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雪国 (新潮文庫 (か-1-1))

[ 文庫 ]
雪国 (新潮文庫 (か-1-1))

・川端 康成
【新潮社】
発売日: 1986-07
参考価格: 380 円(税込)
販売価格: 380 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1円〜
雪国 (新潮文庫 (か-1-1))
川端 康成
カスタマー平均評価:  4.5
「雪国」の記憶
17歳のとき、この小説を読んでいたら、置屋に勤める母からお前に芸者のことなどわかるかと言われたのだが、日本人の情緒にぴったり寄り添っているこの小説には美しさを通り越して戦慄さえ感じたのだった。 山里の少女が歌う手まり歌。静かに死んでゆく虫たち。雪景色と鉄道。温泉町。そして献身と生活を一身に背負っている女。 確かに僕には男女の愛欲のことなどわからなかったが、日本人の原風景を見せ付けられるようだった。 登場人物の心も、物語りも、背景の自然も、日本でしかありえないようなリアルさを持ちながら、現実と夢幻の狭間に横たわっている。 日本といっても広いから、それこそ雪国でしかありえないリアルさというべきか。僕は越後の隣国の育ちである。 言わせてもらえば、この小説は深いけれど同時にあまりにもあざとい。つまり、美をかもし出すに都合がよすぎる。 物語が唐突に終わるのは、そのあざとさに収拾が付かなくなる手前に来たからではないだろうか。 こういうことを言っていいのかどうかは、文学者ではない私にはわからないが。
淡々とした日常の真価
とくに目立った展開もなく淡々と話が進みます。 ただこの「淡々と」というのがこの作品の肝なのかもしれません。 川端康成は文章という魔法を使って雪国での日常を美しい叙情の世界へ変えてくれます。 その淡々とした流れには、まさに雪のなかでゆっくり紡いでいくような繊細さがあって、それは折にふれて女の白い首筋のような脆い妖しさを引き出します。 淡々と物語を読み進めていくうちに「果たしてこれは現実なのか、それとも夢か」という疑問が浮かんでくることでしょう。それが真価なんです。その瞬間に今ある日常は揺らいで、『天の河のなかへ体がふうと浮き上がってゆく』のです。 また、この作品の特徴のひとつとして「どのページからでも物語に引き込まれる」というのがあります。邪道かもしれませんが、僕はこの小説を読み返すときははじめから終わりまできっちり読み通すことはあまりなく、気に入っている場面をぱっと開いてそこから読み進めていきます。この読書態度はどうあれ、それでも十分物語に入っていけるぐらい細部に魅力があります。日常の真価は細部に宿るもので、この雪国という小説はその命題を十分に体現しているものといえるでしょう。おすすめです。
葉子さまさま
文学初心者の僕にとっては読み終えてみるとなんともいえない決して悪くない気持ちになった。この感覚が美に触れたってことなのかも。そしてこの感覚は葉子がもたらしたものだと思う。すべては葉子のために綴られてきたのではないか。
高級ポルノであるとともに、女の矜持を示した小説でもある
学校で習っただけで、全く興味がなかったが、川村湊の「温泉文学論」に触発され、読んでみた。子供には分からない話だった。美しい日本などという文章上の技巧につい騙され、子供の頃は、美しい日本の田園、温泉を舞台にした無責任な男の感傷の話か、と思っていたけれど、主人公は駒子である。彼女は、東京へ酌婦として売られ、囲われ者になり、その後また借金のため芸者になるというとても辛い人生を送っているが、男と(金で一夜を買われる芸者としてではなく)対等に恋する女として生きようとする。こうした悲しい芸者の人生が主題である。東京に住む、財産はあるが行動力のない男と不倫関係に陥る田舎の貧乏な芸者駒子は、どうにもならない愛と人生に対して、苦しみながらも、何もかも受け入れて生きている。この人生は現代人から見ればとても哀しいが、戦前の新潟の山奥の貧しい女がどう頑張ってみても、どうにもならないことを彼女は知っている。ある意味、強い女だと思う。結構、源氏物語のように伏せられたセックスシーンが多く、川村先生いうところの「高級ポルノ」としても楽しめる。
さすがですね
特に列車の中での描写、心理描写がとても巧みです。 雪国のちょっとサビれた温泉街、その雰囲気と時代 背景がとても上手く出ています。 言葉少なげな主人公とのやりとりの中になんともいえない 愛情の深さや人間の醜さが表現されています。 多くを語らず、読者に委ねるこの技法も素晴らしいと思います。 確かに少しねばちっこい感じがしますが、これぞ日本の文学 といえそうです。 普段は外国の作品ばかりを読んでいて顛末が、会話がはっきり しすぎているので、読み手に任せたこの優雅さに感動しました。

風の墓碑銘(エピタフ)〈上〉―女刑事 音道貴子 (新潮文庫)

[ 文庫 ]
風の墓碑銘(エピタフ)〈上〉―女刑事 音道貴子 (新潮文庫)

・乃南 アサ
【新潮社】
発売日: 2009-01-28
参考価格: 540 円(税込)
販売価格: 540 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 97円〜
風の墓碑銘(エピタフ)〈上〉―女刑事 音道貴子 (新潮文庫)
乃南 アサ
カスタマー平均評価:  4.5
音道丸くなってないかい
「凍える牙」を読んだときは私もまだ30歳代。 滝沢よりも音道に感情移入できたのだが、 この本を読んでいる私は、もう40半ばを過ぎた。 当然、音道よりも滝沢に感情移入してしまう。 私が、仕事で今ペアを組んでいる女性は、37歳。 バツイチではないが、外見は音道に似ているかもしれない。 彼女から見れば、私も滝沢のように見えるのかと思うと なんだかへこむ。 さて本書だが、音道丸くなってしまった印象を受ける。 音道らしくない。 成長なのか。 ストーリーに関しては文句がない。 さすがは直木賞作家。 読ませどころ満載である。 また、文章がよみやすい。 すらすらと読めるし、頭にも入ってきやすい。 まるで映像を見ているよう。 下巻も期待大である。 また、新潮文庫は、字が大きくなったので、 老眼が出だした私にとっては大変ありがたい。
名コンビ、再び
 大好きな「女刑事 音道貴子シリーズ」です。 あの『凍える牙』でコンビを組んだ滝沢警部補との名コンビが再び復活です。 3体の白骨死体。 その唯一の手がかりだった痴呆老人の殺害事件。 そして20年以上もさかのぼる父娘惨殺事件。 やっと見えてきた点と線ですが。 いつもの如く、どんな場面でも冷静な音道刑事。 この『風の墓碑銘(エピタフ)』では、音道刑事の私的な悩み事も・・・。 下巻では、この点と線をうまく結びつけ、私的な悩みも解決していく事が出来るのでしょうか?? ついつい応援したくなってしまいますね。

新史太閤記 (上巻) (新潮文庫)

[ 文庫 ]
新史太閤記 (上巻) (新潮文庫)

・司馬 遼太郎
【新潮社】
発売日: 1973-05
参考価格: 780 円(税込)
販売価格: 780 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 450円〜
新史太閤記 (上巻) (新潮文庫)
司馬 遼太郎
カスタマー平均評価:  5
最高のビジネス書
斉藤一人さんが著書で紹介されていた流れで読みました。個人的には古くからの秀吉好きなのですが、この秀吉像は特に痛快です。 秀吉が信長に自分を売り込んでいく様、次の戦への仕込みなど、セールス・戦略思考などを学べる最高のビジネス書であると思います。
「赤心ヲ推シテ他人ノ腹中二置ク」(本文から)
「人蕩し」を知りたくて手にした本。 秀吉はその天才として描かれている。 赤心、律儀、さらには「愛」。 戦国時代の社会の変化、戦い方の技術革新、 信長を始め登場する人物の個性のゆたかさ。 大いに楽しめる。 上巻は竹中半兵衛の死で、下巻につづく。 何とも美しくしい。
豊臣秀吉の絶頂期
豊臣秀吉が有史上の英雄になりえているのは彼自身の才能と織田信長の存在があったからだと思います。織田信長ほど効率化を徹底し無駄を省いた武将は世界史上いないのではないでしょうか?著者が何かの本に記していましたが私も、織田信長が本能寺で死ななければ、日本の歴史は大きく変わっていたと思います。その後を受けた秀吉は信長に鍛えられた千里眼と自らの才能とで日本統一を成功させていきます。本書は上下巻で秀吉が生まれた時から太閤になるまでの昇り竜がごとく出世していった時代を記したもので読んでいて非常にワクワクするものです。秀吉の悲劇は太閤になった後に起きるのですが、その部分も含めて読みたかったですね。
秀吉はかなりの【人蕩しの天才】
秀吉の生き様、アッパレです。 ダテに【人蕩しの天才】じゃありません。 人の心が分かる・・・・・それまでの武将たちには持ち合わせていなかった「徳」がある。 そして自分の力を出し惜しみせず、信長に仕える。 竹中半兵衛が、自ら志願して秀吉の与力になった気持ちも分かります。 黒田官兵衛がその知力を十分に発揮できたのも分かります。 そういう、人の才能をうまく使いこなせる力と知略を併せ持った商人的な考えをもった武将。 という感じがしました。 この本は小学生か中学生の頃に読んでおきたかったな・・・・と思います。 今読んでも十分すぎるほど面白いのですが、 もっと多感な時期に秀吉の生き様を知っておきたかったな。 教科書に出てくる程度の知識ではなくて、「人間的魅力」に力を注いでいる1冊とみました。 信長をはじめ、当時の大名たちの多くが大名の子として生まれ、 当然のごとく先祖代々の家来というものがいたし、 彼らはみなそういう忠誠な譜代衆を土台にし、それを中心にして仕事をしてきました。 でも、秀吉にはそれがいません。 元来が野の涯からひとりで出てきた男であり、先祖代々の直参の者などはなく、 氏も素性もなく、ないどころか己一人の口が干上がりそうになっていた浮浪人のあがりです。 蜂須賀小六や信長に仕えたからこそ、自分の才能を発揮できたんでしょうね。 信長から多大に学び、信長に欠けていたものを補い、 自分の持ち味を最大限に発揮して、天下をとった豊臣秀吉。 露と置き露と消えぬるわが身かな 浪華のことは夢のまた夢 心理戦の第一人者ともいえると思います。 それも暗いイメージがなく、明るくカラッとしているから読んでいて重苦しくない。 それが豊臣秀吉なんですね。 本当に面白かったです。
信長の草履取り時代から、中国征伐(前半)まで
 上巻では商人時代から今川家から織田家時代、織田家での活躍、そして中国征伐の途中までが描かれています。  一番印象に残っているのは美濃攻め。普通の武将が合戦を重ねて領地を拡大していくのに、藤吉郎(秀吉)の違うところなんだと思った。こんな人物だからこそ天下統一ができたのではないかと思います。  農民の出身から出世して最後には天下統一を果たした豊臣秀吉に興味がある人には是非読んで欲しいです。  さあ、下巻では中国征伐の後半、そして本能寺の変が起こり物語は盛り上がって気ます。下巻も目が離せません。      

沈まぬ太陽〈4〉会長室篇(上) (新潮文庫)

[ 文庫 ]
沈まぬ太陽〈4〉会長室篇(上) (新潮文庫)

・山崎 豊子
【新潮社】
発売日: 2001-12
参考価格: 700 円(税込)
販売価格: 700 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 246円〜
沈まぬ太陽〈4〉会長室篇(上) (新潮文庫)
山崎 豊子
カスタマー平均評価:  4
著者の憤りに共感。
本作は、全5冊からなる「沈まぬ太陽」の完結編であり、 第3巻・御巣鷹山篇の直後の国民航空社を舞台に、 政官業の癒着の著しい同社会長に任命された、関西出身の財界人国見と、 新設の会長室に国見自ら抜擢した、シリーズ全体の主人公恩地らの奮闘が描かれます。 清廉潔白の理想主義者であり、社内の根深い労使対立の解消をきっかけに、 絶対安全のフラッグ・キャリアとしての信頼と誇りを取り戻そうとした国見、 そして、彼に忠誠を誓い手足として動く恩地。 しかし、「初期のガン患者」に過ぎないと思われていた同社は、 既に全身に魑魅魍魎が跋扈する「末期のガン患者」であり、 直近の御巣鷹山墜落事故に対する畏れも知らない不遜の輩どもに食い荒らされ、 国見・恩地ほか、心ある者は次第に孤立無援となっていく…。 本作のうち、本「会長室篇」は、政官業の癒着と腐敗を、 国民航空社を舞台に絶望的に描いており、読んでいて暗澹たる気持ちにさせられます。 ちなみに、人物の描き方は、善人と悪者がくっきり分かれていて非現実的に感じるし、 フィクションとノンフィクションを混交した小説手法は、著者自身冒険的と感じている上、 批判の余地ありと思えます。 しかし、著者のあとがきは、政官業の癒着に象徴される、 日本の精神的不毛に対する義憤が満ちており、 本シリーズ全体に対する熱い思いも溢れていて、全面的に賛同した次第です。
国民不在の国民航空
会長室編では、御巣鷹山の墜落事故後、組織の建て直しを図るため 首相に請われて国民航空の会長に就任した国見正之を中心として 物語が展開する。恩地は新設された会長室の部長に抜擢される。 国見会長は建て直しの手始めとして分裂している組合の統合を目指す。 整備士や機長など各部門から会社の現状について意見を聞くのだが、 その中で、「自分達の理想像」を熱く語る者はいても、「お客様にとって の理想像」を語る者はいない。 一例を挙げれば、ある機長が、「昨年ソウルで着陸復行をした際、乗り 合わせた大蔵大臣から機長のアナウンスが無かったと指摘された為、 オペレーション・マニュアルがアナウンスをするように改定された。 しかし、安全上、課業順位最下位とも言えるアナウンスを、神経を最も 使う着陸復行、最進入の途中で課すなど考えられない。このように我々 の立場にたって考えてくれない職制である」と憤る。 この機長は、自分達が乗せているのが荷物だとでも思っているのだろうか。 乗客の立場にたって考えてみれば、アナウンスも無く着陸復行をされたら 不安を感じるのは当然である。機長が忙しければパーサーがアナウンス すれば良いだけの話ではないだろうか。 このように、この会社の社員はお客様の立場にたって考えるという意識 が欠落しているのである。まるで社会主義国の航空会社のようだ。 上層部の腐敗や癒着などより、社員のこのような考え方の方が利用者 としては怖い。まさに国民不在の国民航空である。 この航空会社を国民航空と名付けたのは、作者である山崎氏の痛烈な 皮肉なのではないだろうか。
著者会心の傑作!
企業の利益優先と人間性の欠如は現在も多くの人命を奪っている。 JR脱線事故、安曇野の観光バス事故、多くの長距離トラックの事故など上げたら数限りなく出てくると思う。 20年前に警鐘とも言える事故を経験しながら、この国はどうなって行くのかと不安になる。 刑罰的人事を描いた1―2巻での企業の腐敗、人道の欠如は520人を人柱にする大事故に発展した。 著者は見事な取材で、3巻にあの忘れてはならない未曾有の大事故を立体的に描ききり、当時報道されきれていなかった事実をも描いている。 この4巻では、うわべだけの謝罪をすませ、のうのうと私欲をむさぼる、役人的特殊法人と言う”お役所”と改革に立ち上がる人々の戦いが始まった。 この巻では個人的に組合活動をささえる家族たちに頭が下がり、事故現場に一周忌に集まった遺族たちの叫びに涙した。 人が良心を取り返し、金銭意外に人生の目標を持たなければ、事故の本当の解決は遠いのではと思う この事件を知らない若い世代の方にも是非読んでいただきたい作品であり、その際”クライマ?ズハ-横山秀夫”も一緒にお読みいただけましたら、この事件の社会的影響がより理解できるはずです
こんなことが日本社会で行なわれていたとは・・・
ここまで日本社会が腐っているのかとまざまざみせつけられたことはない。 この話ははるか昔のことだが、いまだに同じようなことが行われていて、 特殊法人を民営化するのに断固として反対する族議員や、 公共事業の利権をむさぼる政治家・官僚・企業の実態をみるにつけ、 ほんと日本はどうしようもない腐敗に満ちた社会なのだということを、絶望的に思い知らされる。 ただ最後に社員の告発によって、その腐敗の一端が暴かれるものの、 それを突き詰めていくと、前総理大臣の金稼ぎにまで及んでしまうことを考えると、 捜査が進んだところで、いかようにも圧力をかけ、腐敗を闇に葬ってしまうことができることを考えると、 日本社会に正義はないのかとまたも絶望感を覚える。 この本を政治家・官僚・企業は読んで悔い改めるべきだと思う。
愛読書
実際、一度友人に借りて感動し、 どうしても自分の本棚に仕舞っておきたくなった書籍です。 全5巻を2回通り読んだことになります。 5巻で一つの物語である為、 各巻ごとの評価、というものは出来ません。 ノンフィクションであることで疑いなく沁み込んでくる内容。 疑いはないが信じられない現実が1ページごとに紐解かれていきます。 傑作です。

落日燃ゆ (新潮文庫)

[ 文庫 ]
落日燃ゆ (新潮文庫)

・城山 三郎
【新潮社】
発売日: 1986-11
参考価格: 580 円(税込)
販売価格: 580 円(税込)
( 一時的に在庫切れですが、商品が入荷次第配送します。配送予定日がわかり次第Eメールにてお知らせします。商品の代金は発送時に請求いたします。 )
中古価格: 40円〜
落日燃ゆ (新潮文庫)
城山 三郎
カスタマー平均評価:  4.5
国家の体制とは。。。
文官でただ一人 東京裁判で死刑になった広田弘毅という人物に興味が有り、この本を手にとりました。 伝記小説ですが、様々な資料からの忠実にのっとった形で進んでいく小説で、教科書のように事件、事柄が列挙され、物語が進んでいきます。(作者の余計な修飾文章はほとんどない) この小説が正しい内容であるとすると、戦争になっている過程がとても怖く、その当時はこんな国家体制だったと思うと、ぞっとします。  誰が日本のかじ取りをしているのか?  軍を仕切っているのは日本本国の本隊の作戦本部(大本営)ではなかったのか?  関東軍の暴走はどうしておさえられなかったのか? 全くもって、その当時の日本というのは、まとまりの無い、統制の利かない状態だったと言うことがわかりました。 国家体制というのは、ほんのちょっとした進み方の誤りで転落していくのですね。 今の時代も憲法解釈が勝手にされ、いつの間にか昔来た道を歩んで行っているかもしれない と感じるのは私だけでしょうか? また、広田弘毅のような清廉潔白な本当の政治家がいなくなってきていると感じているのは私だけでしょうか? 我々国民がもっとしっかり政治と政治家に目を向けないといけないと本当にこの小説を読んで感じました。 そして、本当の意味で国民、国家の事を考えている政治家を選ぶような立派な国民になるように、世の中のでき事をしっかり見つめていきたいと感じさせてくれた小説でした。
今の時代に広田がいたら
戦争の何よりの責任は、個人よりも、「統帥権の独立」を許した、 長州の作った憲法構造そのものにある。 本作品の主人公、広田元首相がしみじみと言うこの言葉に、重みを感じる。 そして、「統帥権の独立」を錦の御旗に、わがままな子供の様に独走し、 荒れ狂う軍部の嵐の中、極論すれば一人でそれに立ち向かった広田。 しかし、どんなに強い人間でも、時代の流れにはかなわない辛さを感じた。 その反省から戦争放棄を謳った現在の平和憲法ができたが、その解釈を巡って、 様々な論議が交わされ、再び不安の時代の到来を感じさせている。 今の時代に広田がいたら、この論議にどの様なことを言ってくれるだろうか、 とこの作品の続きを期待してしまう。
ドラマが良かったので。
 テレ朝のドラマを見た後で買って読みました。広田弘毅という人がA級戦犯で絞首刑になった、ということは高校時代の教科書で知っていましたが、その人となりや周りの家族の方などについて全く知らなかったのでドラマも興味深く見られましたし、後で本を読むとドラマでは出てこなかった広田の学生時代の話、巣鴨留置所の様子など驚きの連続でした。邪道と思われるかもしれませんが、広田弘毅の言葉を全部、北大路さんのイメージで読んでしまっています。この変の歴史に全く無知だったので、とても勉強になりました。ドラマを見て興味を持った人には是非。
自ら計らわぬ
東京裁判にて文官で唯一死刑宣告を受けた 広田弘毅。外相、そして首相をつとめた外交官 彼の「自ら計らわぬ」生き方を綴った長編小説。 不毛地帯を読み終え、ホントはもっと軽いテーマの 本を読もうかと思っていたんだけど、何気に ストックの中から手に取ったのがこの落日燃ゆでした。 城山三郎は大学の先輩にあたり、代表作として この作品の名前を知っていたので、いつかは読もうと 思って買ってあったもの。 前半は戦前・戦中の外務省と軍部とのそれぞれの 思惑の中で、いかにして戦争に進んでいってしまったか。 そして後半は自ら語らぬことを決めた広田を通しての、 東京裁判という政治セレモニー。 二つの祖国や不毛地帯でも読んだ世界を広田弘毅の 視点から描いていきます。 開戦にしたって、東京裁判にしたって、結果は分かっている 話ではあるのですが、ここでこの想いが成就していれば、 歴史が変わっていたんじゃないのって思いながら読むことも しばしば。 日本史の近現代史を習った時に、2・26事件の後に 首相になった人ってことぐらいしか認識をしていませんでしたが、 日本の歴史の中で、広田弘毅という男の存在した意義を 深くかみ締めながら読みました。 なんと、日本ではちょうど先週末にドラマ化されたらしいですね。 テレ朝の記念番組かなんかの一環で。 ドラマでこの作品のことを知った方も、ぜひ本も 読んでもらいたい一作です。
日本を愛する人に。
東京裁判のキーナン首席検事をして「なんというバカげた判決か」と言わせた絞首刑という判決。昭和23年12月23日、A級戦犯(平和に対する罪)として世を去った広田弘毅氏が最後まで止めようとした戦争に至る経緯と広田氏の静かな、しかし気骨ある生き方を本書は史実に立脚し淡々と伝えてくれます。 統帥権という名のもとに暴走する関東軍、軍部と外務省の対立、さらに省内の分裂。外交官として軍部より世界をはるかに深く知っている広田氏は、こうした激動の時代を一貫して対話による外交と「物来順応」という態度で臨んできました。その姿勢は戦犯裁判になってからも変わることはなく、また家族に対する想いとあいまって読者に深い感慨を与えてくれるのではないでしょうか。 1978年、靖国神社にA級戦犯は合祀されましたが、それを誰にもまして戸惑って受け止めているのは天国でこの日本を見つめている広田弘毅氏のように思います。彼の持っている世界観は一国の英霊として祀られるより遥かに高い所にあること、また人生を諦観して見つめ続けたその生き方の真髄を本書は痛いほど読者に伝えてくれていると思います。

項羽と劉邦〈下〉 (新潮文庫)

[ 文庫 ]
項羽と劉邦〈下〉 (新潮文庫)

・司馬 遼太郎
【新潮社】
発売日: 1984-09
参考価格: 620 円(税込)
販売価格: 620 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 184円〜
項羽と劉邦〈下〉 (新潮文庫)
司馬 遼太郎
カスタマー平均評価:  4.5
四面楚歌
誰でも知っている四文字熟語 四面楚歌 圧倒的有利だった項羽は自らの地元である楚の人にも裏切られ紀元前202年この世を去る。その時代,我らが日本にはやっと稲作が大陸から伝わってきた頃である(その稲作を伝えてくれたのが楚人である可能性が高いと司馬遼太郎は書いている)。日本には卑弥呼さえ出現していない弥生時代に四面楚歌の四文字熟語の語源となる歴史的事件が中国で起きていたとは中国文明は奥が深い。しかも孔子が出現したのは更にそれより遡ること350年前である。
「将に将たる能力」本文から
百戦百敗の劉邦がどうやって漢を立てるのか。 戦略と戦術の違い、 「自尊心」と「虚心」(谷沢氏の解説から)、 風と雨(『漢の風 楚の雨』この小説の原題)、 当時の人の生活の様子、地勢、風土、文化、 人についていろいろ考え、多くのことが学べます。
項羽の魅力
タイトルの通り項羽の生涯が描かれています。 項羽が死ぬところで物語も終わりです。 劉邦と項羽ではありません。 個人の能力という点では、項羽は圧倒的に劉邦を 凌駕しているかもしれませんが、 組織の能力という点では、劉邦に及ばなかったの だと思います。(韓信と張良) 項羽と韓信。 強烈な印象が残りました。
100年後に残る名作
二千年以上過去の出来事をその場に居合わせたような緻密な描写。 司馬遼太郎独特の淡々とした語り口調。 何度も何度も読み返したためとうとうページが破れてしまいました。 自分にとって100年に一度の傑作です。
名作なんだろうけれど・・・
中国の史実をヒントに創作した作品(フィクション)として本書を見るなら、本書は優れた作品だと思うし、私自身もとても楽しめました。 ただ、「項羽」「劉邦」などの歴史上の人物を登場させた上、随所で中国の史書と対照させるなど歴史書としての意味も追求してるように見える点は、正直言って気持ち悪さを感じました。 本書を読みすすめながら、本当に「項羽」はこんな人物だったんだろうか、本当に「劉邦」はこんなことをしたんだろうか、といった疑問が消えることはありませんでした。純粋なフィクションとして読めばこのような疑問は意味がないのですが、歴史に絡めた書き方になっているため、このような違和感を感じたのでしょう。 本書に込められた歴史観やさまざまな教訓は、実生活や組織運営に役に立つのだろう思いました。企業経営者や管理者から高く評価されているというのも読んでいて頷けました。しかし、あまりにも人物の設定や切り口が明晰すぎて、かえって気味悪さを感じたことも事実です。たとえていえば、事実を膨らませて一般受けするストーリーを作り上げた雑誌記事や新聞記事を読んだときの気持ち悪さに似ています。 いい作品だとは思いましたが、個人的に肌に合わない部分がある点がとても残念に思いました。

阿弥陀堂だより (文春文庫)

[ 文庫 ]
阿弥陀堂だより (文春文庫)

・南木 佳士
【文藝春秋】
発売日: 2002-08
参考価格: 530 円(税込)
販売価格: 530 円(税込)
( 通常2〜4週間以内に発送 )
中古価格: 1円〜
阿弥陀堂だより (文春文庫)
南木 佳士
カスタマー平均評価:  5
人の心の奥を見つめる優しい目
私と「阿弥陀堂だより」との出会いについて。 たまたま、本屋で文庫本コーナーをパトロールしていたとき(特に目当ての本がなくても週に一度は必ず本屋を巡回している)、 文春文庫の前で何か視線のようなものを感じ、そちらを向いてこの本と「目」が合った。 まさに目が合ったという感じだった。(偶然にも映画公開直前!) 手に取っておもしろそうだったので購入し、一気に読んだ。夢中になって読んだ。 良かった。何度も涙を流した。 人の生死について、厳しく、しかし優しい目で真っ直ぐに見つめる作品であった。 以後、南木佳士の作品(小説・エッセイ)にのめりこみ、購入できる著作を全て入手していった。 それと同時に、いまさらながら純文学に目を向けることとなった。
素朴感がすばらしい
本書を読み終えた後、本書が映画化されていることを知りました。本書の独特な時間軸や空間軸は文章によってのみ伝えられるもので映像化することは非常に難しいのではないかと勝手ながら想像してしまいました。 私は本書を読んで主人公の孝夫と美智子は著者である南木さん自身であると感じました。医師としての緊張感と作家としてのプレッシャーを一身に浴びている南木さんを分解したら孝夫と美智子に分かれたのではないでしょうか?極度の緊張と弛緩を繰り返す医師という職業を持つ著者だからこそ描くことの出来る時間軸と空間軸を是非とも多くの人に堪能していただきたいです。
魅力的な女性達
 この小説には、重要な登場人物として3人の女性が出てきます。3人ともとても魅力的な女性達です。特に、阿弥陀堂を守っている「おうめ婆さん」が一番魅力的です。「おうめ婆さん」の語る言葉やしぐさにとても心安らぐのです。年をとって、この様になれたらいいなと思います。  久しぶりに穏やかな気持ちで読める、いい小説に出会えたと思います。
生きていくということは、、
今、病気をしていたり、心に何かの不安がある人なら、何かきっと感ずるものがあるとおもいます。この本の中に、下記のセリフがあります。 「病気っていえばねえ、私は自分が病んでみるまで、医者の癖に病気と単なる体の故障の区別がつかなかったのよね、ガンで死期が迫っていても病気で無い人もいれば、一寸長引いた風邪でおもい病気になってしまう人もいるのよね。問題は心を病んでいるかどうかなのよ。重篤な疾患にかかっていても、心を病んでいない人は病人ではないのよ」 病は気からという昔からの教えがよく理解できました。人生は春夏秋冬のサイクルを通っていく、その中に人としての自然な生き方が在る。誤解を恐れずに書くと、生者・死者は表裏一体ということがわかれば、「病気」にはならないともいえるのだということが一貫して流れているような気がしました。今の日本で忘れ去られてしまったものがこの本の中にはあるような気がします。生きるということをとても美しい文体のなかで味わわせていただきました。 なお、映画化され、DVDはレンタルもされています。本もいいですが風景の想像力は映画のほうがよいかもしれません。 でも心理描写などを見ると本と映画はやはり別物です。もちろん映画もすばらしいですよ。どちらも味わってみてください。
心温まる物語。
 谷中村・六川集落で祖母に育てられた主人公孝夫は中学に入るとき父と暮らすために東京に出た。大学を卒業して結婚。売れない小説家の孝夫は有能な医師の妻に養われているような境遇である。その妻が恐慌性障害になり、ふたりは六川集落へ帰ってくる。  故郷の人と自然に癒されてふたりは六川集落に根をおろしていく。心温まる物語の展開と阿弥陀堂守のおうめ婆さんの含蓄ある言葉に感動して読みました。特におうめ婆さんの祖母の話には抱腹絶倒してしまった。  ただ、出てくる人がみんないい人ばかりで。ハッピーエンドに終わり、それでいいのかと思った。  

項羽と劉邦〈中〉 (新潮文庫)

[ 文庫 ]
項羽と劉邦〈中〉 (新潮文庫)

・司馬 遼太郎
【新潮社】
発売日: 1984-09
参考価格: 620 円(税込)
販売価格: 620 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 28円〜
項羽と劉邦〈中〉 (新潮文庫)
司馬 遼太郎
カスタマー平均評価:  5
劉邦もなかなか可愛いかな
劉邦はまれにみる長者だ。 長者とは人を包容し,人のささいな罪や欠点を見ず,その長所や功績をほめて(途中略)その人物に接するなんとも言えぬ大きさと温かさを感じる存在を言う。劉邦にはそういうものがあった。言いかえれば,劉邦の持ち物はそれしかない。(本文より一部抜粋)  このような大アホの劉邦にきちがいじみた大馬鹿項羽。この二人が天下を争ったのはよほど中国のその時代に人物が居なかったのか? しかし,この劉邦の性格が簫何を張良をそして韓信を引きつけ天下を取っていく。孔明とまで行かないまでも張良いいね。考えるに劉氏というのはそういう血族なのか 劉備にしても劉邦にしても自分には突出した才能が無いのにね。まあ 優れた部下を手に入れ使いこなすのもすごい才能であることは確かだけどね。 さあて下巻を読むぞ。
(おれは、つまらぬ男だな)劉邦 本文から
歴史に偉人を期待するのはなぜだろうか、 勧善懲悪などありえないと思いながら、 完璧な人格など絵空事だと知りながら、 偉業を称え人を崇めたくなる心の悲しさ。 この本新聞記事のルポ物を読むようだ。 勿論著者の類まれな推理と想像の「物語り」なのだが。 とにかくおもしろい。 常識を疑い、「考え」をより深めてくれる。
役者は揃った
 この物語の面白さは項羽と劉邦以外の個性豊なキャラクターたちである。その一人一人だけでも主人公としてやって行けそうである。
 いよいよ本官では項羽と劉邦の本格的な対決が始まる。圧倒的に項羽の圧勝である。
 しかし多くのキャラクターたちは劉邦を愛し、劉邦のために尽くす。結論から言うと劉邦は多くの部下に恵まれ勝利を得るのだが、そこから人材論、組織論を語る上で得られる教訓は多い。
四面楚歌
項羽は楚の人でした。当然ながら項羽軍は楚出身兵が多く、又項羽自身も楚人を重用します。決着のつかない劉邦、項羽の戦いは常に項羽が攻め、劉邦が逃げる構図です。劉邦は自らの弱さを知っているため逃げるときに必ず食糧の在り処に逃げ込みます。劉邦は穀倉のある山に登って項羽と対峙します。項羽は劉邦を挑発し引っ張り出して遂に強弩が劉邦を捉えます。運よく一命を取り留めた劉邦ですが余りの項羽の強さに一人で山をおり逃げてしまいます。ところが優勢な項羽軍は食糧が尽きていました。休戦となり陣形を崩した項羽軍を劉邦は約束を破り追撃します。項羽はたちまち劉邦を撃破。逃げ込んだ城で劉邦は巨大勢力となった韓信らに広大な地域を与えることを条件に援軍を要請し、形勢は逆転。食料のなくなった項羽軍から兵が次第にいなくなってゆきます。一夜明けてみると項羽軍の立てこもる城の周りで楚の歌が湧き上がっていました。そのとき項羽は悟ります。二人の英雄の勝負は遂に終わりが来ます。その最後は壮絶なものでした。中国古典「史記」を現代に甦らせた大作。読み終えてしばし陶然となるような強烈なドラマでした。
背水の陣
劉邦は後に漢を起こし、高祖と呼ばれます。項羽と共に秦反乱軍にいますが項羽と比較すると圧倒的に小さい存在でした。反乱軍の中心は軍神のごとき項羽です。項羽が秦の強兵にてこずっている間に劉邦が秦の都を落としてしまいました。項羽はこれに激怒。劉邦は命乞いをし、一命をとりとめますが与えられた土地が「漢」でした。漢は殆ど島流しのような場所でした。しかし劉邦はそこから自らを漢軍と名乗り今度は項羽軍に挑みます。劉邦は戦えば必ず負ける将でした。何度も急死に一生を得ます。しかし、部下には好かれています。一方項羽は神の如き強者でありながら天下を平定できません。これがこの物語のテーマとなっています。劉邦の部下に韓信がいます。項羽の軍にいたのですが起用されないまま、失意のうちに劉邦に仕えます。劉邦も韓信の才能は分からないのですが、別の部下から諭されて重用します。その韓信こそが項羽にも匹敵するやも分からぬ名将でした。「背水の陣」の故事はこの韓信の立てた作戦に由来します。負け続けながらも、部下のアイデアを最大限に起用しながらなんとか耐え忍んでゆく劉邦。なぜ劉邦は漢を起こせたのか?項羽でなくなぜ劉邦が?古典を読むような面白さです。

沈黙 (新潮文庫)

[ 文庫 ]
沈黙 (新潮文庫)

・遠藤 周作
【新潮社】
発売日: 1981-10
参考価格: 540 円(税込)
販売価格: 540 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1円〜
沈黙 (新潮文庫)
遠藤 周作
カスタマー平均評価:  4.5
究極の挫折と、究極の愛の追体験をした
彼は自分の宣教師としての人生(そしてそれは彼の人生の全てだった)を全否定する という究極の挫折の象徴である踏み絵を行った時に イエスの究極の愛を始めて体験することができた。パラドックスだが、それは キリスト教でもっとも大切なことかもしれない。 旧約聖書にすでにこういう記述がある。 「主(神)は心の打ち砕かれた者の近くにおられ、たましいの砕かれた者を救われる。 」 遠藤周作はイエスを「奇跡を行えなかった人」と彼の数々の著書の中でも 書いていて、それは論争になっている。 しかし受難の中、圧倒的多数の人に蔑まれ、痛めつけられ、裏切られ、誤解されても 何も言い返さなかったばかりか、最後の最期まで神に彼らの罪の赦しを嘆願した イエスの、この聖性と慈愛が完全に両立された人格の持ち主が、人間の全てのmessを 背負おうと、人間の無知と暴力にただ従ったことこそ最大の奇跡に思える。 彼は人生の中で奇跡を数多く「行えなかった」のではなくあえて 「行わなかった」のではないか。 人の目を奇跡に向かわせるよりも、魚くさい貧しい村人の様な人の生活のmess、 宣教師の踏み絵行為であり、キチジローの裏切り行為でもある人の内面のmess の中にイエス様が裸一貫で入ってきて寄り添い続けたという とんでもない慈愛に気付いて、応えて欲しかったのではないか。 このような人の全ての暗い部分の一つ残らずを自分の苦しみとして どこまでも共に負い、時には身代わりになってくれる存在にどれだけ多くの人が 救われてきたのだろう?
作品の構成の上手さ
高校生の時に読んで以来、久し振りに読みました。 内容的には覚えていたものの、小説の構成など全く予想外のものでした。それだけ、当時は内容に圧倒されてしまっていたのでしょう。 歴史書のような「まえがき」から始まって、主人公の書簡の形式、そして客観的な観察の文章と、その構成が徐々に変わってゆきます。 この主観と客観の間の押したり引いたりのころ合いが絶妙で、非常に重たいテーマ(「神の不在」)を受け入れやすくしているように思います。つまり、テーマよりも物語の進行、なりゆきに、より関心が移るように上手く構成されているように思います。そうでないと、このように重いテーマですので、なかなか一気に読みとおすということが難しいと思います。 内容は、タイトルが「沈黙」と言う通り、「神の沈黙」(「神の不在」)です。 作品中、主人公のロドリゴが、何度も「主よ、あなたは何故、黙っておられるのです。」と呟きます。 これだけの切支丹の弾圧がありながら、民衆の苦しみを救えない自分のもどかしさ、宗教の無力感、それは自分が信じてきたキリスト教への疑問です。 この本は、最初から最後まで、ロドリゴのこうした「神の沈黙」に対する心の動揺を延々と描いています。それでいながら、全く退屈せず一気に読ませてしまうのは、作者の筆の力でしょう。
信じる者こそ救われない
農民たちが迫害にさらされている間ずっと沈黙を守り続けていたくせに、ロドリゴが踏み絵を踏む瀬戸際になって「踏むがいい。…私は沈黙していたのではない。一緒に苦しんでいたのに」などとのたまうことに相当な違和感があります。そして、五本の足指が愛するものの顔の真上を覆った瞬間、この激しい悦びと感情とをキチジローに説明することはできなかったとありますが、ホント、人というのは、とどのつまり何でも自分に都合よく解釈する不思議な思考回路をしているもんだな…と。信仰というのは、その結果が明確な現証として顕現しなけりゃ意味がないと思ってますので、信仰ゆえの苦難に沈黙するでしかない無慈悲かつ非力な神に怒りが込み上げ、やはりキリスト教の教義など絵に描いた餅でしかないと改めて認識した次第。もちろん、物語の主題はもっと深いところにあると思いますので、改めて読み返し、自分なりの思索を重ねたいと思います。
「沈黙」がテーマでは無く
この本は、 「神の沈黙」‥ 神はなぜ黙っているのか が書かれているように見えて‥‥ 本当は 「キリストの愛」‥ キリスト・イエスが、いかに人間を愛しているか が書かれた本のように思います 主が沈黙していると思い苦悩する主人公に キリストは、 「私はお前たちを見捨てはせぬ」と言い 共に苦しんでいたと話します 最後には 踏み絵を前にした主人公に対して 「踏むがいい」 「私はお前達のその痛さと苦しみをわかちあう。そのために私はいるのだから」 と言います キリストは沈黙しているかに見えて、 深い愛を持って人を愛し、常に人と共にいて、苦しんだり悲しんだりしているのだ‥と 読み解く事ができます。 ただ‥ 遠藤周作は、 この深い「キリストの愛」は、 もしかすると‥ 主人公のように「苦難」を通さなければ 人間には、見る‥感じる‥知る事ができないものでは無いか‥ という、重いテーマを読者に投げかけているように思うのです 但し、それで終わりではなく 最後には主人公が キリストへの新しい愛の形を見つけたように、 人間は苦難を通して 「キリストの愛」を知った時、 キリストとの新しい関係が始まる と言う事も、 遠藤周作は書きたかったのではないでしょうか いや 主が遠藤周作に 書かせたかったのかもしれません‥ だとすれば この本は、 私達が弱くて、どのような苦難にあっても、 他の人に捨てられ苦しめられても 逆に自分が愛した者を裏切り絶望の中にあっても、 一筋の光がさす事を 教えてくれる 「希望の書」ではないでしょうか ※何故キリストがそこまで人を愛しているのか? キチジローはどうなるのか? 拷問され死んで行ったキリシタンは無駄死にか?と疑問を感じた方は、近所の教会で神父や牧師に聞いてみて下さい
信仰とは、宗教とは、信仰者とはなにか?
 私が小学生のとき、オウムのサリン事件がTVのどのチャンネルでも流れていた。 「宗教って怖いものなの?」そういう問いが、無条件に肯定されそうな、そんな空気だった。   人を殺すことを、「良いこと」と言える考えってなに?  いったい、「信仰」とか「宗教」ってなに?  私は、宗教というものが不思議でたまらなかった。 仏教の本、イスラーム解説本、新・旧の聖書、道端で配られる現代宗教の冊子…手に入るものを、読み続けた。  でも、わからない。どの本も、みな同じことを言っているのに、どれも互いを否定する。  そして、高校生の時にこの本に出会った。  宣教師が見たモノはいったいなんだったのか?神などというものは、存在するのか?  「信仰すること」「信仰している人」について、この本は鮮やかに私に提示してくれた。  けして謎が解けたわけではないけれど、ここから私は社会学と宗教学に興味を持つようになった。   社会学、国際社会学を学ぶ学生、宗教学を学ぶ学生は一読した方がいいと思う。  文字だけの存在だった、「信仰者」たちに、きっとこの本で触れることができるから。      

孤高の人 (下巻) (新潮文庫)

[ 文庫 ]
孤高の人 (下巻) (新潮文庫)

・新田 次郎
【新潮社】
発売日: 1973-02
参考価格: 620 円(税込)
販売価格: 620 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 97円〜
孤高の人 (下巻) (新潮文庫)
新田 次郎
カスタマー平均評価:  5
悲しき最後
加藤文太郎は槍ヶ岳の北鎌尾根で遭難して死亡します 登山家の宿命でしょうか 悲しい最後ですね 私も毎月山に登っています 低山ばかりですが夢はヒマラヤです およそ山に登るものの最終目的はヒマラヤです 加藤文太郎は志半ばで逝きました 彼の心を継ぐのは我々です
登山者は読んでみて
実在の登山家,加藤の生涯を物語にした小説。
登山家としての加藤の生き方がすばらしい。

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 更新日 2009年5月10日(日)  ※ 表示価格は更新時のものです!      メール      相互リンク

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