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きよしこ (新潮文庫) 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫) 竜馬がゆく〈6〉 (文春文庫) 竜馬がゆく〈2〉 (文春文庫) 仮想儀礼〈上〉 竜馬がゆく〈3〉 (文春文庫) 竜馬がゆく〈4〉 (文春文庫) 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫) 風の歌を聴け (講談社文庫) 竜馬がゆく〈7〉 (文春文庫)
きよしこ (新潮文庫) 世界の終りとハードボイルド・ワ.. 竜馬がゆく〈6〉 (文春文庫) 竜馬がゆく〈2〉 (文春文庫) 仮想儀礼〈上〉 竜馬がゆく〈3〉 (文春文庫) 竜馬がゆく〈4〉 (文春文庫) 世界の終りとハードボイルド・ワ.. 風の歌を聴け (講談社文庫) 竜馬がゆく〈7〉 (文春文庫)

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きよしこ (新潮文庫)

[ 文庫 ]
きよしこ (新潮文庫)

・重松 清
【新潮社】
発売日: 2005-06
参考価格: 460 円(税込)
販売価格: 460 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 250円〜
きよしこ (新潮文庫)
重松 清
カスタマー平均評価:  5
子供へのメッセージ。
重松ワールド全開の物語なのですが、他の作品群と比べて、人間の感情の奥底をえぐるような著者独特の観察眼が浅い感じは否めません。靴の中に小石が入ったときのような、あの読後感はないです。 ただ、重松氏が子供へのメッセージを込めた作品だろうなということを考えると、その浅さが、絶妙なバランスだと感じます。そして、他の作品よりも“希望”を強く感じさせる作品に仕上げっています。 思いっきり、小学生高学年の夏休みの課題図書的な作品です。 ただ、それでも、社会にもまれて疲れきった勤め人にとっても“癒し”の物語となっていることは、著者の卓越した物書きとしての才能を感じます。 個人的には“ゲルマ”が大好きです。
ただ、そばにいる
前書きからすでに感動。「ただ、そばにいる」素晴らしい言葉です。 本編は吃音のある少年の物語。派手ではないがしんみりと心の奥に伝わる優しい話が端々と伝わってくる。人の『こころ』が分かる優しい作家さんだなあ としみじみ。今回も逸品でした。
生きるための勇気
吃音もそうだが、度重なる転校も、また辛いだろう。 普通なら、ゆるやかに続く小学校中学校時代の記憶が、切れ切れに分断されて、 しかも共有できる友人はいない。 その辛さと寂しさ、悲しさは、本書を読んで推して知るべしだろう。 様々な負荷を背負って、私たちは生きてゆく。 負荷に負けそうになった時、本書の主人公・白石きよしを思い出そう。 彼を支えた、家族の絆やきよしこの言葉、出会った人々の冷たさや温かさ。 それが、みんな勇気になるのだ。 個人的に「北風ぴゅう太」と「交差点」が好き。 特に「交差点」の大野君は、その後どうなったか気になるところ。
ほんとうに伝えたいこと
「ほんとうに伝えたいことだったら、伝わるよ、きっと」 きよしこのメッセージです。全編にわたるテーマになっていると思います。伝えたい思い、伝わらないもどかしさ・・これは、吃音のきよしでなくてもあるのです。吃音であるゆえに、一言発した言葉を捕らえて先読みされてしまう。けれど、それを否定するにはコンプレックスが邪魔をする。この本を読んで心が痛かった。小さなわが子が言いたかったこと、言葉にできなかった思い。それを私はいつでも勝手に先読みしてきた。本当は違ったのに。もしかしたらきっと誰でもきっとそんなほろ苦い経験はあるのでしょう。転校ばかりの少年時代、その中で知り合った人たちの中で、きよしはきよしとして力強く生きていくのです。
これはみんなに読んでほしい
「卒業」を何気なく読んですっかり重松ワールドにはまってしまいましたが、この作品は作者の実体験に基づいた内容となっているようなので、他の作品とは趣が違っている。フィクション仕立てになっており、読者の心に響く作品に仕上がっていると思う。「青い鳥」を先に読んで(こちらは号泣)しまいましたが、きよしこ→青い鳥と読んでいたらまた感動も格別だったような気がする。ぜひ未読の方はこの順番で読んでいただきたい。作者の想いが必ず心に響いてくるから・・・

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)

[ 文庫 ]
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)

・村上 春樹
【新潮社】
発売日: 1988-10
参考価格: 620 円(税込)
販売価格: 620 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 198円〜
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)
村上 春樹
カスタマー平均評価:  4.5
最高傑作(異論は認める
そう言わざるを得ない作品です。数多くの村上作品を読んできましたが、これを越えるものは恐らくないと思います。村上春樹アレルギーじゃない人は絶対読むべき作品個人的なは世界の終りの世界観が大好きです。
未だに、村上文学の最高峰
一般の方にとって、村上春樹といえば「ノルウェイの森」だとか「海辺のカフカ」なのだが、その実、村上春樹ファンの中で最も評価が高いのが、この「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」なのだ。影を奪われ心を失いつつある「僕」が、壁に囚われた街で一角獣の頭骨から夢を読む事を生業とする「世界の終わり」。システムに属する計算士の「私」が、ファクトリーに属する記号士ややみくろと攻防を繰り広げる「ハードボイルド・ワンダーランド」。この全く趣の異なった二つの話が交互に進行してゆく。「世界の終わり」の無味乾燥で退廃的な原風景。「ハードボイルド・ワンダーランド」のニューエイジ的な殺伐とした空気。しかし、設定も時間軸も何もかもが全く異なった二つの世界は、「一角獣」という各世界をジョイントするアイテムによって、徐々にその関連性を増し、一気に物語の核心へと加速してゆく。純文学の体裁ながら、シュールレアリスムやSFまで加味された、重厚かつ精緻な世界観にはひたすら気圧される。意味深長でありながら軽妙なユーモアも織り混ぜた村上春樹特有のタッチで綴られるそれぞれの異世界は、霊妙ですらあり、まさに、彼のイマジネーションの賜物なのだ。これは、戦後の日本文学における極めて重要なアイコンであり、同時に村上春樹の金字塔だといえよう。未読の村上春樹愛読者は言うに及ばず、一般の読書家にも、最早必携の書である。この小説には、読者の人生観を雲散させて再構築してしまう程のパトスがある。そして、読者を決して裏切らない。
ダニー・ボーイ
夢想的な「ハードボイルド・ワンダーランド」。幻想的な「世界の終わり」。 2つの話が交互に展開されるわけですが、 なんだか浅い夢と深い夢を交互に見るような。あるいは夢の中で夢を見るような。 終始不思議な感覚でしたな。 某は退廃的で夢見がちなタイプなので、この作品とはすこぶる波長が合いました。 最近読んだ小説の中では一番のお気に入りです。 それにしても、あそこで「ダニー・ボーイ」を出すのはずるい。 あのノスタルジーな冒頭のメロディーを思い浮かべた瞬間、主人公にリンクした気がして ぶわっと涙が出ましたよ。畜生。
すごい作品 一回みただけではわからない
一回見ただけでは何がなんだか・・・しょうじき筋がつかめません はっきりって構成はでたらめな感じがします。ハルキムラカミの仕事はだいたいにおいてそうですが、一部例外を除けば、最初に大きなだいたいの地図を描くのでなく、地図の細部から描きだして、木の枝、植物の根のようにそれらを広げていきます。この手法では物語に落としどころをつけるのが非常に困難でしょう。しかしハルキムラカミはそれができる人です。だから物語として成立します。凡人はまねしないほうがいいです。痛い目にあいます。 この話ははっきりいいましてカオスです。そうです、ちょうど、私たちが夜に見る夢のようです。めちゃくちゃです。 まだ一回しか読んでないのでこんな感想ですみません。 次読むのは5年後ぐらいになりそうです。
リアルな物語
暗闇は空間を均一化する 明るいところでは自分を中心とした距離もありあそことこことに差があるが、暗闇はそれをすべて奪い去る、つまり、あそこもここも区別が無くなるということだ。  「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」という作品は2つの世界が交互に現れる。ハードボイルド・ワンダーランドでは時間が加速したり減速したりひっきりなしに事件が起きて「私」はひと息つくこともできない。それに対し世界の終わりではゆったりとした時間が流れる、そして「僕」は光を失い「影」と別れる。生命の繰り返しがつづき人は記憶を失う。つまり、世界が「終わる」とは時間・空間の均質化なのである。世界自体は続くのではあるがそれは、「終わる」ということに等しいのだろう。  ところで、私たちは今科学が発達したいわゆる文明社会というものに生きているが、このような均質化が身近なところに潜んではいないだろうか?タレントがはしゃぐだけのテレビ番組、いつ動作しても同じ結果しか出ないコンピューター。ハードボイルド・ワンダーランドで技術の発達が世界の終わりの危機をもたらしたように現代の科学技術も世界を終わらせうるものではないのだろうか?  

竜馬がゆく〈6〉 (文春文庫)

[ 文庫 ]
竜馬がゆく〈6〉 (文春文庫)

・司馬 遼太郎
【文藝春秋】
発売日: 1998-10
参考価格: 660 円(税込)
販売価格: 660 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 90円〜
竜馬がゆく〈6〉 (文春文庫)
司馬 遼太郎
カスタマー平均評価:  5
全てが竜馬を中心に動き出す
 時代がこの男を欲していたのだろうが、日本という国が間違いなく竜馬を中心にしてグルリと回った。歴史の教科書には簡単に「薩長同盟」と書いてあるだけの事だが、これを成すためにどれだけの苦労があったかがよくわかる。  そして徐々に幕末のその先を見据える男が現れだす。高杉はクーデターで新政権を確立するなり「もう俺の役は済んだ。人は艱難なときは一致団結できるが富貴はともには出来ん。きっと仲間割れが起こる。俺はそれより外国へ密航して武器を買い入れ対幕戦争を有利にする」当時としては斬新過ぎることを言ったり、竜馬自身も「革命がなっても亀山社中のものは政府の役人にはなるな。世界の貿易商社を目指すのだ」とも言う。  そんな中、苦労を共にしてきた池内蔵太ら数名が竜馬の指示で長崎から鹿児島へ向かう途中に沈没して死亡してしまう。この時の描写には思わずもらい泣きをしてしまう。「すべて天命である」と自らを躾け死をいちいち悲しむ事を嫌う竜馬も一人うずくまって涙を流す場面は心中察するに余りある。  それにつけても買ったばかりの船が一日で沈没したり作った海軍学校は取り壊されたりと竜馬の運はそれほど良いとも言えないのだが、それをばねに跳ね返し続ける彼の胆力に恐れ入る。  おりょうに「昔のような純情さがなくなってきたわ」といわれ「純情だけでは人間の乱は鎮められんからな。古来、英雄豪傑というのは老獪と純情の使い分けの上手い男を言うのだ」と竜馬に言わせる司馬遼太郎の歴史観も素晴らしい。
秘密、タイミング、そして感情・・・
坂本竜馬の物語、全8巻の6冊目である 6冊目の主題は、薩長同盟 水と油の薩摩と長州が 文字通り竜馬を介して 歩み寄っていく ゴールは遠く、障害は多い 秘密、タイミング、そして感情・・・ だが、竜馬は成し遂げていく 藩ではなく、日本のために 類まれなる剣の腕、垣根を越えた広い人脈 人を魅了してやまない性格、そして誰よりも高い志・・・ 同じ日本人として羨ましく、かつ、誇りに思う
国民的名作第6巻、薩長同盟なる!
これまでは「海軍ごっこ」のようなことをしてきた竜馬ですが、ようやく維新の表舞台に登場し、なくてはならないキープレイヤーになります。 薩長を結ぶことが倒幕につながると考えつくものの、両者はお互いを敵対視。そこでの竜馬のやり方は「利で説くこと」。幕府軍に攻められている長州には薩摩から軍艦を、京都で兵糧に困っている薩摩には長州から米を、そしてその仲立ちは竜馬が結成した日本最初の株式会社ともいえる亀山社中がとりもつ。三者三得の方法で、薩長の敵対心を和らげ、ついに同盟締結までこぎつけます。 お互い体裁を気にする薩摩・西郷と長州・桂の間を必死に駆け回る竜馬の活躍が中心の第6巻です。ちなみに、入浴中の妻おりょうが素っ裸で危機を知らせたという寺田屋騒動や日本初と紹介される霧島への新婚旅行など有名なエピソードも豊富に散りばめられています。
いよいよ話が終盤に近づいてきました。
ついに不可能といわれていた犬猿の仲の薩長の手を握らせた竜馬。 どんな優れた交渉術をもっていたのだろうか、とても気になるところ。 明治という新しい時代の幕開けもすぐそこまでという第6巻。 7、8巻の終盤が楽しみです。
竜馬がゆく 第六巻
 司馬遼太郎の名作『竜馬がゆく』の第六巻。遂に成った薩長の秘密同盟、その間を取り持った坂本竜馬一人の手によって維新の歴史が動かされていく。時期を同じく薩長連合を目論んだ土佐の英雄中岡慎太郎と共に、薩摩は西郷隆盛や大久保一蔵、長州は桂小五郎の繊細な心境を汲みながら、薩長をつないで行く竜馬の姿はまさに見事である。一度は同盟成立へ向けて薩摩を発った西郷も、時勢と世論に圧されて京都へ。怒った桂率いる長州を宥めつつ、再び舞台は京都。既に広まった志士坂本竜馬の上洛情報を知って、坂本竜馬の包囲網は大阪・兵庫にまで広がるが、そんな事に臆せず、大阪城代大久保一翁や新撰組藤堂の計らいの下、無事京都へ到着する。坂本竜馬の到着で、漸く西郷と桂が手を握った。

 前巻辺りまでには余談や後日談などやや冗長な表現が続く事もあり、この巻も決してそれらが少ない訳ではないが、多くは薩長同盟の性格を知る上で必要不可欠なものであったり、時に歴史の核心を突いた見解であったりして、話が途切れる様な歯切れの悪さは無い。又、この薩長同盟の記述は、現存する文書を現代語に書き換えた文章を利用している箇所が多く、竜馬の手による文も所々に見受けられて面白い。その点、やや薩長連合に関する文章が短めに終わってしまい、大きな山場にも関わらず今一つ胸躍らせる様な場面が少ないのだが、それは司馬遼太郎の粋な計らいと取る事にしよう。それが時代小説の性格でもあろうはずである。


竜馬がゆく〈2〉 (文春文庫)

[ 文庫 ]
竜馬がゆく〈2〉 (文春文庫)

・司馬 遼太郎
【文藝春秋】
発売日: 1998-09
参考価格: 660 円(税込)
販売価格: 660 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 144円〜
竜馬がゆく〈2〉 (文春文庫)
司馬 遼太郎
カスタマー平均評価:  4.5
やはり若者に読んでほしい
竜馬の幼馴染の武市半平太が藩を勤王化しようと行動し、吉田東洋暗殺を計画する。一方竜馬はまだ自分がどのような形で日本のために役立つかは定まらず、ただ武市のやり方には限界を感じ脱藩を決意する。 自分に活かすとすると、自分のやりたいことを見つけるには、やはり座していては何も見えてこないので、見聞を広めるために行動を起こすこと、たとえ一人であっても自らが正しいと思えば行動を起こすことなどがあるでしょうか。やはりこれからの未来を担う若者にも読んでほしい一冊。
国民的名作第2巻、竜馬脱藩・土佐から日本へ
江戸での剣術修行を終えて土佐に戻った竜馬。何かをしなければいけない、何かをなしたい、でも何をしていいか分からない、といった状態が続きますが、一方で、盟友・武市半平太は明確に尊王攘夷の考えをもって土佐藩をリードしようと画策します。しかし、竜馬は、土佐藩の旧弊、幕藩体制の限界を見抜き、視野を「世界のなかの日本」に求め、ついに脱藩します。 土佐藩の勤皇の志士たちの不幸は、ほとんどが藩政に関わることを許されない郷士で、そのことが薩長との違いでもあり、そのことが彼らの多くが非業の死をとげた背景でもある点です。本書ではこうした土佐藩の特殊性が随所に描かれますが、そのなかからでも竜馬や半平太、中岡慎太郎、岩崎弥太郎など人物を輩出したことに土佐の底力を感じます。
姉弟の絆の強さに、心惹かれる
坂本竜馬の物語、全8巻の2冊目である 2冊目が描くのは 江戸での残り少ない剣修行の日々から 土佐に戻り、考えた末脱藩するシーンまで 冒頭竜馬は、無二の友である武市半平太と、堅物の中岡慎太郎と酒を飲む 無用な一言で、竜馬と中岡が一発触発の事態となるが 素朴な思いと実直な行動で丸くおさめ 凡人にはとらえることができない 一人の魅力的な男を際立たせる 土佐までの旅は、やっかいな人物を抱えてしまい 追手と対峙したり 憧れの人と出会い、料亭で落ち合ったりする 若さゆえに巻き込まれてしまうその場面に 竜馬は竜馬らしくふるまおうと もがきあがいている 脱藩は自分だけでなく身内も巻き込む違法行為 自分、身内、友、将来との関係に、どうケリをつけるのか 離れていた竜馬の心と行動が やがて一つになっていく 風雲急を告げている 弟のために決意する姉の行動に、心打たれる 姉弟の絆の強さに、心惹かれる
猛進する武市 脱藩する竜馬
北辰一刀流千葉桶町道場塾頭にまでなった竜馬も土佐へ・・・普通は安穏と自分の道場を開き町の尊敬を集め、というのが成り上がりコースな訳だが竜馬の頭にそんなコースは細すぎた。 軟弱だと思い込んでいた公家の、平然と命を張った密書運びに巻き込まれた竜馬は「男とはあれだ」と目をむく。が、いまだ己の道が見えない。 かたや土佐藩きっての大物武市半平太は勤王党をつくり参政吉田東洋を暗殺するまでにいたる。幼馴染として歩んできた二人の道が徐々にずれ始める。 「現実的」という一点が竜馬の関心事だ。 武市の暗殺計画にも「それで何か変わると思ったら大間違いじゃ」と袖を分かつ。 この本が面白いのは後の明治政府で政治家としての顔しか私が知らなかった名士たち歴然とした武士としてそれぞれの藩に存在する妙を感じることが出来ることだ。 板垣退助が土佐藩はじまって以来の手に負えない喧嘩武士だったことも知らなかったし、後の日露戦争総司令官大山巌が弥助として登場してくるのも驚かされる。そう考えるとこの時代と言うのは本当に濃密過ぎるほどの時代だ。 竜馬脱藩 ようやく日本人として歩みだす。
脱藩
続く第二巻。主に故郷土佐での話が描かれています。 面白いのは、多くの人との出会いが描かれているところ。 四国行脚の旅に出て情勢を自分の目で確認する竜馬。時に剣を用いて、時に言葉を用いて人々の心を捉え、その人間の大きさに惹き付けられていく人々。有名無名関わらず、幕末に生きた多くの人々が竜馬の目を通して描かれています。 と、同時に激動の時代背景。『桜田門外の変』、『安政の大獄』といった歴史の世界が遠く土佐にいる竜馬の視点から見れます。「生涯、これほど血のわいた瞬間はない」とは桜田門外の変での竜馬の心境。 激動の時代がいよいよ始まる、そんな幕開けを感じさせる心高ぶる第二巻でした。 いよいよ竜馬も脱藩。 しかし、日本の未来を作った竜馬の脱藩の陰には悲しい犠牲があったことを知る切ない二巻の終わり。第三巻は果たしてどうなるのか、期待が高まりました。

仮想儀礼〈上〉

[ 単行本 ]
仮想儀礼〈上〉

・篠田 節子
【新潮社】
発売日: 2008-12
参考価格: 1,890 円(税込)
販売価格: 1,890 円(税込)
 Amazonポイント: 18 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 1,300円〜
仮想儀礼〈上〉 ※一部大型商品を除く
篠田 節子
カスタマー平均評価:  4.5
新興宗教ビジネスはちょろいのか?
篠田節子作品で読ませるのは、私見では一に『女たちのジハード』であり、『夏の災厄』がこれに続く。 高評の嵐のような本作については、途中で退屈して投げ出してしまった。 まず思ったのは、えげつなさも含めて、これよりは新堂冬樹の『カリスマ』のほうが上ではないか?  この2つは、同じように新興宗教を取り上げてはいるが、なるほどテーマは異なる(過激な新興宗教教祖のパーソナリティを描く新堂作品と普通の人々が新興宗教にはまるお話)。 とは言え、新興宗教群像のエンタメモノとしては、新堂に面白さがあろう。好き好きと言われれば話はおしまいだが。何も別に新堂作品を褒めるわけではないが、篠田の本作を持って「ヒューマニズム」や「社会派」を云々されても困ってしまうのである。 たとえば、ドン・デリーロの『マオ2』のような集団的な宗教的熱狂への描写があるわけではない。ふと顔を出す狂気が支配する恐怖もほとんど描かれないし、描かれても中途半端だ。銭儲けを目的とした落ちぶれた一般人が、新興宗教をビジネスとして始めてしまうという設定なのだから、それでもよいとは言える。それはよいとしても、宗教ビジネスが覗かせる人間のおかしさの描写にしても際立っているところはひとつもない。それに、ビジネスであればもっと過酷な面があると思うがなあ。まずもって、上下2巻は長すぎるのである。 それでも、貫井徳郎あたりのゆるーい因果モノ(『乱反射』など)あたりと較べれば、大人にも読めるものかもしれないので星2つ。大甘ではあろうが。
虚業のリアル
 怖い。  新興宗教に限らず、宗教というものが全く信用できないウチが、この作品はどうしても読んでみたくなって購入しました。  公務員だった男が作家になる夢につけ込まれ、気がつくと家族も職も失ってしまう。唆した男を責めながら目撃してしまった9.11、ワールドトレードセンタービルディングが崩壊する中、二人は「宗教」を事業として起こすことにする。  ゲームブックと各種宗教の組み合わせた事業としての癒し、宗教を求める様々な人、どんどんと大きくなっていく宗教団体、そして小さな綻びからの転落。宗教の持つ胡乱さと、それをどうしても求めてしまう人の思い。  ステロタイプな登場人物が、逆に作り物じゃなく思えてしまえて、とんでもなく怖い。  上下巻900ページにも及ぶ長編は、グッと鷲づかみにされるほどの強烈さで一気に読み進められて、教団がふくらんでいくと過程に高揚し、転げ落ちていく過程に恐怖を覚えてしまう。ジェットコースターのように揺さぶられ続けて読み終えてしまった。  穏やかそうに見えるラストでも、信者に潜む心の内がやっぱり怖い。
宗教はこころをもてあそぶのか、それとも、心を救うのか
環境にメスを入れるのが工学技術 心のメスを入れるのが宗教 工学技術が環境を改善する一方では、破壊もする。 宗教も心を癒し育てる一方では、心を破壊もする。 宗教の2面性を見事に描ききった好著
お薦めです
 本書の構成は、俗の敗者が、聖を利用して俗に反撃を試みたところ、一旦は勝利するもののまたたくまに反撃をくらって、再び一敗地にまみれるという単純なものです。少なくともエピローグの前までは。しかし、最後の数頁で勝負は逆転します。聖中の俗、転じて俗中の聖が忽然として立ち現れるのです。  掉尾の一文字を書き下した時、本作家の脳裡には一体どのような感慨がよぎったのでしょうか?もうひともうけできるという欲でしょうか?あるいはどういった批評が下されるのかといった不安なのでしょうか?  そうではないと思います。おそらくは、人として普通に生きるということの尊さといったものが特別の光に彩られるというわけではないにしても、何かしら言葉で掌握できる範囲を遥かに超えた深いたなびきのようなものを帯びつつ静かに流れてゆくのを茫然として見送っていたのではないでしょうか。私にはそう感じられます。  久しぶりに「文学とはヒューマニズムである」という言葉を思い出すことができました。
ビジネスとしての宗教は成り立ちうるのか
本書は「読み始めたら止められない」極めて優れた娯楽小説であり、読後感も決して悪くない。 支払った「お代」以上のものを返してくれる、ちゃんとしたエンターテインメントだ。 しかし、本書を読み終わった読者は、それぞれに考え込むことになる。 この「豊かなあまりに人と人との関係が薄くなった世の中」で、「サービス業としての宗教」というものが成り立つのか?という問いに対するひとつの回答を著者は本書で示したと言える。 著者による回答は極めて説得的だが、人によっては違う回答もあるだろう。 少なくとも本書の主人公が言うように、現代は過去とは違う。 「昔の宗教は確かに存在理由があった」「家は貧乏、嫁ぎ先じゃいびられる、子供は病気で死んじまう。そういう女なんかに、神様が憑いた。」「しかし今じゃ、退屈した人間が自分の精神を玩具にして、宗教はそのためのワンダーランドだ。笑わせてくれるなよ。」(上巻93頁) 本書は、そういう時代の宗教とは何なのかについての、思考実験であるとも言える。 本書を読んで高橋和巳の「邪宗門〈上〉 (朝日文芸文庫)を猛烈に読み返したくなった。「宗教が宗教らしかった時代」、日本が貧乏にまみれていた時代の新興宗教の物語である。実に残念なことに絶版となっているが、図書館には必ずある本なので借り行くつもりだ。戦前の日本の想像を絶する貧苦の中から立ち上がってくる宗教のパワーを、これほど迫真性に満ちて描いた作品は、他にはない。

竜馬がゆく〈3〉 (文春文庫)

[ 文庫 ]
竜馬がゆく〈3〉 (文春文庫)

・司馬 遼太郎
【文藝春秋】
発売日: 1998-09
参考価格: 660 円(税込)
販売価格: 660 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 291円〜
竜馬がゆく〈3〉 (文春文庫)
司馬 遼太郎
カスタマー平均評価:  5
国民的名作第3巻、竜馬・人生の転機
土佐藩の旧弊を見限り脱藩したものの、何かをなすべきとは感じながら何をなすべきか分からない竜馬についに人生の重大な転機をもたらす出会いがあります。 千葉道場の重太郎がにわか志士になって斬ろうとして一緒に訪ねた勝海舟。竜馬はその場で勝の弟子になってしまいます。このあたりのくだりは、「英雄は英雄を知る」というか、勝と竜馬の人物眼がいかに優れていたかということと、この二人を出会わせてくれた歴史のあや(もし出会わなかったら、もしくは出会う時期が違ったら間違いなく歴史は変わっていたはず)を感じさせて、わくわくして読みました。 勝と出会った竜馬は、世の中が「尊王(倒幕)=攘夷、佐幕=開国」という図式でこりかたまったなかで、外国のいいところ(軍艦)をとりいれて倒幕を果たす、という独自の思想にたどりつきます。 一方で、もうひとつ大事な出会い。後に妻となるおりょうも登場します。出会いかたも劇的で、竜馬らしいエピソードになっています。
人生観の確立は、竜馬を多弁な男に変えた
坂本竜馬の物語、全8巻の3冊目である 3冊目が描くのは 脱藩して「志士」になったはいいが、何から始めたらよいか途方にくれている竜馬が 数々の人と出会うことで、次第に自分のやるべき目的と手段を見つけていくところ 特に影響を与えたのは、勝海舟 船と世界の魅力を伝え、竜馬のくすぶっていた想いに火をつける 藩というレベルから、日本というレベルで物を考える男に、竜馬を仕立て上げてしまう 人生観の確立は、竜馬を多弁な男に変えた 語る、語る、語る、語る まるで、剣を忘れてしまったかのようだ 安心していい 女性に対しては、いままでの竜馬だ 特に、伴侶となる おりゅうにプロポーズするシーンには 微笑を禁じえない
勝海舟
この3巻の幕開けは岩崎弥太郎が飾る。後に三菱帝国を築き上げていく男だ。 が、彼の若い頃は悲惨と言わざるをえない貧困暮らし。それを時代が拾い上げた。 竜馬以外で倒幕後の算盤勘定をしていたのは彼だけではあるまいか・・・ 大名行列を見て「こんな愚劣なことをしていて喜んでいるようでは幕府も潰れるぞ」と直感したのは彼が一番早かったのではないか・・・と本書にある。異質の男だ。 人斬り以蔵を使い暗殺に躍起になる武市とその限界を見つつ勝海舟との出会いでわが道をハッキリと認識する竜馬。 「議論などはよほど重要なことでないかぎりしてはならぬと自分に言い聞かせている。議論に勝ったところで相手の名誉を奪うだけである」という一文には我が身を振りかえざるをなくもなる。 元々船好きの竜馬が勝に見込まれ己の道を猛進し始める。 勝と作る私塾の海軍学校を作るため松平春獄に金を借りにいくくだりが痛快だ。 「金くらいは集めてやる」という気概がたまらない。なにせただの浪人が殿様に金を無心に行くのだ。「世に生を得るは事を成すにあり」という竜馬の座右の銘が登場する。「たとえ目的が成就できなくてもその目的への道中で死ぬべきだ。生死は自然現象だからこれを計算に入れてはいけない。」う?んその通りですな。 そしておりょうの登場。竜馬を彩る女性も面白いがなかでもおりょうは面白く、竜馬はまずはともあれ面食いだというのが共感できて嬉しい。
勝海舟そして、おりょう
読む速度が俄然速くなった第三巻。 重要な出会いが二つ。 一つは勝海舟と。竜馬と同じく器の大きい勝海舟。その勝海舟をして面白い奴と言われる竜馬、その二人のやりとりはとにかく面白く、また彼との出会いで竜馬の夢が大きく大きく膨らんでいきます。「人間好きな道によって、世界を切り開いていく」そんな言葉を残した竜馬が出会った、勝海舟と船への夢。それが一つ。 そして、もう一つは、最も重要な人、おりょうと。 その出会いは、意外な出会い、意外な展開。でも竜馬らしい。寺田屋で働き始めたおりょうとの今後の展開も興味深い! この二つの出会いが目玉になっている三巻。しかし、より印象的なのは「人きり以蔵」こと岡田以蔵とのやり取りや武市半平太との決別。 そして、寺田屋騒動。 『維新の陽は、やがてこういう連中の屍の向こうに昇るのであろう』とは、作者の言葉。 さて、四巻。どう時代が動くのか・・・。
やっと竜馬始動!
他の幕末関連の司馬作品に比べると、日常生活のほのぼのとした描写も多く、時間がゆっくりで3巻でもまだ主人公が29歳です。 2巻では竜馬の脱藩以外は大きな動きはなく、1巻の延長のようなものでしたが、この巻では攘夷か佐幕かという世論から攘夷派=尊王 開国派=佐幕といった政治思想にもなっていく経緯も書かれていて、薩摩藩 長州藩 土佐藩のそれぞれの人格 歴史 現在の政治状況 重要人物や維新後はどのような余生を過ごしたかも書かれていてかなり濃い内容になっています。 竜馬が脱藩したことによって自由に様々な人物と場所を行き来することができるようになった為、人物や出来事もついていくのが大変(笑)でしたが、作者が随所に同じような説明を丁寧に解説してくれているので読んでいくうちにこの人物はこの藩でこんな性格とかわかってきます。 1巻からの竜馬の成長や立場の変化はもちろんですが、同じ土佐出身の藩も手がつけられない無頼漢で牢獄に何回も葬られていた岩崎弥太郎が明治には商社・三菱商事を設立することになること、竜馬とは対極ではあったが親友であった美丈夫で文武両道な武市半平太が、朝廷工作を急ぐあまり、邪魔な幕府の重要人物を次々に暗殺し、政治改革というより暗殺の黒幕者になりはててしまい、竜馬とはもはや同志ではなくなったこと等、竜馬の周りにいた人物の思想 状況の変化も描かれています。 乱世であるゆえに、安定した収入・仕事・結婚することができなくても、強い意志・精神力、タイミングを見て行動すること、きちんとした対人関係を築くことで、自分が気づかないうちに自分自身が変わることができる。自分が変わると人間関係も変化し、環境も変わる。私も現在と将来を悲観するのではなく、自分改革して人生を切り開いていかなきゃ!という気持ちにさせられた3巻です。

竜馬がゆく〈4〉 (文春文庫)

[ 文庫 ]
竜馬がゆく〈4〉 (文春文庫)

・司馬 遼太郎
【文藝春秋】
発売日: 1998-09
参考価格: 660 円(税込)
販売価格: 660 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 108円〜
竜馬がゆく〈4〉 (文春文庫)
司馬 遼太郎
カスタマー平均評価:  4.5
国民的名作第4巻、浪士海軍誕生
勝海舟の支援を受けて神戸の海軍塾で志士たちを集める竜馬。時勢がくるのを待ちつつ、軍艦を手に入れようと幕府要人や諸国大名などと知己を得ます。一方、幕末の世は一気に血生臭さを帯び、京都では新撰組が勤皇の志士たちを取り締まり始めます。そして長州のクーデター失敗と佐幕派の復権。土佐藩でも藩父山内容堂が帰国し勤皇派(というか倒幕派)を粛清、竜馬の盟友・武市半平太も切腹を言い渡されます。 いよいよ竜馬の活躍の舞台も海上に移り、幕末の風雲も吹き荒れ始めますが、千葉道場さな子との恋がその緊迫感を多少なりとも和らげてくれる第4巻です。
海から日本を眺め始める
坂本竜馬の物語、全8巻の4冊目である 4冊目が描くのは 勝海舟とともに、海軍塾を開き、船を浮かべる場面 念願であった自分の船を手に入れ、文字通り海から日本を眺め始める 凄惨な話が一つ 袂を分かった武市半平太とその仲間が、切腹に追いやられる 信念を貫き、死でさえも、その表現の一つとした武士たちが  時代の変わり目で消えていく 竜馬は、死を、かわしていく 生きながらえるためではない 大望を果たすために、である 新撰組とすれ違うシーンがいい 人ではなく、時代と戦っている竜馬に 土方や沖田が翻弄されている
竜馬飛躍の前と盟友武市の死
それにしてもこの時代の志士達は尋常な神経ではやっていけない。 真剣で斬られる局面を幾度も切り抜けてきたものだけが幕末後の明治という世を見ることが出来た。 竜馬も例外でなく結局は斬られてしまうのだが、それまでに何度斬りすてにされそうになったか、両手でも足りないほどだ。 そりゃ胆力もつくわな。 土佐では、京都での長州失脚すなわち勤王派の勢力ダウンという時勢に変わった瞬間、山内容堂による土佐勤王党の弾圧が始まる。 そして竜馬の盟友、武市半平太は切腹させられる。 観念的な思想にもとづいて動いた武市と、現実的視点のみで動く竜馬との差が結局ここまでひらいてしまった恰好になる。 その点勝海舟という幕僚と竜馬は恐ろしいほどの共通点があった。耳を信じず己の目で見たものから思考する。 4巻でも思わずほろりと来る場面がたくさんあるが中でも、法螺と馬鹿にされても軍艦を手に入れるといい続けた竜馬がやっと本当に軍艦を一隻手にしたときの描写は笑いながら泣かせられる。陸奥とのやりとりも漫才のようで面白い。 「俺には仕事があって、生死などはない」は素晴らしい一言。 司馬さんの竜馬評も楽しい。 「竜馬ほどおしゃれな男はまずすくない。ただおしゃれの才能が皆無なだけで、その気分は満々とあるのである」思わず声をあげて笑ってしまった。
新撰組登場!
「あの男は斬れませんよ。」 とは新撰組の沖田総司が土方歳三に言った言葉。 竜馬が新撰組と狭い露地で対面した時のこと。 「死なぬような生き方をしたい」と言った竜馬を、時代が必要としていることを感じたひとコマでした。 まるでマジックのように一日で長州が京から追われ、いよいよきな臭さが漂い始めた第四巻。 幕末へ。 読み応えがあった。 「天が血の犠牲を求めている」と、竜馬。 その犠牲になった竜馬の親友、武市半平太。 彼が生き続けていた明治を見てみたかったと思った。 そしてこの巻の特徴は、作者司馬遼太郎さんの私的意見が随所に見られるところ。 武士とは。切腹とは。そして明治維新とは。 とかく、読み応えがあった。
竜馬の恋。
お田鶴さま、さな子、おりょうと三人の女性を意識する竜馬。 武士の世界ではこのように何人も好きかもしれないと思うこと自体珍しかっただろう。 たとえ一瞬思ったとしても、武士たるもの・・・という姿勢になるだろうが、これもまた竜馬らしいエピソードだと微笑ましく感じた。 恋の行方も気になるところだが、メインストーリーの幕末の変動の時期、長州、薩摩の立場が情勢とともに変化していく。 この目まぐるしく変化する中で竜馬がどのような活躍をしていくのか5巻も楽しみです。

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)

[ 文庫 ]
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)

・村上 春樹
【新潮社】
発売日: 1988-10
参考価格: 580 円(税込)
販売価格: 580 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1円〜
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)
村上 春樹
カスタマー平均評価:  4.5
幻想的な現実感
村上作品はノルウェイの森以来2作目。 ハイテンポで現実的なハードボイルドワンダーランドと ローテンポで幻想的な世界の終わり その相反する二つの世界が繋がり重なり合う。 「私」が使うことが出来るシャフリングという能力に隠された謎。そのキーである「世界の終わり」という言葉。突如手にする事になる一角獣の頭骨。計算士と記号士。やみくろという謎の種族。システムとファクトリー。太った女とリファレンス係の胃拡張の女。そして博士。 「僕」が訪れた「世界の終わり」という街。心を持たないが故に穏やかな永遠の日々を暮らし続ける人々。「僕」の記憶の大半を持つ引き剥がされた「僕」の影。街に住む一角獣。古い夢と呼ばれる一角獣たちの頭角。夢読みである「僕」の手伝いをする図書館の女の子のなくしてしまったはずの心。「僕」の影の脱走計画。 全ての謎が優しく、それでいて複雑に絡み合い二つの世界は除々に重なってゆく。 本当にいい作品に出会えた。
村上春樹からの壮大なメッセージ
世界から脱出しようとする「世界の終わり」の「僕」と、世界から消滅しようする「ハードボイルド・ワンダーランド」の「私」。 二つの異なる世界は次第にシンクロしながらもそれぞれの結末へと歩を進め、それは誰にも止める事はできない。 村上春樹の谷崎潤一郎賞受賞作、堂々の完結。 自らの意思とは無関係に不条理に翻弄される「僕」と「私」。 一貫して繰り返される世界における己の存在に対する問答、そして、逆境に立たされた人間の絶望。 巧みなのは、理不尽や悲哀を下地にしながらも、「世界の終わり」の詩情に満ちた情景や、「ハードボイルド・ワンダーランド」の軽快さと哲学を織り混ぜた躍動というギミック。深甚なるテーマを扱いながらも、著者の衒学趣味やアイロニカルなレトリックの挿入で、肩肘を張らずに読ませる手法は、大いなるを実験性を秘めた文学の挑戦であって、まさに、喪失の文学たる村上春樹作品の王道と呼ぶにふさわしい意欲作だ。 ラストでの「僕」と「私」の選択は実に対極的である。 共に世界に弄ばれながらも、宿命に対して、抗う「僕」と、従う「私」。 充足への疑念と喪失への達観という対極的な二人の主人公の対応は、人がアプリオリとして持つ「意思」という名の原罪のメタファーでもある。 アイデンティティーを保て、そして、自我に忠実であれ。 そんな村上春樹の投げ掛けるテーゼに、読み手は射抜かれる事なる。 真に高尚なる文学は、作品としてアーティスティックたる事、かつ、読み物として満足できる事。 だが、現実には万巻の書の中でも、この条件をクリアできるものは稀少なのが実状。 故に、現代の日本文学において、この作品はまさに、至宝といえるのだ。 これは、不死という幻想を通して、人間の魂を描く、破格の物語だ。
何時の時代もBobDylanはいい
 1985年(昭和60年)にオリジナルが出た本書は、平成20年を過ぎた今も面白く読むことがきる。 パラレル・ワールドを描く本書は、「カフカ」の先駆けのようなものだけに興味深いが、それにしても、当時は"Positive Fourth Street" "Watching the River Flow" "Menphis Blues Again" そして「激しい雨」が一本に収まったテープがあったんだなあ。
食べ物、音楽が・・・
村上春樹初期4部作、他4冊ほど読んでそれなりに面白かったので今回この世界の終わりとハードボイルドワンダーランド を読んで見たのだが、 食べ物、音楽の曲名がこまごまと書かれていてうざったく感じた。 食べ物、音楽に関しては村上氏の小説の手法ではあるが他の作品では、 あまり感じなかったが今回は特にうざったく感じた。食べ物、音楽でなければその時の感覚を表現できないのだろうか? その食べ物、曲を知らない人には何も意味をなさないのではないか? 村上氏は読者が皆自分と同じように食べ物、曲を知っていると思って いるのだろうか? この小説を読んでいて村上氏にちょっと失望した。
〈私〉の目覚める時
前々からこの作品の続編が噂されている。著者のファンである私もにわかに期待している。にわかに期待し続けてもう10年になるだろうか。後の長編ダンス・ダンス・ダンスで主人公である僕が、ある朝目覚めた首都高沿いの住居の一室で僕の居る場所の確認を再認識する場面があるが、その後に続く村上春樹作品に伏線として登場する〈私〉或いは〈僕〉の影のような存続性を垣間見せるところがあるように感じられる。 作品としてはふたつのパラレルワールドが同時進行する現実とも異世界ともどこかで繋がっていても決して不思議でないふたつの異なる世界で展開される。〔世界の終わり〕では、受動的な世界に居る〈僕〉は、分身である〈影〉を他界に送り出した後で〈彼女〉と共に新たな生活を選択する。〔ハードボイルドワンダーランド〕の世界では能動的な現世の中で半永久的な眠りに付く〈私〉は、目覚めることがあるとすれば果して本当は何時誰にどのように目覚められるのだろうか。ストーリーテリング溢れる、いろいろと想像力を掻き立てられる作品だと思う。 ふたつの世界の主人公である〈僕〉と〈私〉は巡り会うこと或いはひとつになることが出来るのか。果たしてそうなることが本当によいことなのか。 世界はもう終わっているのに。

風の歌を聴け (講談社文庫)

[ 文庫 ]
風の歌を聴け (講談社文庫)

・村上 春樹
【講談社】
発売日: 2004-09-15
参考価格: 400 円(税込)
販売価格: 400 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 201円〜
風の歌を聴け (講談社文庫)
村上 春樹
カスタマー平均評価:  4.5
何度でも僕を救う。
第一章は7ページから始まり、13ページで終わる。たった7ページ。仮にこの小説が、このたった7ページしかなかっとしたら? 僕はそれでもこの小説を買う。7ページしかなくても、値段がいくらであっても、この小説を買う。それほどこの第一章の文章は美しい。初めて読んだのは恐らく、23歳くらいだったと思う。年齢がはっきりと思い出せないということは、それほど感動しなかった証拠なんだと思う。けれど今は違う。この小説を読むたびに救われる。そんな気持ちになる。 冒頭の有名な書き出しはもちろん好きだけど、今の自分にとって好きな文章はふたつある。 「もちろん、あらゆるものから何かを学び取ろうとする姿勢を持ち続ける限り、年老いることはそれほどの苦痛ではない」 著者がデビューした1978年、僕は生まれた。そして僕の年齢は、村上春樹がデビューした年齢と同じ30歳。10代や20代には感じることが全くなかった、年齢を重ねることに対する漠然とした不安が襲ってくる。それが30歳という年齢なんだなと実感する。けれどこの文章を読むことで僕は救われた。うつむかず前を見据えて生きていけば、年齢を重ねることは怖くないんだと。もしかしたら、村上春樹が30歳だったとき、やはり同じような不安があったのだろうか、その不安があったからこそ、この文章が生まれたのかと考えてしまう。考え過ぎだろうか。 もうひとつの僕の好きな文章。 「夜中の3時に寝静まった台所の冷蔵庫を漁るような人間には、それだけの文章しか書くことはできない。そして、それが僕だ」 この文章の意味とか、そういったものではなく、ただ単純にカッコいい。この文章から醸し出される空気がとてつもなくカッコ良くて、本当に好きだ。 この小説を読むことで、僕は何度でも救われる。だから本棚の、一番に手が伸ばしやすいところに置いている。
青春小説・・・いや。ちょっと待てよ。どうもおかしい。
「ジェイズ・バー」を根城に回想される、「僕」と「鼠」と 女の子たちの青春のノスタルジー。といいたいところですが、 コトはそんなに簡単じゃあない。 村上春樹作品を読む順番を間違えた「僕」(読者)としては、 この異様な作品には、なにか怖いものを感じました。 たとえていえば、「クビから上の登場人物がモソモソ 会話し、動き回る姿は、そこにあるんだけれども」どうも、肉体が存在 しない、架空の青春回想録。 存在感、現実感、肉体感のない生活の中を、目の前をさまざまな人物 が、のっぺりとした紙でできた人間たちが、来ては去っていく、そんな 仮想な現実を、愛、恋、生、死と繰り広げていく、乾いた空間と時間。 シンプルな会話と簡素な言葉がストリーミングとして流れていく。 後の作品の、疎外感を彷彿とさせる、村上春樹のデビュー作は、すでに ここからして、「死」をいつも感じさせる文体となっています。
それは風の様に
 村上氏のデビュー作。  そして僕にとっても初めての村上春樹作品である。いつか読みたいと前々から思っていた。  いざ読み始めると、あとは早い。  一気に読んでしまった。なにせ、今まで読んできた(といっても自慢できるほどではない)どの小説とも異なった世界だったので、夢中になってしまったからだ。  「完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね」・・・こんな出だしから始まるなんて、意表を突かれた人は多いのではないだろうか。  物語は決して重苦しくなく、軽快に進んでいく。胸躍らされるような展開が待っているわけでもない。  だからこそ、時折登場する胸を打つようなフレーズが鮮烈だ。  「死んだ人間に対しては大抵のことが許せそうな気がするんだな」  「もし何かを表現できないなら、それは存在しないのも同じさ」  「あらゆるものは通り過ぎる。誰にもそれを捉えることはできない」  「昼の光に、夜の闇の深さがわかるものか」  軽快で、でも読後には言い表すのが難しいような切なさに襲われる。  そんな作品だった。  
「さみしさ」が、人の心をひきつける
僕は村上春樹の作品が大好きだ 小説もノンフィクションも旅行記も 当然、本作「風の歌を聴け」も大好きである たしか、タイトルは、ボブディランのBlowin' In The Windという歌のThe answer, my friend, is blowin' in the wind,The answer is blowin' in the wind.という歌詞に由来するらしい 村上春樹の作品が、僕らの心を掴んで離さないのはなぜなんだろう?理由はわからないが、とにかく、まずは、この作品を読んでほしい とても薄い本だから、1日で読めるはず これを読んで何も感じなければ、それはそれでいいし、「なんか、いい」と感じれば、あなたは、村上春樹の全作品を読まずにはいられないはずだ  この小説が抱える「根本的な寂しさ」は、人の心を揺さぶる
最初の一冊にオススメな理由
 架空の小説家「デレク・ハートフィールド」を所々で引用しながら、「完璧な文章などといったものは存在しない」という書き出しで始まるこの処女作。架空のあとがきでも「デレク・ハートフィールド」との出会いをのうのうと書いてみせたメタ小説風味のフォーマリズムは、今の著者の作品からは消えていってしまったものだ。これは処女作においてその才能や構築力をアピールする必要があった作者が敢えて取った文学的戦略なのかもしれない。  ストーリー自体は、その後の村上春樹作品に通じる内向的でポップな味わいが描かれており、登場人物がヤマ場で必ず泣く他の作品同様、この作品でも登場人物達は泣いている。でも、泣いてもどうしようもないことが明白すぎるくらい、この世界のダメさが充満している今の時代では、正直、この時期の春樹作品特有のスノッブさはそろそろ色褪せかけている気がする。  それでも、この作品が今でも良むに耐え得る作品である理由は、実は先述のフォーマリズムにあるという点が面白い。著者が処女作から完成された作家だったことがよく分かる、色んな意味で最初に春樹を読むに適した一冊。  

竜馬がゆく〈7〉 (文春文庫)

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竜馬がゆく〈7〉 (文春文庫)

・司馬 遼太郎
【文藝春秋】
発売日: 1998-10
参考価格: 660 円(税込)
販売価格: 660 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 399円〜
竜馬がゆく〈7〉 (文春文庫)
司馬 遼太郎
カスタマー平均評価:  4.5
金を求めている、船を求めている、未来を求めている
坂本竜馬の物語、全8巻の7冊目である 7冊目は、徳川慶喜が江戸幕府 最後の将軍に就くところから 金を求めている、船を求めている、未来を求めている そんな竜馬を 見捨てたはずの土佐、お慶という商人、先の見えない幕府が それぞれの利益のために、竜馬を追っている 経営者でもある竜馬は、 現在から未来へという時間軸と 九州から、京、大阪、江戸へと続く空間軸という二軸を捉えながら 現実解を得て、前へ進んでいく 竜馬が「大政奉還」を思いつくまでの苦悩がいい そして、決めたが最後、火の玉のように周りを説得する姿がいい
海援隊と大政奉還
 薩長同盟ですら世を震撼させる奇抜なアイディアだったが、竜馬はそれに土佐の軍事力を背景にし幕府自身に大政奉還させるという荒唐無稽な考えをひねり出す。内戦をすれば国力が弱まり隣国中国やインドのように植民地として蝕まれ列強各国は今か今かとそれを待っている、という時勢勘をもとに必死にそれぞれの立場のものを説得し納得させていく。浪人という垣根の無い身分がここでも威力を発揮する。  面白いのが土佐の後藤象二郎だ。放蕩過ぎる金の使い方と壮大野放図すぎるその性格が魅力的で自分が散在したしたとんでもない赤字を全て岩崎弥太郎に押し付けてしまうという解決策も凄まじい。それがその後の三菱の礎になっていくので岩崎弥太郎という男はとんでもない男だ。  竜馬は反面何もないがアイディアだけは湯水のごとく出てくるという不思議な男。船すらないのに海援隊を作り上げことごとく人の褌で相撲をとる。やっと手に入れたいろは丸が紀州藩の船に事故を起こされ積荷ごと沈没したときには「ことごとく不運の男だなぁ」と思ってしまう。    そして、長州の雄、高杉晋作が結核でこの世を去る。その辞世の句が素晴らしい。 「面白き こともなき世を おもしろく」  
国民的名作第7巻、奇策「大政奉還」と船中八策
幕長戦争の海戦に参加した竜馬は船を失い、亀山社中も休業状態となりますが、九州列藩や長崎の女商人・お慶など新たなスポンサーを得て船を購入します。しかし、せっかく手に入れた「いろは丸」も海上での衝突事故で沈没。竜馬は公法をもってこの事故を裁くことにこだわります。竜馬の先見性が垣間見れるエピソードです。 後半は、土佐藩が薩長の動きに乗り遅れないよう、脱藩した竜馬に頭をさげてきます。そして、竜馬は薩長の動きを封じる奇策「大政奉還」を提言し、「船中八策」といわれる提言書をまとめます。 この8か条は後の日本をつくった背骨になる考え方ばかりで、完全な「デモクラシー」を志向している内容であることに驚きます(太平洋戦争敗戦後でも十分通用する基本的な考え方ばかり)。 歴史小説であるため、多少劇的に描かれていることを割り引いたとしても、日本が諸外国の脅威にさらされていた維新のこの時期に、坂本竜馬をいう人物を得たことに奇跡を感じてしまう第7巻です。
行動と多くの出会いで人生は変わる
幕末物は新選組関連しか読んだことがなかったので、この作品を読むと同じ幕末時代に生きていたとは思えない程、さまざまな人物、思想、各藩の政治問題が書かれています。(時間を置いて読むと記憶を取り戻すのにちょっと苦労(汗)) なのでこの作品で幕末時代の生活がよくわかり、とても勉強になりました。(新選組はかなり閉鎖的な世界。私自身保守的なのでこちらの方が共感はしますが)薩長といえばお金があり改革派ということは知っていたのですが、長い間ずっと犬猿の仲で連盟するのにものすごく手間と時間がかかったことや、「海援隊」とは何をするか、どんな目的で結成されたか、どのような人物がいたかが書かれており、この時代に幕府以外が貿易という考え方、行動をすると犯罪・死刑に値するほどのことなんて知りませんでした。(それを薩長はやっていたのでいわゆる密輸) この巻には「お慶」の章があるのですが、この人物は長崎きっての美人女商人38歳。(生まれはお嬢様)でまだ鎖国体制の25才の時に上海へ密航、その後日本茶の輸出で富を築き、一人身ながら大屋敷を持ち、着道楽、仏製香水までつけていて、彼女だけに限らず困難な時代でも努力はもちろん、行動・人との関わりで情報・時機を見極めることで人生が変わるのだなと思い、私も見習わなきゃ!という気にさせられました。 でもこの作品にありがちなんですが、いつの間にか人物がフェードアウトしていき、お慶も少ししか出番がなくて寂しい・・(特に3巻あたりからずっと薩長土の人達はもちろん、天皇家、幕臣、外国人までいて全員の名前は覚えられないです) ちなみに後半に竜馬がワインを飲んでいます。
竜馬の活躍。
本文の竜馬の言葉を借りるなら、当時の竜馬は洪水を一人でせきとめて別の方向へ流すという神業のようなことを目指していたと言ってもいい。 1巻から読んでいると最初の頃の竜馬からは想像もできないくらい日本に対して影響力を持つようになった。 いよいよ最終巻の8巻が楽しみです。

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 更新日 2009年5月10日(日)  ※ 表示価格は更新時のものです!      メール      相互リンク

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