だった『鉄塔王国の恐怖』を含む、順序としてはバラバラな状態で発売された。
「26巻まで確実に出しますよ」との宣言なのかもしれない。
この『灰色の巨人』は、旧版では第19巻であった。
ご覧の通り、本作のカバー絵は、少年探偵団シリーズではおなじみの柳瀬茂画伯の作品ではなく、武部本一郎画伯の作品である。
「にじの宝冠」をかぶった「サーカスの女王」は、火星のプリンセスのようでもあり、背後の「灰色の巨人」も、何だかスペースオペラの登場人物のようだ。
まさに、ひと目見て武部画伯の筆とわかる画風である。
そして少年探偵は、夢見るような眼差しの、すばらしい美少年として描かれている。
こうしたカバーは、こどもにとっては、内容への期待をいやがうえにも高めるものであった。
もっとも、その内容は、大人が読み返せば、明智小五郎対二十面相の定番的要素を寄せ集めたものに過ぎず、特に新味を感じさせるものではない。
むしろ、きらびやかな宝石、サーカス団の美少女、ルパンの奇岩城を連想させる怪盗の本拠地、空中への脱出劇等々、こどもが安心してひと時をすごせるワンダーランドであった世界を、素直に楽しみたい。
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[ 文庫 ]
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海底の魔術師―少年探偵 (ポプラ文庫クラシック)
・江戸川 乱歩
【ポプラ社】
発売日: 2009-05-05
参考価格: 546 円(税込)
販売価格: 546 円(税込)
( 在庫あり。 )
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・江戸川 乱歩
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カスタマー平均評価: 0
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[ 文庫 ]
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さまよう刃 (角川文庫)
・東野 圭吾
【角川グループパブリッシング】
発売日: 2008-05-24
参考価格: 740 円(税込)
販売価格: 740 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 18円〜
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・東野 圭吾
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カスタマー平均評価: 4
自分なら・・・を地で行く 主人公の中年男性が、娘を強姦して川に捨てた2人の少年をブッ殺しに行くというストーリー。
「どうせ奴らが捕まっても、少年法で2、3年で出てきてしまう。それなら警察より先に見つけて復讐を遂げよう」これは正義なのか。父親、警察、第三者、様々な立場の人々が悶々と考え続ける。
いつも不思議に思っている。法廷で、傍聴席から被告の頭を隠し持っていた鈍器で殴りつける輩がいないことを。
いつも疑問に思っている。少年法は少年の更生の視点から、というが、そんなのは昔の髭を生やした高尚なオッサンが考えついたコンセプトで、国民の合意を得られていないことを(裁判員制度と一緒だ。いつの間にか出来ていた)。
東野氏は自分の考え方を押し付けるのではなく、世に浮かぶ悶々とした思念をカタチにするのが上手い作家だ。おそらく相当の読者がこう思ったことだろう。「彼に死を」。 初東野作品だったが 「流星の絆」をドラマで見て面白かったので初めて読んでみました。
先日「悼む人」を読んでいたのでなおさらかもしれませんが、「悼む人」が数年を費やして練り込まれた映画としたら、この作品はTVのサスペンス劇場といった感じです。
あまりにも重すぎるテーマを描き切るには至らなかったという印象を否めませんでした。
諦めきれない作家ではあるので今度は「秘密」を読んでみようと思います。 夢中度No1 最近読んだ小説では夢中度No1でした。
スガノカイジとトモザキアツヤ、
いくら小説の登場人物と言えども
彼らに対してはらわたが
煮えくり返るような思いで
夢中で一気に読み続けました。
娘を持つ身としては、
胸が苦しくなるような悲惨な描写に
涙が出そうになりつつ
最後長嶺が救われるような結末を期待しました。
話はスピーディにグイグイ進んで
東野圭吾うまいなぁと
思いつつ読んでいたのですが結末が…。
もうこのショックは
しばらく抜けませんでした。
泣きそうでした。
へこみそうになってもいい方、おすすめです。 感情移入 ここまで感情移入した本は初めてかもしれません。
実際に殺人事件が起きても関係のない人たちにとっては単なる事件の一つに過ぎず、怒り、悲しみなどの感情を本当の意味で理解できるはずはないと思います。
この本を読むことによってそうした感情を少しでもわかるようになれば良い世の中になるのではないでしょうか。
それにしても東野圭吾さんの作品はどれも秀逸ですね。 読んで損なし、というより読んだほうがいいです 東野圭吾さんの小説を読む度に文章の書き方に「この人、天才だな」と毎回思わされますがこの作品は読み始めて深夜までずっと読み続けてしまいました。犯人に対する憤りで本を持つ手を震え息も荒くしながら読みました。私は二児の父ですが自分の子供が同じ目にあえば主人公と同じく犯人を殺したいと思うでしょう。仇討ちの認められない現代、しかし法が被害者の気持ちを代弁してくれているとは到底思えない。死刑を反対する人もいるけれど人の命を奪って何で償えるというのか?みんなやってはいけない事など分かっているはずなのに、凄惨な事件がたびたび起きている。被害者の遺族の気持ち、そして加害者の親も作中で出てくるのだが自分の子はそんなに悪くなく共犯の友人に無理矢理やらされたんだと言う加害者を生み出す親の「自分の子供に限って・・・」というような盲目的な愛も伺える。自分の子が一番大切だと思うのは当然だろうけど、他の子供の親もそう思っているであろう事をなぜ考えないのか?自分の家族を大切にできない人間が他の人間を大切にできるはずがない。この小説を読んで事件がなくなるわけでもない。法が改正されるわけでもないけれど問題提起作品として、また東野圭吾さんの感情を引き込む文章を堪能してもらう為にも、ぜひ読んでほしい作品!
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[ 文庫 ]
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鉄塔王国の恐怖―少年探偵 (ポプラ文庫クラシック)
・江戸川 乱歩
【ポプラ社】
発売日: 2009-05-05
参考価格: 567 円(税込)
販売価格: 567 円(税込)
( 在庫あり。 )
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・江戸川 乱歩
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カスタマー平均評価: 0
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[ 単行本 ]
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流星の絆
・東野 圭吾
【講談社】
発売日: 2008-03-05
参考価格: 1,785 円(税込)
販売価格: 1,785 円(税込)
Amazonポイント: 17 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 515円〜
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・東野 圭吾
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カスタマー平均評価: 3.5
ハヤシライスが食べたくなります 読みやすくて寝食忘れるほどに読みふけりましたが、途中「?」という違和感あり。
3兄妹が詐欺に手を染めるようになった動機がいまいち。
彼らは施設で育ち、恵まれない環境のなかでも肩を寄せ合って生きてきたのだろうけど、
そのへんの苦労話がまったく描かれていない。
彼らには燃えたぎるような復讐心や苦労をくぐり抜けてきたハングリーさがあるはずなのに、それを感じない。
3人が詐欺に手を染めるようにまでなってしまったことに同情もさほど感じず、3人の復讐心にのっかれなかったのはそのせいだ。
そのへんをもう少し丁寧に書いてくれればずいぶん違っていたはずなのに残念です。
3人が犯人と思って追い詰めた相手との直接対決のシーンまで手に汗握る。
でも、そのあとに訪れるどんでん返しの真実をこんなにあっさりと描いちゃうなんて反則でしょう。
復讐の最大の障害になる「妹の恋心」もうまく生かしきれてない。
もっとシーの胸が苦しくなるような葛藤を見せてくれないと・・・。
彼らのこれからの生き方・・・希望が見えるような結末にはなってるけどこれで良かったのかなぁ。
面白かったけど、後半になるにつれて尻つぼみ。
「白夜行」のようなゾクゾクするような東野圭吾にはもう会えないのでしょうか・・・。 ありえない設定 登場するある夫婦が、現在はいかにも所謂セレブらしく暮らしている・・・経済的にも精神的にも・・・という設定に無理があります。
人間、大人になってからの十数年でそうは変われません。
しかも、夫婦揃ってというのはあり得ない。
もし、この本が初めて読む東野作品だったら、もう二度と手に取らなかったと思います。 あまりにも…… 他の方も書いていらっしゃいますが、やっぱり東野圭吾作品としては、あまりにも雑さが目立ちすぎ、貧相な小説というしかないですね。これを単行本の値段で買わされてしまうと、損をした、騙されたと言いたくなります。情感が伝わってくるような地の文もなく、会話文も雑だから登場人物にも魅力が感じられず、文章が粗いために、ストーリーもただ駆け足という印象です。東野さんなら、他にもっといい作品がたくさんありますから、慌ててこれに手を出す必要はないかと思います。 欲張り過ぎかも 基本的には娯楽小説のカテゴリーで、本格ミステリーとか推理
小説とか要素は薄い作品だった。
幼い3人兄弟の両親が刺殺されるというショッキングなスタートにも
関わらず、その後の展開は比較的軽いモードで展開。
ただ、最後は“エ?”という感じ結末。あまりにも動機が希薄過ぎる。
テーマや設定としては面白いが力点が分散しているのが残念な思い。
それでも楽しく読むことが出来ました。
途中までは本当に面白い! 私は、この話でいちばん魅力的な登場人物は戸神行成だと思います。彼なしでは流星の絆は成立しなかった。三兄妹よりも圧倒的に存在感があり、魅力的な人物だと感じました。 真犯人が解る場面までは、本当に、ページをめくる手が止まらずハラハラしながら楽しく読んでいたのですが、真犯人の存在にがっかりしてしまいました…。 犯人が解ってあんなに落胆したのは初めてです。 今までの流れが台なしというか…。 余りにも安易すぎるのでは…?と、がっかりしてしまいました。 物語のラストは好きです。 功一が行成にある物を買ってもらう場面、それを受けて行成がする行動、最後の言葉にはとても感動しました。東野さんらしい、話の中でやってきた事を生かした、印象的なラストだと思います。でも、やはり、どうしても、真犯人の正体や真犯人に関する事が…安易で雑な描写に思えてしまいました。 安易にあてはめた真犯人だったとしても、動機等でもっと納得させて欲しかったなーと…。その場面までは本当に、続きが気になって気になって仕方ない展開だったので…残念です。なので星三つで。 欲を言えば、泰輔に関しての描写ももう少し細かくやって欲しかったです。 功一と静奈ばかりに偏り過ぎなような気がしました…。 東野さんの作品でしたら、私は「流星の絆」よりも、「トキオ」の方が断然面白く、内容も深く、泣ける作品だと思います。 親子の絆が感じられる、素晴らしい作品です。
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[ 文庫 ]
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手紙 (文春文庫)
・東野 圭吾
【文藝春秋】
発売日: 2006-10
参考価格: 660 円(税込)
販売価格: 660 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1円〜
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・東野 圭吾
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カスタマー平均評価: 4
日本はいつから連座制? 読ませる小説です。ただ、著者の考えに賛成できないので、楽しんで読むことはできませんでした。犯罪者の家族も罰せられねばならないーこれは、連座制の思想です。一族全員に罪が及ぶぞ、それが嫌なら、おとなしくしていろ、という、一種の恐怖政治です。
「差別は当然なんだ」という社長の言葉に賛成している方がたくさんいるようですが、わたしには到底、受け入れがたい意見です。この社長が言っているのは、最も卑怯な「ことなかれ主義」をさも深遠な思想のように述べているだけだと思いました。主人公の直貴君はなぜか素直に社長の意見を聞いています。これが不思議です。直貴君が取るべき道は、1、兄さんの件を隠して生きる、2、自分は悪くないのだから、堂々としている、のどちらでもなく、3、差別による不当な配置転換の是正を求めて、この社長と会社を法廷に引きずり出す、です!
そこまでしなくても、と思われますか?でも、戦わなければ、いつまでたっても差別はなくなりませんよ。三歳の娘までが、差別を受けるのが不憫だ、などとぼやいてる間に、行動を起こしたらどうでしょう、直貴君。
主人公に同情できる方には、感動の物語なのかもしれませんが、わたしは好きになれませんでした。 面白かった。 兄弟を描いた作品が大好きで、こちらもすごく面白かった。 さまよう刀=被害者家族 流星の絆=被害者家族 の物語だったが、 手紙=加害者家族の物語だ。 実に面白い。 私も今のところは、被害者家族にも、加害者家族にもなっていないが、小説を読んで大いに想像できた。 直木賞狙った云々の実際は、 知らないが、 それほど浅い内容ではないと思う。 世の中浅い本が溢れていますが、この本は決して外れではない。 家族に見限られる程に悲しいことはないし、 昔の甘栗の思い出に妙に固執する兄の心情も分かる。弟や母を自分のアイデンティティにしていたのかもしれない。 音楽のエピソードも、 天国から地獄で、 これが成功物語ではなく、償い物語だということが 分かる。 人と話すたびに、自分の家族が犯罪者であることを、告げるべきかを考えなきゃならないなんて。 家族だから百パーセントは憎めないところも。 この本は一読の価値有ります。 身近ではないのに 身近なところでいつ起きてもおかしくないストーリーだと思う。
小説だからそんなことは当然と思いつつ、あまりにも不遇な人生を送る主人公におもわず涙。
しかし、結局は自分もこの主人公をそうさせている"差別している側”のメンバーの一人だということに気づいてショックを受けた。
「差別は悪いこと」と一元的に教育をされてきたので、なんら疑わずにこれまで生きてきたが、この物語を読んだだけで「果たしてそうなのか?」と気持ちが揺らぐ。
そんな簡単に揺らいでしまうのは、結局心底自分には差別を否定するだけの勇気も無ければ、信念もないということ。
そんなことを思い知らされた。
映画と、原作どっちがいい おもしろい、この作品は映画より原作が好き。
原作のファンは、先に原作で呼んでいるから
映画より原作ということが多いですが、
私は、映画を見てあとから原作を読んだのですが、
映画と違って原作のほうがリアリティがある気がしてよかったです。 人間の偏見と現実を思い知らされる 何の予備知識もなく、東野圭吾というだけで読み始めたのですが、ぐいぐい引き込まれてしまいました。強盗殺人犯の家族というだけでこんなにも偏見、差別を受けるものとは中々想像できないものですが、この小説を読んで仮想体験したような気になりました。途中、本気で刑務所の中の兄が憎くなってきました。
最後のほうの主人公が就職した量販店の社長の言葉がとても良かった。
ただし、恋愛に関してはこの作家の傾向でもありますが、とてもシンプルに書かれていて逆に非現実的な感じがします。本筋を邪魔しない程度という点ではこれでよいのかもしれませんが。
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[ 文庫 ]
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ダ・ヴィンチ・コード(下) (角川文庫)
・ダン・ブラウン
【角川書店】
発売日: 2006-03-10
参考価格: 580 円(税込)
販売価格: 580 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1円〜
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・ダン・ブラウン
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カスタマー平均評価: 4
さて、やっと最後。 ダ・ヴィンチ・コードよりもはるか昔に書かれた本を知っていますか?
「ダ・ヴィンチ・レガシー」です。
よく研究されよく練られたダ・ヴィンチ・コードより面白い。
映画や本をあまりしらない人は、ダ・ヴィンチ・コードより劣ると言う。
読んでみられてから判断してください。 あいかわらずうまい! 上中下巻、おもしろくて一気に読みました。
下巻もスピーディーに展開します。
最後の礼拝堂での謎のあたりは、謎の大きさの割には、
謎を解いた後主人公たちが淡々としている気がします。
ことの重大さぐあいが、あれ?こんなもの?と思ってしまいました。
最後のオチはうまいなぁと感心しました。 扱い方がうまいと思いました。 何か新しいことを教えてもらえるのかと思って読んだのですが、そう言う意味ではちょっとがっかりでした。荒俣さんだって書いてたし。テンプル騎士団のことは解って書いていたのかなあ。でも、料理の仕方が抜群にうまいと思いました。黒幕やヒロインの秘密は、直ぐにバレるように書いてありましたけど、キモは聖盃の位置ですよね。ちゃんと読んでいれば解るように書いてあったのに、考えずに答えを読んで失敗でした。もっと楽しめたのに。これ実は推理小説として楽しめるんですよね。でも、それはさておき、危機また危機の展開をしっかり楽しめました。マイケルクライトンもそうだけど、使い古されたテーマを、もっとおもしろく書けるって、それはそれですごいと思いました。 知的好奇心をくすぐられる作品としても、十分に楽しめるものであった 2005年度版このミス10 4位。
2004年文春ミステリーベスト10 1位。
ある作品がベストセラーになってから読む場合、期待が大きすぎるせいか拍子抜けすることが多いのだが、この作品の場合違った。「キリスト教」の造詣の深い人が読めば感想が異なるのかもしれないが、少なくとも私にとっては、ミステリーとしても、知的好奇心をくすぐられる作品としても、十分に楽しめるものであった。 おもしろかったんですが… 上・中・下と一気に読みました。話題の本だけあって、なかなかおもしろかったです。
ただ、前半に「この人が黒幕かもしれない」と思っていた人たちの存在感がどんどん薄れていったので、最後に黒幕がわかった時には「やっぱり…」という感じでした。ソフィーの家族の秘密もほぼ想像通りでしたし。
エンディングも「え?いつの間に謎を解いたの?」とあっけにとられてしまいました。あそこまで引っ張ったからには最後まで丁寧に書いてほしかった、というのが正直な感想です。
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[ 文庫 ]
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オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
・アガサ クリスティー
【早川書房】
発売日: 2003-10
参考価格: 777 円(税込)
販売価格: 777 円(税込)
( 通常2〜5週間以内に発送 )
中古価格: 677円〜
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・アガサ クリスティー ・Agatha Christie
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カスタマー平均評価: 4.5
不朽の名作 やはり年月が経っていても良い作品ですね。オリエント急行という、とても上品な雰囲気が伝わりますね。内容的にもとても考えられた作品だと思います。ミステリ入門者の方にはお勧めです。トリックは素晴らしいですね。 会話の面白さ *原書のレビューです。リンクされてて訳書の方にも出ちゃうみたいですが、興味のない方は読み飛ばして下さい。
ポアロの長編8作目、映画化もされたクリスティー代表作の1つです。
あまり英語力ないのですが、心配していたほどは難しくなくてラッキーでした。(訳書読まずにいきなり原書を読む場合は、多少フランス語の知識があった方がいいです。初級程度でいいと思いますが。他の本より、ポアロのフランス語率が高いので)
文体の印象は明晰で無駄がない感じ。
それが会話部分になると、一転して生き生きする。クリスティについては多くの翻訳者さんが「会話で人物を描写する力の凄さ」を語っておられましたが、原書で読んでみて正に体感!です。(アメリカ人や、使用人階級の人物など、多分にステレオタイプ化されているのでしょうが話し方が全然違うので面白いです。ハードマン氏に至っては、俗語が多すぎてもう何を言っているのかわからない…)乗務員が3ヶ国語で食事を案内するシーンなども、訳書とは違った風情があって良かった。
翻訳を読んでこの物語が気に入られたら、原書の方もお読みになってみてはどうでしょう?
そしてまだお読みになっていない方は、原書でも訳書でも、ぜったいオススメですので、ぜひ
読んでみてください。
釈然としない、3つの謎。 クリスティーと言えば、サスペンス作品の傑作「そして誰もいなくなった」と本格推理の傑作「アクロイド殺し」、それに本書の3つがとくに人気があるが、前2作品はともかく、本書については私は釈然としないものがある。
まず、ハバード夫人の手荷物に入れられていた凶器のナイフ、あれは何のために入れられてたんだ?
凶器を隠滅するためでもなかったのだろうし、だからといってハバード夫人に大騒ぎをさせたかったわけでもなかろう。
次に、これが一番不可解だが、なんで犯人はハバード夫人の車室から隣のラチェットの車室に出入りしたんだ?
犯人は、偽の車掌の制服を用意できたぐらいだから、車室のカギも用意できただろうと本文中に語られており、また実際にカギを手に入れてラチェットの車室に出入りできたはずなので、わざわざハバード夫人の車室からラチェットの部屋に侵入した理由がわからない。
それと、これはどうでもいいといえばいいのだが、ラチェットの秘書、ヘクター・マックイーンって結局何者だったんだ?
私は以上3点が釈然としないので、この作品を傑作とは認めがたい。 小説よりも映画の方が面白い イングリッド・バーグマンとローレン・バコールが出演してるという理由で映画を先に観ました。
これが本当に素晴らしく、原作も読まねば!と手にしたのですが。
…あれ? 何かあまりスリルもなく、面白くもないのは何故…。
この作品はいわゆる密室殺人ものですが、
密室を視覚で捉えるのと想像でまかなうのとでは、緊張感に歴然とした差があります。
しかも舞台はオリエント急行。
この豪華さを味わうには、やはり文字では限界があるんです。
映画は原作に忠実に作られてるので物足りないと感じることはないと思います。
申し訳ないですが、映画を観る方をお薦めします。
初めての推理小説だったが・・・ アガサ・クリスティーの超有名推理小説。
私は推理物と言えば、マンガの「名探偵コナン」ぐらいしか読んだことがなかったので
入門作品としてこの超有名作品を読んでみたのだが、結論から言うとちょっとがっかりした。
というのも、全員の証言が出そろった時点で動機の部分以外の大体の展開が読めてしまい
推理の部分に入っても、予測の範疇を超えるような展開があまり出てこなかった。
更に推理そのものも、状況証拠から論理的に導き出される結論という類のものではなく、
「適当なことを言っていったら、実はその通りだった」
という感じ。正直、ポアロは最初から全てを知っていたのではないかと疑いたくなってしまう。
この後に読んだ「ABC殺人事件」などは傑作だと思ったのだが、
この作品がそれらと同列に語られる理由はいまいちよく分からない。
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[ 文庫 ]
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スカイ・クロラ (中公文庫)
・森 博嗣
【中央公論新社】
発売日: 2004-10
参考価格: 620 円(税込)
販売価格: 620 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 16円〜
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・森 博嗣
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カスタマー平均評価: 4
読みたい順に あえて、出版順に読まず、時系列で読んでみました。
でも、5冊の読後感という観点からは、どこから読んでも良いのではないか?
と感じました。
金太郎飴みたいな感じです。
ただ、細かいけれど、重要な伏線は、出版順に読んだ方が味わえるかもしれません。
とにかく楽しめます。 空は遠い 実は、映画を見てから読みました。
飛行機に詳しくない私には、専門用語はさっぱり解りません。
映像を見た分想像しやすくなったので、正解でした。
読み始めると想像以上に面白く、シリーズを一気に読んでしまいました。
無限ループの軌道に乗ってしまって現在三週目です。
刊行順第一作目の「スカイクロラ」。
淡々と、時に詩のように語られるキルドレの生と死。
その向こうに何が見えるのか。
自分の命を懸ける自由も勇気も持ち得ない大人の私は、例えそれが大人にならない子供達に与えられた数少ない選択肢の一つであったとしても、自分の思うままに、機体に自らの命一つを載せて空へと駆け上がって行く彼らの姿を、羨ましく眺めてしまうのです。
最後の数行、母に甘える幼子のような純粋で愛らしくすらある言葉が、心に響きます。
空を飛ぶイメージ シリーズの内、何巻が最終かどうかなど構成方法については、いろいろ意見が分かれると思います。
作品や作者の分野が何かと言うことには興味はありません。
ただこのシリーズは空を飛ぶことをイメージできる人は素直に物語の中に入り込めると思います。
インメルマンターンとかバレルロールとかのマニューバ関連の言葉とか、エルロン、ピッチなんて航空用語がイメージできないと読んでいて楽しくないと思います。
それくらい飛ぶことについては丁寧に書かれています。
エレベータと聞いてデーパートを思い出すようだと、文体とか作者の過去を引き合いに出したくなるんじゃないでしょうか。
空を飛ぶことをイメージして楽しめる人には、お勧めの本です。
きっとシリーズ全巻を一気に読みきれるでしょう。
そのくらい空を飛ぶことと、空に居ることを丁寧に書いている本です。
シリーズ全作と他の方のレビュー読後の感想 作品内容については、文体にしか触れていません。読まれる方はご注意を。
初めて森さんの作品を読んだ時は、私も好きになれない文体だなと思いました。
ですが、このシリーズを読んでからは、簡潔だからこそ美しい静寂・躍動が表現できているんだと思っています。
ただ、自分の読解力、想像力が足りないだけだったんだなと^^;
まさに、「小説が映画化されてイメージが壊れた、と思う人は、その程度のイメージだっただけ。」だということではないでしょうか。(←コアかな^^;)
小説なんだから、その作品を書いた人、その他大勢の読んだ人の数だけ受け取り方があって、極端に言えばハッピーエンドかアンハッピーエンドかすら違ってくると思います。
結局、その小説が好き、っていうのは、その小説を読んで受け取ったイメージが自分好みだったってことで、このシリーズを特に読み込めなかった人や、著者が書きたかったことがわからないと言う人(著者が書きたいことなんて知る必要は無いし知ることなんてできないと思いますが)は、ただ文字を読んだだけだったのではないでしょうか。
このシリーズを教科書のように読んでも、時間を無駄にするだけかと思います。
私はこのシリーズを読んで、空が好きになりました。 限りなく言葉の使い方を工夫している作品 子どもたちが戦闘機に乗り、人を殺す。物語自体現実なのか、主人公の夢なのか、この「スカイクロラ」だけでは分かりにくい。続編も読む必要があるのだろう。
無駄のない言葉、戦闘用語などもあるが説明がシンプル。限りなく言葉の使い方を工夫している作品。
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[ 文庫 ]
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ダ・ヴィンチ・コード(中) (角川文庫)
・ダン・ブラウン
【角川書店】
発売日: 2006-03-10
参考価格: 580 円(税込)
販売価格: 580 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1円〜
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・ダン・ブラウン
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カスタマー平均評価: 4.5
風潮? 出版社、配給会社の宣伝もあって人気がでたダ・ヴィンチ・コード。
私は、期待して本、映画を見ましたが、面白くなかったです。 最後の晩餐 3冊一緒に買って、通勤かばんに入れておいたので、
通勤途中に、上巻を読み終わってうずうずするということが
なくて助かりました。
それぐらい、すいすい読めるし、続きが気になる程おもしろいです。
誰もが一度は見たことがある有名な絵画から、こんなおもしろい謎解きを
作る作者に脱帽です。
上巻を持ち歩くときは、いつ読み終わってもいいように本巻も一緒に持っていくことを
オススメします。
モナリザ この本のおかげでダンブラウン作品にはまりました。
キリスト教徒ではないので聖書やキリスト教史のことには全く詳しくありませんが
そんなわたしでも十分世界に入り込めて一気に3巻読破してしまいました。 女性こそ読むべき本かな …と感じた。いや僕はアジア男なんで無縁すけど。
不当な女性蔑視は本当ねっこから洗脳されてたのかも。
イブの原罪ねつぞう?イエスの恋人への中傷。名画に隠された物語?
魔女狩りジャンヌもカワイソ。ホント念入りだなーこの洗脳は。
レッテル貼りは、古代政治からの常套手段だったんだな。
僕は映画を観た後に読んだので、上巻は飛ばし読みすれば良かった。
中巻55章ティービング話からが、圧倒的に面白い。好奇心ビンビンだ。
銀行の車で英国紳士の屋敷に逃げ込む場面、ここから読めば良かった。
頭から順番通りでなきゃ気がすまない、自分の性分が恨めしかった。
まあフィクションだからどこまで信じてよいか判断つかないが、もっと
歴史が知りたくなった。歴史に関心を持つキッカケとしては面白い本だ。
少なくとも、マリアに対する古来よりの中傷には、根拠が無いようだ。
本書はその迷信を覆してくれた、これだけでも僕にとっては、大きかった。
PS●女性に薦める伝説→騎士道物語 ガウェインの結婚 知的好奇心をくすぐられる作品 2005年度版このミス10 4位。
2004年文春ミステリーベスト10 1位。
ある作品がベストセラーになってから読む場合、期待が大きすぎるせいか拍子抜けすることが多いのだが、この作品の場合違った。「キリスト教」の造詣の深い人が読めば感想が異なるのかもしれないが、少なくとも私にとっては、ミステリーとしても、知的好奇心をくすぐられる作品としても、十分に楽しめるものであった。
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