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[ 文庫 ]
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銀河英雄伝説外伝〈3〉千億の星、千億の光 (創元SF文庫)
・田中 芳樹
【東京創元社】
発売日: 2009-02
参考価格: 777 円(税込)
販売価格: 777 円(税込)
( 在庫あり。 )
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・田中 芳樹
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カスタマー平均評価: 4
第13代目「薔薇の騎士」連隊長シェーンコップ誕生 ヴァンフリート星域の会戦・第6次イゼルローン攻略戦を中心にシェーンコップと元連隊長リューネブルクの確執、リューネブルクとラインハルトの軋轢などを描く外伝第3巻。
外伝第1巻よりもさらに前、ラインハルトは未だ准将でヤンは大佐です。
この巻で特筆すべきはシェーンコップが中心人物の一人として描かれていることと、ラインハルトやキルヒアイスといった若い人材とグリンメルスハウゼンのような老人の対比ですね。
特にグリンメルスハウゼンがラインハルトに与えた影響は小さくないでしょう。ラインハルトは自覚してないでしょうが、グリンメルスハウゼンのような老人がいたこと自体が彼の潜在意識に何らかの作用をしたことは間違いないといえます。
ヤンとラインハルトは面識はないですが、第6次イゼルローン攻防戦でお互いの用兵を目の当たりにします。
もっとも、ヤンは作戦参謀らしくD.グリーンヒルに献策するだけですが……
帝国側主要人物ではケスラーが登場。昔もやっぱりケスラーはケスラーw
ビッテンフェルトやケンプといった面々も登場します。
同盟側ではポプラン、コーネフ、キャゼルヌ、そしてローゼンリッターの面々。
やっぱり同盟側の人間がでるとコミカルになりますねえ……
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[ 文庫 ]
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渚にて【新版】 人類最後の日 (創元SF文庫)
・ネヴィル・シュート
【東京創元社】
発売日: 2009-04-28
参考価格: 1,050 円(税込)
販売価格: 1,050 円(税込)
( 在庫あり。 )
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・ネヴィル・シュート
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カスタマー平均評価: 5
読まないヤツは猿である これは人類に訴えかけている、聖書だ。
新たなる聖書。
暗澹たる雲行きの今現代だからこそ、読まれてしかるべき傑作である。
これは小説愛好家でなくとも、読まれるべき作品であります。
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[ 文庫 ]
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時間封鎖〈上〉 (創元SF文庫)
・ロバート・チャールズ ウィルスン
【東京創元社】
発売日: 2008-10
参考価格: 987 円(税込)
販売価格: 987 円(税込)
( 在庫あり。 )
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・ロバート・チャールズ ウィルスン ・Robert Charles Wilson
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カスタマー平均評価: 4.5
万人向けの傑作です 「ゼロ年代最高の本格SF」という触れ込みは誇張広告ではないです。予想以上に面白くて読んでいる最中何度もブックカバーを見返してしまいました。
SFのアイディアだけを無味乾燥に書いてしまうと地球の隔離、火星のテラフォーミング、火星人の来訪…と、それほど真新しさを感じない方もいるかもしれません。しかし、実際に読んでみると全く違った印象を持たれると思います。それは作者がアイディアを無機的に並べるのではなくて人間の一生のプロセスと深く結びつけることに成功しているからです。太陽の寿命と個人の寿命の寸法がぴたりと合ってしまった世界の奇妙さは何とも表現しがたいものがあります。
三部作構想ということですが、この第一作だけでも完全な小説として成立しています。登場人物も魅力的で先が気になる良い本です。強くお薦めします。 ベテランにもハードSFの初心者にもうってつけ >ある夜、空から星々が消え、月も消えた。翌朝、太陽は昇ったが、それは贋物だった…。周回軌道上にいた宇宙船が帰還し、乗組員は証言した。地球が一瞬にして暗黒の界面に包まれたあと、彼らは1週間すごしたのだ、と。だがその宇宙船が再突入したのは異変発生の直後だった―地球の時間だけが1億分の1の速度になっていたのだ!
このイントロからして、アシモフの『夜来たる』の逆バージョンでショッキングなのですが、そのうえ、
>界面を作った存在を、人類は仮定体(仮定上での知性体)と名づけたが、正体は知れない。だが確かなのは―1億倍の速度で時間の流れる宇宙で太陽は巨星化し、数十年で地球は太陽面に飲み込まれてしまうこと。人類は策を講じた。界面を突破してロケットで人間を火星へ送り、1億倍の速度でテラフォーミングして、地球を救うための文明を育てるのだ。迫りくる最後の日を回避できるか?
意図の分からないまま破滅の道を歩まされる人類はベンフォード描くところの機械知性と戦う人類とオーバーラップしますし、テラフォーミングの結果として火星に誕生した「火星人」の地球への来訪はハインラインの『異星の客』へのオマージュともとれます。
その他、古典SFを読み込んでいるファンならうーんと唸らせる要素てんこもり。
もちろん、そんな予備知識などなくとも、重厚な人間ドラマとハードSFが違和感なく合体した久しぶりの傑作です。
ただ、宗教との関わりは、破滅ものとはいえ、日本人の我々には理解しにくい部分もあります。しかし、それは欧米社会においてキリスト教の刻印したものがいかに強烈なものなのかを再確認する作業でもあります。
心理描写もきちんとしており、ハードSFらしさは極力抑えてありますので、SF?という小説ファンにも是非手にとってほしい作品です 訳の分からない怖さ 何故そうなったのかが分からない状態で展開するストーリー。
スピンの目的が分からないままに、でも確実に仮定体はその勢力範囲を広げている。
あり得ない話だからこそ、恐ろしい。
見えない敵(?)との静かな戦いが進んでいくのだ。 ヒューゴー賞は伊達じゃない 突然地球が膜で覆われ、外界より1億倍(!)も遅い時間の流れに放り込まれるというファンタジーめいた設定だが、おかげで太陽系の進化を一人の人間が一生のうちに体験できるというオモシロい環境ができあがる。で、それを生かしたハードSFかと思いきや、けっしてガチガチな科学話にはならなくて、ドラマの描き込みがじつに緻密ですばらしい。
古いジャズが好きな主人公の、その趣味を生かしたエピソードとか、幼馴染との長期にわたるプラトニックな恋愛とか、自然や心理の描写が盛りだくさんで、なんだかいい読書だなぁ。SF読んでてでこういう感じって久しぶりだ。楽しかった。 話もうまいしSFマインドもたっぷり ウィルスンの作品を初めて読みましたが、ストーリーテリング、人物造形、パワー、そしてSFマインドみんな気に入りました。翻訳も上手なのかもしれません。冒頭、SFらしさがまったくありませんが、物語にぐいぐい引き込まれます。『話は上手いけどこれSFモドキじゃないかのかなあ・・・』と警戒して読み進むと、中盤からイーガンばりのSFマインドが炸裂しまっす。火星移民、ナノロボット、とドライブしていく爽快感、鳥肌です。科学者ジェイスンが人類を救うために次々と策を打つのですが、これがSF読みの思考通りの作戦を打ってくれるわけで、拍手の連続。というのは名作SFへのオマージュだからなんでしょうね、こちらの期待に沿うべく書かれてるんでしょう。読書体験に応じて様々な名作SFのエッセンスを嗅ぎとるんじゃないでしょうか。私はストーリーの進行順に、レッドマース、異性の客、夜の大海の中で、ハイペリオンなどを連想しました。ハイペリオンは同じことを連作の中篇でやりましたが、こちらは1本のストーリーでやってしまいました。最後に、ジェイソン、続編で蘇っておくれ、まってるぞー!次は宇宙を救うのだ!
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[ 新書 ]
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前巷説百物語 (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE)
・京極 夏彦
【中央公論新社】
発売日: 2009-04
参考価格: 1,365 円(税込)
販売価格: 1,365 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 500円〜
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・京極 夏彦
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カスタマー平均評価: 0
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[ 単行本 ]
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厭な小説
・京極 夏彦
【祥伝社】
発売日: 2009-05-14
参考価格: 1,890 円(税込)
販売価格: 1,890 円(税込)
Amazonポイント: 18 pt
( 近日発売 予約可 )
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・京極 夏彦
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カスタマー平均評価: 0
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[ 単行本 ]
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スター・ウォーズ―フォース・アンリーシュド ダース・ヴェイダーの弟子〈上〉 (LUCAS BOOKS)
・ショーン ウィリアムズ
【エフエックス】
発売日: 2009-03
参考価格: 1,365 円(税込)
販売価格: 1,365 円(税込)
Amazonポイント: 13 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 1,300円〜
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・ショーン ウィリアムズ ・Sean Williams
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カスタマー平均評価: 0
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[ 文庫 ]
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時間封鎖〈下〉 (創元SF文庫)
・ロバート・チャールズ ウィルスン
【東京創元社】
発売日: 2008-10
参考価格: 987 円(税込)
販売価格: 987 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 580円〜
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・ロバート・チャールズ ウィルスン ・Robert Charles Wilson
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カスタマー平均評価: 3.5
ある段階にいたった文明には すべて「あること」が起こる。
これ以上書くとネタバレになってしまいますが、超越者の存在とかを前提にしているので私的には評価は低いです。
しかしハードSFとしてはなかなか読ませるものがありました。 始まりの終わり 3部作の最初の終わりだと思えば納得できる。
この作品だけでは、全体の壮大な背景まではうかがい知ることはできない。
ただ、人類が目覚めたことは何となく理解できた。
最後の仕掛けは、開きっぱなしのスターゲイトだと思った。
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[ 文庫 ]
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むかし僕が死んだ家 (講談社文庫)
・東野 圭吾
【講談社】
発売日: 1997-05
参考価格: 560 円(税込)
販売価格: 560 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 4円〜
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・東野 圭吾
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カスタマー平均評価: 4
誰もが持つ、葬り去った忌まわしい過去 学生時代の恋人に懇願されて、彼女の父親が生前に通っていたと思われる"謎の屋敷"を訪れることになった「僕」。
幼い頃の記憶が欠落している彼女は、その家にこそそれを蘇らせる手がかりがあるのだと信じていた。
しかしその家に人が住んでいる気配はなく、代わりに残されていた不気味な物たち。
2人は、それらを手がかりにその家に秘められた謎を解こうとするのだが・・。
物語は家の中から一歩も外へ出ることがなく、この家を訪れたところから始まり、そしてこの家の中で完結する。
今ここで事件が起きているわけではないのだが、廃屋の中で解き明かされてゆく謎にリアルにドキドキし、
ホラー映画を見ているような緊張感と恐怖に襲われた。
しかし、最後にタイトルの意味、作者の伝えたかったことが理解出来ると、とても好きな作品のひとつになった。 伏線が上手い 登場人物は基本的に2人。
舞台もある「家」の内部のみ。
しかし、精巧に張り巡らされた伏線と中盤以降の緊迫感は、そのような小規模な舞台設定であることを忘れさせてくれる。
「家」に隠された謎が次第に明らかになっていく展開は圧巻である。
作者の他の代表作とは一味違った傑作ミステリーだといえるだろう。 次第に霧が晴れていく…。 本作は、夫とも幼い娘ともうまく生活を送れずに苦悩する女性が、
その原因を、記憶から飛んでしまっている自分の幼少時代に求め、
かつて恋人だった男性と共に、ある謎めいた一軒の家を探索するという物語です。
ちなみに主人公は、この突拍子もない申し出を受けた男性です。
妙な構造をしている上に生活感もない家は、
女性の亡父がなぜかよく訪れていたようであった。
男女が当てもなく探索しているうちに、ヒントとなるアイテムが少しずつ見つかる。
同時に、失われていた女性の記憶も少しずつ戻り始める。
真実はいったい何なのか…。
本作は、真相を予測するのが困難なため、
まるで、登場人物と共に読者も家捜しをしている錯覚に陥ります。
そして、元恋人同士だった二人の微妙な関係性の描写や、
巧みに織り交ぜられた、子供を巡る深刻な社会問題への言及も秀逸です。
もっとも、幼少期の記憶に封印をした情緒不安定な女性、という点で、
若干気づかされてしまう面もありますが…。
全部の伏線が一つになる快感。 無駄な描写がなく読者への裏切り感はさすが。
最初のゆっくりした展開から、中盤からラストにかけて畳み掛けるようなスピード感と、全ての伏線を余す事無く活かしてくるのは東野圭吾ならではでしょう。
著者の数ある中で1番を選ぶなら、この本を推します。 寂しい結末。 まず意味深なタイトルやあらすじに興味をそそられ、購入しました。私は前世モノが好きなので、主人公の男性が自分の前世を思い出すストーリーなのでは…と勝手に期待したわけです(;'∀`)。読み進めて、中盤あたりで「どうやら前世は関係ないらしい…」と気がつき、多少ガッカリしたものの、すでにストーリーに完全に入り込んでいた為、気にせず読み進みました。次から次へと生じる謎、謎、謎。そして解き明かされていく謎の真相。夢中で読みました。そして最終的な「真実」は、まさに予想外の展開でした。
…が、正直こんな結末を私は望んでいなかったです。
私はもうちょっとミステリアスな「真実」を期待していたみたいです。なにしろ当初「前世」を期待して読み始めたくらいですから、あまりにも現実的な「真実」を突きつけられて、夢から覚めた心地がしました。もう少しデッカイ「真実」が欲しかったというか…。
読後感は「スッキリ」ではなく「寂寥感」でした。
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[ 文庫 ]
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宿命 (講談社文庫)
・東野 圭吾
【講談社】
発売日: 1993-07
参考価格: 650 円(税込)
販売価格: 650 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1円〜
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・東野 圭吾
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カスタマー平均評価: 4
あんまし・・・ 本の裏に書かれている内容を見るとすごく興味をそそられました。
しかしあんまし良くなかったかな?所々ワクワク感はあったけど
登場人物が多すぎて混乱しました。 二人の「宿命」 子供の頃から宿敵で、境遇が全く違う二人の男が、長い年月を経てとある殺人事件が起こり、捜査する者とされる者として出会う。
自分の初恋の女性が、宿敵の妻となっている現実は、主人公である「捜査する者」勇作にとってはあまりに酷。
そんな勇作が、殺人事件に何らかの形で、勇作の宿敵であり「捜査される者」晃彦が関わっていると感じ、探り出そうと動く様子を読んでいたら、「犯人は誰か?」ということ以上に、「勇作と晃彦の関係はこの後、どのような結末を迎えるのか?」に興味を持っている自分に気がつきました。
そんな二人の結末は、意外なのもあり、「ラストはこれが一番いいのだろう」と納得したのもありました。「宿命」という言葉が、とても重く感じる結末でもあります。
ただ、同時に寂しさを感じた部分もありました。
もしこのストーリーに続きがあるのなら、「全敗だ」と語ったある登場人物の、未来が明るいものになっていることを願って止みません。 宿命とは 最後の設定に「おお!」と唸ってしまったが、宿命という題名のとおり犯人探しというよりも、「血縁」というか「運命」というか人間同士の不思議な繋がりがテーマになっているように感じる。実験の件は現実感がなく、「こんなことはありえない」という物語だが、ラストのもっていきかたに好感がもてるし、後味も悪くない。 「余りにも」皮肉で感動的な結末かというと…… 初期の本格推理路線から、現在の作風への転換期にあたる作品です。
基本的には、発生した殺人事件の犯人を捜していく展開なのですが、それに加えて、主人公と事件の関係者の1人との因縁を描いています。
「宿命」というタイトルからもわかるように、メインは後者。
2人の「宿命」については、ラストでその真実が明かされます。
確かに、意外性はなかなかのもので、「皮肉」で「感動的」ではあったものの、そのための伏線が少し不足していたような気がします。
やや唐突に感じてしまいました。
東野氏の作品は伏線の巧みさに感服することが多いだけにちょっと物足りませんでした。
殺人事件の謎解きに関しては、あくまでサブ的な位置づけであったものの、それにしてはよく出来ていたと思います。
登場人物が多く、過去の事件と現在の事件をいったりきたりで、読みやすさに定評のある東野作品の中では比較的読みにくい作品かもしれません。
小ぶりな白夜行!? 本作は、有力企業UR電産の社長殺害事件の真相究明と、
それを追う和倉勇作刑事、被疑者の一人となった前社長の息子瓜生晃彦、
そしてふとしたきっかけで人生が好転したことに疑問を抱きながらも、
晃彦の妻となった美佐子という三人の「宿命」の謎に迫るという、
多面的な推理小説です。
本作で印象的なのは、序章の薄幸の女性サナエと幼い勇作との交流の場面です。
結末において、この場面の持つ切ない意味合いが浮かび上がります。
また、企業倫理についての鋭い問題提起も込められています。
ただ、個人的には、きちっと収束はするものの、
あまりによく出来すぎた「宿命」的関係性に違和感を覚えたのと、
結局罪を免れたことになっているあの人が、
現行法上共犯に該当するように思えてならないのが気になりました。
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[ 文庫 ]
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黒笑小説 (集英社文庫)
・東野 圭吾
【集英社】
発売日: 2008-04
参考価格: 580 円(税込)
販売価格: 580 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 12円〜
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・東野 圭吾
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カスタマー平均評価: 4.5
東野圭吾がますます好きになる まず、最初の4編でいきなり度肝を抜かれる。
彼が"直木賞"を受賞するに至る経緯、更に受賞した際のコメントをご存知の方なら、
思わず「ここまで書いていいの?東野さん!」と言いたくなるでしょう。
しかも、これを書いたのは受賞する以前。
若干冷や汗が滲み出てきますが、しかし受賞した今だからこそ笑って読める?
中盤、少々おふざけが過ぎるかな?という作品も登場するが、
発想がとてもユーモアで奇抜なのにオチがしっかり的を得ていたりするので、
バカバカしいなぁ・・と思いながら読んでも最後は「あるある・・わかるかも」となぜか妙に納得させられてしまう。
個人的に好きなのは「シンデレラ白夜行」。
かの名作「白夜行」を童話の世界に当てはめた?話で、思いっきり"黒い"のだが、この"してやられた感"が最高に心地良い。
少々「世にも奇妙な物語」チックな雰囲気の「臨界家族」も気に入った。
実際ありそうなのでゾっとするが、いいテーマを取り上げてくれたと思う。
東野さんの作品はミステリーしか読んだことがない!という方に、
待ち合わせ時間の暇つぶしにはぜひこの1冊をお勧めしたい。 シンデレラはとってもテクニシャンらしい 人間の内面は、醜くて、しかも面白い!!自分をよく見せようと必死になる人間、そもそも自分のことをまったくわかってない人間。すべての女性が巨乳に見えたり、ストーカーになったり、ちょっとブラックでちょっとエッチでかなり面白い短編集。 もうひとつの大いなる助走 筒井康隆の「大いなる助走」をパロったような短編が掲載されているという噂をききつけ、読んでみました。確かに、「大いなる助走」!
でも、死人は出ませんが。
文壇裏話をパロディにした作品が、とにかく楽しい。このB級的なノリと、しかしどこか真剣な批判精神が行間から滲んでいて、まさに怪作。
冒頭で登場した万年候補止まりのベテラン作家が、最後に新人賞の「選考委員」に選ばれるというくだりとその落ちは、暗澹とした気分になりました。しゃれにならない。
ブラックですね…。文壇楢山節考として読んでしまいました。 文壇ネタ+下ネタ+… 本作は、公の場では笑えないけれど、
思わずほくそ笑んでしまうという内容が詰まった短編集です。
特に目を引くのが、タイトルにも掲げたように、
まず、著者の経験を多分に踏まえたであろう、
文学賞を巡るブラック・ユーモアに満ちた4編です。
とりわけ、空気の読めない寒川センセイと熱海クンには、
著者は突き放しているようでいて、強い思い入れを抱いているようにも思えます。
次に、インディーズAVのタイトルのような、男子向きの3編の魅力も捨てがたいです。
男の悲哀を描く「インポグラ」、「ストーカー入門」ももちろんですが、
絵が浮かんで笑えたのは、何といっても「巨乳妄想症候群」でした。
主に著者のシリアスな長編小説を好んでいたのですが、
これを機に短編小説も読破していこうと思わせてくれた、
著者の引き出しの多さを如実に示す逸品です。
会社でバカ受け インポグラを、会社の弁当を食いながら話題にしたらバカ受け!
みんな、飯が食えなくなるほど、笑い転げ、笑いすぎて
腹が痛くなるほど、話した俺まで、腹が痛くなって、
日本は、平和だーなーなんて言う始末。
平和ではないのに、そんな言葉が出てしまうほど、面白い!
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