売れている日本文学作品をAmazon売上ランキングで紹介します!

日本文学☆ランキング

1,500円以上で送料無料! ※一部大型商品を除く     カートをみる |  ヘルプ
文芸作品
歴史・時代小説
経済・社会小説
エッセー・随筆
ミステリー・サスペンス・ハードボイルド SF・ホラー・ファンタジー ロマンス 詩歌 全集・選書 評論・文学研究 伝記・人物評伝 文学賞受賞作家
サブカテゴリ
    文学・評論
   文学賞受賞作家
   芥川賞
   直木賞
   谷崎潤一郎賞
   三島由紀夫賞
   山本周五郎賞
   ノーベル文学賞(1901-1950年)
   ノーベル文学賞(1951年-)
   ブッカー賞



特集
   山本一力
   司馬遼太郎

◇このサイトはAmazon.co.jpと連携しています。ショッピングカートはAmazonのものを利用しています。
◇販売事業者はAmazonとなりますが、商品選定等についてのお問い合わせがありましたら、フッターにありますメールリンクからご連絡下さい。



**お店のPR**
<相互リンク>
AmazonMall0
AmazonMall2
AmazonMall3
AmazonMall4
AmazonMall5
AmazonMall6
AmazonMall7
AmazonMall8
TomatoChips
MensWathch
LadysWatch
ShopResort
PremMarket
PremShop
SavePrice
限定ミッキー腕時計
オイルキャンドル
OMEGA格安
海外ブランド財布格安
グッチ格安
ブルガリ格安
プラダ格安
コーチ格安
お祝いに胡蝶蘭
逸品堂Mens支店
逸品道Ladys支店
羽根布団10点
羽根布団8点
AkiraZon
AmazonMall001
AmazonMall002
AmazonMall003
AyaZon
声優Zon
USBjunky
PC_LIFE
あかちゃんのおもちゃ
エレキギター
電車のおもちゃ
浄水器屋
何でも収納屋
電動工具屋
ラジコン屋
はんこ屋
防災防犯屋
サイエンス屋
ミニカー屋
ケース売り屋
G-SHOCK堂
kinsen.com
usb.kinsen.com
SavePrice

AmazonMall012
AmazonMall013
AmazonMall014
AmazonMall015
AmazonMall016
AmazonMall017
AmazonMall018
オススメ腕時計
オススメ羽根布団
オススメ!ミッキーマウス腕時計
オススメMP3プレーヤー
オススメ美容器具








 

文学賞受賞作家

アイテム一覧
101 102 103 104 105 106 107 108 109 110
蝉しぐれ (文春文庫) 小説の読み方~感想が語れる着眼点~ (PHP新書) 古武術で毎日がラクラク!―疲れない、ケガしない「体の使い方」 蒼穹の昴(2) (講談社文庫) 前巷説百物語 (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE) 空海の風景〈上〉 (中公文庫) 厭な小説 峠 (中巻) (新潮文庫) 孟嘗君〈1〉 (講談社文庫) 聖者の戦い (小説フランス革命 3)
蝉しぐれ (文春文庫) 小説の読み方~感想が語れる着眼.. 古武術で毎日がラクラク!―疲れ.. 蒼穹の昴(2) (講談社文庫) 前巷説百物語 (C・NOVEL.. 空海の風景〈上〉 (中公文庫) 厭な小説 峠 (中巻) (新潮文庫) 孟嘗君〈1〉 (講談社文庫) 聖者の戦い (小説フランス革命..

  1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20  21 
11 / 50


蝉しぐれ (文春文庫)

[ 文庫 ]
蝉しぐれ (文春文庫)

・藤沢 周平
【文芸春秋】
発売日: 1991-07
参考価格: 700 円(税込)
販売価格: 700 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1円〜
蝉しぐれ (文春文庫)
藤沢 周平
カスタマー平均評価:  5
良質な時代小説のお手本
舞台、主人公の年齢設定、心理描写と風景描写、筋書きの芯となる苦難と陰謀、友情と淡い恋、剣と成長。これらを組み合わせたバランスがよい、テンポがよい、無駄がない。 時代小説になじみのない若年層から、歴史もの時代ものをいろいろ読んだ熟年層まで(そういう人はすでに読んでいるだろうが)お薦め対象者を選ばない。 それにしても日本人というのは、うだる夏空の蝉しぐれに包まれると、遠い少年・少女の日に自動的にトリップしてしまう仕様になっているみたいだ。
一途な武士の生き方
所謂”侍”という存在には違和感もあり理解しがたい世界で あったが、主人公:文四郎を通して、一途な日本男児の生き様 を教えられた感じである。 冒頭に描写されている夏の小川から全編を通じて爽やかな 清涼感が全編に渡り漂っているが、父の切腹や家禄の召し上げ など主人公:文四郎を取り巻く環境は厳しい。 それでも残された母の厳しさと幼馴染みとの友情もあり男らしく 成長して行く。 また、お互いに初恋の人を心に秘めたまま、それぞれが置かれた 自分の立場をわきまえて、気持ちに整理をつけるラストシーンも 人間臭さが描かれており、親近感を覚える件であった。
信じられない!!
そんなにたくさん本を読んでるわけではないので よくこの本は何度も読み返したくなる?とか、擦り切れるまで読む?とか 理解できなかったし、好きな本に対するお決まりのほめ言葉としか見てなかったけど この本を読んでその気持ちがよく分かりました。 もう何度も読み返してるし、きっとこれからも何度も手に取ると思います。 すごいよかった。 初めて時代物を読んだので最初はすごく読みづらい気がしたけど すぐなれました。 文四郎のまっすぐさや、闘うときの緊張感もすごくいい。 でも、何より言葉では表せない雰囲気や空気がありました。 しばらくするとその雰囲気が恋しくなって思わず読み返しちゃうんです。 こんな気持ちになれる本とは後にも先にもこの一冊だけだと思います。 読んでよかった。
数年後、もう一度読みたくなる作品。
 時代小説好きな方はもちろん、敷居が高そうと感じて挑戦できない方や、これから読書を始めてみようという若い人にも読んで欲しい作品。  この作品には、様々な要素(恋、別れ、友情、戦い)が絶妙なバランスで折り重なっていき収束していく爽快感がある。この作品で、最後のシーンを確かめたときに感じた気持ちを、言葉に出来なくてもいいから大事にして欲しいと思う。心を豊かにしてくれる作品だ。  ただし、物語が急展開を迎えるまでにかなりのページ数を読む必要があるために、途中で挫折する人がいるかもしれない。それでも最後まで読んで欲しい。主人公と共に歩んでこそ、最後にこみ上げてくる思いに意味が生まれてくる。
少年から大人への繊細かつ深い描写
純粋な少年剣士牧文四郎に突然、尊敬していた父の切腹、家禄の召し上げ、淡い想いを抱いていたおふくの奥入りと、少年に理不尽な不条理がつきつけられる。 藩内の人からも非難される中、剣に打ち込むことで心身ともに強くなっていく文四郎。 しかし、逞しく成長した文四郎だが、本人の意思とは別に権力闘争に巻き込まれていく・・・ いつもの海坂藩を舞台として、少年の成長のさまを描いた作品。 目の前に浮かぶような景色と少年から大人へと変わっていく繊細な心の動きの描写が読者をぐいぐいと引き込んでいきます。 著者の作品は重厚で玄人好みともいえるものが多いですが、これは比較的若い人にもお勧めしたい一品です。

小説の読み方~感想が語れる着眼点~ (PHP新書)

[ 新書 ]
小説の読み方~感想が語れる着眼点~ (PHP新書)

・平野 啓一郎
【PHP研究所】
発売日: 2009-03-14
参考価格: 756 円(税込)
販売価格: 756 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 529円〜
小説の読み方~感想が語れる着眼点~ (PHP新書)
平野 啓一郎
カスタマー平均評価:  5
小説のつくりかた??
本書は面白い!! タイトルは「読み方」となっているが、 どうも小説の書き方を書いた本のように思われる。 文章には二種類ある。 こういう指摘は面白いし、言われてみればそのとおり。 プロットを進める文と、主題を説明する文。 プロットが進みながら、主人公の人物が深まっていく文は、 その両方を兼ね備えた技。 ふーん、そういう構造だったのかと 目をひらかれる思いがする。 自分も書いてみたくなった。
小説を読む思考の運動神経
よく帯や書評に「思わず一気読みしました!」みたいなことが書いてあるが、 著者が長い間考えて、ひねり出した文章を、一気読みすることには、 なんだか抵抗感があった。 この本は、スローリーディングの実践編というべき内容で、 小説への真摯な姿勢がうかがえる。 確かに、この本に書いてあるような読み方をすれば、1冊の本を読むまでに、 かなりの時間を要することになるだろう。 ただ、おそらく運動と同じで、小説を読むための思考の運動神経が、 経験によって作られるはずであり、そうすれば今よりももっと深く、 感動できる読み方が日常的にできるようになるだろう。
小説の魅力、小説の読みの多様性
 著者は気負わない。小説は文字どおり「小さく説く」と受け取る。  三島由紀夫の有名な言葉に「最後の一行が決まらないと小説は書けない」がある。これも事前の組み立ての一法であるが、逆にどこに導かれるか、裏切りの面白さで展開する小説もある。森鴎外の「半日」を題材にした高橋源一郎のパロディー『日本文学盛衰史』中の「本当はもっと怖い『半日』」には考えさせられるものが多く含まれている。  小説家は、作品の中で登場人物たちに会話をさせるが、かれらは互いに話し合っているように見えながら、当然、本当は想像上の誰か、すなわち読者に向けて語っているのだという。  もともと鴎外の「半日」は、家庭内の嫁姑のケンカがテーマであり、流麗な雅文体では書けないことから、口語体の小説として執筆された。それを更に先鋭的ポストモダンの作風をもつ高橋源一郎が独自の解釈で欧外の「半日」に漱石まで登場させ、架空の会話をさせている。パロディーながら「誰が」「誰に」語りかけるか、という面白さがある。と言うより「怖い」ほどの魅力である。小説を書く、小説を読む魅力に通じるものだ。
悶々とした頭がスッキリするかも
この本の趣旨は、 1.小説の『批評』ではなく、 2.前作『本の読み方 スロー・リーディングの実践』の読書対象を小説に特化させた上で、 3.多くの人が「語る」上で役立つような『視点の紹介』 にある。 そしてその『視点』は、動物行動学のアプローチである、「メカニズム」「発達」「機能」「進化」という4つの切り口を拠りどころにしたものだ。 それはとても新鮮でありながら、解説されるとどれも肯けることばかりで、終始興味深い内容だった。 文章はとても判り易く丁寧で巧み。短く削った言葉の中に、濃い内容が込められているように感じる。 未整理で混沌とした自分の頭がスッキリする心地よさを味わうこともでき、私にとって非常に良い出会いだった。著者に感謝したい。 小説を読むのが好きな人は、今より更に楽しい読書体験が味わえるのではないだろうか。 何より、著者本人が心から読書を楽しんでいる様が伺え、その感動を追体験するだけでも、読書の喜びを思い出さずには居れないだろう。 なお、扱われた小説は近代小説9作品で次の通り。 本書を手にする前に、いくつかの作品に触れてみたい方はどうぞ御参考に。 『幽霊たち』ポール・オースター 『蹴りたい背中』綿矢 りさ 「若さなき若さ」ミルチャ・エリアーデ(『エリアーデ幻想小説全集〈3〉1974‐1982』より) 「本当はもっと怖い『半日』」高橋 源一郎(『日本文学盛衰史』より) 「半日の花」古井 由吉(『辻』より) 『ゴールデンスランバー』伊坂 幸太郎 「幻」瀬戸内 寂聴(『髪』より) 『アムステルダム』イアン・マキューアン 『恋空』美嘉

古武術で毎日がラクラク!―疲れない、ケガしない「体の使い方」

[ 単行本 ]
古武術で毎日がラクラク!―疲れない、ケガしない「体の使い方」

・荻野 アンナ ・甲野 善紀
【祥伝社】
発売日: 2006-10
参考価格: 1,260 円(税込)
販売価格: 1,260 円(税込)
 Amazonポイント: 12 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 813円〜
古武術で毎日がラクラク!―疲れない、ケガしない「体の使い方」
荻野 アンナ
甲野 善紀
カスタマー平均評価:  5
腰痛の父の介助のため
77歳の父が突然の腰痛で朝自分で起きられない! さあ大変、娘の私には私より重い父を起こすことができない。 ワラをもすがるつもりで本屋へ行きました。楽に寝ている人を起こすやり方が書いてある本を探すためです。 そういえば、以前テレビで甲野さんとかいう方が、古武術で楽に人を起こしたり物を運ぶやり方を教えていたっけ…と古武術のコーナーに行ったら置いてありました。 わかりやすい楽しいイラスト付きで手順が書いてあり、とにもかくにも"寝ている人を起こす方法"をまず探して実践してみたら、本当に私にも出来ました! 私は何の力も入れずに私より重い父を簡単に起こすことが出来たのです。 座り込んだ人を立たせるというのも、すぐ使えました。 本当に困っている時に、大変役に立つ本だと思いました。
意外にも、”背中”に役立った。
この本で紹介されている日常生活に古武術の身体の使い方を活かす方法は、 すぐにできるので大変お役立ちです。あきらかに私のクオリティ・オブ・ライフ (QOL:生活の質)が向上しました。(笑)たぶん、こういった技は一生使ってい くと思います。 DVDや、カルチャーセンターでの実技指導を受けなくちゃ ピンとこないな?という技もありました。 古武術をもう少し知りたくなったら、実技指導の受講をお勧めします。 カルチャーセンターや、いろいろなところでセミナーが開催されているようです。 ”背中”を柔らかくする方法も紹介されていました。 背中ガチガチで、整体に行くと「背中がまな板みたいだ!」と言われ続けてきた 私に、もってこいの方法でした。 この本のおかげで、”背面”の問題を自分である程度解消できる可能性が見えてきました。 けんしょう炎に効果的な方法も紹介されていて、助かりました。 かなり健康増進にも役立つ内容となっています。
ヨガ・ピラティス・古武術。
1,2年程前に買った本。トレーディングの最中に 座ったまま、肩凝りや首の後ろの部分の凝りを解す事が出来るので、 大正解の一冊だった。人間と言うのは、太古以来、極度の緊張が強いられる 「戦闘か逃走か」と言った状況では、直ぐに体が反応できる様に、 肉体の筋肉に血流が大量に回るような仕組みに為っていて、 その分、首から上、詰まり、脳への血流が減少して、 文字通り「血の巡りの悪い」状態に為ってしまう。 トレーディングでも、同様で、極度のストレス・緊張を感じると パニック的な売買をしてしまうのは、この様な「生物学的」根拠に 基づいて、説明が可能である。 この古武術の本の他にも、オフィスで椅子に座ったままでも 5?10分程度で出来るヨガの本も有るので、其方も参考に すると良い。
これはいい
甲野善紀氏の著書は何冊か読ませていただいた。 非常に興味深く、なんとか応用をと考えるのだが、なんせレベルが違い過ぎる。 そしてどうしても気になっていたのが、一本歯の下駄の存在で、 整体協会設立者の野口晴哉氏も、 都内から高尾山の頂上まで一本歯の下駄で歩いていたというエピソードを聞いてから、 どこに売っているのだろうと思っていた。 この本には、一本歯の下駄の信頼できる販売元が掲載されている。 さらには、室内用ではあるが、著者が愛用しているBBB-Gという一本歯の下駄も紹介されている。 この情報が欲しかったんだな。 今は、5分間、足踏みしているのが精一杯、5秒と静止できない。 でも、確実に身体の使い方が変わってきたと実感している。 注意:BBB-Gを履いてフローリングの床で足踏みすると、床がクレーターだらけになるので、 ヨガマット等を敷くといいかも。(段ボールでは役立たず)
男性読者ですが、文句なし5つ星!!!!!
表紙のデザインや本書のイラストなど、女性読者を想定した本ですが、 男性読者も楽しく読んでためになりました!文句なしで5つ星を進呈させていただきます。 古武術の知恵で、そんなに力を必要とせずに体重のある人を移動させたり 場合によっては痴漢撃退法など。 重たい荷物を持って歩く、ちょっとしたコツなど実利的なアイデアが満載です。

蒼穹の昴(2) (講談社文庫)

[ 文庫 ]
蒼穹の昴(2) (講談社文庫)

・浅田 次郎
【講談社】
発売日: 2004-10-15
参考価格: 620 円(税込)
販売価格: 620 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1円〜
蒼穹の昴(2) (講談社文庫)
浅田 次郎
カスタマー平均評価:  4.5
清朝末期と日本の幕末には共通の壮大なドラマがある
地主の次男、梁文秀(史了)とその地の貧民の子、李春雲(春児)。 科挙登第を経て国政を担うこととなる史了と、宦官という 方法で内廷のトップまで上り詰めた春児。 二人の男(!?)を通して、清代末期西太后が実権を握っていた 王朝内部の動乱とそれにかかわる人々の思惑を描いた 壮大な歴史小説。 読み進めていく中で感じたのは、日本の幕末との 共通性。もちろん、時間的共通性もあるんだけど、 欧米列強のプレッシャーを受けながら、従来の 権威をいかに保つかという苦心と、国を存続させるためには 改革を進めなければという維新の思いとのせめぎ合い。 違いは、日本が明治維新という中からの改革で国体変化を 成し遂げたということと、日本が列強の側に加わってきたと いうことか。やっぱり中国は大きな国過ぎて、紫禁城の 中にいては危機感が伝わってこないのか。 現代の中国も変革が必要な時期に来ていると思うけど、 そこはやっぱり歴史を学んで、中から変わっていって もらわないと。「党」という「王朝」も絶対ではないのだから。 結局、4月の北京旅行前に読むことは出来ず、旅行の 帰りから読み始めたこの本。途中で出てくる地名だとか、 建物の名前は、実際行ったことで具体的にイメージしながら 読めました。そういった意味では、行ってから読んで よかったのかなと思いますが、読み進めるにしたがって、 あっ、ここも行ってみたかったななんて思うところも また出てきたりして。 なので、来月の休みのときにまた北京に行ってみようかと 思ってみたりもして。
さて第二巻は…
清朝末期を題材に西太后、李鴻章など歴史上の人物と、 浅田次郎の創作である主人公・春児(チュンル)と文秀(ウェンシュウ)が 登場する歴史小説ですが、第二巻は舞台がいよいよ「紫禁城」へ移ります。 同郷の春児(チュンル)と文秀(ウェンシュウ)は歩む道は違えど、 舞台を同じくする者同士です。 小説自体は創作なのですが、歴史的事件や事実はそのままなので、 当時の時代背景などの勉強にもなります。 特に日清戦争が日本と清朝との戦争ではなく、 日本と李鴻章の私兵とのいざこざであったこと、さらには 戦争の舞台が中国本土ではなく朝鮮半島であったことなどは 面白いところだと思います。 第一巻の見所は科挙試験の様子と宦官の製造方法でありましたが、 登場人物も増える第二巻では、やはりそれぞれの登場人物の絡み、 繰り広げられる政治絵巻が見所だと言えるでしょう。 ちなみにこの小説の親切なところは、登場人物を見失わないように 各巻に付属の栞(しおり)に人物説明が載っているので、忘れたら いちいち確認しながら読めるところでしょう。
か弱い女性として描かれる西太后
 清朝末期時代を描いた歴史小説の第2巻。  この物語の主要人物である西太后が、まず権力の頂点で横暴にふるまう人物として登場しました。  公式の政治の世界で非情な最高権力者として振舞うことはもちろんですが、後宮でも、やれ饅頭に羽虫が入っていたといっては料理長の足を折って紫禁城から追放し、やれ芝居の演技が下手だといっては御前役者を棒叩きにします。そのためにこん棒を持った「散差」という役人が、いつも待機しているありさまです。  一方で西太后には偉大な清朝第六代皇帝の霊と対話する力があり、外国に蚕食される中国の舵取りを「おじいちゃん(乾隆帝)」に相談するという、か弱い女性としての側面も持っていました。  乾隆帝の霊は言います。   「天下に帝位なるものの続く限り、民は救われぬ。真の平和は民の力に    よって初めて実現するものだからの」  西太后は帝政にピリオドを打つ苦しみ耐えることを期待され、「ずるいよ、おじいちゃん」と泣き崩れます。  本書の主人公文秀と春児は、第1巻で占い師から将来の栄達を予言されました。第2巻で再び登場した占い師が、実は春児には昴の宿星など無かったことを明かしました。家族もろとも飢え死にする卦が出ていましたが、あまりに不憫になった占い師が、掟を破って偽りの卦を伝えたというのです。  その占いを信じた春児は、飢え死にすることなく、奇跡的なめぐり会いを経て西太后にお目通りできるまでに出世した宦官になりました。占い師は言います。   わしは信じたいのじゃよ。この世の中には本当に、日月星辰を動かす   ことのできる人間のいることを。自らの運命を自らの手で拓き、あら   ゆる艱難に打ち克ち、風雪によく耐え、天意なくして幸福を掴み取る   者のいることをな  崩れゆく清朝の政治の舞台で、主人公たちにどんな運命が待っているのか。  ……第3巻に続きます。
西太后と紫禁城
西太后とはどんな人だったのだろうか。そして中国皇帝の権力とは以下ほどのものであったか。西太后については、とかく化け物のような喧伝がなされておりすこぶるイメージは悪い。しかしどうも中国王朝文化の習慣が理解出来ない当時の列強諸国がプロパガンダとして用いたイメージのようである。中華思想とは宇宙の真ん中という意味でその最大権力者が中国皇帝である。西太后は、権力を私物化するために政敵の命を奪っていった非道の人なのか、それとも清朝末期、蹂躙される中国を支えるつわものであったのか。西太后の「人」に迫ってゆく第2巻であった。春児がついに西太后にお目通りする名場面もあり、一気に読み進められた。中国への思いが高まること請け合い。中国に関心のある方にはお勧め。
若き力が世を動かす
 西太后を中心に回る清の末期
 その権力の前に、誰もが沈黙する。
 しかし、西太后は決して悪ではない。

 善かもしれなかった。
 西太后側につく春児。
 その対極につく親友梁文秀

 清で一番の近代的な軍隊である北洋軍の李鴻章。

 勢力が割拠しつつ、世の中を変えようとする若き力
 が活躍を始める。

 王逸と梁文秀と順桂のそれぞれの動きと春児の活躍
 3巻が楽しみになる展開です。


前巷説百物語 (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE)

[ 新書 ]
前巷説百物語 (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE)

・京極 夏彦
【中央公論新社】
発売日: 2009-04
参考価格: 1,365 円(税込)
販売価格: 1,365 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 500円〜
前巷説百物語 (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE)
京極 夏彦
カスタマー平均評価:   0

空海の風景〈上〉 (中公文庫)

[ 文庫 ]
空海の風景〈上〉 (中公文庫)

・司馬 遼太郎
【中央公論社】
発売日: 1994-03
参考価格: 720 円(税込)
販売価格: 720 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 50円〜
空海の風景〈上〉 (中公文庫)
司馬 遼太郎
カスタマー平均評価:  4
功罪相半ば…。
空海を語った本で一番よく知られている(一番売れている?)本だろう。たしかに読み易い。 わたしもご多聞にもれず、かつて、この本から空海に入った。他に読みやすく手ごろな空海の本がなかったという事情もある。 その後、空海に関する本をいろいろ読み、また東寺や高野山を訪れ、まがりなりにも30年、空海を追いかけてきた。そして今、この本は空海への入口に過ぎないとつくづく思う。 これで空海のことは大体わかったような気になってしまうケースがどうも多いようだ。しかしこの本の空海像は何から何まで漠然としているのです。ところが読者は漠然とした話であるはずのことを脳裏に焼き付けてしまう。いつしかイリュージョンがイリュージョンでなくなってしまう。 語り部(手品師?)、司馬遼太郎の面目躍如たるところだろうが、読者は自分がいい餌食になっていることに気づかない。これは不幸だ。この本を入口にするのは良いが、それで完結して満足してしまう読者は気の毒に思える。もっと肥沃な領野が広がっているのです。功罪相半ば、とはそういう意味である。 本当の空海に少しでも近づくことを願う人に、僭越ながら経験から僅かながらの示唆を提供させていただくなら、わかり易い本とは言えないが、ちくま学芸文庫『空海コレクション2』をまずはお勧めしたい。だがこの本は解説が回りくどいのが難点。いっそ、門外漢である建築家が最近出た著書の後半部分で空海のセンテンスを選りすぐって解説しているのが出色(春秋社『空海 塔のコスモロジー』)。
司馬さんのフィールドワークと一次資料の活用に感動します。
真言宗に御詠歌という仏教音楽が残っていますが、これは弘法大師のそのままの言葉を伝えるものだと言われています。司馬さんの作品では空海が信者を引き連れて山河を跋渉し問われるままに様々な話をした事柄が、眼前に匂い立つように描かれています。ここで特に司馬さんがタイトルに風景と言う言葉を用いているので、その文章の理解には教養と経験と想像力が要求されます。特に史実は明治期を取扱った作品と同じ態度で臨んでおられますが如何せん古い時代の話ですから、その史実から飛躍できないもどかしさと歴史の空白部分への想像力の膨らみ が相克する面白さ、密教が今でも秘密とされている事が作者を魔術のように翻弄する部分は恐ろしく知的です。まるで1000年前の空海と司馬氏が対談しているかのように思われます。私は20代では理解出来ませんでした。読み返すたびに発見があります。
そこのお若いの、ここから入るな。
 これから司馬文学に入ろうとする方、この作品からはやめておこう。司馬遼オタクと言われた私が挫折寸前だったからだ。何とか読み通したが、これが司馬さんだと思われても困る。 有名だからどなたか書いておられるかもしれないが、「坂の上の雲」にも「翔ぶが如く」にも「挫折の巻」がある。「余談だが」といって1冊書いちゃうとか。興味のある場合はその余談が楽しいのだが、これはちょっと苦しかった。 ほかの司馬さんの作品は大好きだが、司馬さんは、悪い意味ではなく、偏見と思い込みの人だ。そう思って、ほかの作品から司馬ワールドに入って楽しむといい。
司馬さんの見た空海を楽しめる
司馬遼太郎さんの作品は、主人公の姿が映像として自分の目に浮かんでくるようなかんじがその特徴だと思いますが、本書は他の司馬さんの本に比べると、「自分の目に浮かぶ」という感覚は弱かったです。徹底的に資料を調べ尽くす司馬さんも、さすがに空海の時代まで遡ってしまうと資料が限られてしまうため想像に頼らねばならない部分が多くなり、「生き生き感」が薄らいでしまったのではないかと思います。とはいえ、残された空海の書にある筆のタッチひとつから、その頃の空海の状況を推理する司馬さんのすごさには驚かされます。本書を通じ、空海の一生を楽しく知ることができました。
サイアク
資料を網羅したわかりやすい入門書というよさはあるけれど、司馬遼太郎の想像がことごとくマトハズレ。『情報』はあるけれど、仏教のことも空海のことも、まるでわかっていない。その無能さに、あきれるやら、腹が立つやら、とにかく最悪本。 「セックスは全て良きことであり、すなわち菩薩の位である」みたいなトンデモ解釈。「セックスを良きものに変える言葉こそが、菩薩の位である」となぜ正しく解釈できないのか。 スポーツ新聞のエロページのような解釈をすると売れるから、わざとやったのだろうか? とにかく、もっとまっとうな空海本のスタンダードを早く誰か書き改めて欲しい!!!

厭な小説

[ 単行本 ]
厭な小説

・京極 夏彦
【祥伝社】
発売日: 2009-05-14
参考価格: 1,890 円(税込)
販売価格: 1,890 円(税込)
 Amazonポイント: 18 pt
( 近日発売 予約可 )
厭な小説 ※一部大型商品を除く
京極 夏彦
カスタマー平均評価:   0

峠 (中巻) (新潮文庫)

[ 文庫 ]
峠 (中巻) (新潮文庫)

・司馬 遼太郎
【新潮社】
発売日: 2003-10
参考価格: 780 円(税込)
販売価格: 780 円(税込)
( 在庫あり。 )
峠 (中巻) (新潮文庫)
司馬 遼太郎
カスタマー平均評価:  5
人間のねうち
河井と福沢の人物対比がおもしろい。 「自由」福沢と藩を背負っている「家老」河井、 考えは同じようで、取る行動、 取らざるを得ない行動はまったく異なったものとなる。 どう死ぬのか、夫々が尊い。
政治って・・
上巻で諸国を旅してきた継之助。この巻では長岡藩の重職に抜擢され、事実上藩を動かしていく様が描かれている。外様吟味と言う地方官から始まり、家老にまでなってゆく。 泰平の世であれば継之助が家老になると言う事はなかっただろうが、時勢がそうさせた。筆者の言葉である。重職についても継之助の基本は揺るがない。あくまでも長岡藩のため、そのためだけに風を読み、動く。福沢諭吉との出会いのシーンがあるが、同じような時代の流れを感じていながら継之助は長岡藩士としての立場以上でものを言わない。考えないようにしていると言っているから、彼自身ももっと別の場所でやれると思っていたかもしれない。 読み進むとやはり、彼ほどの目があれば藩を出ても活躍でき、もしかしたら歴史の第1線に名を残せたのではないのか、とすら思えてきて歯がゆさを感じる場面がつづく。遠くから鳥瞰図を見るようにして時代を見ているからこんな風に思うのだ、と言うことは十分わかっているのだが。 この巻での継之助は、政治家としての手腕をあちこちで見せている。政治というのはこういう事かと何だか妙に納得してしまった。継之助の理論では武装することイコール戦うためではないことが良くわかる。一歩間違うととても怖いが、これもありかと思わせる。
混乱の中で大義名分に生きる
 大政奉還の混乱の中で、譜代藩の藩士とし、徳川家の大義のために生きてゆく河井継之助、しかし一方で将来の混乱を予想し、武装中立化へとすすんでゆく継之助。  藩とは、家とは、さむらいとは何かを問う作品
人間は立場で生きている
 上巻では、100石取りの一長岡藩士でしかなっかった継之助が家老に抜擢され、京都、大坂、江戸、横浜を舞台に活躍していく。

 中巻で一番印象に残ったのが福沢諭吉との出会い。
 福沢と継之助は似ている。侍の時代が終わると予言していたこと、封建制度の限界を感じていたことなどがそれだ。
 これほど似ている二人なのに、同じ結論に到達できなかった。福沢は「幕府が勝とうが、薩長が勝とうがどちらでもいい」という結論だった。しかし、継之助は、「私は長岡藩の家老で、長岡藩の独立を守らなければいけない」という結論だった。

 「人は立場で生きている」
 と継之助は言った。

 もし、継之助が福沢の立場だったら、もし、坂本竜馬のように浪人の立場だったら今の日本はどうなっていただろうか。
 そう考え巡らすと歴史は面白いなと、思う
政治的な側面が強い印象。
中巻では河合継之助が藩政をあずかり、戦乱に巻き込まれていく越後藩をどのように
動かしていくかが描かれています。

その中で興味深いのが継之助の政治観。

当時の諸藩はその時勢にのっている側につく、といったその場その場でものを考える
ところが多かったようですが、継之助はむやみに人に語りはしませんが明確なvisionを
もち藩政にあたっていました。

その政治観は現代を生きる私達も大いに学ぶところがあるのではないでしょうか?

また武士の美的精神もところどころに垣間見ることができます。

もちろんそれは河合継之助流の美的感覚で当時の武士が必ずそうであったかは
わかりません。

江戸末期は混迷の時代でしたが、現在も変革が激しく難しい時代です。
ただ流されて生きるのは簡単ですが、情報があふれかえっている時代の中で、
どう決断し何のために生きて行くのか、そういった私達が生きるうえで重要なものとは
何かをこの小説は私達に示唆しています。

本当にお勧めです。


孟嘗君〈1〉 (講談社文庫)

[ 文庫 ]
孟嘗君〈1〉 (講談社文庫)

・宮城谷 昌光
【講談社】
発売日: 1998-09
参考価格: 600 円(税込)
販売価格: 600 円(税込)
( 通常4〜5日以内に発送 )
中古価格: 400円〜
孟嘗君〈1〉 (講談社文庫)
宮城谷 昌光
カスタマー平均評価:  4.5
面白い! が、ちょっと奇異な感じです
この忙しい時代 情報も氾濫している。作り話の小説なんぞ読んでる暇なし・・と思っていましたが、一読すると目が離せないくらい面白いです。 著者の博識が遺憾なく発揮されて、古代中国の故事や、難しい漢字の勉強にもなります。(^_^) ・  ・・ただ、気になるのは、登場人物がまるで日本人のように考え、行動している事。  ビジネスで、あちらの国の人とつきあう経験を重ねるにつれて、日本人とは気質も、考え方も、価値判断も大いに違っている事を、次第に痛感するようになるものです。  彼我の古代文学を比較しても、そのような違いは、厳然として存在するように思います。 が、この著者はそのような直接的な体験は、どうもお持ちではないように思えます。  古代の史書だけを頼りに眺めているからでしょうか?  もっと別の視点で史実を見ないと、かなりおかしな片思いになるのではないでしょうか。  まあ、日本人にはよくありがちな事ですが・・・(^_^;)
『孟嘗君』(1、2、3、4、5)
孟嘗君を取り上げた内容ではあるが、実際は白圭の素晴らしさばかりが際立っており、孟嘗君の偉業よりも勝って感じられた。 終盤は展開が駆け足のように感じられて、読み終えたときの感慨も深くなかった。 とても評価のし辛い内容だと思う。
英雄たちの薫風に触れる
孟嘗君は宮城谷文学に繰り返し登場するスター。その意味では、本書は彼の代表作と言えるだろう。 筆者が好んで題材にするのは、志と品性を高く持ち、国民に信を立てた人物たち。もともと中国古代史では儒教的な背景もあるのか英雄に徳性を求める傾向があり、戦争に勝利しただけでは英雄にはなれない。そんな「英雄」たちの薫風に触れ、爽やかな読後感と背筋のピンと立つ思いが残る。それが宮城谷文学の醍醐味だと思う。 本書ではそうした志の高い人物として孟嘗君のみならず、田嬰、白圭、孫というオールスターキャストを登場させ、それぞれに存分に語らせている。白圭が孟嘗君の養父というのは筆者の創作のようだが、英雄とは王のみでなく、商人も軍師もそれぞれの想いでベストを尽くし、記録や記憶に後世まで残っていく。そうした人物を掘り起こし、自由に想念を巡らせて主人公との接点を創作していくのが、宮城谷文学のフィクションとしての面白さだろう。 そして改めて感じるのは、古代文明の知性の高さと面白さ。ギリシア・ローマの例を引くまでもなく、紀元前後の古代人の思想には現代まで通用するものが多い。インターナショナルな視野の広さ、実利性の追求、自由な発想などが背景にあり、そうした古代の知性が孟嘗君という人物を書き残してくれたことに感謝したい。
後の孟嘗君の誕生
後に孟嘗君として天下に名前を知られる田文が、生まれてすぐに殺されそうになるところから物語は始まる。 決して明るくない幕開けが、田文の過酷な人生を予感させる。 その雰囲気を払ってくれるのが風洪なる人物。 この田文を救うことになる風洪が全5巻の前半の主人公と言える。 1巻は、没落した貴族の出身でありながら、風来坊としてきままに暮らし、行く先々で商人には福の神とあがめられ、女性にはもてまくる風洪が、仁義の道を模索していく話である。 風洪が格好良く、爽やかな気持ちにさせてくれる。
視点が秀逸。宮城谷氏の世界への門となる本。
正直、この本を読むまで始皇帝以前の中国の歴史はそれほど知りませんでした。 これほど、スケールの大きな人物がいたとは驚き、深く感銘しました。 宮城谷氏の本を最初にとるにはこれが一番良いと思います。 歴史状況の部分が比較的少なく、スピード感があり冒険小説を読んでいるようです。 視点が秀逸です。まず読んでください。

聖者の戦い (小説フランス革命 3)

[ 単行本 ]
聖者の戦い (小説フランス革命 3)

・佐藤 賢一
【集英社】
発売日: 2009-03-26
参考価格: 1,575 円(税込)
販売価格: 1,575 円(税込)
 Amazonポイント: 15 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 1,000円〜
聖者の戦い (小説フランス革命 3) ※一部大型商品を除く
佐藤 賢一
カスタマー平均評価:  4
いよっ 待っていました!!
フランス史を縦横無尽に書きつくす作家・佐藤氏が、いずれは書くだろうと期待して待っていたそのものずばりのフランス革命。 1・2巻もさることながら、ここからが目が離せません。 ベルばら世代の私にはたまらない。 序盤の主人公がミラボーというのも佐藤氏らしいチョイスでは。 私はパリの民衆(おかみさん)同様、ついついラ・ファイエットに目が行ってしまうが。そうか彼は軽薄なのかもね。 佐藤氏は男のコンプレックスを巧みに描き、そこにこそ男の色気というか、魅力を見出し、描き切るのを得意としていると、日頃感じております。 そして・・・待っていました。タレイラン!!! 革命をすり抜け、ナポレオン時代を生き抜きウィーン会議で優雅に舞った大貴族。彼こそが、フランス革命のキーパーソンです。 これからが大いに楽しみ。塩野氏のローマ史と同様、じっくりついてまいります。
勉強になります‥。
 1789年の暮から翌年の革命一周年までを描く、第3巻。  ロベスピエールが左派の領袖として力を持ち始め、タレイランが 教会改革を画策する。  そして、相変らずミラボーは睨みをきかせている。  半年で一年分、時間の流れを少し早回ししていく感じで刊行されて いるこのシリーズだが、正直言って少し辟易しつつもある。  あまりの逆接の文章の多さがそのひとつ。  多い時には見開き一つに「が、‥」が3回も出てくる。  言い回しも同じものが多い。  例えば「はん、むしろ神など気分が悪い」の「はん」、そして 「ええ、ええ、‥」というあいづち、「なんとなれば」という接続詞。 「なんとなれば」は10回以上、「ええ‥」は「ああ、」「おお、」 「いえいえ」なども含めるとかなりになる。  因みに「はん」は20回以上出てくる。  著者の語り口は、今まで気になったことはないのだが、こんなところが 目に付くのは、3巻目だから‥?
現代日本の政治に通じる国民議会の論争
 私がこの3巻で最も興味を引かれたのは、憲法制定国民議会での左派と右派の激しい論争と駆け引きの描写だ。その中心には怪物ミラーボーがおり、更にはやがてナポレオン時代に大活躍することになるタレーランも登場して暗躍、そして勿論ロベスピエールもダントンもいる。  このときの議論で面白いのは、戦争についての宣戦講和の機能を担うのは、立法権(国民議会)か執行権(国王政府)かという議論。左派は国家主権は国民にあるのだから、戦争を始める権利も止める決断も議会が担うべきだと主張し、右派は、戦争は危急存亡の事態への対応なのだから、悠長な議会の論議を待って決断を下していたのでは、いざと言う時には間に合わない。宣戦講和の機能は国王政府に委ねられるべきだと主張する。おまけにその議論の背景には、他国の領土への侵略戦争は悪であり、フランス国民も国王政府もそんな戦争をやる意志は無いという建前がある。問題なのは他国から不当な戦争を仕掛けられたときの自衛戦争のことだ言う。  これって、国民議会を国会に、国王政府を日本政府に読み替えれば、そっくりそのまま自衛隊の海外派遣を巡って繰り返されている現代日本の防衛論争そのものではないか!作者は勿論そのことを意識して書いているのだろう。論考の基底にしっかりとした歴史学、政治史の学識を置きながら、登場人物にタップリと強烈な個性を付加し、ダイナミックな現代版講談口調で面白ろ可笑しく話を進めていくこの作者の力量にはまったく感嘆する。  それにつけても、宣戦講和の権利に関する論争の結論に「フランス国民は征服を目的とする戦争を放棄する。他の国民の自由を害するために向後一切の武力を用いることは無い。」と付け加えることで、左派は王党派ミラボーの提案の受け入れに満足したという作者の言及によって、それがやがてナポレオンを生む国の話だと知っている我々読者は、冷酷な歴史の皮肉を改めて味わうことになるのが、本書を読む醍醐味の一つだ。
最強の政治家タレイラン登場!!!!
フランスを舞台にした時代小説を手がけてきた著者による 大河プロジェクト「小説フランス革命」 その最新刊である本書は タレイランの登場から 彼も中心的にかかわった<全国連盟祭>までが描かれます。 理想や信仰とは無縁に、ただ自らの欲望を満たそうとするタレイラン。 そんな彼に、フランスの未来を想い清濁併せ呑むミラボー、 自らの信念を純粋に追い続けるロベスピエールなどが加わり 革命の歯車はさらに加速する。 議会での白熱する議論もさることながら 教会改革に挑むタレイランと 頑迷にそれを拒む司教との噛み合わないやり取りなど 政治・歴史小説としての面白さは十分。 さらに、議員として一線で活躍するタレイランと 彼に対して羨望や友情、そして屈辱が入り混じった想いを抱くデムーランのシーンなどは 現代の青春小説のようなほろ苦さを味わえます。 それ以外にも様々な楽しみ方ができる本作。 フランス革命の流れがわかっている方であれば お好みの場面から読み始めてもよいのではないでしょうか☆ なお今後に関しては、 ミラボーの死やフーシェをどのように描くのか? が一番の関心事です☆☆

  1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20  21 
11 / 50



Copyright © 2009 日本文学☆ランキング. All rights reserved.    Program by 簡単アマゾンサイト作成ツール 4.1.2

 更新日 2009年5月10日(日)  ※ 表示価格は更新時のものです!      メール      相互リンク

inserted by FC2 system