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血脈 (上) (文春文庫)

[ 文庫 ]
血脈 (上) (文春文庫)

・佐藤 愛子
【文芸春秋】
発売日: 2005-01
参考価格: 840 円(税込)
販売価格: 840 円(税込)
( 通常2〜5週間以内に発送 )
中古価格: 576円〜
血脈 (上) (文春文庫)
佐藤 愛子
カスタマー平均評価:  4.5
全部事実であるという保証はない
自分の親族についての、飽くまでも「小説」。父の先妻やその他親族についてくそみそに書いているが、著者が実際に会っていない人物も含まれているし、後妻の子である佐藤愛子の立場で書かれてあることを忘れずに。また、実姉やその子供たちについては赤裸々に書いてあるのに、自身の子についてはほとんど記載なし。要は、守るべきところはしっかり守り、どうなってもかまわないところは暴露し、かつ空想で補った部分も多いという、「自伝的小説」。
長い。途中嫌気も・・・
とにかく登場人物が多すぎて 「これ誰だっけ?と上巻にある家系図を見ながら読みました。 考えられない世界です。 でもこれより前に「私の遺言」を読んでいたので これは怨念や成仏できてない人がたくさんだと思いました。 この曲もサトウハチローさんの詩か と驚くこともさながら 行動を考えると興醒めしました。 佐藤愛子さんは「漸く」と言う言葉が好きなのか しょっちゅう出てきて目ざわりに感じたのは私だけでしょうか?
一気に読みました
佐藤愛子氏の小説やエッセイは読んだことがありませんが、故遠藤周作氏の著書で佐藤愛子氏のユーモアについて書かれていたのを読んだことがあり、興味を持ちました。 佐藤家はまさに破天荒、波乱万丈という言葉がぴったりきます。登場人物も多いのですが、それぞれの生き方を著者の巧みな表現力によりドラマティックに描かれています。上・中・下3巻もある大作ですが、いづれも迫力があり、飽きることなく読破してしまいました。
愛読書
これほど一気に読んでしまった小説も無い。エンターテイメントを含めても、これほど面白い作品は稀だ。生きてゆく勇気が湧き、度胸が付く作品でもある。つまらぬ他人の目など気にならなくなる。なんらかの苦難に陥っている人が、読むべき作品だ。とくに上巻と中巻は、完璧な傑作だ。下巻も最後まで、緊張感に満ちた文章のメリハリは失われず、「凄い体力と気力だな。」と驚かされた。
上中下一気読み
読みたかったのですが、なかなか気力が沸かず・・・ この夏。やっと読む気になって、一気に読み上げた「血脈/上中下」。 「どいつもこいつもとんでもない奴ら」ばかりの集まり。 「ゆっくり読むか?」という気で読み始めたものの、 読み出したら止まらない。絶え間なく続く大騒動。でも、これが面白い。 昔の人は、正直過ぎるが故に行動が過激になってしまったのか? 「異母」「異父」とはいえ同族の「血」の流れの中で繰り広げられる 実話ってのがまたすごい。 「佐藤家」の「血」もすごいが、これだけのものを、おもしろおかしく、 軽快にわかりやすく、淡々と書き上げた、佐藤愛子さんの血が一番すごいかも

燃えよ剣〈上〉 (新潮文庫)

[ 文庫 ]
燃えよ剣〈上〉 (新潮文庫)

・司馬 遼太郎
【新潮社】
発売日: 1972-05
参考価格: 780 円(税込)
販売価格: 780 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1円〜
燃えよ剣〈上〉 (新潮文庫)
司馬 遼太郎
カスタマー平均評価:  5
あこがれの人
読書嫌いの私が、読書を始めて間もない頃、何となく知っていた司馬遼太郎という名前、燃えよ剣という題名に惹かれ、手に取ったのが、20数年前。以来何百冊という本を読み継いできたが、この本以上に感銘を、影響を受けた本は無い。大局的に見たら、歴史にささやかな抵抗を試みたに過ぎない土方だが、世がどう流れようと、周りが寝返ろうともひたすらに己の筋を通す。筋金入りの生き方をしている人間が少ないなかで、時代が変わっても輝いている。
新撰組に興味のない方にもお勧めです
上下巻合わせて読みました。もともと新撰組にさして興味があるわけでもなく、たまたま知人に紹介され軽い気持ちで購入したのですが、いざ読み始めると、これが面白いのなんの。江戸時代の庶民の生活、男女の関係などディテールがしっかり描写されており、どきどきさせられることがあるかと思えば、一方で徳川慶喜の判断によっては薩長を中心とする新政府樹立が為されなかったであろうこと(今に続く歴史が大きく違っていたであろうこと)も、この小説で初めて知りました。何より土方歳三の軸がぶれない生きざまは、今後の人生の指針となるものであり、この本を読んだ後、人生観がブラッシュアップされたような気がします。
本を手にした瞬間から
先ほど宅配便が届き暇が出来たらゆっくり読破しよう! と、パラパラと捲っている内に既に物語の中へ・・。 気がついたら2時間強が(立ち尽くしたまま)過ぎていました。 さすが司馬ワールド! 自分が思い描いていたとおり、いやそれ以上に魅力的な土方さん、沖田さんにもう夢中です。 今晩は一睡も出来そうにありません♪ 土方ファンには陶酔モノの作品、傑作です!
土方歳三カッコいいホレちまった
司馬遼太郎はいままで手を出せずというか勝手に難しい印象をもっていましたが、これは面白い!幕末というか歴史に疎い人にも是非読んでみることをお勧めします!函館五稜郭に行く前に読んでおくべきだったと後悔しています。(ラッキーピエロのハンバーガーしか記憶にないなんて・・・) 今は「項羽と劉邦」を読んでいて気づいたのですが、この方の小説は登場人物を俯瞰していて一見突き放した印象を受けるのですが人物像の陰影がドラマチックに描写され物語の進行につれてグイグイ引きこまれてしまいます。
美学
その男の生き様を語るためには、その死に様を見よ。 自分の信念を貫き、その信念の為に死んでいく土方歳三。 ここに男の美学を見る。 「男の美学」と聞くと、すでにかなり陳腐で時代錯誤な印象を持たれる人もいるかもしれない。でも、日本人の男なら、いや女性も「美しく生きたい」、心の中ではそう思っているんじゃないだろうか。 世は平成となり、昭和以上に「男」が美しく生きにくい世の中になった気がするが、この作品を読むたびに今の自分を振り返ることができる。 人には「守りたいもの」と「守らなければならないもの」がある。 「守りたいもの」とは自分の外にある大切なもの。家族であったり、恋人であったり。とにかく身をていしても守りたいものである。 では「守らなければならないもの」とは何か? それは「信念」や「誇り」など自分の内に燃えるものだと思う。その「守らなければならないもの」の存在に気づきながらも素知らぬ振りをして、つい愛想笑いを浮かばせて誤摩化してしまうのが常なんだが、そこで「ちょっとまてよ」と、諭してくれる。「燃えよ剣」とはそういう作品なのだ。

火車 (新潮文庫)

[ 文庫 ]
火車 (新潮文庫)

・宮部 みゆき
【新潮社】
発売日: 1998-01
参考価格: 900 円(税込)
販売価格: 900 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1円〜
火車 (新潮文庫)
宮部 みゆき
カスタマー平均評価:  4.5
面白いのだけど
この作品を最初に読んだのは大分前。今回読み直しました。 圧倒的に読者を飽きさせない展開などはさすがだし、 ヒロインの境遇には同情しました。 ただ、カード破産する人の全てがやむを得ず破産する訳ではない。 そして、これは宮部作品の長編に多かれ少なかれ感じることだが、普通の意味の被害者(本作の場合は婚約者を殺された青年)に対する描写にややデリカシーのなさを感じてしまう。 もちろん、基本的に弱者の側から書いているのは素晴らしいし、ひっかかりを感じない作品もあるのですが、長編の場合どうしても全面的に頷けないモヤモヤが残ってしまうことが多い。 なんだかんだいいながら長短編含めて20冊近く読んでいるのに微妙に批判したくなるのはファン心理というものでしょうか^_^; でも、ここにきて実力は申し分ないけれど、いまひとつ肌に合わない作家さんだと思い始めています。
惹き込まれるが・・・
文章が読みやすく安心して物語の中に入って行く事ができる。次々と謎を提示しつつ厭きさせない。長編にもかかわらず一気に最後まで読み通させてしまうのはさすがである。 しかし、人間の描き分けが浅いような気がするのは何故だろう。犯人に惹かれていた3人の男性も名前と仕事が違うだけで結局皆同じような印象で描かれているし、やたらと「美人」という形容詞で女性の登場人物達を表現する。「美人」という言葉を使わずに様々な表現を積み重ねることで読者の心の中に「美人」を感じさせるのが人物描写だと思うのだが、登場人物達が皆薄っぺらに感じられるのもこうしたことに拠るのかも知れない。 ただ、ラストの終わり方は見事。犯人にひとことでもしゃべらせてしまったら物語が崩壊して陳腐な後味しか残らなかったと思う。
途中までは・・・
読みやすく集中できる本でした。 途中までは面白かったけど・・・最期はなんかあれ??って感じでした。 これで終わりかと調子抜けしました。 少々期待はずれでした。
まさに、今読むべき作品
ミステリーというよりは、今のカード社会のダーク面のレポートという感じで読み進めました。個人情報流出やバラバラ殺人なども取り扱っていて、とても10年以上前の作品とは思えません。
いまだ宮部みゆきの断トツベスト
「読めば分かる」というのは、正にこの本のためにある言葉。読み始めて止められなくなり、夜通しで読み終えた記憶が懐かしい。(ラストの邂逅シーンは、後に尾を引く怖さであった。見事なプロットとストーリー・テリングは、今後も日本ミステリー小説史に燦然と輝こう。)個人的には、いまだ宮部みゆき作品の断トツのベストである。

沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇(上) (新潮文庫)

[ 文庫 ]
沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇(上) (新潮文庫)

・山崎 豊子
【新潮社】
発売日: 2001-11
参考価格: 620 円(税込)
販売価格: 620 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1円〜
沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇(上) (新潮文庫)
山崎 豊子
カスタマー平均評価:  4
情念と情景と・・・。
実際に目の前にしているかのようなアフリカの自然と会社の理不尽な仕打ちに慟哭する主人公恩地の情念の描写が絡み合いながら、それこそ息もつかせぬテンポで進むストーリー。 この分量を忘れさせるほどにぐいぐい引き込まれ、「アフリカ編」一気に読みました。 「アフリカ編」の最後は意外とあっけなく・・・な感じでしたが、読み応え有るビジネス小説です!
元・駐在員家族として…。
本作は、全5冊からなる「沈まぬ太陽」の第1部(上下巻)であり、 筋を曲げない硬骨漢の恩地元が、会社組織の中で味わう10年にわたる苦難を描きつつも、 全体の中では、第3巻・御巣鷹山篇の前フリの役割を担っているともいえます。 国民航空社のエリート・恩地が、労組委員長の職責を全うし、従業員の待遇、 すなわち空の安全を軽視する経営側に対し、正義感から激しい権利擁護活動をする。 これら本書の労組・不当労働行為を巡る部分は、労働法の勉強の教材になりそうです。 しかし、その報復人事として、パキスタン・カラチ支店への異動を命じられ…。 物語は、現赴任地ケニア・ナイロビでの野生的かつ空虚な生活が描かれつつ、 臥薪嘗胆の日々が回想されていく…。玉にキズなのは、回想がかなり長く、 やや間延びした構成とも取れる点でしょうか。 本書は、個人の尊厳に対する組織の過酷な仕打ちが克明に描かれており、 大多数の従業員の冷たい視線や理不尽な言動に、宮仕えの悲哀を感じさせます。 もっとも、本編で十分に描かれた国民航空の陰惨な実態が、第3巻、 御巣鷹山の悲劇の前提条件を形成していくという主張が、言外に込められています。 また、個人的に感銘を受けたのが、海外駐在の苦労や、 恩地の家族(妻と兄妹)の心情がリアルに描かれていることです。 私事ですが、私も幼時にのべ11年、アジアの3都市で父親の駐在に付き合いました。 幸い報復人事ではなかったよう(笑)ですが、母と私、妹(恩地家と同一の構成)は、 度重なる引越しや転校が嫌で、私などは情けなくも毎度メソメソしていました。 思うに、本書に表れた、発展途上国での生活の実態、それに対する家族の感情はリアルです。 同時に、おそらく屈託なく仕事をしていたように見えた父も、 少なからず異文化との接触、狭い社内での軋轢に耐えていたのではと推測します。 そういう意味で、本書と第2巻は、私にとってかけがえのない書物です。 そして、現在僻地で頑張る駐在員の方は、ぜひ、お子様に本書を差し上げて下さい。 私は約20年前に本書に出会いたかったです。
これから、すぐに(2)を読み始めます
筆者も心待ちにしていた映画化が実現するとのニュース。 筆者も心待ちにする、これまで映像化が何度も流れてきた、 そんな紆余曲折を耳にし、これは面白いに違いない!と同書を手にしました。 面白いです、実に面白いです。 登場人物も一人一人が丁寧に 描かれており、一気に読みきってしまいました。 これから、(2)をすぐに読み始めます。
物語にのめり込みながら、企業と政治、官僚の癒着構造もわかる名著。
全5巻ですが、のめり込むように一気に読めます。 あくまでフィクションということにはなっていますが、取材と事実に基づいた物語は、 この日本に生きる我々に、数多くの課題をなげかけています。 ほかの先進国の政界や企業、官庁では考えられないような利権、裏工作、癒着の構造。 それを糾弾するどころか、加担さえするジャーナリズム。 主人公にまつわる物語もかなり読み応えがあるし、 御巣鷹山事故の部分は涙なくしては語れませんが、 それより作者が書きたかったのは、こうした日本社会の暗部と それを変えられない憤り、虚しさのようなものだと思いました。 できるだけ多くの日本人に読んでいただきたい本です。
組織と個人の関係を考えさせられる一冊
御巣鷹山事件を題材に、組織が有する不条理が如何に多くの個人の尊厳を踏みにじるかが綿密に描かれています。 将来の出世を約束されながらも自らの信念を貫き通す主人公が、労組問題をきっかけに海外僻地に追いやられ組織から駆逐されていく過程が生々しく語られていきます。御巣鷹山事件というひとつの事件を、一組織にまつわる事件としてのみならず組織外の政府、顧客、従業員やその家族まで含めた社会の一風景として絶妙に切り出している点が臨場感を高めています。 一体どうしてこのようなことが起こりえるのか、会社とは「誰」なのか、主体のない組織が如何に狂気じみた存在か、サラリーマンとして深く考えさせられます。特定の個人や組織だけでなく誰もが有し得る不条理が組織の名のもとに個人の運命を翻弄する様が描かれており、多くの方のレビューにある通りフィクション・ノンフィクションの議論はあるものの、本書は組織と個人の関係を考えさせられる社会心理学的な良書ではないでしょうか。

闇の子供たち (幻冬舎文庫)

[ 文庫 ]
闇の子供たち (幻冬舎文庫)

・梁 石日
【幻冬舎】
発売日: 2004-04
参考価格: 720 円(税込)
販売価格: 720 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 6円〜
闇の子供たち (幻冬舎文庫)
梁 石日
梁 石日
カスタマー平均評価:  4
戦慄を覚える
 タイのスラムの社会福祉センターのナパポーンと音羽恵子たちと、少年少女売春のホテル・プチ・ガトーのソムキャットたちを軸に、貧しい北方出身の二人の姉妹の運命が語られている。  二人とも親のちょっとした贅沢のために(よく見えないテレビや冷蔵庫、中古のバイク)簡単に売られてしまう。その後待っていたのは、絶対恐怖をしみ込ませて客の言うことを何でも聞く性の奴隷だ。姉の方はエイズが感染して、転売され、あげくの果てに黒のゴミ袋につめられて、ゴミとして捨てられてしまう。ゴミ捨て場からかろうじて、ふるさとに戻るが、檻に入れられ、非業の死を遂げる。妹の方も始めは性の奴隷だが、金持ちの日本人の病気のこどものための臓器提供者として殺されてしまう。  梁石日さんは綿密に実態調査の上、小説を練り上げて作られたのだろう。そのリアルさに、その貧しさに、そしてその絶望的状況に子供を持つ親として戦慄を覚えた。
タイの児童売買、小児性愛を暴いた真実の書。先進国も無関係ではない!
この小説をフィクションとして読んで欲しくない。現在、世界にはかたく見積もっても27百万人の奴隷がいる。タイでは、今でも『闇の子供たち』のように、子供たちが国境地帯から誘拐されたり、山間部の農民の無知と貧困につけこみから子供たちが売買されている。こうして売買された子供たちは、都市部の売春宿で拷問され、人間性を破壊され、ヨーロッパ・アメリカ・中東・華僑・日本人たちの性の玩具としていたぶられている。ある子供は、薬物の強要で命を失い、ある者はエイズとなり、生きたままゴミ袋に詰め込まれ、ゴミ処理場に放り込まれる。この文明の発達した現代社会で金儲けの手段として子供たちが使い捨ての消耗品のように消費されている。『闇の子供たち』は小説の形態をとっているが、ここに描かれているのは紛れもない事実でこの小説をルポルタージュといっても過言ではない。 現代の奴隷制は、明らかに違法ではあるが、警察・財界・政治家も、この奴隷利権の構造に組み込まれ何もしようとしないばかりか現代の奴隷制を維持しようとしている。国際社会、先進国政府もこの問題に対する腰は重い。NGOが奴隷を買い取り子供たちを救済すれば、お金になると更に子供の誘拐が増加し救いがない。これらの児童売買の背景には『貧困』があり、先進国による発展途上国の労働力の『搾取』の構造が背景として横たわっている。 小児性愛と奴隷を描いた作品だけに最初から最後までかなりの激しい描写の連続となるが全ての日本人に読んで知ってもらいたい内容だ。
真のヒューマニズムには命を懸ける必要がある
衝撃の作品だ。 これは、小説という形式をとった事で、初めて伝えられる内容なのだろう。 週刊誌でも、TVでも、新聞でも、ルポルタージュでも伝えられない。 否定と様々な「つぶし」が入るだろうから。 最初の版元が解放出版社だから、世に出る事が出来た作品なのだと思う。 メジャーにならなければ、危険すぎて他のメジャー媒体や出版社は追従できなかった内容だ。 幼児売春、幼児臓器売買といった、この世でもっとも卑劣な犯罪を明るみに出した作者の功績は大きい。 幼児売春、幼児臓器売買は、多分、多くの貧困国や貧困地域で行われているのだろうと、ぼんやりとは思っていたが、小説化する事で、そのぼんやりとした感覚が非常に研ぎ澄まされる。 多くのチャリティーが世の中に存在するが、その多くは「餓え」「貧困」のみに焦点が当てられている。この小説を読むと、「餓え」「貧困」にのみ多くのスポットが当てられること自体が、集められた支援を搾取する経済層の陰謀のように感じてくる。 昨年、長期間に渡り、市民デモ占拠によるバンコクの国際空港閉鎖事件があった。 「微笑みの国」とキャッチフレーズを持つタイに何が起こったのかと思ったが、もしかすると、この作品で示唆された様々な問題も包含していたのかもしれないと、作品を読んだ後に思った。 言論の自由と言われながら、この日本でも口に出せないタブーが多く存在している。他の先進国でもそれを感じる事がある。 ましてや、貧富の差が著しい国ならさらにであろう。 真のヒューマニズムの為に、自分ができる事は何があるのか。私も考えて生きたい。 作品を生み出してくれた作者と出版社にお礼を言いたい。
描写がリアル
商品として売買される貧しいアジアの子供たちを題材にした小説。 フィクションということだが、残念ながら実際に似たようなことが 行われているのだろう。 描写がリアルで、ちょっと気持ち悪い部分もあるが、 先が気になってあっという間に読みきってしまった。 ラストは好きだな。
凄惨さだけが取り柄
前半は私たちに「幼児売春」の凄惨さを伝えようとしてくれます。 ですがあくまでも「フィクション」の為に「どこまで作者の妄想?」と首をかしげてしまいます。 正直これだけの描写能力があるのだから、ノンフィクションとして事実だけを伝えてくださった方が良かったかもしれません。 後半はぐだぐだしていて、大変偽善的でした。 特に主人公の女性の気持ちに全く入り込めません。 ここまで主人公の行動の1つ1つに疑問をもったのは初めてです。 また、アジアでは日本人だけが売春をするとでも? また日本自虐思想か・・とあきれてしまいます。 作者が外国人なだけあって、ニュートラルなものを期待したのですが。 作者は「コレコレア」、「ライタイハン」という単語をご存知なのでしょうか? ですがこの小説によって児童売春の悲惨さが世に改めて広まったのは事実です。 日本人に考える機会を作ってくださったことに感謝します、ありがとうございました。

燃えよ剣〈下〉 (新潮文庫)

[ 文庫 ]
燃えよ剣〈下〉 (新潮文庫)

・司馬 遼太郎
【新潮社】
発売日: 1972-06
参考価格: 780 円(税込)
販売価格: 780 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1円〜
燃えよ剣〈下〉 (新潮文庫)
司馬 遼太郎
カスタマー平均評価:  5
傑作です
読み終わったら、すっかり幕府側の人間になっていました・・。 北へ北へと、死に場所を求めて行くような後半。 腹心ともいえる仲間を次から次へと戦地から遠ざけていく“彼”の姿に涙です。
シノビリカ何処で見ても蝦夷の月
史実がどうこう言うやつは読まなくてよい。小説の中の土方歳三でもいいではないか。日ごろ何か物足りなく感じている人、何をしても熱くなれない人、人生どうしようか悩んでいる人、とにかく読んでみるべき。前に進み続け、最後まで戦った新撰組副長土方歳三の熱い熱い生き様を見よ。
ハードカバーのみにあるあとがきもオススメ。
この作品がどんな傑作であるかは他の方のレビューを読んでください。老若男女学歴問わず面白く読める傑作です。中学生女子でも読めました。それから15年経過した今も面白く読んでいます。 ところで文庫版は陳舜臣さんの解説が載っています。こちらはこちらでしみじみ味わい深いのですが、私的にはハードカバー版にある司馬氏のあとがきを是非読んでいただきたい! 素晴らしいあとがきです。この作品を読んでよかった、司馬遼太郎に出会い、同時代人で良かったと思えるもの。 関東に住む私は、20歳の頃、あとがきの通りに浅川にとげのついた葉を摘みに行きました。その当時、ちゃんと生えていました。 文庫は手軽さが良いですね。作品を読むには文庫が楽です。もし、作品がとても気に入ったら、是非ハードカバーも探してみてください。
なるほど、会社で役に立ちます!
読んだきっかけは、なんで歴史小説を読むことが会社のなかで役に立つのか?という疑問からでした。よく経営者の方が歴史小説を読んで学びを得る、という話をしているので。。。 結果はなるほど!でした。 ひとつの会社組織がひとつの部隊に置き換えられ、ひとつの役職がひとつの部隊の位とぴったり一致しました。 物語は、時代の境目となる幕末を新選組の策士(喧嘩師)であった土方を通して描く。彼が武州という片田舎の一剣客であった青年期から、世間を震え上がらせた新選組副長にまで上り詰め、戊辰戦争で敗走しながらも最後まで戦場に身をおいた物語である。 リーダー像、組織の中での役割、組織の中での地位を高める方法、時勢を捉えることで大きく活躍できる、信念、などをこの本から学びました。 以下に、下巻からのみですが、目にとまったキーワードを列挙します。 『悩まざる姿をつねにわれわれ幕下に見せ、幕下を仰いで泰山のごとき思いをさせるのが、大将だ。』 『男の一生というものは』『美しさを作るためのものだ、自分の。そう信じている』 鳥羽伏見の戦いのとき、慶喜不在の幕府軍をみて、大坂夏の陣を思い出しながら、土方が考えたこと。大将がでれば、士卒はふるい、倍の力をだすものである。 土方流の軍学。喧嘩をする時はかならず地形偵察をし、地図を作ってからやった。…諜報その他によって得た敵の配置を克明に書き入れてある。だが敵情は変化する、喧嘩する前には忘れ、とらわれない。 市会議員程度の器で政治に関わりすぎる近藤への反発を覚えているところでの一節:政治家がもつ必須用件は、哲学を持っていること、世界史的な動向の中で物事を判断できる感覚。 榎本との会話で、近藤局長を思い出しながらの一節:総帥には、途方もない楽天家という資質の人がつとまるのかもしれない。
利益だけを求めるよりも
下巻では時代の波に取り込まれながら踊らされる近藤勇。そして内部の粛正。一人、また一人と減っていく隊士たち。最後まで筋を通そうとする土方歳三の姿が描かれる。 士族ではないが、最後の最後まで戦い抜きもっとも“士(さむらい)”らしい生き方をした土方歳三に清冽な印象を覚える。 男の美学がここにあると思います。

密謀 (下) (新潮文庫 (ふ-11-13))

[ 文庫 ]
密謀 (下) (新潮文庫 (ふ-11-13))

・藤沢 周平
【新潮社】
発売日: 1985-09
参考価格: 540 円(税込)
販売価格: 540 円(税込)
( 通常2〜4週間以内に発送 )
中古価格: 348円〜
密謀 (下) (新潮文庫 (ふ-11-13))
藤沢 周平
カスタマー平均評価:  4.5
歴史のなぜ?がおもしろい
三成と兼続の間には密約があったのか? なぜ上杉家は、関ヶ原に向かう家康を 追撃しなかったのか? そんな疑問に答えてくれます。 義を重んじ家康に挑戦した直江状。 軍神と呼ばれた謙信の家を 存続させるために取った決断。 おすすめの作品です。
歴史が嫌いでも 大丈夫! 大いに楽しめます!
亡き著者55歳の作品。 来年2009の大河ドラマ 直江兼続の「天地人」がまさにこの本の内容。その影響で今また脚光浴び、本の帯も新しくなって、さぞや著者も喜んでいることでしょう。  また、同郷で、且つ、直ぐ近くに春日山城がありながらも、全く上杉謙信、景勝、直江兼続の知識が無かったそれがしも、しっかりお勉強させていただきました。感謝 感謝! これでもか!これでもか!!と言うくらいに戦国武将が出てきます。時代小説が好きでも、歴史上の人物が登場する本が大嫌いで今まで避けてきた分、当然全く無知だった部分にたっぷり知識が蓄積されました。 そうか、豊臣秀吉はこういう人物で、織田信長はこうで、徳川家康はこんなやつだったか? 更に、石田三成がこうで、上杉謙信、景勝の「義」とはこうで、直江兼続はこんなだったか? そうこう言いながら、 この(下巻)はワクワクしながら読みました。さすがは藤沢周平さん、この人の本でなければ絶対に読んでなかったことは言うまでもない。 更に、最後ほのぼのさせてくれる場面は、この著者独特のもの、思わず苦笑いしてしまいました。 火坂雅志著「天地人」NHK出版 とは全く違った、小説家 藤沢周平の世界が堪能できます。 ■お薦め度:★★★★★(戦国武将がほとんど出てくることを覚悟の上で読んで下さい。でも、超お薦めです)
時代とは。
二つの謎がある。なぜ上杉は、地理的に不利な豊臣方に荷担したのか。なぜ上杉は関が原のとき参戦しなかったのか。結局「謙信以来の誇り」ということなのだろうと思う。それだけではよくわからないという人は本書を読んで欲しい。といっても、あまりにもさらりと書いているので、私には少々不満だった。(こここそが眼目だろうに)

けれどもじつはこれは眼目ではなかったのかもしれない。戦国時代時代に翻弄される藩を描いて、現代の会社を連想する人多いだろう。そういう翻弄する波の姿こそを描きたかったのかも。最後、草たちのそれぞれの運命が清清しい。


血脈 (下) (文春文庫)

[ 文庫 ]
血脈 (下) (文春文庫)

・佐藤 愛子
【文芸春秋】
発売日: 2005-01
参考価格: 840 円(税込)
販売価格: 840 円(税込)
( 通常2〜4週間以内に発送 )
中古価格: 365円〜
血脈 (下) (文春文庫)
佐藤 愛子
カスタマー平均評価:  4
「事実は小説よりも奇なり」とは言うけれど
物理的な長さもさることながら、登場人物に誰ひとりとして「まっとうな」人間が出てこない上に、
これがひとつ残らずすべてが実話であるという事実に圧倒される。
珠玉の詩をたくさん書いたサトウハチローの私生活の凄まじさ、それを容赦なく描き切ろうとする
彼の異母妹である著者もまた(外から見れば)波乱の人生を歩んできた人。
それにしても、ここまで書いてもいいんだろうかと心配するくらい。
読んでいくうちに、登場人物たちにエネルギーをどんどん吸い取られていくようで、いつも緊張していた。
読み終わっての感想は、「面白かった」というよりは「開放された」という表現に近い。
執筆期間が長かったせいもあるとは思うが、途中何箇所か中だるみを感じた部分があったので、評価としては星ひとつ減点。

村上春樹ハイブ・リット

[ 単行本 ]
村上春樹ハイブ・リット

・村上春樹(編・訳) ・柴田元幸(総合監修)
【アルク】
発売日: 2008-11-28
参考価格: 2,500 円(税込)
販売価格: 2,500 円(税込)
 Amazonポイント: 25 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 3,823円〜
村上春樹ハイブ・リット ※一部大型商品を除く
村上春樹(編・訳)
柴田元幸(総合監修)
カスタマー平均評価:  4.5
書いて生きるという人生のの秘訣
わずか数ページの小説家村上春樹氏の独白のような前書きに感動して買ってしまいました。氏にとって、小説を書くことが本業とすれば、翻訳は、人が、趣味と呼ぶものにあたり、お気に入りの他人の文章を愛情を込めて丁寧に読み、自分の日常言語である日本語に移し変えることによって、良い文章の秘密を探ることができ、小説家道の、鍛錬の両輪になっているということでした。長い間、小説家として、自覚的に孤独を選んできたものにとって、翻訳は<文章の師>であり、<文学仲間>のようであったというあたり、私は、村上作品は、昔、姉が置いていった本の中にあった、<ノルウェイの森>くらいしか拝読したことはなかった(エッセイは拝読した)けれど、ぜひ村上さんの文学のお友達になりたいな、なんて思ってしまいました。
英語の勉強になる
こういう本に出会えたことに感謝。 作者自身の声に触れることが出来たことにも感謝。 それにしても原文、訳文、音声と揃えば、勉強に使えることは間違いない。 カーヴァーの文章は、耳から入ると全然違った雰囲気で聞こえてくる。 短編というものには無駄がないということが改めて理解できた。

密謀 (上巻) (新潮文庫)

[ 文庫 ]
密謀 (上巻) (新潮文庫)

・藤沢 周平
【新潮社】
発売日: 1985-09
参考価格: 620 円(税込)
販売価格: 620 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 110円〜
密謀 (上巻) (新潮文庫)
藤沢 周平
カスタマー平均評価:  4.5
サラリーマンの生き方指南としても参考になると思いました
印象的だったのは、上杉景勝が徳川家康への降伏を決断する時の言葉でした。 サラリーマンにも参考になる言葉だと思いました。 「自分は家康のような天下人ではなく武者だ。戦場のことなら誰も恐れないが、政治好きではないし、それを行う器量も無い。」 負け惜しみでもなく、己を知って本音からそのように言い切れる。カッコ良さを感じました。 サラリーマン社会でも、偉い地位を目指すのも良いし、はたまた専門分野で仕事人になるのも良いし。そのような中、後者的な人間には目の覚める言葉だと思います。
石田光成と直江兼続
大河ドラマの原作「天地人」よりも面白そうなので、こちらを手に取りました。 織田から豊臣、徳川へと天下が移っていく中で、上杉がどのような行動をとったのか、策士直江兼続の智謀を元に描かれます。 その時代に活躍したであろう間者の行動も物語に彩りを添えていてとてもおもしろい。 個人的には、上杉といえば上杉謙信しか思いつかなかったのに、上杉景勝に光が当てられ さらに上杉家が綿々とつながっていき、次に読んだ赤穂浪士につながっていくのが興味深い。 石田光成と通じていながら関が原には参戦せず、家を守った上杉景勝の判断に惹かれました。
歴史小説は苦手なのだが…
今年の大河ドラマの直江兼続を扱った小説であるということ、ほとんどの戦国大名が登場してくるというレビュー(これ一冊読めば、大方のことが分かるかな?という横着心)、さらにお気に入りの藤沢周平の小説ということで読み始めた。 何しろ信長、秀吉、家康くらいしか知識がない(笑)。 あとはせいぜい明智光秀、武田信玄、上杉謙信の名前だけは知っている程度。 3分の1くらいまでは、何度も投げ出そうと思った。 が、しかし、豊臣秀吉が力を増していくあたりから、すらすら読めるようになった。 私の印象でも、前半は秀吉、後半は石田三成と、謙信亡き後の在りようを探る上杉家中を、兼続の目を通して描いた物語と感じた。 読み終えて、まず「秀吉亡き後、なぜ家康だったのか」 「石田三成とはどういう人間だったのか」 「今一つ知られていないが、 景勝は謙信というカリスマ亡き後、まずまず上杉の家を堅実に守ったのではないか」 これらのことを作者は述べたかったのではないか、と感じた。 才気走っていたが、愛敬にかけ、今一つ人望が得られなかった三成、謙信の生きた時代とは違う情勢のもと手堅く上杉家を守った景勝の横顔が、くっきり見えて来るような小説である。
政と業
政治と業界ではなく、 「まつりごと」と「ごう」です。 直江の話しよりも、秀吉、家康の権力欲の 凄まじさを直江の口から説明させている感じです。 そして、景勝の佇まいが、藤沢調で凛とした感じを 際だたせています。 某TVの主役よりも、俄然、景勝に興味を持ちました。 個人的には、本筋ではない静四郎の話しが好きでした。 どうせ読みますので、上下巻で購入すべきです。
大人っぽい時代小説
藤沢周平というと最近の映像化ブームで「夫婦愛」「庶民派」みたいな印象がありますが、実際には時代小説の短編などでも文章がとても上手くて、 軽妙洒脱、そして穏やかな主張はあっても、それが決して押し付けがましくない点も美点だと思われます。 数年前、最初にこれを読んだ時、藤沢さんの時代小説は初めてで、上巻は私が有名武将しか知らない為に少し苦労しましたが(日本史オンチだったので;)中盤以降はどんどん面白くなってきます。 さりげない言葉や文章での心情描写はさすがという他ありません。 藤沢作品なのであからさまに敵対する武将を悪く書いたり、上杉を贔屓したりという描写は少ないのですが、その分読み手としては想像力を働かせる余地があるという印象です。 この作品を読むと「義」を掲げながらも一面では冷静沈着な知将だった直江兼続、謙信の精神をそのまま受け継いだ上杉景勝贔屓になりますね。 兼続を「いい人」すぎる人に描写していないのに、彼の生き方には感銘を受けます。 景勝も男が惚れる武将だったことがわかります。 そして、この時代は草(忍者)を使うのが当たり前だったこともわかります。 三十石に減らされてからの話もこの文章で読みたかった気はしますが、繰り返し読みたくなる余韻と深みのある作品です。 「直江と石田が密約を交わしたという証拠はない」とした上で書かれているのにも好感が持てました。戦国武将の人間性を描きながらも、捏造だらけという印象はありません。 兼続にまつわる女性達の描写がほぼないのが原因かもしれませんが、これが大河の原作がこれだったらなあ…と残念になります。

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 更新日 2009年5月10日(日)  ※ 表示価格は更新時のものです!      メール      相互リンク

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