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風の墓碑銘(エピタフ)〈下〉―女刑事 音道貴子 (新潮文庫) 沈まぬ太陽〈2〉アフリカ篇(下) (新潮文庫) 血脈 (中) (文春文庫) I LOVE YOU (祥伝社文庫) 彼女について 百年の孤独 (Obra de Garc〓a M〓rquez (1967)) 超スピリチュアル次元 ドリームタイムからのさとし (超スピ) ねじまき鳥クロニクル〈第2部〉予言する鳥編 (新潮文庫) 峠 (上巻) (新潮文庫) 沈まぬ太陽〈5〉会長室篇(下) (新潮文庫)
風の墓碑銘(エピタフ)〈下〉―.. 沈まぬ太陽〈2〉アフリカ篇(下.. 血脈 (中) (文春文庫) I LOVE YOU (祥伝社.. 彼女について 百年の孤独 (Obra de .. 超スピリチュアル次元 ドリーム.. ねじまき鳥クロニクル〈第2部〉.. 峠 (上巻) (新潮文庫) 沈まぬ太陽〈5〉会長室篇(下)..

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風の墓碑銘(エピタフ)〈下〉―女刑事 音道貴子 (新潮文庫)

[ 文庫 ]
風の墓碑銘(エピタフ)〈下〉―女刑事 音道貴子 (新潮文庫)

・乃南 アサ
【新潮社】
発売日: 2009-01-28
参考価格: 500 円(税込)
販売価格: 500 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 45円〜
風の墓碑銘(エピタフ)〈下〉―女刑事 音道貴子 (新潮文庫)
乃南 アサ
カスタマー平均評価:  4.5
救いのない話なのだが
事件だけ見れば救いのない話なのだが、そう感じさせない、 いや、読後感はさわやかでさえあるのは、筆者が事件を、 ストーリーテリングに軸をすえているからではなく、 人間模様を書こうとしているからに他ならない。 ストーリー的には、ちょことしたサイドストーリーを挟んで 落ち着くだろうなぁというところに落ち着く。 だから、この本は、ストーリーを追うのではなく、 人間模様を楽しむための本である。 池上冬樹が「時代小説的」と書いているのは、 まさしく慧眼である。 中学生からお年寄りまで幅広い層に薦めることのできる 快作である。 ただし、どうせ読むなら、音道貴子シリーズを「凍える牙」から 読まれることをおすすめする。
盛りだくさんの内容で・・
上巻を読んだときには、こんなにいろんな事件が出てきて、一体どんな風に結びつけ、どうやって解決していくのか?と思いましたが、ちゃんと点と点が線でつながって、無事に解決に至りました。 偽刑事事件や、同僚の女性鑑識、相方の病気、そして昴一のこと。 起きた事件の数と同じくらいに、それ以外の事が平行して起こっていて、今までにない盛りだくさんの内容になっています。 音道刑事の冷静さは相変わらず。 これから先、どんな事件を解決していくのか?続きが楽しみです。

沈まぬ太陽〈2〉アフリカ篇(下) (新潮文庫)

[ 文庫 ]
沈まぬ太陽〈2〉アフリカ篇(下) (新潮文庫)

・山崎 豊子
【新潮社】
発売日: 2001-11
参考価格: 700 円(税込)
販売価格: 700 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 17円〜
沈まぬ太陽〈2〉アフリカ篇(下) (新潮文庫)
山崎 豊子
カスタマー平均評価:  4.5
沈まぬ太陽2 アフリカ編(下)
主人公に対する、執拗な会社側の理不尽な報復。これに対して、自分を信じる仲間のためにも信念を曲げず、私腹を肥やす会社側に与しない姿が感動的です。実際には、主人公のようにされることはないと思いますが、少しでも報復人事等を経験した人は勿論、そうでない人も共感できると思います。また利益一辺倒の昨今、品質安全問題にも視野に入れたこのシリーズは、時代背景にかかわらず感慨深いものがあります。
会社の非情さが赤裸々に書かれる
パキスタン、イラン、ケニアと、恩地の海外たらい回しの旅は続く。 組合の副委員長として共に闘った同期の行天は会社側に寝返り 順調に出世を重ねていく。 そんな中、1972年に国民航空の旅客機がニューデリー、ボンベイ、 モスクワと連続して事故を起こす。事故調査班として現地に派遣 された国民航空社員の苦闘が書かれる。 しかし、事故原因をパイロットのミスとする社員の考えは無視され、 会社には空港設備の不備であるとの報告が出される。また、事故 原因調査に同行したパイロットが、同じパイロット仲間を擁護する ため、自分の目で見た事実を信じず、執拗に仮定の想像を繰り返し、 空港設備に責任を求める姿にはあきれてしまった。 このような体質が、日本航空(作中では国民航空)123便墜落事故 に繋がって行ったのではないだろうか。 やがて、恩地に日本帰国の話が出てくる。しかし、それは会社側が 折れた訳では無く、連続事故の背景に国民航空の労使関係が影響 しているのではないかと国会で追及されたからであった。会社として は、更なる僻地へ追いやる計画もあったようだ。 家族との別れ、出世を重ねるかつての仲間、海外で一人仕事をする 孤独、日本で会社に差別されながらも頑張っている組合の仲間、様々 な思いが積み重なり、恩地は精神的に追い込まれていく。 執拗な報復人事、組合つぶし、安全軽視の体質など、会社の非情 さが赤裸々に書かれるアフリカ篇。 そして物語は運命の御巣鷹山篇へと続く。
続きが楽しみ
合員の待遇改善を目的に組合活動を活発に行ったことからアフリカに10年以上飛ばされていた主人公の恩地が組合員の働きかけでようやく帰国できるようになった。 アフリカ編(下)は読中爽快であったがその後はどうなるのか…楽しみである。 この面白さは最後まで挫折がないことは間違いない。
よかったが
色々な登場人物が出てきたが行天と主人公の対比 がよかった。 行天も主人公から見るとうまくやっている奴のようではあるが 彼には彼なりの信念があるのだと思う. 失礼ながらアフリカに左遷というのがどうも自分から見ると それほどつらいことには思えなかった。
愛読書
実際、一度友人に借りて感動し、 どうしても自分の本棚に仕舞っておきたくなった書籍です。 全5巻を2回通り読んだことになります。 5巻で一つの物語である為、 各巻ごとの評価、というものは出来ません。 ノンフィクションであることで疑いなく沁み込んでくる内容。 疑いはないが信じられない現実が1ページごとに紐解かれていきます。 傑作です。

血脈 (中) (文春文庫)

[ 文庫 ]
血脈 (中) (文春文庫)

・佐藤 愛子
【文芸春秋】
発売日: 2005-01
参考価格: 840 円(税込)
販売価格: 840 円(税込)
( 通常2〜5週間以内に発送 )
中古価格: 594円〜
血脈 (中) (文春文庫)
佐藤 愛子
カスタマー平均評価:   0

I LOVE YOU (祥伝社文庫)

[ 文庫 ]
I LOVE YOU (祥伝社文庫)

・伊坂 幸太郎 ・石田 衣良 ・市川 拓司 ・中田 永一 ・中村 航 ・本多 孝好
【祥伝社】
発売日: 2007-09-01
参考価格: 630 円(税込)
販売価格: 630 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 206円〜
I LOVE YOU (祥伝社文庫)
伊坂 幸太郎
石田 衣良
市川 拓司
中田 永一
中村 航
本多 孝好
カスタマー平均評価:  4
地肩の強さみたいなものを感じてしまう
オリジナルは2005年7月20日リリース。祥伝社創立35周年記念特別出版として伊坂幸太郎他5名の作家による書き下ろしを纏めたもの。ぼくは当然、伊坂幸太郎の『透明のポーラーベア』が読みたくて手に取った。 が、余り感心しなかった。はっきり言って『チルドレン』を書いた後、2004年?2005年という2年間は続編の『陽気な・・・』はともかく、様々な方向性を模索しては失敗していて、スランプに近い時間だったような気がする。作家は作品を出し続ける人と気に入るモノができなければ世に出さない人もいる。初期の作品が余りに素晴らしいだけに、無理に出すなよ、と言いたくなってしまう。 そうは言っても他の5人の作家より遙かに惹き付けるものを持っていて、地肩の強さみたいなものを感じてしまう。2006年の作品以降は復活した感がある。作家というのはイマジネーションを自らの中に限界まで溜め込まないといいものができないのかな、と思う。
繋がり
あ、伊坂幸太郎だ!という事で早速読ませてもらいました。 「透明ポーラーベア」 僕は漫画や小説、映画とかを見ていて、間に描かれる日常が来ると安心し、次の日常を待ち遠しく思っています。事件が起こると、事件の解決を祈るだけです。速く日常が戻ればいいのにと。若干矛盾してるのかなと自分でも思うのだけれども、そういう性格なのだから仕方ない。 そんな僕の好きな日常の中で、シロクマを皆で想像しながら繋がることが出来る、そういう話です。
ほんとにつぶぞろい
版元の紹介に「奇跡のアンソロジー」とありますが そのとおり。作った編集者はすごい気持ちよかったでしょうね?。 順番も、ベストではないでしょうか。 とくに 「百瀬、こっちを向いて」「Sidewalk Talk」「突き抜けろ」「魔法のボタン」。 「百瀬、こっちを向いて」のなかには、コンクリの校舎の中で日々を過ごした人間なら胸をつかれちゃうと思う独特の感じ、「Sidewalk Talk」もシーンがぼんぼん見える。 「ずれ」が圧倒的な情景の想像を呼ぶのではないかな、と思いました。 皆、微妙に、ふつうの取り合わせからは、ずれた感じの設定ですよね。 偶然でしょうか。
ありがちなドラマだけど・・・恋はフシギ☆
人気の男性作家6人による男性の視点から描かれた短編恋愛小説集。 プロローグからエピローグまでの作品の繋ぎ方は絶妙です! 作品ごとに恋愛模様は違いますが、切なく微妙な心の動きは、 読了後、同じ物語を紡いできたかのように感じ入りました。 全体をとおして、オトコの方が繊細だと言わんばかりの感もありましたが、 男女の愛し方の違いを痛感しました。 同時に、普通っぽい恋愛話がドラマチックに描かれている点においては、 「恋心って普遍的なもの」という安堵感が残り、温かい気持ちが広がってきました。 個人的には、何度読んでも味のある「透明ポーラーベア」と、過去の私的な経験で 理解し難かった気持ちがやっと腑に落ちた「突き抜けろ」に魅かれました。
平均点の高い恋愛アンソロジー
個人的には、1位中田永一「百瀬、こっち向いて」       2位石田衣良「魔法のボタン」       3位本多孝好「Sidewalk Talk」       4位伊坂幸太郎「透明ボーラーベア」       5位中村航「突き抜けろ」       6位市川拓司「卒業写真」 伊坂幸太郎の「透明ボーラーベア」は彼氏の転勤で遠距離恋愛をすることになったカップルが動物園に行く話。そこで、カップルの男の姉の元カレと再会します。ボーラーベアは北極熊のことで、男の姉が好きだった動物。4位とはいうものの、上位3人が強すぎるので、軽く平均は超えています。 石田衣良の「魔法のボタン」。ってか、クサイ(笑)。石田さん、クサすぎ、そしてカッコよすぎ。失恋から立ち直る話。石田さんらしい恋愛短編の良作。 市川拓司「卒業写真」。平均点下げてます。期待していたのですが残念です。わけがわからない、何を目指しているのでしょう。次の百瀬を盛り上げるためなのでしょうか? 中田永一「百瀬、こっち向いて」。やられました。伏兵でした。この中で唯一読んだことのない作家だったのですが、良い小説書きますね。この人の短編集が出たら、絶対買いです。この作品だけで、十分に元を取れました。僕は年に400冊くらい読むのですが、その中でもトップクラスです。高校生の初恋の話です。 中村航「突き抜けろ」。「絶対、最強恋のうた」の元の話。大学生のカップルはお互いを好きでいつづけるためにルールを決めた。週に3度の電話と一度のデートがふたりをつなぐ。 本多孝好「Sidewalk Talk」。上手いです。最後をしっかりとしめてくれます。僕は、この人は外れのない作家だと思っています。この短編は別れ話をするカップルの切ない話です。気持ちよく終われる良作です。       

彼女について

[ 単行本 ]
彼女について

・よしもと ばなな
【文藝春秋】
発売日: 2008-11-13
参考価格: 1,250 円(税込)
販売価格: 1,250 円(税込)
 Amazonポイント: 12 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 39円〜
彼女について
よしもと ばなな
カスタマー平均評価:  4.5
男性読者には読むに堪えない
アマゾンのレビューの評価があまりにも高いのに驚いた。吉本ばななには熱烈な固定ファンがついているのかもしれない。 単行本のどの頁を開いても『ばななワールド』が展開している。これがファンに取ってはたならないのだろうか?ストーリーは相変わらず『キッチン』のように身近なママの死を女の子が1人称で語るもの。 『キッチン』の頃は、自分のようなごく普通の男性がまだついていけるレベルであったが、『まどろこしい会話』が延々と続く合間に、主人公はキッチンでコーヒーを煎れてもらったり、料理を作ってもらったり、シミジミとエプロンを眺めたり。言語明瞭意味不明な乙女チックな情景描写に、もう頭は爆発寸前。 しかも、双子の魔女姉妹の娘が交霊中に父親を殺してしまった母の記憶をたどるという、荒唐無稽なオカルト的小説。吉本ばななは、どこまでいってしまうのか心配になる。乙女心がわからない男性読者ということで、低い評価許してください。
読了後
読んでしばらくしてから、えぐられる感じでした。 魔女の学校ねえ、とか呑気に読み進み、最後は今までありそうでなかった事態に、わー、ついに一線越えたな?。などと思っていました。 でもつらつらと反芻しているうちに、とんでもなく悲しくなってきて、もう読み返せない。 平凡な日常を積み重ねることの大切さは、ずっとばななさんが主張していることです。 共感しているつもりでしたが、今回なんだかシャレならないくらい身に浸みました。 魔女とか呪いとかファンタジックな要素で、ちょっと距離感を出しつつも、ダイレクトに生きている意味を問われた感じがします。 普通に生きていられることを実感せずに、毎日取り返しがつかないくらい、もったいない生活をしているんじゃないか?と自問してしまいました。
生きて死ぬ
まさに、魂の救済(文字通りの意味で)についての物語。 白魔女、魔女学校、降霊などのキーワードに、家族間の殺人という おぞましい事件が絡み、物語はうねりながら進む。 ばななさんは、いつも傷ついた心や虐げられた人、救いを求めて苦しむ精神について ふれてきた。 愛や犠牲や、現実の向こうにある普遍的な真実に迫ろうとする飽くなき気概を 私は感じ続けてきた。 苦しんでいることさえ意識下に深く圧し込まれてしまったような由美子の魂。 彷徨い行き場のない魂が、優しく寄り添う昇一によって徐々に解けていく。 死を受け入れるとはどういうことだろう。 誰もが知らない、誰もが本当には知ることのできないそれをばななさんは 果敢に描いた。 そしてまた、よく生きるとは如何。生きなければ死ねない。 死ぬまでにしておかなければならないことは、あるのだ。 孤独のうちには、ひとの魂は育まれないということだ。 家族の愛を、絆を、いやというほど紡いで後に、人は魂の安寧を得られるのではないか。 よく生きるというほどの時間も与えられなかった由美子の生涯が、ラストに向かって スパークする。 いたたまれないほどの衝撃だ。由美子の記憶がブレるあたりから、伏線めいた気配は あったにも関わらず、あまっちょろい想像をはるかに凌駕するものだった。 生きて死ぬ。それを、ばななさんはやさしいことばで説いた。
彼女について
ばななさん作品のファンなら、考えさせられることは間違いないと思います。 このようなラストはまったく想像していなかったので、最後の瞬間あまりの驚きと悲しみに頭の中が真っ白になって耳鳴りがしている感じが続きました。 ひとつの本で、こんなにも人の気持ちを動かすことのできるばななさんはやっぱりさすがだな、っと思いました。 ジャンルでいうと「みずうみ」に似ています。 初期のばなな作品は、どんなことがおきても希望に満ち溢れているかんじでしたが、最近は暗?い作品が多くなってきました。 もちろん悲惨ではないのですが。 とにかく、読んでみてください。すばらしい作品です。
よしもとばななの死生観
ばななさんの作品には常に人の死が寄り添っている。 キッチンもデッドエンドでも、人が死んだり殺されたりするシーンが多い。それは一貫しているように思える。 彼女が死を思って描く作品群の中で、この作品は一つの到達点で分岐点になるのではないかと感じた。 この本はストーリー展開が素晴らしく、鳥肌がたつほど感動するので、粗筋は事前に知らない方がいい。エンディング後、思わずもう一回読み直してしまうし、そういう読み方が一番深く味わうことができると思う。 今回のメインテーマは、ばななさんの広い意味での死生観を書くことで、彼女なりの死んだ後の世界とか、魂という概念であるとか、魂の救済のようなものを書いている。 死んだ後の世界と言うと、いかにもオカルトやSFでニセ科学のような怪しい世界に聞こえるが、そういうものではない。 主人公・由美子に隅さんという女性が話す部分にも 「いくらでもオーラとかなにかそういう言い方を使って簡単に説明することはできるんだけれど、そんなのではなくてね、細かく人を見ていけば物理的にわかる問題なのよ。」(165ページ) という台詞がある。 彼女は小説を書きながら、彼女なりの現在の死生観を書上げたと思う。 それは夢であるとか死に行く人とか、現実世界でも起こり得て、僕らもイメージを共有できる、現実世界とは別の層の世界。 ばななさんは人間の精神とか肉体とかよりも、もっと深い層にある「たましい」のような領域を書くことで、地獄のように悲しい現実を生きている人や、壁にぶち当たり、辛い現実を前に「生きていてもしょうがないんじゃないか」と絶望している人に、「たましい」のレベルでの、深い深いレベルでの救いを書きあげていると感じた。そういう辛い状況にある人こそ、この作品は救いを感じると思う。 この作品は本当に素晴らしいと思う。 よしもとばななの死生観であり、現在の彼女の到達点であり、今後どのように作品が変化して進化していくか、非常に楽しみだと思わせる作品だと感じさせてもらいました。

百年の孤独 (Obra de Garc〓a M〓rquez (1967))

[ 単行本 ]
百年の孤独 (Obra de Garc〓a M〓rquez (1967))

・ガブリエル ガルシア=マルケス
【新潮社】
発売日: 2006-12
参考価格: 2,940 円(税込)
販売価格: 2,940 円(税込)
 Amazonポイント: 29 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 2,436円〜
百年の孤独 (Obra de Garc〓a M〓rquez (1967)) ※一部大型商品を除く
ガブリエル ガルシア=マルケス
Gabriel Garc´ia M´arquez
カスタマー平均評価:  5
再読、再々読に値する
 「二度読む価値のない本は、一度も読む価値がない」とは、誰が言った言葉だらうか、私も今言ったが・・・・・。  ガルシア。マルケスの「百年の孤独」は、定評のある鼓 直さんの翻訳で何度も読みたい本である。読むたびに、読む年齢に応じて、その時々の感想が異なるっていうのがいい。この手の本というのはそう多くあるものではない。私にとっては、漱石の「こころ」「三四郎」であり、ドストエフスキーの「カラマーゾフ」であり、そしてこの「百年の孤独」である。しかし、読むのは辛い本でもある。最初に読んだときは、正直、よくわからなかった。我慢して読んでいくと、急にテンポが上がると気が付く箇所があった。あとは、一気呵成に・・・・・。  しかし、悲しい小説である。
世界文学の金字塔。。
私がこの本を読んだのはもう10年以上前ですが、今でもその時の感動は忘れません。 どなたかもレビューで記述しておりましたが、文学というモノがここまで可能性があるのか!!!と知らしめてくれたのがこの本です。この本は「奇跡」というにふさわしいと思います。おそらく書いた本人も驚くほどの完成度なのでは(笑)。Gマルケスの文学は総じて好きですが、百年の孤独一冊でノーベル賞を取るに足る、と思われます。すばらしい。「セルバンテスの再来」などと当時もてはやされたようですが、ドンキホーテよりもこちらの方が素晴らしいと私は思います。間違いなく20世紀では最高の文学だと思います。神業。
予想を裏切ってくれる心地よさ。
これは久しぶりに面白い小説を見つけた。 実は数年前から気になってはいたが、冒頭の改行のない、えんえんとつづくジプシーたちの珍妙な品々についての説明に「これは片手間に読める本じゃないな」と思って見送ったのだった。 せっかく秋なので、腰をすえて読むことにしたら、重々しい文学作品というより、まったくのエンターテイメントに近い。楽しく、するすると読み終わってしまった。 たぶん私にはよく合った本だったのだろう。 ジョン・アーヴィング的な予想を裏切る展開と、時間を超越したところからの伏線が巧妙で楽しい(まず冒頭の「のちに大佐が銃殺隊の前に立つはめになったとき、彼ははじめて父親とともに氷を見た時のことを思い出した」云々からはじまるストーリーなど、秀逸である。歴史小説によくある「これがのちの――である」という感じのネタばれが好きな人にお勧め) さらに面白いのは、非現実的要素が、現実的要素と同レヴェルのリアルさで描かれていることだ。 長いこと雨が降ったせいで、開いたドアから魚が泳いで入ってくるぐらい、空気が水分を含んでいた、という描写なんかわくわくしてしまう。さらに死んだ人間も普通にうろうろする。 そういうファンタジーな要素が随所にありながら、物語はどこまでもリアルで、悲劇的で(コミカルな部分もあるが)頽廃的で、孤独だ。登場人物はみな頑なで、自己中で、ほぼみんな名前が似ているにも関わらず、バラエティーに富んだ孤独な人生を歩む。 一族の運命をまるまる体験する、というのはなかなか興味深い。登場人物ひとりひとりあれほど強烈でありながら、死んで忘れられていく虚しさが胸にせまる。 中上健次の『千年の愉楽』と確かにいろいろ似ていると思った。 ただ、もっと悲劇的で頽廃的で毒々しいというなら、さらに日本独特の美しさとおぞましさに酔うなら、中上のほうを個人的にお勧めする。責任はとらないが。
人間の歴史の縮図
南米の架空の町、マコンドの草創、隆盛、衰退そして滅亡するまでの百年を 町を開拓したブエンディア家を中心に描いた傑作。 チョコレートを飲んで空中浮遊する神父、四年以上も降り続く雨、異常に繁殖する家畜など 非現実的なエピソードと超人的な登場人物たちによって綴られる不思議な神話の様な物語に 自然と引き込まれてしまう。 この百年あまりの物語に誰もが圧倒されてしまうのは、 そこに人間の歴史の全てが凝縮されていると感じるからではないだろうか? 私が本書を読みながら気になったのは、「ノストラダムス」という名前が何度か出てくるところ。 そのノストラダムスの秘法を心得たメルキアデスによって羊皮紙に記された 予言通りにマコンドは滅亡へと向かっていく。 我々の現実世界では、世紀末を乗り越えた現在、 ノストラダムスの予言を信じているものはあまりいないと思うが、 本書が書かれた60?70年代頃は結構真剣に論じられていた事を思い出させてくれる。 もし出版社に良心があるのなら、いい加減本書を文庫化して この傑作をもっと多くの人が読めるようにしてあげるべきだと思うのだが・・・
戯画的描写の徹底
ガルシア=マルケスをある程度読んでいて、彼の作風を知っている方なら知っていることだが、彼の小説はストーリーよりも、描写が重視される、ということは、承知なさっているであろう。私も、「族長の秋」「幸福な無名時代」「エレンディラ」など、「予習」をしてから本書に取り掛かった次第だった。 期待はまったく裏切られなかった。滑稽かつ珍妙な描写の詰め合わせである。馬を殺せるほどのストリキニーネを飲んでしまっても死なない人が出てきたりするのだから。タイトルこそ「百年の孤独」だが、これを読みふけっていて、時間の経過なんか、これっぽっちも感じなかった。おしまいあたりで気がついたのだった。 もし、ガブリエル・ガルシア=マルケスが画家になっていたら、ピカソ級の珍妙な絵画が作れたのではあるまいか。ブライオン・ガイシンが昔「小説は絵画よりも50年遅れている」という類の発言をしていたのを思い出してしまった。ただの文字の羅列なら誰にでもできるであろう。だが並の人間の感性では、ここまで緻密、かつ滑稽な戯画を、文字では表せなかったのではあるまいか。 ただ、ストーリーが云々、と書いたが、よく読んでみると、人物描写がよくできているのに、気がつくだろう。誰が主役だ、といいきれないほど、個性的な人間がたくさん出てくる。それも、もちろん滑稽な描写にまみれているが。人物の描写も、小説全体の戯画にも、どちらを重視する方も(そして、両方を求めている方にも)お勧めできる。これがラテンアメリカ文芸なのか、いや・・・「これがガルシア=マルケスである」と。 この世界は広くて複雑だ。それを感じさせてくれるのがガルシア=マルケスであり、この「百年の孤独」なのである。

超スピリチュアル次元 ドリームタイムからのさとし (超スピ)

[ 単行本 ]
超スピリチュアル次元 ドリームタイムからのさとし (超スピ)

・ウィリアム レーネン ・よしもと ばなな
【徳間書店】
発売日: 2009-01
参考価格: 1,575 円(税込)
販売価格: 1,575 円(税込)
 Amazonポイント: 15 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 889円〜
超スピリチュアル次元 ドリームタイムからのさとし (超スピ) ※一部大型商品を除く
ウィリアム レーネン
よしもと ばなな
William Rainen
カスタマー平均評価:  4.5
今まさに伝えるべき事
レーネンさんにお目にかかった事がある方なら知っている、レーネンさんの真面目で誠実で優しくて暖かい厳しさとユーモアのあるお人柄そのままな一冊です! 前半のばななさんとの対談は、とても率直な会話が交わされ、「嗚呼!まさに、ばななさんだ!」であり「確かにレーネンさんだ!」でした。後半は、レーネンさんが「今まさに伝えるべき事」を惜しみ無く!シェアしてくれています。サイキック能力という才能を持った方の「たいへんさ」は想像を超えるものがあります。でも、その能力から知り得た、或いは経験してきたことから、私達にメッセージを伝えるレーネンさんの勇気と熱意を尊敬します。私の人生にもたくさんの問題があります。レーネンさんの哲学に出会った事で、その問題の見方を変える事が少しずつ出来ています。問題が消えたのではありません。これからも、この本でレーネンさんが伝えて下さった事を実践して、より広い視野で生きて行きます!それが可能だと教えてくれる一冊です。最後ですが、レーネンさんの誠実な言葉を誠実に訳して下さる伊藤氏にも、同様に感謝致します。そして、レーネンさんの言葉を書籍化して下さった皆様、ありがとうございます!
自分を信頼し、自由に生きることを教えてくれる一冊!!
レーネンさんの書籍第二弾! レーネンさんの霊的哲学が色々なテーマごとに語られていました。 この本はスピリチュアルとかそういうカテゴリー、制限を超えた本だと思います。 きっと最初に手にとるのはよしもとばななさんやレーネンさんのことが好きな方、そしてスピリチュアルなことが好きな方だと思うのですが、読まれた方を通してまた色々な人に読んで欲しいと思いました。知らず知らずに社会の常識に流されて、自分が心地よいと思うことすら手放して生きてしまいますが、この本を読んで恐れずに本当の自分を生きることができそうな気がしました。壁にぶつかったときまた読み返してみたいです。おすすめの一冊です。
力強いメッセージ
よしもとばななさんという作家さんをよく知らないまま、ウイリアム・レーネンさんの名前に惹かれて読みましたが、ばななさんという方に先ずは興味が湧きました。 不思議な方だなぁ・・・と。 また、対談の内容では笑える場面が多々あり、気楽に読み進めることができました。 その後に続く霊的哲学は、普段誰もが誤魔化しながら今を都合よく生きようとしている私たちへの鋭いお叱りのような・・・・力強いエールのようなものを感じました。 特に子供への関わり方に関しては、絶対にこれから子育てをする人、真っ最中の人には読んで欲しい内容です。 夫婦のあり方についても理解しつつ実践できていない世の男女が揃って読み進めてほしいと感じました。 正直、私自身既婚者なため、これを主人に読んでもらいたいな・・・と強く思いました。 生きることのシンプルさと正直でいるための強さをこの本からたくさん学びました。 ウイリアム・レーネンさんのことは以前から知っていましたし、お会いしたこともあります。 彼は、この本が出版されるずっと前からこの本に書いてある内容を理解していて、ご自分がすでに実践されてきたのだと思います。 彼の優しい笑顔と今現在も活動されている力強いお姿がなによりの証だと思うんです。 本当にそれだけで励まされます。 だからこそ、私はこの本の内容を真剣に読み、彼の言葉を聞き入れることができました。 一人でも多くの目に触れ、今すぐに理解できないとしても、ただ無言で心に響かせてほしい!と思います。 本当にお勧めしたい一冊です。
今私たちが知りたいこと、知っておくべきことが詰まった1冊♪ 人生が変わります^^
 対談ではレーネンさんとばななさん、お二人の息がぴったり合っていて、次から次へと深い内容がさりげなくたくさん語られています。今を生きる私たちが知りたいこと、知っておくべきことが満載で、これから何度も読み直すと思います。……1回目より2回目、3回目と、毎日実践しながら読むと、ますます心に沁みてきます。  ばななさんも対談中、とても楽しそうで、ご自分のことも率直に(赤裸々に?)話してます。20年来のファンですが、初めて「こういうことを考えてて、こんな姿勢で生きているんだなぁ」って、いろいろな発見がありました。ますます大好きになりました^^  本からはお二人の間の空気も伝わってきます。それがとても心地よいのです。人と人の美しい関係――リスペクトし合ってて、飾り気がなくて率直で、相手がサイキックだからとか有名小説家だからとかで依存したり、おもねったりすることがない、正直で創造的な関係――を垣間見せていただいた感じで、印象的でした。    ほかの方のレビューに、「目の前が明るく開けるようなかんじ」はこの本にはなかった、というのがありましたが、「こうすれば、これこれこういう、いいことが起こる」「こういうことがあなたの身に起こるのは、前世がこうだから」みたいな、スピ系の本によくある話(先生が種明かししてくれるようなびっくりするような話)よりも、「どう生きるか」といった話が中心だから、そう思われたのでしょうか???   お手軽な答えやお手本に頼るのではなく、自分で自分の人生を発見し、幸せに自分らしく生きたい人には不可欠なスピリチュアル・ガイドブックだと私は思いました。
気づきをもたらす本
スピリチュアルって見えない世界だけど、レーネンさんとばななさんとの対談で、このスピリチュアルな哲学を日常にどう生かすか、自分自身をどう生かすか、などの地に足のついた内容で、お二人の意見が共通するというか共感し合っていて、ばななさんの感性は、こういうところからきていたんだと納得しました。それと、ちょっとした言葉のきりかえしから、お二人のユニーク度が思いはかれ、楽しませていただきました。 後半の霊的哲学は、何度も読んで思い当たる個所から実践できるように題目がありました。私にはぴったりです。自分が本当の意味で心地よく生きられるための本で、あまりお目にかかれない本だと思いました。超お勧めです。

ねじまき鳥クロニクル〈第2部〉予言する鳥編 (新潮文庫)

[ 文庫 ]
ねじまき鳥クロニクル〈第2部〉予言する鳥編 (新潮文庫)

・村上 春樹
【新潮社】
発売日: 1997-09
参考価格: 580 円(税込)
販売価格: 580 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1円〜
ねじまき鳥クロニクル〈第2部〉予言する鳥編 (新潮文庫)
村上 春樹
カスタマー平均評価:  5
物語は続く
この話、全然終らない。 でも実はこの作品、94年に第2巻まで発売され、2巻のエンドロールには「続」ではなく、「完」が記されていた。つまり、2巻完結の長編小説として世に送り出されたわけだ。 ところが翌年の夏に、予期せぬ形で第3部が刊行された。 「予期せぬ形で」とは言っても、第2部を読了した今思うことは「えっ?これで終わり?謎だらけなんですけどー」って感じだし、続編が刊行されてることは何の違和感もない。 この謎だらけの物語がどう収束するのか、僕は期待に胸を膨らませ、第3部に移る。 最後に第2部で印象に残った文章を記して終ろう。 「加納クレタが僕に向かって微笑みかけたのはそれが初めてだった。彼女が笑うと、歴史が少しだけ正しい方向に向けて進み始めたような気がした。」
再読を終えて。
笠原メイ、加納クレタ。この二人の女性との絶妙な距離感での関係を中心に、一部では何がどうなっているのか解らなかった主人公が、自分のすべきことを見つけ出すまでの第二部です。   笠原メイの「あの女の人を抱いたから、もう私には用がなくなったってことなの?」というキビシイ言葉が妙に心に刺さりました。 夏の暑さと何ともいえない倦怠感を感じることのできる一冊です。
不気味な説得力
ここ一ヶ月間、発表年順に村上春樹の作品をほぼ全て読んできたが、これが最高傑作だと思う。これほど面白い小説も珍しい。面白さという点で、東野圭吾の「白夜行」と双璧だ。また、なにげなく書かれているようだが、方法的にも考え抜かれた作品だ。ボルヘスなどラテン・アメリカ文学、ヌーヴォー・ロマンなどで試行されてきた実験的手法が使いこなされているように思える。 中巻はますます荒唐無稽だが、不思議な説得力がある。登場人物達が体験するようなシンクロニシティーや現実のような夢を(勿論、遥かに淡いものだが)私自身何度か経験しているからだ。その度に、宇宙は不可知のカルマと意味に満ち溢れたものであり、心と物、自己と他者はくっきりとは分離できず、別次元では相互に融合しているような感覚に陥るのだ。 そうした神秘感覚を煮詰めたような作品でもある。 クレタという女?が最も謎めいている。クミコの多重人格的無意識が創ったドッペルゲンガーのようにも見えるし、マルタの実在する霊媒の妹、ねじ巻き鳥の化身、宮脇の次女の幽霊のようでもある。
夢と現実とが交差した世界の表現に圧巻
 村上作品の中で初めて、主人公が怒り、暴力をふるう場面のある作品でもある。    まるで霧の中に迷い込んだかのような、夢と現実とが交差した世界の中で主人公(岡田)が困惑する。また自らが井戸の中に入り、クミコの失踪の原因について深い瞑想をし探求しようとする。井戸の中での体験が非常にリアルだ。
小さな声で語られる、本当に大切な情報
第2部「予言する鳥編」は妻のクミコの失踪という大きなトラブルより幕を開ける。この2部での主人公のオカダトオルに課せられた使命は、孤独と言うものを受け入れ、情報が明確にされるまでじっと待ち続ける事。それは、とても絶望的で多くの傷みを味わう作業であると思う。時にそのとてつもなく閉鎖されたその状況に辟易し、海外へ逃亡という道を選ぶ事を考えたりもするが、結局そこに居残る事を選択する。そして、この2部でも最もキーとなる場面であるが、謎の女の正体をついに自分で探し当てる事となる。 この「予言する鳥編」では、様々な登場人物の一言一言がとても重要な鍵となっているように思う。そしてそれは現代に生きる人々にとっても本当に重要な事なのではないか?という風に僕は感じている。 「自分にとっていちばん大事なことは何か、もう一度考えてみた方がいい」 「『新しい世界を作ろう』とか『新しい自分を作ろう』とか、誰にもできないんじゃないかな」 「それはお前が自分でみつけて、自分でやるしかない」 「ここは血なまぐさく暴力的な世界です。強くならなくては生き残ってはいけません」 「良いニュースというのは、多くの場合小さな声で語られるのです」 自らの想像力を超えたトラブルは、自分を見失わせてしまう。そして、自分が安心する為に何かに逃亡したり、依存したり出来てしまうシステムが、この世界に多く存在している。オカダトオルの行動は一介、奇怪なものに映るかもしれないし、随分と遠回りしているようにも見える。だが、本当に自分が求めなくてはならない情報は、自分のやり方で細かく時間をかけて追わなければ見つからないのだと思う。疲弊しながらも最終的に「良いニュース」に辿り着いた彼は、3部の「鳥刺し男編」にて自分にとって最も大切なものの為に、行動をしていく。

峠 (上巻) (新潮文庫)

[ 文庫 ]
峠 (上巻) (新潮文庫)

・司馬 遼太郎
【新潮社】
発売日: 2003-10
参考価格: 700 円(税込)
販売価格: 700 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 467円〜
峠 (上巻) (新潮文庫)
司馬 遼太郎
カスタマー平均評価:  5
「文字が立ってくるまで読む」(本文から)
「なまの人間を崇敬できぬ」 「人間として人間にあこがれるという他愛さがない」 「人間は、互いに肥料であるにすぎぬ。 …人物に惚れることを怖れた。」 「万事、この男は不逞であり、可愛気がない。」 (何れも本文から) でも、だからこそこの主人公河井継之助に惚れますよ。 考える凄さ、己の意見、優れた主観で動く素晴らしさを感じます。
10代の人に読んで欲しい本!!
 司馬遼太郎作品はいろいろ読んでいるが、『峠』が一番考えさせられる   内容の著書だった。  他の方のレビューにもあったが、読んでいて途中から  『継乃助が戦死せずに明治も活躍していたらどうだったんだろ?』   とか  『なんで、先見性がある継乃助が最終的に戦に挑んだか?』 とずっと考えながら読んだ。    それは、継乃助が一番重んじた学問が陽明学で、自分自身が越後長岡7万4千石  牧野家家臣 河井家 そして、武士に生まれた事の意味と照らし合わせたからだと思う。   今の、世の中にもこういう矜持を持った人がたくさんいればいいなぁと思う。      10代の若い人たちに大いなる見本になる人物として参考にして頂きたい。   以前、『燃えよ剣』も読んで感銘を受けましたが、司馬氏の作品には毎回    やられっぱなしです。これから 『世に棲む日々』を読もうと思います。
生き方を考えさせられる本
司馬遼太郎作品の中では、メジャーな方では無いと思いますが、 かなり好きな一冊になりました。 主人公の河井継之助の他人に流されず、自分の信念を貫く姿勢や、 命は使うべきところで使わなければ意味が無いという覚悟に、影響を受けました。 また、河井継之助の考え方の基本は陽明学という学問らしいですが、 そちらの方にも少し興味を感じました。 最終的に長岡藩にとってこのような大人物を抱えたことが、 良かったのか悪かったのかは難しいところではありますが、 歴史物が好きでない方にもお勧めの一冊です。
方谷との出会い
若くして陽明学を師事し、その理念を持って自らを研鑽していく過程(雌伏)そしてそれが昇華されて悲劇といえる北越戦争に至る悲しさを感じさせる巻である。この本を幾度となく読み返したが若い頃はエンターテイメント性溢れ、戦争突入前の風雲の時勢の緊迫感溢れる下巻に心動かされたものだが、幾度と読み返すと方谷との出会いまたそこで学ぶこと。このあたりのなんともいえない河井の生き様がたまらないと思える。知行合一の知の部分の研鑽であり、その集大成としての行動の前段なのである。後半の行動に向かう前の河井の心の声が聞こえてきそうである。心中、心のつぶやきが多い男である。という言葉が文中出てくるが己の心の中を鏡のように磨き上げるという作業に費やされたこの期間が愛しく思える。後半に向かい滅びを迎えるべくして迎えるという美学をこのように計らずとも作り上げ、また時勢に巻き込まざるを得ないという運命によって悲壮という世界に突入していく愛すべき河井の姿がよく見える巻である。
「志」ある人生が放つ美
「河合継之助のような人間を持ったことははたして藩にとって幸か不幸か・・・」 作中、登場人物達により幾度か繰り返される問いである。 継之助はその卓越した頭脳と行動力により日本随一の砲兵団を作り上げ、それにより長岡藩という小藩をして一個の独立国にすることを夢見た。 しかし結果として、継之助ひきいる長岡藩は維新史上最も激烈な戦いとなる北越戦争へと突入してゆくことになる。 司馬さんは短編『英雄児』において、継之助の英雄ぶりとともに、このような英雄を持った小藩の不幸を描いた。 そして3年後、同じ河合継之助を主人公にし、全く別の視点、「武士」というものに焦点をあてた長編を発表した。 それがこの『峠』である。 継之助は福沢諭吉に劣らない開明論者で封建制の崩壊を誰よりも見通していながら、諭吉とはまったく違う道を選ぶ(この2人の掛け合いは私の最も好きなシーンである)。 自分自身の原理原則――「志」に従った結果である。 日本の文明化が諭吉の志なら、継之助の志は「長岡藩士として藩をいかによくしてゆくか」ということだった。 司馬さんはあとがきでいう。 「幕末期に完成した武士という人間像は、日本人がうみだした、多少奇形であるにしてもその結晶のみごとさにおいて人間の芸術品とまでいえるように思える」 この究極的な武士の美を描いた『峠』に、私は司馬作品の典型を感じる。 その人間の行いが歴史的にどういう意味を持ったか、未来にどのように貢献したかは、決して司馬作品の主題ではない。 司馬さんが描くもの、それは人生の美である。 ただ生き伸びるだけの人生ではなく、「志」ある人生が放つ美である。 継之助が極端なほどに貫いたものである。

沈まぬ太陽〈5〉会長室篇(下) (新潮文庫)

[ 文庫 ]
沈まぬ太陽〈5〉会長室篇(下) (新潮文庫)

・山崎 豊子
【新潮社】
発売日: 2001-12
参考価格: 620 円(税込)
販売価格: 620 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1円〜
沈まぬ太陽〈5〉会長室篇(下) (新潮文庫)
山崎 豊子
カスタマー平均評価:  4.5
いよいよ大団円(?)
これだけ大部な小説を読み切ってもさほどの「達成感」は無かったのが不思議。 それだけ楽しんで、一気に読んだからなんでしょうね。全編にわたってこれでもか と描かれるJ○Lの腐敗しきった体質。本当に救いようがない。 取材の厚みが違うので半端でないのでそこがまた救いようの無さを増幅させている わけですが。ラスト・・・ちょっとだけ救われた感じがします。 超一級品のビジネス・娯楽小説。
あまりの面白さに、5巻一気に読んでしまいました
事実に基づくフィクションとの名目。 一部、 実名も登場。臨場感、溢れる作品に仕上がっている。 主人公、恩地の生き様には、 壱サラリーマンとして、熱い勇気を与えられる。 全5巻と中篇作品ではあるが、 どうなってしまうのか、気にさせられる 秀逸なストーリーで、一気に読破をしてしまった。 映画化も決定。 一つ一つの場面が、 どのようにスクリーンへと映し出されるのか、非常に楽しみである。
国民航空は今日も飛ぶ
組合の元委員長、恩地元を主人公とする物語は、事実上アフリカ篇 で終わる。 御巣鷹山篇では悲惨な航空機墜落事故そのものが中心と なり、会長室篇では新生国民航空に会長として就任した国見が主役と なる。 この作品は、「取材した事実に基づき、小説的に再構築した作品である」 と作者自ら言っている。作品のモデルとなった人物が、御巣鷹山の墜落 事故に直接関わっていなかった等の批判もあるが、あくまでもこの作品は 小説であり、作者の創作であると判断したい。だって、こんな航空会社が 実際にあったら嫌だもんね。 ただ、御巣鷹山編では墜落事故の状況や、その後の補償交渉まで、非常 に生々しく綴られている。作者の緻密な取材が伺われるが、リアリティーが 豊かな分だけ、この作品がノンフィクションではないかと誤解されるのでは ないだろうか。 会長室編のラストは、唐突に終わってしまった印象がある。 恩地や国見が聖人君子として描かれているのに対して、作品上の悪役 である行天四郎の方が妙に人間臭く、親しみをもてたりしてしまう。 魑魅魍魎にまみれた国民航空。しかし、国民航空は今日も飛ぶ。 国民の夢を乗せて。
会長編は...
沈まぬ太陽、御巣鷹山編までは面白かったのですが、会長編からはどうも恩地の迂闊さ無能さ融通の利かなさが感じられ、これじゃー行天達には到底勝てないだろうと納得してしまいました。 会長も当事者意識に欠けてるような印象を受けました。 大なり小なりサラリーマン社会ではこのような現象は有りますが、「正義の為に時には妥協してでも貫く」という強さも必要だと思います。
小説としては興味深い、しかし…
日本航空に実在した小倉氏のエピソードとJAL123便の事故のエピソードを 組み合わせた、社会小説+経済小説の様な特殊な位置づけの小説である。 沈まぬ太陽で紹介されたエピソードはJASとの合併でますます混迷を深める 現在の日本航空の現状を考えれば、その背景を的確に描き出していると 言うことが出来ると思う。 その一方で、恩地氏の生き方にはどうしても共有できない部分がある。自身に 非がないとは言え、あそこまで盥回しにされるのであれば、家族のため、 自身のため転職するなり、筋を曲げるなり出来なかったのだろうか?。 「正しいことをしたければ偉くなれ」ではないが、なんとかならなかった のだろうか?。 白い巨塔でも里見先生がその様な役回りだったのかもしれないが、彼が主人公 ではなく、清濁併せのむ財前先生との対比だから良かったが、今回は恩地氏が 絶対善的に描かれた分辛かったなぁという印象がある。 また、後半の国見会長は恩地氏との絡みで非常に好人物として描かれているが、 実際の伊藤会長は鐘紡の会長としてその地位に長く居座ったが故に名門企業 の事実上の破綻を招いた張本人でもあり、日本航空の件でも充分なリーダー シップを発揮できなかった人物である。もちろん後に分かった事実ではあるが、 少し持ち上げすぎな気がする。 その意味で、非常に興味深い内容の小説ではあるが、感情移入しにくい印象 のある小説でもあった。

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 更新日 2009年5月10日(日)  ※ 表示価格は更新時のものです!      メール      相互リンク

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