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[ 文庫 ]
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太陽の塔 (新潮文庫)
・森見 登美彦
【新潮社】
発売日: 2006-05
参考価格: 420 円(税込)
販売価格: 420 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1円〜
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・森見 登美彦
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カスタマー平均評価: 4
かくも悲しき美しき妄想小説 もてない京大生が悶々としながら男同士のむさ苦しい世界で妄想を肥大化させる話として読み進めたのですが、傷心に向き合えず目を背けついつい強がってしまう男の悲しくも美しい物語。どんどん肥大化してく主人公たちの観念論がすごく効果的ですし、マジック・リアリズムもこういう使われ方をすると、昭和の日本映画でよく出てくる短い不条理シーンみたいで、全体に陰影というか立体感を効果的にしています。
恋愛に臆病になった傷心男性には是非とも読んで欲しい一冊です。 なんだこのイキオイは?理解を越える、怪小説。 もりみー、スゲェよ。
なんだこの本?
若干24才、の割にはもっさくて頭でっかちでちょっとキモい、オトコくささ満載の、
妄想大爆発、いやはやなんだろ、無駄な賢さ+知識×ムサイ切なさのケンランゴーカな怪小説。
なんともいえない、爽やかからはほど遠い、読み終わって自分が臭くなってんじゃないかと心配になる程の、
おいおい、悲しくもキョーレツな物語。
いいからただ読め、黙って悲しい男たちの叫びを聞け!
あぁもう、これだからカンサイ人はあなどれん。
なんだこれぇ、ほんと。
もうこうなったら声を大にして言うしかない。
これから失恋するであろう全ての男たちよ、君たちはかくも素晴らしい。 ええじゃないか 鴨川の河原を一度友人と散歩したことがある。
結局世界は、テレビや、雑誌や、新聞や、そういった
通り一遍のメディアを中心としているのではなく、
最終的には自分自身に戻って来る。
で、お前が好きな女はあいつだろう?ってことばを忘れることが出来ない。
そんな、少し昔のことをすこし切ない気持ちで思い出してしまう作品。
エリート大学生のプライドと挫折感 失恋した主人公が,失恋後初のクリスマス・イブを迎えるお話.
エリート大学生のプライドと挫折感が入り乱れた心理状態がよく描かれています.
半ばダラダラと大学生活を送りながらも悶々と悩んでいる主人公や仲間たちに
感情移入できるかどうかで評価がわかれるところだと思います.
同一著者の「夜は短し・・・」のあとに読みましたが,ストーリー的には
本作品の方が平凡です.
失恋がしたくなる? 物語としての体をなしていないような気がします。
主人公の無闇な妄念・衝動をひたすら羅列し、それに合わせた環境を書き綴り、
残りページが少なくなってきたところで〆にとりかかる。そんな印象です。
なので、かなり強引で唐突なラストだと思ったんですが、
それでも奇妙に、読後感は爽やかなんですよね。
とりあえず主人公の思考には共感できる部分もあるはずですし、
グダグダと垂れ流すくせに品の有る文章も良いと思いますよ。
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[ 文庫 ]
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予知夢 (文春文庫)
・東野 圭吾
【文藝春秋】
発売日: 2003-08
参考価格: 530 円(税込)
販売価格: 530 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1円〜
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・東野 圭吾
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カスタマー平均評価: 4
「探偵ガリレオ」に引き続き ドラマ「ガリレオ」映画「容疑者Xの献身」を見たあと、原作「探偵ガリレオ」を読み、「予知夢」にようやく入ることができた。
感想は「探偵ガリレオ」に書いたこととほとんど変わらない。
本作品を読んで改めて思ったことは、まず「やっぱり刊行順」に読まなければいけないということ。
次に、「やっぱりドラマが始まる前に読むべきだったかもしれない」ということ。
ドラマと原作では状況設定や動機なども大きく違うことが多いのだが、それでもドラマの場面がちらついて集中できないことがあった。
さあ、次は「容疑者Xの献身」にようやく入れる。
いまから楽しみだ。 オカルトを科学主義で論破。ただし、若干の余韻あり。 本作は、「探偵ガリレオ」の続編短編集であり、
殺人事件の捜査に取り組む草薙刑事の耳に入った、
あるいは、彼自身が体験した、およそ常識では考えられない現象を、
お馴染み湯川「ガリレオ」准教授が軽快にさばいていくというものです。
本作の底流に一貫して流れるのは、
現象を冷静に分析せよというメッセージであり、
科学主義はそのツールとして用いられます。
例えば、印象的だったのは、「霊視る」における超常現象の解読です。
我々の思い込みや思慮の浅さが「超常現象」なるものを作り出していないか。
もっとも、終章の「予知る」は、実に意味深な幕切れを迎えており、
著者の懐の深さや遊び心を感じさせます。
ドラマ『ガリレオ』シリーズを観よう! この書と、前作『探偵ガリレオ』を、徹底解体し、愉快なドラマ『ガリレオ』が誕生した。
草薙警部の代わりに、可愛い柴崎コウが新米女性刑事として、福山雅治演じる湯川学と組んで難事件に取り組んでいく。
快適なテンポと内容の分かり易さは、この小説を凌駕している。
ドラマ『ガリレオ』を観た者としては、ドラマのために書かれた小説と思ってしまう。
ドラマと小説を比較するのは、まことに贅沢な遊びである。
手抜き無く、思いっきりふくらませたドラマ『ガリレオ』をご覧になることをお薦めする。
本当に面白いのだから。
福山と柴崎の魅力が最高に引き出されていることを保証する。 失望した 科学トリックを最初に考えてそれに話をつけくわえた感じ。トリックもストーリーも面白みはない。よくないミステリー作品の評価に、こういうトリックを考えつきました、というレポートのような作品、というのがあるが、このシリーズの短篇はまさにそれ。肝心の科学トリックも、本当に実現可能なの、というものがいくつもあり小説としての質を落としている。 ガリレオシリーズ:第二弾 前作『探偵ガリレオ』に引き続き、読んでみました。
前作よりも湯川の関わり方が、単に「物理学者」ではなくより探偵の目線になっているような感じがします。
『容疑者xの献身』がこれの続編になり、三部作それぞれ同じガリレオシリーズでも独立した話になっていますから、どれから読んでも楽しめますが、『探偵ガリレオ』とこれを読み、湯川と同級生刑事・草薙の関係性を十分に知ってからの方が、『容疑者xの献身』をより楽しめると思います。
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[ 新書 ]
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蛇王再臨 アルスラーン戦記13 (カッパ・ノベルス)
・田中 芳樹
【光文社】
発売日: 2008-10-07
参考価格: 880 円(税込)
販売価格: 880 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 350円〜
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・田中 芳樹
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カスタマー平均評価: 3
面白いけど 面白いは面白い。毎回。
ただ今回は色々な描写に「あんれま」と思う部分が多かったです。
別に病気で死ぬ彼女とか、雑魚にやられちゃう彼のことはいいんです。
皆殺しの田中様の事ですから登場人物の生死には何とも思わない。
ただ、今回で最も残念だった部分は蛇王の描写です。
ちっとも強そうなかんじ、いわゆる畏怖を感じなかった。
なんかやたら大きい肩から蛇はやしてる巨人?みたいな。
よほどルクナバート金属で鎧を作ったイリテリシュの方がラスボスっぽかった。
・・・あ。
実はそうなのかもしれない。 終焉への序曲 13巻を読み終わった上での感想です。
田中さんも幕の降ろし方をどの様に綺麗に降ろすか思案中ですね。
今回の巻において退場された二人について、退場のさせかたを酷評した方もいましたが、私はあれで好いのではないかと思ってます。
あのラストが有る事により、アルスラーン陛下の今後の更なる成長も望めるので。
パルス国内においては対ザッハークに向いましたが、他の国がどの様に進むかが今後楽しみです。
個人的にはヒルメス卿にもっと暴れて欲しいです。
「無駄殺しの田中」 もはや「皆殺しの田中」ではありません。
20世紀の筆者であれば、生き生きとした宝石のような登場人物の一人一人に、その最期にふさわしい花を手向けてくれたことでしょうが…。
ここまで我慢して「新生」アルスラーンを読んできましたが、もう何も言うことはございません。
私にとってアルスラーンは角川の9巻で完結しました。
どうか、最後くらいはこの作品にふさわしい終幕を迎えてほしい。
90年代にこの作品に胸躍らせ夢中になった読者の一人として、切にそう願います。 最後の一人と最初の一人 『蛇王再臨』です。アルスラーン戦記第13巻です。
タイトル通り、ついに蛇王ザッハークの封印が解かれます。
それと、アルスラーン王の十六翼将が勢揃いします。
本書の分量では、アルスラーンたちの情勢というのは、後半になってから出てきて、多くはないです。
パルスの周囲の国、ザッハークを奉じる魔道士の情勢に多くの紙面を割いています。そういう脇役の活躍も面白い、というのは田中作品ならではだと思いますが、その反面慌ただしい展開もあり、重要人物が二名退場することとなりました。
ナルサスが大きな策を投げかけ、例によってラジェンドラたちが踊らされます。編集者のことばにあるように、ラジェンドラの存在が心のオアシスです。オアシスといえば、小役人のあの人もいい感じです。
確かにそれなりに面白いのですが……でも、角川文庫で出ていた時期と比較すると、見劣りするのは否めません。
あと、あとがきが無いのは物足りないというか、読者的には損した気分です。
あれ? 21世紀に入っての田中氏の低迷には目を覆うものがあります。 その低迷ぶりを遺憾なく発揮しているのが本作。ある意味「殺しの達人」であった田中氏の作品とは思えません。以前の作品でも、重要人物が死ぬことは数多くありましたが、一見、無意味とも思える死でも、読者に納得させる筆力が田中氏にはあったはずなのですが。 などと低評価しまくっていますが、次の新巻も迷わず買います。惰性が理由です。ここまで20年以上、付き合った作品です。ただ、7巻の「王都奪還」で完結、それ以後の続刊は外伝と私の中では整理することを決意させてくれた本作です。
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[ 単行本 ]
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獣の奏者 II 王獣編
・上橋 菜穂子
【講談社】
発売日: 2006-11-21
参考価格: 1,680 円(税込)
販売価格: 1,680 円(税込)
Amazonポイント: 16 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 2,973円〜
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・上橋 菜穂子
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カスタマー平均評価: 4.5
とても楽しめたけど・・・ これって続編でるのかな?すごく気になる最後でした。あの場はどうやっておさめたのか。エリンとリランは。セィミヤとシュナンは。エリンが初めて心惹かれたイアルとの仲は?堅き盾のまま結ばれないのか?そしてリョザ神王国は?など気になる要素がたくさんでした。出版から大分経つけど、どうなんですかね。私的にはもう少しエリンには報われて欲しかったので、星4つです。それでも読む価値ありです!だからこそ続編希望です。 奏で続ける意味 前半の細やかな描写はもとより、中盤からラストまでの疾走感、そして圧巻のラストシーン!
性急過ぎる、あれでは他の者たちがどうなったのかわからないとの声もあるようですが、あの王国がどういう風に変わろうと、登場人物たちがどのような末路をたどろうと、その「結果」を描くことに作者が興味があったとはどうしても思えません。
権力闘争の芽は絶えないまま、軋みは消えないまま王国は異民族の侵攻にあい、争いと混乱の中消えゆくのかもしれないし、権威がなくなりゆるやかに滅亡していくのかもしれない。
ただ最後の数行が象徴するように、大きな大きな流れの中で、人の歴史の何もかもが小さな点にしか過ぎず、生物という枠組みの中で生きている、その大河の中で、人も獣も何もかも矮小でいて、それでいて燦然と輝けるひとつの小さな星だとエリンがわかった事こそが、重要ではなかったかと思うのです。
リランのこころは永遠にエリンには分からない。
人間同士ですら分かり合うことはできないのに、どうして異類のものとわかりあうことができようか、と。
でも、その垣根を超えてリランはやってきた。
交わることのない点と点が、一瞬だけ交差した。エリンが奏で続けた答えが、確かにそこにあったのです。
他者とわかりあうことは難しい。だけど、通い合わせようと奏で続ける行為こそが他者と自分とを繋ぐ一瞬の光になりえるのではないでしょうか。
ラストシーンから推察する状況は決して希望に満ちた船出ではないかもしれません。
ただ、リランとの邂逅が、あの飛翔こそが、森の湖面のように深く壮絶なまでに孤独であったエリンの魂にもたらした他者との絆、一筋の希望ではないかと思うのです。 すごい 守り人シリーズも大好きですが
獣の奏者も負けず劣らずのすばらしさでした。
一生のうち、こんなすばらしい作品に出会える確率は
そう多くないと思います。
図書館や書店で、児童書として分類されてしまうのが残念でなりません。
もっともっと、たくさんの大人に読んでもらいたいです。
ラストが意外に賛否両論みたいですが
私はとても幸せな気持ちで読了しました。
なんと言っても一番感動的なシーンでした。
エリンとリランは深いところでちゃんと通じあっていたんだって。
なんだか、無性に自分のワンコをギュッとしたくなってしまいました。
・・・大切にします。
ラストが! 読み出したら止められなくなる本。もし次の日に持ち越す場合は、
朝目が覚めた時に、今日も続きが読めるとわくわくさせてくれる本でした。ラストまでは。
あの状態であのラストでは、作者に何か急用でも出来たのかと思ってしまいます。
それでも充分面白いのですが...。 まとまるところにまとまった 上巻ではあまりに動きがなかったのですが、下巻で物語が動き始め、とたんにおもしろくなりました。
昔おこったことを物語のためとはいえ、最後のほうまで隠すというのはいただけないのですが、しかたないのでしょうね。
最後はまとまるところにうまくまとった感じです。ちょっと混沌としすぎて、枚数が足りなかった気もしますが。
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[ 文庫 ]
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超・殺人事件―推理作家の苦悩 (新潮文庫)
・東野 圭吾
【新潮社】
発売日: 2004-04
参考価格: 460 円(税込)
販売価格: 460 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1円〜
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・東野 圭吾
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カスタマー平均評価: 4.5
文学界を舞台としたブラック・ユーモアが炸裂! 本作は、短編小説8作からなります。
いずれも、推理小説の執筆事情を垣間見せながら、
強烈なブラック・ユーモアをかましていく快作であり、
著者が今やこの分野の第一人者とも言えることから、妙に説得力があります。
ちなみに、「黒笑小説」の文壇モノの短編を読んでいても感じたのですが、
江戸川乱歩賞受賞後、「秘密」のスマッシュ・ヒットまで共に不遇を囲ったからでしょうか、
登場人物の描き方を通して、著者の編集者に対する愛情が伝わってきます。
反面、巻末の短編で「ショヒョックス」に翻弄される姿を描くことで、
評論家に対する恨み(笑)を晴らしているようにも…。
おもしろい! 推理作家の目線で、小説を楽しめる作品。一章の超税金対策殺人事件は、特に自虐的な要素とブラックユーモアがきいていて、非常に面白い。
超理系殺人事件では、物語をすこぶる理系で責めておいて、わかったふりをした読者を脾肉る。だから、最初に読み飛ばせといっただろうと。超犯人あて小説事件では、出版関係者に毒を吐いているが嫌味がないから、ヤラレタ!という程度でニヤリとさせられる。
これまでの東野作品は、筆者と読者という風に二人称で楽しめた。だが本書は、次元も目線も、主人公すら自在に変えてより複雑に楽しめる。要所には伏線を張って、ギャグに変えてしまうし、東野圭吾の引き出しの多さを体験できる。他作から入ると、ある意味裏切られた感はあるだろう。だが、結局、東野圭吾はなんて頭のキレる作家なんだろうと、改めて尊敬する一作。 よくわからない 初めて読んだ東野圭吾作品。「容疑者X」が話題になっているので、本屋のランキングで上位に並んでいたこともあり購入。推理小説なのか、ギャグ小説なのか、想定してる読者層はどこなのか、全然わからない。
おもしろくないか、と問われればおもしろくないこともない。が、たぶん2回は読まない。私の好みにあわないだけかもしれないが、評判高い作者だけに大きく肩すかしをくらった気分。
あくまで暇つぶしの娯楽作品として☆3つ。それ以外なら☆ひとつ。 超・出版界批判 映画、ドラマ化の常連となりすっかりベストセラー作家となった東野さんの超ブラックユーモア短編集。
とにかく面白い!税金対策のための涙ぐましい(そしておかしい)努力、大作と印象づけるための紙面稼ぎと表現の水増し(こんな作品たくさんありますね・・・)、割と本格派の犯人あて、「本の批評なんて、よくも悪くもどうとでも書ける」ことを証明し、批評家をおちょくる超読書機械のお話などなど。どの作品も「そうそう!」と共感し、笑ってしまう作品ばかりだ。
アマゾンのレビューも「おべんちゃら」モードから「酷評」モードで書かれたものまでいろいろありますが、本作品はおべんちゃらでなく、大おすすめの作品です。東野ファンはもちろん、ミステリー好きならクスリとすること間違いなし! 東野圭吾のユーモア おもしろかった。東野圭吾の才能はすごいと思う。 主に通勤の電車の中で読んだので、笑いをこらえるのに苦労した。
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[ 文庫 ]
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フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life (中公文庫)
・森 博嗣
【中央公論新社】
発売日: 2007-11
参考価格: 680 円(税込)
販売価格: 680 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 352円〜
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・森 博嗣
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カスタマー平均評価: 5
生へ 空にいるときは、鮮明に。地上では、霞のような感覚。 いろんな人に読んでいただきたい本 今まで読んできたスカイ・クロラシリーズの中で一番感動しました。
主人公の周りにいるさまざまな人の心情も想像でき、心の葛藤なども上手く表現されていたと思います。読んでいて、無理なくスッと感情移入できました。
また、情景を表す単語が羅列的に並んでいるページもあり、一枚の絵を見ているかのように感じたところもあります。
情景描写と感情描写とが入り混じって、読み手に大きなインパクトと細く長くの余韻を残してくれます。読んで損は無かったです。 ミステリーです。 私だけか??ミステリーだと思うのは。いつも、読み始めてしばらく経つまで、主人公が誰だかわからない・・。これって私の解読力がないから?って戸惑ってましたけど、これが「わざと」かかれてるんだよね??と思いました。いやはやもうこの本を読んでる頃には、このシリーズにはまっていて、特に哲学的な思考っていうのかな?主人公の回想とでもいいますか?そこが、読んでて潔くてきれいと感じました。いつ死んでもいい・・というかその覚悟ができている戦闘機乗りの思考・・・。なるほど・・と。この本を読んで、本当にあ・・・これってミステリーなんだね??と思いました。興味深いです。この映画のアニメのイラストがさわやかでかわいらしい表紙ですが、いやいや・・・深いです。 この話が一番好きです。 このシリーズの中では、この本の主人公だけが何にも囚われていない、すべての関心が、ただ飛行機と空にだけ向けられていると思います。
だから読んでいて、とても気持ちがいい。
他の4冊は幾分主人公が他に関心や執着を持っている感じがするのです。
この本の主人公は自分の周囲で起こる、自分を含めた出来事をあるがままに受け入れるだけ。
抗いもしない。疑問も持たない。
これってある種、究極の生き方のような気がします。
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[ 文庫 ]
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銀河ヒッチハイク・ガイド (河出文庫)
・ダグラス・アダムス
【河出書房新社】
発売日: 2005-09-03
参考価格: 683 円(税込)
販売価格: 683 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 13円〜
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・ダグラス・アダムス
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カスタマー平均評価: 4
哲学者も笑いのめしているのが痛快! 海外ユーモアSFならハリィ・ハリスン読んでいれば充分だろと、
馬鹿にして読んでなかったが、アーサー・C・クラーク も
ミチオ・カク もけっこう好意的に本書を紹介してたので、
意外とハードなのかと読んでみた。
数字データの間違いが多すぎてハードSFとしては読めないが、
ユーモアSFとしてはハリィ・ハリスンより本格SFに近くて楽しめました。
哲学者も笑いのめしているのが痛快!
神の非存在証明は笑えるがとても参考になります。
何故生きるのかという疑問に見事な答えを提示した
本物の哲学SFとしても読めます。
何故?と問うから答えが見つからないですらー。
どこで?と思索することが大事ざんす。
宇宙の真理なんて期待しないほうが。 日本では絶版になっていたのでまず原作(英語版)を読み、もっと知りたくて再び出版された翻訳版も買いました。
いきなりの序盤からもう面白い。あれこれナンダカンダと並べる暇もなく意味もなく地球が消滅してしまったアーサーと宇宙人!のフォードそれにザフォード達が繰り広げる意味無しの宇宙で展開する、、、コメディーです。
出版された時代は7-80年代なのに現代のこのようなジャンルの本と比べてもまだまだこの作品のほうが優れている傑作です。あまり考えながら読むと訳がわからなくなったり面白さも半減してしまうので心をオープンにして読んでもらうとニタニタと笑いながら楽しめること間違いなしです。私のお気に入りはロボットのマーヴィン。彼がどうして危機にあるアーサー達を救ったか、ラストは予想外です。
残念ながら著者は亡くなられているのですが彼の発想はほんとうにユニークで唯一だと思います。
病みつきになりそう
SFと思って読み始めたので始めは少し肩透かしを食らいましたが、奇想天外な舞台設定のコメディと割り切って読み出すと結構楽しめました。特に憂鬱感一杯のロボットMarvinには笑わされました。残念なのは当方の英語力不足で理解できないギャグが結構あったところ。続編もあるようなので、トライしてみようと思う。 しょうもない話 小学校中学校時代に、いろんなSFを読んだのを思い出しました。
荒唐無稽なしょうもうない話です。
言葉遊びみたいな部分もありますが、私には十分に理解できませんでした。
しょうもないSFが好きな人には、お勧めです。 ダグラス・アダムスに黙祷 洋版のPB300に紹介されていました
この本は作者のアルファベット順に作品が紹介されています
というわけで、さっそくこの本を購入しました
報復絶倒 愉快な作品です
続編を期待したいところですが作者のダグラス・アダムスはすでに故人です
ほんとうに残念です
彼に黙祷をささげます
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[ 単行本 ]
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ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 ハリー・ポッターシリーズ第五巻 上下巻2冊セット(5)
・J. K. ローリング ・J. K. Rowling ・松岡 佑子
【静山社】
発売日: 2004-09-01
参考価格: 4,200 円(税込)
販売価格: 4,200 円(税込)
Amazonポイント: 42 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 305円〜
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・J. K. ローリング ・J. K. Rowling ・松岡 佑子
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カスタマー平均評価: 4
おもしろいと思いました。 まだ、5作目までしか読んでませんが、
内容は1番おもしろかったです。
読んでいて、ハリーの性格の悪さに対してはイライラしました・・・。
気になったのは、
1作目などは完全に“子供向け”といった感じだったのに、
今作では特に、文章の表現(翻訳が問題?)が、
子供向けではなくなっているような気がしました。
文章表現だけじゃなく、内容も子供向けとはいえないかな?
作者(翻訳者?)が、
読者の対象をどの辺りに定めているのかが全くわかりません。
文字を大きくしたり、文字の種類を変えたりしているのを見ると、
文章との違和感があるため、物語に入り込むことはできませんでした。
(1作目では「なかなかおもしろい書き方だな」と思えたんですが・・・。)
作品を通して見たとき、
全体的に“ブレ”が出てきてるといえるかも知れません。
評価としては星4つです。 だるかった 1巻から流れるように読んでいたのに、この巻に来ていきなりスピードダウン。この巻では、思春期、成長期のゆれる心理状態や、安全地帯だったはずのホグワーツという環境が目まぐるしく変わる中で一生懸命にもがき、反骨精神を磨きながら成長していくことを示したかったのかも知れませんが、・・なにしろ長い。なにしろ、くどい!話の構成上必要なの?っていうほどくどくどと繰り返される嫌がらせと、ハリーの癇癪。苛々しながら読むだけの本でしかなかったです。冒険というには、前置きがながすぎて、わくわくさせられる前に苛々させられているだけのような気がします。ハリーの癇癪とハーマイオニーとロンのケンカ、三人のケンカ、繰り返し繰り返し、どの章でも必ず出てくると言うくらいで、読んでるこちらが苛々して来ちゃいました。アンブルドアの言い分も、頷けないものもありましたしね・・。 とにかく長い… 映画を先に見て、話が不明だったので、原作を読むことにやっと腰を上げました。1巻?ずっと原作は読んでいますが、やっぱりローリング氏の特徴で、とにかく前置きが長い!上は読むのにやたら時間がかかりました。思春期のハリーの心理描写など、こと細かく書きたい気持ちも分からないではないですが、一応児童書向け本としているなら、これだけの長さは要らないと思う。
それに、言葉表現が難しく、フリガナを振っていなければ読めないような言葉ばかりで無意味に難しい。訳者はもっと解りやすい言葉を選べなかったのでしょうか…?
全体を通しての話自体は面白かったと言えるでしょうが、終盤のダンブルドアの告白で、もっとびっくり仰天するようなものかと思いきや、私には「えっ… 結局何?!」と言いたくなるように空振りでした。次巻も購入済みなので、すぐにでも続きが読み出せる状態ではありますが、次に行く前に、何か別の小説が読みたくなりました。 冗長なところもあるが やはり面白いです。
作者は嫌な奴書かせるとほんとにうまい。
アンブリッジの嫌な奴っぷりはすごい。
そんなアンブリッジに対抗してくハリーの反骨精神にあっぱれといいたい。
15歳のハリーと周りの友達の成長物語として、傷つき悩むところまで含めて
とても面白かった。
一方、全般を通じて思っていたことですが、学校内の日常を描かせたら最高の作者の筆も
アクションシーンの描き方がいま一つかな、と。
アクションが映像として頭に入ってこないし、急に戦闘に決着がつくし、戦闘が終わったあとのシーンも短すぎるなど、やや不満がありました。
アクションに関しては、映画の方に軍配があがります。 嫌味なハリー キャラクターのよい扱いと深いストーリーを期待する方にはお勧め出来ない。ハリーポッターのシリーズが好きな方はがっかりするのでは。単純な登場人物の扱いと設定に驚いた。まるで深みがない。悪い人はやっぱり悪い人。いい人はやっぱり良い人。読んでいて呆れてしまった。前作から違和感があったが、それは主人公のハリーの性格の変化。第一作目のハリーの控え目な部分がみえない。だんだん傲慢で目立ちたがりやにしか見えなくなった。読んでいて不快だった。これが思春期の少年の模様をかいたものだとしても、受け付けない。初期の頃にあったワクワクするような気持ちも感じず、登場人物への感情移入も出来ない。正直ストーリーが薄っぺらい。
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[ 文庫 ]
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パラレルワールド・ラブストーリー (講談社文庫)
・東野 圭吾
【講談社】
発売日: 1998-03
参考価格: 780 円(税込)
販売価格: 780 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 5円〜
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・東野 圭吾
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カスタマー平均評価: 4
記憶の改編という科学的にも非常に難しいテーマについても分かりやすく描かれていた 麻由子が崇史の親友である智彦の恋人の章と、麻由子が崇史の恋人の章が交互に描かれながら、真実の記憶に迫っていく物語で読み応えがあった。親友の恋人を好きになってしまい、親友と彼女のどちらを選ぶのかというラブストーリーも楽しめたが、記憶の改編という科学的にも非常に難しいテーマについても分かりやすく描かれていて読みやすかった。この作品は著者の初期の作品なのだが、2009年現在でも全く色褪せていなかった。 パラレルワールド・ラブストーリー もともと、東野圭吾の作品は好きで、何冊も持っているんですが、どうしてもミステリー小説=東野圭吾のイメージが先入してしまい、題名からなんかはずれかも…。と思い、今まで読まずにいました。まぁ、ちょとしたきかっけでこの本を手にする機会があって読んでみました。結果、泣きました。(笑)読んでいくとどんどんと作品に吸い込まれていくような感じで、最後の最後まで楽しませてくれました。また東野圭吾らしい作品になっていて読んで良かったです。東野圭吾が「書きたくてももう書けない作品」と言ったこの一つの作品、見事にやられました。 自分の知っている自分は本当の自分なのか 愛する人が自分の恋人という世界と親友の恋人という世界,この2つの世界を行き来しながら物語は進展します.序章の京浜東北線と山手線の話は,パラレルワールドへの興味をかき立てる秀逸な書き出しです.
2つの世界の中で揺れ動く主人公の心情に共感しつつも,一体どうなっているんだというミステリーへの興味でどんどん読み進んでしまいます.半分くらい読むと大体オチは読めてきたかなという気になります.さて,どんでん返しはあるのでしょうか.
一応サイエンスものですが,パラレルワールドの不思議に突っ込んだというよりは,ラブストーリー中心ですので,青春真っ盛りの若者たちにも,昔は若かった人たちにもお勧めだと思います.
序章から始まる世界観 「記憶」という難しいテーマを掲げながら、この本にすんなり入りこめるのは序章のおかげだと思う。序章という前提を置き、そこから始まる現実とパラレルワールド。専門的用語が出てきて堅苦しく感じるかもしれないが、それはおまけのようなもの。理解しなくてもすんなり読んでいける。だが全ては繋がっている。恋と友情で悩む主人公に後味の悪い結末を予想したが、最後の章を読むだけでしがらみが消えていき切なさ、爽快感すら感じた。その後の全てを事細かに記載しないところにも好感がもてる。 記憶は自分だけのもの? 謎を含んだパラレルワールドを追っている最中は面白くて、夢中になってページをめくりました。
設定や構成の妙ばかりでなく、東野圭吾さんの文章はいつも読みやすく、
特に心理描写が的確で、すうっと胸に入ってくるので、
物語に引き込まれ自然に感情移入してしまうのは毎度のことです。
が、読み終わってみたら、何だか納得のいかない感じが残りました。
ネタバレになるので詳しくは書けませんが、後味がもやもやした原因は、
終盤で急展開して明かされる三輪智彦のやり方にあまりにも無理があると思ったからです。
記憶や、その元となる経験は、個人の物ではない、他者との関わりの中で作られる物でしょう?と、突っ込みたくなります。
天才だって恋愛で判断力が曇ることもあるのでしょうが、その先に生じる不整合を考えないとは無謀すぎます、智彦さん…。
記憶は、自分の性格形成や行動規範の根底にある物。
そして大切な人と記憶を共有する喜び。
記憶がゆらぐことの恐怖。
「記憶」について、いろいろと考えさせてくれる作品でした。
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[ 文庫 ]
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幻夜 (集英社文庫 (ひ15-7))
・東野 圭吾
【集英社】
発売日: 2007-03
参考価格: 1,000 円(税込)
販売価格: 1,000 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 449円〜
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・東野 圭吾
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カスタマー平均評価: 4
クソつまらなかった。 身内からこの本を借りて途中で読むのを挫折した者です。途中までしか読んでいませんが個人的にクソつまらなかったという印象しかありませんでした。いきなり話が変化したり、そうかと思えば話がだらだらと続いたり、登場人物が多すぎて疲れてしまいました。しかも恋愛系で自分の人生におけることや日々のことを書いた伝記のような感じなので個人的に嫌いで合わなかったです。自分自身ミステリが大好きなので同著者の「仮面山荘殺人事件」のような物語を期待していたのですが内容がそもそも異なるようで期待はずれでした。皆さんのレビューを見るかぎりホラーっぽい感じがあったのですね。あとそれから途中にある18禁のエロイ描写は全くいらないです。恋愛系だからかもしれないけどあれはおかしいです。子供の教育上よくない描写ですよ。あれは。この著者の方の作品を見るかぎり恋愛系、学園系・学校もの系、青春系、友情系のものが多いですね。 女は誰でも実冬になれる 私自身、大学生の時に阪神大震災を経験。家が全壊するほどでないものの、あの時、喪失感と混乱と寒さと絶望、皆、明日どうやって生活するかで頭がいっぱいでした。レビューで美冬って怖いとか多いけど、美冬って人間は特殊な人間なのか?
という疑問に対し、女の自分からすると「誰しも美冬になる可能性がある」です。若い時は自分勝手な事を異性に対してした事も思い出し、女は聖女にも、悪女にもどちらにでもなってしまう悲しい生物で、何処までも自己愛の延長にしか愛を位置づける事ができないと思いました。
勿論自身が美冬までの悪女ではないけれど、ズルイ女を東野さんはよく描ける作家だと思いました。美冬の過去か、未来が描かれる作品は出ないのかな?
1000円で映画3,4本分の楽しみを得た 東野圭吾の作品は久しく読んでいなかったが、余りの人気にちょっと手を出してみたのだけど、大正解・・・謎の美女が登場する事が物語の骨格になっているが、
勝気で計算高い女性に対して共感できる女性読者なら面白く読めると思います。
阪神淡路大震災の時の青年と美女の出会いと、二人に対して共鳴してしまえば
どんどん物語りに入っていける。
実際にあった震災を冒頭に持っていくことで、あくまでも慣れ親しんだ日本が舞台であるのに簡単に非日常の世界に違和感を覚えることなく、突拍子のない事件も受け入れやすく描かれている。登場人物は多いし、事件も多いが、それが気にならなく物語りに深みを与えて
一気に読める。
最後の最後の結末がなんとも後味が悪いのが気になるが、もし続編が出るのなら
充分に許せる。
読後、白夜行を読んだが、同じような雰囲気で白夜行も面白いが、
私はこちらの作品の方が作者が熟練してきただけ読者を釘付けにする技法が高いように思う。
白夜行と何が違うの? ヒロインの超人ぶり、相棒の悲しい役回り、追う刑事、ストーリー展開から結末まで、
いったい白夜行と何が違うの? この作品で作者は何がしたかったの? という印象。
退屈はしませんが、読後感はよくありません。 長編ですが一気に読めます。 全編755ページの良質な長編ミステリー。
主人公である新海美冬と水原雅也、刑事、有子、フクタ工業、華屋、曾我、青木、…出てくる人物の性格描写が精緻であり、現実感があります。阪神淡路大震災を起点に、美冬のサクセスストーリー的展開の中で、次々生じる事件、謎。その謎を伏線に更に大きな謎が。
スピード感があり、最後まで一気に読めます。
(但し、高度に情報化している現代社会で、実際にこのような事は難しいとは思いますが。)
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